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プレリュード《序幕》
第六話 一日の終わり
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月長石の館の壁が、夜の帳にうっすらと浮かび上がっていた。
月と星の光をまといながら、その白さはどこか幽かで、夢の中の景色のように現実から少しだけ滲んで見える。
お嬢様の寝室の扉が、やわらかく閉まる音。
玄関口から回廊を抜け、静けさの中を歩いてきたゼルヴァンとダリオンの足音が、最後の最後、従者部屋の扉の閉まる音に吸い込まれて消える。
「はぁー、疲れた~」
ダリオンの声が、柔らかなランプの明かりに包まれた部屋に、ぐっと伸びをするように響いた。
ソファに雑に放られ床についたテイルコートの尾が、濃い影を床に落とす。
「……ダリオン、衣服を脱ぎ散らかさないでください。何度言えばお分かりになるのです?」
声はやや抑制の効いた静けさを保ちながらも、言葉尻にほのかに棘を宿している。
ゼルヴァンは乱雑に投げ出されたテイルコートを拾い上げると、黙々とハンガーにかけて所定の位置に戻していく。
「あとで片付けるって。そんな目くじら立てんなよ~」
「……"あとで"と言って、いつ片付けましたか? いいえ、結構です、分かっています。私が勝手にやると思っているのでしょう?」
淡々と小言を漏らしながらも、ゼルヴァンの手つきはいつも通り丁寧だった。服の襟を整え、埃を払う指は一分の乱れも許さない。
無駄のない動き、だがどこか、諦めと習慣の混じった優しさが滲んでいた。
「ゼルが俺の従者だったら、何もしなさすぎて俺、絶対太るなぁ…」
ダリオンはそう言って、気だるげにソファに身を沈めた。
ゼルヴァンはふとその横顔を見やり、きっぱりと断言する。
「なるつもりはないので、安心してください」
「はぁ? わかんねーだろ。俺がお嬢と結婚……するとか」
その言葉が落ちた瞬間、空気が一瞬だけ張りつめる。
ゼルヴァンの指が止まり、振り返った視線が、月の反射を浴びてほんの一瞬だけ鋭く光った。
「……言っていい冗談と、悪い冗談の区別もつかないんですか?」
その声音は、底に薄い氷が張ったようなひやりとする静けさだった。
「……過ぎた冗談でした」
「そうですね。反省してください」
パン、とゼルヴァンがダリオンのテイルコートをわざと大きな音で叩く。
けれどそれは、苛立ちの音というよりも、空気を切り替えるための鐘のようだった。
微かな埃が舞い、ランプの明かりに照らされて黄金色に揺れる。
「……ブラッシングはやっておきますから、お風呂を沸かしてきてください」
ゼルヴァンの声が、先ほどまでの張り詰めたものを解いたように、柔らかく戻っていた。
「……ん、了解」
ダリオンは素直にうなずくと、後頭部を軽く掻いてから、風呂場へと消えていった。
***
湯の香りがまだ空気にうっすら残る頃、ゼルヴァンが風呂から上がってくる。
淡い蒸気がほのかに残る髪を後ろに払いつつ部屋に入ると、視界に映るのはダリオンの姿。
ベッドの横のラグにぺたりと座り込み、背筋を伸ばして柔軟体操に励んでいる。
その腕はゆっくりとつま先に向かって伸ばされ、脚は見事なまでに床にぴたりとついていた。
身体の柔らかさが、骨と筋に無駄のない動きとして現れている。
「ちゃんと乾かさないと風邪ひきますよ」
「俺はお前と違って、そこまでやわじゃねーって」
笑いながらうつ伏せになったダリオンの背中から、水滴が一粒、ラグにぽたりと落ちた。
