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旅立ち
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そうして蒸し風呂の中で目が眩むような快感を貪り合ったタカヒロとミルティア。
ミルティアが人目を偲んで自宅に戻ろうという頃には、既に空は白み始めていた。
「ふひひ。それじゃあ、人々を苦しめているという魔王とやらを退治する旅に出るとしますかのう」
随分と夜遅くまで行為に耽っていたにも関わらず、爽やかな表情で村の入り口に立つ勇者タカヒロ。
召喚された時のような、ボロボロのTシャツとジャージ姿から、この世界での新米冒険者が最初に身に付ける、簡素な皮の鎧と盾、探検を腰に下げたタカヒロは意気揚々として出発の言葉を口にする。
「それでは、魔王を討滅せんとする勇者タカヒロ様に、女神フォルトゥナのご加護があらんことを」
今まさに旅に出発しようとするタカヒロを、村人が総出で見送っている。
そのどれもが、醜悪な容姿と下品な態度に、不快な顔を示している。それでも彼らが信奉するミルティアが召喚した英雄ならば仕方ない、と嫌々ながら見送りに来ているのが見て取れる。
その中で唯一、嬉々とした微笑を浮かべて優しく見送っているのはミルティアだった。
ミルティアの方は、さすがに疲れが顔に出ており、目の下には隈が出来ており、やややつれたような顔つきをしている。
「本当にお気を付けて下さいね。そして魔王を倒した後は、必ずこの村にお戻りくださいね」
タカヒロの安否を気遣うミルティアの瞳は真剣そのものだった。
ミルティアはタカヒロの側に駆け寄って、彼の両手をしっかりと握りしめる。
誰もが振り向くくらいの清楚な美少女が、誰もが眼を背けたくなるような肥満中年男の手を熱っぽく握るその光景は、誰が見ても違和感しかなく、周りで見ているフォルトゥナ教の信者たちは驚きに目を見開くのだった。
そんな彼らの視線を受けながら、タカヒロはにんまりと笑って、ミルティアの耳元に口を寄せると。
「ぐひひ。戻ってきた際は、是非またオナニーの見せ合いをしましょうぞ」
生暖かい息を吹きかけられながら囁かれたミルティアは、うっとりと目を細めると
「--はい。楽しみにしています」
艶っぽいその声が、後にこの世界を救う勇者タカヒロを送る言葉となったのだった。
勇者タカヒロの冒険譚が、今始まる。
ミルティアが人目を偲んで自宅に戻ろうという頃には、既に空は白み始めていた。
「ふひひ。それじゃあ、人々を苦しめているという魔王とやらを退治する旅に出るとしますかのう」
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「それでは、魔王を討滅せんとする勇者タカヒロ様に、女神フォルトゥナのご加護があらんことを」
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そのどれもが、醜悪な容姿と下品な態度に、不快な顔を示している。それでも彼らが信奉するミルティアが召喚した英雄ならば仕方ない、と嫌々ながら見送りに来ているのが見て取れる。
その中で唯一、嬉々とした微笑を浮かべて優しく見送っているのはミルティアだった。
ミルティアの方は、さすがに疲れが顔に出ており、目の下には隈が出来ており、やややつれたような顔つきをしている。
「本当にお気を付けて下さいね。そして魔王を倒した後は、必ずこの村にお戻りくださいね」
タカヒロの安否を気遣うミルティアの瞳は真剣そのものだった。
ミルティアはタカヒロの側に駆け寄って、彼の両手をしっかりと握りしめる。
誰もが振り向くくらいの清楚な美少女が、誰もが眼を背けたくなるような肥満中年男の手を熱っぽく握るその光景は、誰が見ても違和感しかなく、周りで見ているフォルトゥナ教の信者たちは驚きに目を見開くのだった。
そんな彼らの視線を受けながら、タカヒロはにんまりと笑って、ミルティアの耳元に口を寄せると。
「ぐひひ。戻ってきた際は、是非またオナニーの見せ合いをしましょうぞ」
生暖かい息を吹きかけられながら囁かれたミルティアは、うっとりと目を細めると
「--はい。楽しみにしています」
艶っぽいその声が、後にこの世界を救う勇者タカヒロを送る言葉となったのだった。
勇者タカヒロの冒険譚が、今始まる。
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