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憑依魔法習得
4話 疑惑
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やけに耳障りな羽音が近づいてきた。
そして羽の生えた爬虫類と人を合わせたような姿が見えてくる。
体表の質感はまんま石。
「ガーゴイル。現実にあんなのいたら・・・・・・航空力学的に飛べないよな」
テールイーターの独り言が聞こえてきた。
詠唱中の俺とマリモはもちろん無視。
「ギイイイ」
ガーゴイルは知性が足りないタイプみたいだ。
獣みたいな声を上げながら、俺の頭上の約10メートル上空に待機してる。
隙を見て急降下するつもりか?
「パラライズ!」
先制で麻痺の魔法を飛ばす。
今回は風で範囲を広げてない簡易型。
「おお! 本当に効いたな」
「ギギ」
ガーゴイルは軽く呻くと、羽が動かなくなる。
「楽勝!」
これでいつも通り、マリモが魔法を帯びた矢で撃って終わりのはずだった。
「シュトー油断しないで! 様子がおかしい」
「ん?」
後ろからマリモの叫び声が聞こえた。詠唱はとっくに終わったか。
「おお?」
「この感じは・・・・・ディスペルだ!」
「は?」
「シュトー! 気をつけろ! パラライズが解除されてるぞ!」
横目でテールイーターが眼鏡を直しながら叫んでるのが聞こえた。
てか、マッパーなのに前に出すぎ。
「ちっ!」
マリモが雷を帯びた矢を放つ。
それはバチバチと音を立てて俺の頭上を掠めていく。
「ギッ」
「あ! 避けやがった」
雷の矢は、ガーゴイルの体もすり抜けた。そのままどこかに飛んでいく。
そして、そのまま石の質感の巨体は俺に向かってツメを伸ばしてきた。
「初手、失敗だな」
「ギエエエ」
「遅い遅い」
しかし、落ち着いて対処すればなんてことはない敵だった。
俺はバックステップや身をよじるのを繰り返し、ガーゴイルの攻撃を余裕で回避する。
もちろん、マリモたちのほうに敵意が向かないようにしている。
「頭上からの攻撃をこうもたやすく?」
「ああ、俺習ってる武術ってさ。要人警護を想定してるから」
「な、何!?」
「え?」
会話する余裕すらあった。
しかし、相手のテールイーターが驚いたのはその事では無い気がする。
「2擊目行くよー」
「おう」
そんなこんなの間にまたバチバチとした音が後方から聞こえてきた。
次の瞬間・・・・・・雷の矢はガーゴイルの胸の辺りを貫いていた。
†††††
いつも通り、倒したモンスターが派手な音を立ててコインに変わる。
今回は量が多くてたくさんバラけて地面に転がる。
「あ、テールイーター。手伝うよ」
「だめだ! 君たちはまだ警戒を続けろ」
「え?」
「さっきガーゴイルの状態異常を解除したモンスターが近くにいるはずだ」
「あ、ああ。そういう事か」
そう言われてガーゴイルのデータをメニューで検索する。
「ふんふん、ガーゴイル。データによるとディスペルの魔法は持ってないな」
「そもそもマヒしてたら、魔法使えないでしょ?」
「あ、そっか」
「君たち、警戒しろと言ってるだろ!」
「はいはい」
マリモもメニューを見ていた。
一心不乱にコインを拾うテールイーターに怒られる。
「・・・・・・?」
なんだ?
テールイーターが俺を見る視線が・・・・・・さっきまでと違うような?
そう、敵意を感じる。
「コインは拾い終わったが・・・・・・」
テールイーターはテールイーターで半透明のレーダーを目の前に広げた。
「まったく。君たちがやるべきはレーダーでの検索だろ」
「あ、そうか」
マリモと目を合わせる。
ゲーム初心者丸出しなのが恥ずかしい。
「赤はいないなあ」
「でも、森の中に緑はいるね」
レーダーにはNPCを表す緑の光る点が一つ。
50メートルほど離れた森の中に、他プレーヤーがいるようだ。
「そいつがガーゴイルの状態異常を解除した」
「そうとしか考えられんな」
「モンスターへの攻撃の巻き添えは仕方ないとして、他プレーヤーへの攻撃禁止じゃなかった?」
「だから攻撃はしてないだろ? そいつはモンスターの状態異常を回避しただけ」
「なるほど」
ルールの穴って奴だろうか?
