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第1章 危険な夢のはじまり
3話
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「ごめんね~、うちの課、変な人ばっかで」
大輔の隣を歩く桂奈が、謝罪の言葉を述べながら明るく笑った。
衝撃の挨拶の後、原の指示で桂奈が大輔を荒間署内の案内に連れ出した。
地下一階、地上四階の五階建の荒間署は、地下一階にパトカーなど警察車両の駐車場と、それらを管理する車両係、そして霊安室がある。一階は正面玄関と総合受付、受付担当の警務課に交通課、署長室。二階には刑事課、組織犯罪対策室、取調室と留置施設がある。三階は大輔の配属された生活安全課、地域課、警備課、小さな会議室が入る。最上階の四階には武道場、二つの大会議室と、仮眠室があった。
エレベーターホールでエレベーターを待つ大輔と桂奈は、地下一階の車両係を見学した後、一階に移動するところだった。
警察署の建物など、どこも似たようなものだが、荒間署は数年前に建て替えられて、まだ新築のようにきれいだ。設備も前にいた署よりずっと新しい。エレベーターも洒落て、オフィスビルのような近代的なデザインだ。しかし真新しい建物も、大輔の気持ちを明るくしてくれない。
「いえ⋯⋯別に⋯⋯」
怒っていない。と言いたいところだが、嘘も吐けなくて渋面になる。その顔で隣に目を向けると、背の高い桂奈とほぼ同じ高さで目が合った。その目の楽しそうな色に、大輔はますます不機嫌になる。
上下関係が絶対! の警察組織の中で、先輩にこんな態度を取るのはかなりまずい。しかも配属初日に。しかし相手が女性だからか、それとも桂奈が持つ柔らかな雰囲気のせいか、職場にいながら素直になってしまう大輔だった。
「ひどいですよ、小野寺さんも水口さんも。なんですか、DDって⋯⋯」
「あははは、あれは一太くんの悪い癖。あの子ね、スパイ映画に憧れて警察入ったんだって。ま、現実はスパイとは程遠い生活安全課だけど」
「はあ⋯⋯なる、ほど」
自分も刑事ドラマに憧れて警察官になった口なので、それについてはなにも言えない。しかし、あの口の軽そうな一太にスパイは絶対無理だ、とは思う。
大輔の胸の内を読み取ったかのように、桂奈の目が愉快そうに輝く。
「一太くん、スパイに憧れるあまり、コードネーム? みたいなのつけるのが癖なのよ。小野寺さんはOKだって」
「⋯⋯オーケー?」
「小野寺晃司、イニシャルがOKで⋯⋯オッパイ刑事」
小野寺さん、おっぱい星人だから。と、桂奈はアッケラカンと笑った。
(さすが、あの変態刑事のあだ名だな)
大輔は納得して無言で頷いた。
「原係長は⋯⋯原昭だからHA。昼行燈だって」
思わず、ブッと噴いてしまう。
「⋯⋯それにしても、全部ダジャレじゃないですか!」
しかもかなり下手くそな。そう大輔が文句をつけると、桂奈はケラケラと笑った。 楽しそうに笑う桂奈を眺め、大輔が頭を捻る。
「その法則でいくと、古谷さんは桂奈さんだから⋯⋯FK?」
フリーキック? と思い浮かべるも、背は高いが細身の桂奈が、サッカーをしているようには見えない。なんのダジャレだろう? と訊く前に、桂奈が話題を変えた。
「桂奈、でいいよ大輔くん。うちの課の人みんなそう呼んでるから。話は変わるけど大輔くん、刑事課志望なんだって?」
「え?! は、はい⋯⋯」
急な話題転換と、その質問に戸惑いつつ、正直に頷く。
「あ、なんで知ってるんだ? て驚いてる? 係長に聞いたの。久しぶりに保安係に新人が来るから、みんな興味津々で」