ゼルは眉をひそめると、肩にかけていたタオルを無言のまま手に取り、ためらいもなくダリオンの頭めがけて投げつける。
「うぉっ……」
「ラグが濡れますので、ちゃんと水気を取ってください」
そう言い残すと、ゼルヴァンは自分のデスクへ向かい、椅子に腰掛ける。
背後では、しぶしぶ頭を拭くダリオンの姿と、がしがしとタオルの音が聞こえた。
棚の中から、分厚い日記帳を一冊。
いつものように羽ペンをインクに浸し、ゼルヴァンは書き始める。ペン先が紙を滑る微かな音が部屋に沁み込んでいく。
静かだった。
ただ、ラグの上でストレッチするダリオンの柔らかな呼吸と、ゼルの筆の音だけが夜の帳の中で響いていた。
やがて、先に柔軟を終えたダリオンが部屋を離れる。
ゼルヴァンは目を上げずに、その気配だけを背後に感じた。
淡々と記されていく一日。だがそれは、誰にとっても尊い、ただ一つの記録。
それからどれほど経っただろう。
書き続けて三ページ目を過ぎた頃、ふわりと香ばしい香りとともに、ダリオンがカップを二つ手にして戻ってくる。
「……シナモンですか? あと、ジンジャー……」
「ベースはカモミール。ほれ」
カップを受け取りながら、ゼルヴァンの瞳がやわらかく細められる。
「……ありがとうございます。いただきます」
ゼルヴァンは受け取ったカップを丁寧に持ち、ゆっくりと口をつける。
温かな液体が舌を滑ると同時に、喉を優しく潤していく。
二人分のカップから立ちのぼる湯気が、蝋燭の灯りにふわふわと揺れていた。
ゼルヴァンは日記に向かったままカップを少し傾け、ダリオンは赤い枕カバーが置かれたベッドの端に腰を下ろす。
互いに向き合うわけでもなく、ただ同じ空間にいて、それを分かち合う静かな時間。
「…よくそんなに書くことあるな」
ぽつりと落ちたダリオンの声は、湯気の残るカップを唇から離した直後に洩れた。
ベッドの上、胡座をかいて背をもたせた姿勢のまま、彼の赤い瞳はゼルの手元をぼんやりと見つめている。
灯火の明滅が、湯上がりの頬を淡く照らしていた。
「…そんな大したことは書いてないですよ」
ゼルヴァンはインクの染みた羽根先を紙から上げず、筆先の重みだけで言葉を継ぐ。
細く整えられた指が、書き慣れた流れの中で迷いなく動き、帳面の行間に次の一文を差し込んでいく。
「大したことない文を何ページ書いてんだよ」
「今日は七ページ程度で終わりそうです」
静かに告げられた言葉のあと、ゼルヴァンはふと小さくまばたきをした。
青い瞳の奥に、まだ整理しきれない一日の記憶がゆるやかに沈んでいる。
「書きすぎだろ…」
「たくさん書き残しておきたいことがあるのです」
「ふぅん…」
その声には、冗談交じりの軽口の裏に、どこかほんのりとした温度があった。
ゼルヴァンの日記を書く姿は、蝋燭の明かりに照らされてとても静かだ。
水気を含んだ長い銀白の髪が、ぬるりと肩を滑り、赤みを帯びて煌めく。
ときどき遠くを見ては瞬きをするその様は、ダリオンの目に映るとまるで絵画のようだった。
「……書き終わりました。お待たせしました」
パタンと日記帳を閉じた音。
はっと我に返ったダリオンが、そっとランプに手を伸ばす。
「んじゃ、火消すぞ」
「はい、お願いします」
青い枕カバーの鎮座するベッドの中、ゼルヴァンは足を軽く曲げて静かに横たわる。
シーツの音すら立てず、まるで白い羽がふわりと落ちたかのような動き。
──彼が身長に見合ったベッドで眠れたのは、もはや遠い昔。
そんなことを知っているのは、この館ではダリオンだけだった。
「おやすみ」
「はい。おやすみなさい」
蝋燭の灯が、ゆらりと揺れてから、ふっと消える。