まだ見ぬそいつは、間接的に俺らに危害を加えてきたわけか。
「とっ捕まえる?」
「いや、やめとけ。ルール上問題ないなら、因縁つけた方が強制ログアウトされかねん」
「うへえ」
「とにかく無視して進も。ルール上そうなら、森の中にいる奴も私たちに手出しできないでしょ?」
「あ、ああ」
それでその件は終わりのはずだった。
†††††
しかし、ピロロンと間抜けな高い音がメニューから鳴る。
「・・・・・・他プレーヤーからのメッセージだって? 開く?」
「罠じゃないよな?」
「このゲームはメッセージに罠は仕掛けられないぞ」
そうして、3人に同時に送られたメッセージをそれぞれ開いてみた。
「なになに・・・・・・我が弟子たち、動きがまだまだですよ。そんなんじゃ免許皆伝とはいかないですからね・・・・・・って、え?」
「犯人・・・あ・い・つ・かあ!」
「え?」
俺より先に怒りだしたマリモ。
どういう事だ。
「どういう事だ?」
テールイーターもそう思ったようだ。
「ああ、謝っとくわ。ガーゴイルの状態異常解除したの俺の古武術の師匠だわ。あいつ、多分俺の今の実力を試したな」
「え?」
「な、何?」
俺の言葉に、二人とも驚く。
「そうか、『弟子たち』か。シュトー、あんたも九右衛門の弟子なのね」
「え? お前も?」
「・・・・・・」
驚いた。
しかし、それ以上に解せない。
テールイーターはなぜそんなに険しい表情をしているのか。
「なるほどなるほど、実力があるわけだ。君たち、あの命尾グループの御曹司の命尾九右衛門の弟子か」
「ん? 知ってるのか? でもまあ、そいつって16のガキだぞ」
「知ってるよ」
「・・・・・・?」
テールイーターが急にぶっきらぼうな態度を取り始めた。
なんなのか。
「すまんな。別に君たちが憎いわけじゃないんだ。しかし、君たちがあの命尾グループの関係者とわかれば・・・・・・もう行動は共にできない」
「え、ええ? 何言ってるの?」
「そうだよ。だいたい俺命尾グループとなんの関係もないぞ。まあ、近い将来関係者になりたいとは思ってるけど」
「ふん」
「あ、テールイーター」
「途中離脱は報酬は入らない。僕のほうにコインは回されないから安心してくれ」
「ん、んん?」
「悪いが、抜けさせてもらう」
「お、おい」
必要最低限の礼儀は守ってはいるが・・・・・・マッパー、テールイーターはそのまま森のほうに去っていく。
「・・・・・・」
マリモと顔を合わす。
「どうする?」
「どうするって、憑依魔法を覚えに行こう。そのためにこのエリアに来たんだし」
「そ、そうだな」
今さらながら初志を思い出す。
俺とマリモは、遠くに見える魔女の館に向かって歩き出した。
そして羽の生えた爬虫類と人を合わせたような姿が見えてくる。
体表の質感はまんま石。
「ガーゴイル。現実にあんなのいたら・・・・・・航空力学的に飛べないよな」
テールイーターの独り言が聞こえてきた。
詠唱中の俺とマリモはもちろん無視。
「ギイイイ」
ガーゴイルは知性が足りないタイプみたいだ。
獣みたいな声を上げながら、俺の頭上の約10メートル上空に待機してる。
隙を見て急降下するつもりか?