あたしもね。と、桂奈がイタズラっぽく笑う。少女のような笑顔に、質問攻めも許してしまえそうだ。
「先月まで県北の交番勤務だったんでしょ? 交番の時は寮暮らし?」
「はい。今は、実家ですけど」
「へぇ? じゃあ大輔くん、S県出身なんだ? どこ?」
「えっと、今実家があるのはK市なんですけど⋯⋯」
そこで少し悩む。しかし、隠すことではないので、話すことにした。
「生まれたのは荒間なんです。小学校の二年まで、荒間の駅向こうに住んでました」
桂奈が切れ長の目をまん丸にして振り返る。
「そうなんだ! 荒間っ子! それなのに童⋯⋯」
「桂奈さん!」
質問攻めを許したことを後悔する。大輔が怒っても、桂奈はカラカラと笑っていた。
エレベーターが、ようやくやって来る。桂奈が先に乗り込み、行き先ボタンの一階ではなく二階を押した。
「ごめんごめん。先に刑事課に連れてってあげるから、怒らないでよ。⋯⋯ちなみに大輔くんは、どうして刑事になりたいの?」
色んな人に、何度も訊かれた質問だ。大輔はいつも、「凶悪犯を捕まえたい」など、もっともらしい答えを述べてきたが――今日はなぜか、正直に話したくなった。
「水口さんのこと笑えないんです。俺⋯⋯刑事ドラマに憧れて」
「そうなんだ? でもそういう人、結構多いから全然恥ずかしくないよ。なんのドラマ?」
女刑事――という怖そうな職業だが、桂奈の持つ雰囲気は非常に女性らしい。ついつい口が軽くなる。
「デカダマ、て覚えてます?」
「知ってる! でもあのドラマ⋯⋯二十年ぐらい昔だよね?」
「はい。たぶん、俺が小学校入るか入らないぐらいで⋯⋯」
「やだ! 二十年前だと大輔くん、まだ小学校入ってないんだ!」
美人刑事も、女性らしく年など気にするのだと知ると、より桂奈に親近感を抱いた。
「二十年前だと、古谷⋯⋯桂奈さんは高校生ですか?」
「失礼ね! まだ小学生よ! ギリギリだけど」
可愛らしく拗ねた後、年齢をいじられたのがよっぽど気に障ったのか、キツイ一言を放たれる。
「童貞刑事って、署内中に言い触らしてやろうかしら」
「か、桂奈さん! それだけは勘弁して⋯⋯」
タイミング悪く、エレベーターの扉が開いた。
童貞――のまさにその時だった。
「⋯⋯どう、てい?」
地獄の底から響いてきたような、低く恐ろしい声がした。 その直後、桂奈が急に畏まって姿勢をピンと伸ばす。
「ほ、穂積管理官! ご苦労さまです!」
それから堅い敬礼をした。 大輔が「あ!」と声を上げる。
「朝の電車の!」
桂奈が敬礼した相手は、朝の痴漢電車で見かけたあの――美青年だった。
穂積管理官――と桂奈に呼ばれた美青年が、不審げに顔を歪める。
管理官――S県警本部捜査一課管理官。田舎の交番ではそうそう出会うことのない、県警本部の幹部だ。大輔は急激に緊張した。額に冷や汗が浮かぶのを感じながら、正面の上司を見つめる。
彼はやはり――憧れの玉木刑事ソックリ、いや、そのものだった。
日本人離れした彫の深い顔立ち。磁器のように白い肌。赤みがかった茶色の、柔らかそうな髪。薄茶の瞳を縁取るまつ毛はアンティークドールのようにフサフサして、瞬きするだけでも重たそうだ。
大輔が着ている紳士服チェーンの、二着でいくらのスーツとは絶対に桁の違う、品の良い三つ揃えのスーツに身を包んだ上司は、幼い頃から憧れ続けたタマにしか見えなかった。
「ちょっと大⋯⋯堂本巡査! 挨拶!」
桂奈に強烈なひじ打ちを食らって、ようやく我に返る。
「失礼しました! 本日付で生活安全課保安係に配属されました、堂本大輔巡査です!」
「ふ~ん、君⋯⋯童貞なの?」
穂積、と呼ばれた管理官の目が鋭く光った――気がした。
(これが⋯⋯凶悪殺人犯を落とす、捜査一課の眼力!)