それを境に、月長石の夜が再び静寂に包まれた。
今日も無事に、一日が終わった。
そして、きっと明日もまた──この白く静かな館で、三人の平和で穏やかな日常が続いてゆく。
月と星の光をまといながら、その白さはどこか幽かで、夢の中の景色のように現実から少しだけ滲んで見える。
お嬢様の寝室の扉が、やわらかく閉まる音。
玄関口から回廊を抜け、静けさの中を歩いてきたゼルヴァンとダリオンの足音が、最後の最後、従者部屋の扉の閉まる音に吸い込まれて消える。
「はぁー、疲れた~」
ダリオンの声が、柔らかなランプの明かりに包まれた部屋に、ぐっと伸びをするように響いた。
ソファに雑に放られ床についたテイルコートの尾が、濃い影を床に落とす。
「……ダリオン、衣服を脱ぎ散らかさないでください。何度言えばお分かりになるのです?」
声はやや抑制の効いた静けさを保ちながらも、言葉尻にほのかに棘を宿している。
ゼルヴァンは乱雑に投げ出されたテイルコートを拾い上げると、黙々とハンガーにかけて所定の位置に戻していく。
「あとで片付けるって。そんな目くじら立てんなよ~」
「……"あとで"と言って、いつ片付けましたか? いいえ、結構です、分かっています。私が勝手にやると思っているのでしょう?」
淡々と小言を漏らしながらも、ゼルヴァンの手つきはいつも通り丁寧だった。服の襟を整え、埃を払う指は一分の乱れも許さない。
無駄のない動き、だがどこか、諦めと習慣の混じった優しさが滲んでいた。
「ゼルが俺の従者だったら、何もしなさすぎて俺、絶対太るなぁ…」
ダリオンはそう言って、気だるげにソファに身を沈めた。
ゼルヴァンはふとその横顔を見やり、きっぱりと断言する。
「なるつもりはないので、安心してください」
「はぁ? わかんねーだろ。俺がお嬢と結婚……するとか」
その言葉が落ちた瞬間、空気が一瞬だけ張りつめる。
ゼルヴァンの指が止まり、振り返った視線が、月の反射を浴びてほんの一瞬だけ鋭く光った。
「……言っていい冗談と、悪い冗談の区別もつかないんですか?」
その声音は、底に薄い氷が張ったようなひやりとする静けさだった。
「……過ぎた冗談でした」
「そうですね。反省してください」
パン、とゼルヴァンがダリオンのテイルコートをわざと大きな音で叩く。
けれどそれは、苛立ちの音というよりも、空気を切り替えるための鐘のようだった。
微かな埃が舞い、ランプの明かりに照らされて黄金色に揺れる。
「……ブラッシングはやっておきますから、お風呂を沸かしてきてください」
ゼルヴァンの声が、先ほどまでの張り詰めたものを解いたように、柔らかく戻っていた。
「……ん、了解」
ダリオンは素直にうなずくと、後頭部を軽く掻いてから、風呂場へと消えていった。
***
湯の香りがまだ空気にうっすら残る頃、ゼルヴァンが風呂から上がってくる。
淡い蒸気がほのかに残る髪を後ろに払いつつ部屋に入ると、視界に映るのはダリオンの姿。
ベッドの横のラグにぺたりと座り込み、背筋を伸ばして柔軟体操に励んでいる。
その腕はゆっくりとつま先に向かって伸ばされ、脚は見事なまでに床にぴたりとついていた。
身体の柔らかさが、骨と筋に無駄のない動きとして現れている。
「ちゃんと乾かさないと風邪ひきますよ」
「俺はお前と違って、そこまでやわじゃねーって」
笑いながらうつ伏せになったダリオンの背中から、水滴が一粒、ラグにぽたりと落ちた。
ゼルは眉をひそめると、肩にかけていたタオルを無言のまま手に取り、ためらいもなくダリオンの頭めがけて投げつける。
「うぉっ……」
「ラグが濡れますので、ちゃんと水気を取ってください」