大輔は憧れのタマによく似た男に、すっかり舞い上がっていた。
「はい! あ⋯⋯いえ!」
どっちつかずの答えに穂積は一瞬ポカンとして、それからクスッと笑った。
まるで、花が咲いたような華やかさだった。大輔は穂積の笑顔に、目を奪われた。
「ま、どっちでもいいけど⋯⋯署内で交わす会話ではないね。しかも君たちは女性と男性だ。セクハラ騒ぎにでもなったら大事だろ?」
隣の桂奈が、あからさまに「しまった」という顔をする
「セクハラなんて! か⋯⋯古谷巡査長は自分を案内してくれてただけです!」
桂奈を庇わなくては、と思って出た言葉だったが、普通セクハラは男性から女性にされることが多く、穂積が気にしたのも大輔から桂奈へのセクハラだったはずだ。
そのことに大輔が気づく前に、桂奈と穂積が同時に笑い出す。
「ちょっと大輔くん! 逆逆!」
「君の言う通りだ。女性から男性に対するセクハラもあるね、肝に銘じておくよ。えっと⋯⋯堂本巡査?」
「は、はい!」
穂積が大輪のバラのように微笑む。
「これから本部に戻るんだけど、送ってもらえるかな? 古谷巡査長、そのように原係長に伝えてもらえる?」
「わ、わかりました⋯⋯」
桂奈が切れ長の目を丸くして頷く。大輔もまた目をパチパチと瞬かせた。
(なんで俺?)
「行くよ、堂本巡査」
憧れの人ソックリな上司に突然運転手に指名された大輔は、今さっき案内されたばかりの車両係に、大慌てで引き返すことになった。
大輔の隣を歩く桂奈が、謝罪の言葉を述べながら明るく笑った。
衝撃の挨拶の後、原の指示で桂奈が大輔を荒間署内の案内に連れ出した。
地下一階、地上四階の五階建の荒間署は、地下一階にパトカーなど警察車両の駐車場と、それらを管理する車両係、そして霊安室がある。一階は正面玄関と総合受付、受付担当の警務課に交通課、署長室。二階には刑事課、組織犯罪対策室、取調室と留置施設がある。三階は大輔の配属された生活安全課、地域課、警備課、小さな会議室が入る。最上階の四階には武道場、二つの大会議室と、仮眠室があった。
エレベーターホールでエレベーターを待つ大輔と桂奈は、地下一階の車両係を見学した後、一階に移動するところだった。
警察署の建物など、どこも似たようなものだが、荒間署は数年前に建て替えられて、まだ新築のようにきれいだ。設備も前にいた署よりずっと新しい。エレベーターも洒落て、オフィスビルのような近代的なデザインだ。しかし真新しい建物も、大輔の気持ちを明るくしてくれない。
「いえ⋯⋯別に⋯⋯」
怒っていない。と言いたいところだが、嘘も吐けなくて渋面になる。その顔で隣に目を向けると、背の高い桂奈とほぼ同じ高さで目が合った。その目の楽しそうな色に、大輔はますます不機嫌になる。
上下関係が絶対! の警察組織の中で、先輩にこんな態度を取るのはかなりまずい。しかも配属初日に。しかし相手が女性だからか、それとも桂奈が持つ柔らかな雰囲気のせいか、職場にいながら素直になってしまう大輔だった。
「ひどいですよ、小野寺さんも水口さんも。なんですか、DDって⋯⋯」
「あははは、あれは一太くんの悪い癖。あの子ね、スパイ映画に憧れて警察入ったんだって。ま、現実はスパイとは程遠い生活安全課だけど」
「はあ⋯⋯なる、ほど」
自分も刑事ドラマに憧れて警察官になった口なので、それについてはなにも言えない。しかし、あの口の軽そうな一太にスパイは絶対無理だ、とは思う。
大輔の胸の内を読み取ったかのように、桂奈の目が愉快そうに輝く。
「一太くん、スパイに憧れるあまり、コードネーム? みたいなのつけるのが癖なのよ。小野寺さんはOKだって」
「⋯⋯オーケー?」
「小野寺晃司、イニシャルがOKで⋯⋯オッパイ刑事」
小野寺さん、おっぱい星人だから。と、桂奈はアッケラカンと笑った。
(さすが、あの変態刑事のあだ名だな)
大輔は納得して無言で頷いた。
「原係長は⋯⋯原昭だからHA。昼行燈だって」
思わず、ブッと噴いてしまう。
「⋯⋯それにしても、全部ダジャレじゃないですか!」
しかもかなり下手くそな。そう大輔が文句をつけると、桂奈はケラケラと笑った。 楽しそうに笑う桂奈を眺め、大輔が頭を捻る。
「その法則でいくと、古谷さんは桂奈さんだから⋯⋯FK?」
フリーキック? と思い浮かべるも、背は高いが細身の桂奈が、サッカーをしているようには見えない。なんのダジャレだろう? と訊く前に、桂奈が話題を変えた。
「桂奈、でいいよ大輔くん。うちの課の人みんなそう呼んでるから。話は変わるけど大輔くん、刑事課志望なんだって?」
「え?! は、はい⋯⋯」
急な話題転換と、その質問に戸惑いつつ、正直に頷く。
「あ、なんで知ってるんだ? て驚いてる? 係長に聞いたの。久しぶりに保安係に新人が来るから、みんな興味津々で」
あたしもね。と、桂奈がイタズラっぽく笑う。少女のような笑顔に、質問攻めも許してしまえそうだ。
「先月まで県北の交番勤務だったんでしょ? 交番の時は寮暮らし?」
「はい。今は、実家ですけど」
「へぇ? じゃあ大輔くん、S県出身なんだ? どこ?」
「えっと、今実家があるのはK市なんですけど⋯⋯」
そこで少し悩む。しかし、隠すことではないので、話すことにした。
「生まれたのは荒間なんです。小学校の二年まで、荒間の駅向こうに住んでました」
桂奈が切れ長の目をまん丸にして振り返る。
「そうなんだ! 荒間っ子! それなのに童⋯⋯」
「桂奈さん!」
質問攻めを許したことを後悔する。大輔が怒っても、桂奈はカラカラと笑っていた。
エレベーターが、ようやくやって来る。桂奈が先に乗り込み、行き先ボタンの一階ではなく二階を押した。
「ごめんごめん。先に刑事課に連れてってあげるから、怒らないでよ。⋯⋯ちなみに大輔くんは、どうして刑事になりたいの?」
色んな人に、何度も訊かれた質問だ。大輔はいつも、「凶悪犯を捕まえたい」など、もっともらしい答えを述べてきたが――今日はなぜか、正直に話したくなった。
「水口さんのこと笑えないんです。俺⋯⋯刑事ドラマに憧れて」
「そうなんだ? でもそういう人、結構多いから全然恥ずかしくないよ。なんのドラマ?」
女刑事――という怖そうな職業だが、桂奈の持つ雰囲気は非常に女性らしい。ついつい口が軽くなる。
「デカダマ、て覚えてます?」
「知ってる! でもあのドラマ⋯⋯二十年ぐらい昔だよね?」
「はい。たぶん、俺が小学校入るか入らないぐらいで⋯⋯」
「やだ! 二十年前だと大輔くん、まだ小学校入ってないんだ!」
美人刑事も、女性らしく年など気にするのだと知ると、より桂奈に親近感を抱いた。
「二十年前だと、古谷⋯⋯桂奈さんは高校生ですか?」