そう言い残すと、ゼルヴァンは自分のデスクへ向かい、椅子に腰掛ける。
背後では、しぶしぶ頭を拭くダリオンの姿と、がしがしとタオルの音が聞こえた。
棚の中から、分厚い日記帳を一冊。
いつものように羽ペンをインクに浸し、ゼルヴァンは書き始める。ペン先が紙を滑る微かな音が部屋に沁み込んでいく。
静かだった。
ただ、ラグの上でストレッチするダリオンの柔らかな呼吸と、ゼルの筆の音だけが夜の帳の中で響いていた。
やがて、先に柔軟を終えたダリオンが部屋を離れる。
ゼルヴァンは目を上げずに、その気配だけを背後に感じた。
淡々と記されていく一日。だがそれは、誰にとっても尊い、ただ一つの記録。
それからどれほど経っただろう。
書き続けて三ページ目を過ぎた頃、ふわりと香ばしい香りとともに、ダリオンがカップを二つ手にして戻ってくる。
「……シナモンですか? あと、ジンジャー……」
「ベースはカモミール。ほれ」
カップを受け取りながら、ゼルヴァンの瞳がやわらかく細められる。
「……ありがとうございます。いただきます」
ゼルヴァンは受け取ったカップを丁寧に持ち、ゆっくりと口をつける。
温かな液体が舌を滑ると同時に、喉を優しく潤していく。
二人分のカップから立ちのぼる湯気が、蝋燭の灯りにふわふわと揺れていた。
ゼルヴァンは日記に向かったままカップを少し傾け、ダリオンは赤い枕カバーが置かれたベッドの端に腰を下ろす。
互いに向き合うわけでもなく、ただ同じ空間にいて、それを分かち合う静かな時間。
「…よくそんなに書くことあるな」
ぽつりと落ちたダリオンの声は、湯気の残るカップを唇から離した直後に洩れた。
ベッドの上、胡座をかいて背をもたせた姿勢のまま、彼の赤い瞳はゼルの手元をぼんやりと見つめている。
灯火の明滅が、湯上がりの頬を淡く照らしていた。
「…そんな大したことは書いてないですよ」
ゼルヴァンはインクの染みた羽根先を紙から上げず、筆先の重みだけで言葉を継ぐ。
細く整えられた指が、書き慣れた流れの中で迷いなく動き、帳面の行間に次の一文を差し込んでいく。
「大したことない文を何ページ書いてんだよ」
「今日は七ページ程度で終わりそうです」
静かに告げられた言葉のあと、ゼルヴァンはふと小さくまばたきをした。
青い瞳の奥に、まだ整理しきれない一日の記憶がゆるやかに沈んでいる。
「書きすぎだろ…」
「たくさん書き残しておきたいことがあるのです」
「ふぅん…」
その声には、冗談交じりの軽口の裏に、どこかほんのりとした温度があった。
ゼルヴァンの日記を書く姿は、蝋燭の明かりに照らされてとても静かだ。
水気を含んだ長い銀白の髪が、ぬるりと肩を滑り、赤みを帯びて煌めく。
ときどき遠くを見ては瞬きをするその様は、ダリオンの目に映るとまるで絵画のようだった。
「……書き終わりました。お待たせしました」
パタンと日記帳を閉じた音。
はっと我に返ったダリオンが、そっとランプに手を伸ばす。
「んじゃ、火消すぞ」
「はい、お願いします」
青い枕カバーの鎮座するベッドの中、ゼルヴァンは足を軽く曲げて静かに横たわる。
シーツの音すら立てず、まるで白い羽がふわりと落ちたかのような動き。
──彼が身長に見合ったベッドで眠れたのは、もはや遠い昔。
そんなことを知っているのは、この館ではダリオンだけだった。
「おやすみ」
「はい。おやすみなさい」
蝋燭の灯が、ゆらりと揺れてから、ふっと消える。
それを境に、月長石の夜が再び静寂に包まれた。
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