「失礼ね! まだ小学生よ! ギリギリだけど」
可愛らしく拗ねた後、年齢をいじられたのがよっぽど気に障ったのか、キツイ一言を放たれる。
「童貞刑事って、署内中に言い触らしてやろうかしら」
「か、桂奈さん! それだけは勘弁して⋯⋯」
タイミング悪く、エレベーターの扉が開いた。
童貞――のまさにその時だった。
「⋯⋯どう、てい?」
地獄の底から響いてきたような、低く恐ろしい声がした。 その直後、桂奈が急に畏まって姿勢をピンと伸ばす。
「ほ、穂積管理官! ご苦労さまです!」
それから堅い敬礼をした。 大輔が「あ!」と声を上げる。
「朝の電車の!」
桂奈が敬礼した相手は、朝の痴漢電車で見かけたあの――美青年だった。
穂積管理官――と桂奈に呼ばれた美青年が、不審げに顔を歪める。
管理官――S県警本部捜査一課管理官。田舎の交番ではそうそう出会うことのない、県警本部の幹部だ。大輔は急激に緊張した。額に冷や汗が浮かぶのを感じながら、正面の上司を見つめる。
彼はやはり――憧れの玉木刑事ソックリ、いや、そのものだった。
日本人離れした彫の深い顔立ち。磁器のように白い肌。赤みがかった茶色の、柔らかそうな髪。薄茶の瞳を縁取るまつ毛はアンティークドールのようにフサフサして、瞬きするだけでも重たそうだ。
大輔が着ている紳士服チェーンの、二着でいくらのスーツとは絶対に桁の違う、品の良い三つ揃えのスーツに身を包んだ上司は、幼い頃から憧れ続けたタマにしか見えなかった。
「ちょっと大⋯⋯堂本巡査! 挨拶!」
桂奈に強烈なひじ打ちを食らって、ようやく我に返る。
「失礼しました! 本日付で生活安全課保安係に配属されました、堂本大輔巡査です!」
「ふ~ん、君⋯⋯童貞なの?」
穂積、と呼ばれた管理官の目が鋭く光った――気がした。
(これが⋯⋯凶悪殺人犯を落とす、捜査一課の眼力!)
大輔は憧れのタマによく似た男に、すっかり舞い上がっていた。
「はい! あ⋯⋯いえ!」
どっちつかずの答えに穂積は一瞬ポカンとして、それからクスッと笑った。
まるで、花が咲いたような華やかさだった。大輔は穂積の笑顔に、目を奪われた。
「ま、どっちでもいいけど⋯⋯署内で交わす会話ではないね。しかも君たちは女性と男性だ。セクハラ騒ぎにでもなったら大事だろ?」
隣の桂奈が、あからさまに「しまった」という顔をする
「セクハラなんて! か⋯⋯古谷巡査長は自分を案内してくれてただけです!」
桂奈を庇わなくては、と思って出た言葉だったが、普通セクハラは男性から女性にされることが多く、穂積が気にしたのも大輔から桂奈へのセクハラだったはずだ。
そのことに大輔が気づく前に、桂奈と穂積が同時に笑い出す。
「ちょっと大輔くん! 逆逆!」
「君の言う通りだ。女性から男性に対するセクハラもあるね、肝に銘じておくよ。えっと⋯⋯堂本巡査?」
「は、はい!」
穂積が大輪のバラのように微笑む。
「これから本部に戻るんだけど、送ってもらえるかな? 古谷巡査長、そのように原係長に伝えてもらえる?」
「わ、わかりました⋯⋯」
桂奈が切れ長の目を丸くして頷く。大輔もまた目をパチパチと瞬かせた。
(なんで俺?)
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