「パラライズ!」
先制で麻痺の魔法を飛ばす。
今回は風で範囲を広げてない簡易型。
「おお! 本当に効いたな」
「ギギ」
ガーゴイルは軽く呻くと、羽が動かなくなる。
「楽勝!」
これでいつも通り、マリモが魔法を帯びた矢で撃って終わりのはずだった。
「シュトー油断しないで! 様子がおかしい」
「ん?」
後ろからマリモの叫び声が聞こえた。詠唱はとっくに終わったか。
「おお?」
「この感じは・・・・・ディスペルだ!」
「は?」
「シュトー! 気をつけろ! パラライズが解除されてるぞ!」
横目でテールイーターが眼鏡を直しながら叫んでるのが聞こえた。
てか、マッパーなのに前に出すぎ。
「ちっ!」
マリモが雷を帯びた矢を放つ。
それはバチバチと音を立てて俺の頭上を掠めていく。
「ギッ」
「あ! 避けやがった」
雷の矢は、ガーゴイルの体もすり抜けた。そのままどこかに飛んでいく。
そして、そのまま石の質感の巨体は俺に向かってツメを伸ばしてきた。
「初手、失敗だな」
「ギエエエ」
「遅い遅い」
しかし、落ち着いて対処すればなんてことはない敵だった。
俺はバックステップや身をよじるのを繰り返し、ガーゴイルの攻撃を余裕で回避する。
もちろん、マリモたちのほうに敵意が向かないようにしている。
「頭上からの攻撃をこうもたやすく?」
「ああ、俺習ってる武術ってさ。要人警護を想定してるから」
「な、何!?」
「え?」
会話する余裕すらあった。
しかし、相手のテールイーターが驚いたのはその事では無い気がする。
「2擊目行くよー」
「おう」
そんなこんなの間にまたバチバチとした音が後方から聞こえてきた。
次の瞬間・・・・・・雷の矢はガーゴイルの胸の辺りを貫いていた。
†††††
いつも通り、倒したモンスターが派手な音を立ててコインに変わる。
今回は量が多くてたくさんバラけて地面に転がる。
「あ、テールイーター。手伝うよ」
「だめだ! 君たちはまだ警戒を続けろ」
「え?」
「さっきガーゴイルの状態異常を解除したモンスターが近くにいるはずだ」
「あ、ああ。そういう事か」
そう言われてガーゴイルのデータをメニューで検索する。
「ふんふん、ガーゴイル。データによるとディスペルの魔法は持ってないな」
「そもそもマヒしてたら、魔法使えないでしょ?」
「あ、そっか」
「君たち、警戒しろと言ってるだろ!」
「はいはい」
マリモもメニューを見ていた。
一心不乱にコインを拾うテールイーターに怒られる。
「・・・・・・?」
なんだ?
テールイーターが俺を見る視線が・・・・・・さっきまでと違うような?
そう、敵意を感じる。
「コインは拾い終わったが・・・・・・」
テールイーターはテールイーターで半透明のレーダーを目の前に広げた。
「まったく。君たちがやるべきはレーダーでの検索だろ」
「あ、そうか」
マリモと目を合わせる。
ゲーム初心者丸出しなのが恥ずかしい。
「赤はいないなあ」
「でも、森の中に緑はいるね」
レーダーにはNPCを表す緑の光る点が一つ。
50メートルほど離れた森の中に、他プレーヤーがいるようだ。
「そいつがガーゴイルの状態異常を解除した」
「そうとしか考えられんな」
「モンスターへの攻撃の巻き添えは仕方ないとして、他プレーヤーへの攻撃禁止じゃなかった?」
「だから攻撃はしてないだろ? そいつはモンスターの状態異常を回避しただけ」
「なるほど」
ルールの穴って奴だろうか?
まだ見ぬそいつは、間接的に俺らに危害を加えてきたわけか。
「とっ捕まえる?」
「いや、やめとけ。ルール上問題ないなら、因縁つけた方が強制ログアウトされかねん」
「うへえ」
「とにかく無視して進も。ルール上そうなら、森の中にいる奴も私たちに手出しできないでしょ?」
「あ、ああ」
それでその件は終わりのはずだった。
†††††
しかし、ピロロンと間抜けな高い音がメニューから鳴る。
「・・・・・・他プレーヤーからのメッセージだって? 開く?」
「罠じゃないよな?」
「このゲームはメッセージに罠は仕掛けられないぞ」
そうして、3人に同時に送られたメッセージをそれぞれ開いてみた。
「なになに・・・・・・我が弟子たち、動きがまだまだですよ。そんなんじゃ免許皆伝とはいかないですからね・・・・・・って、え?」
「犯人・・・あ・い・つ・かあ!」
「え?」
俺より先に怒りだしたマリモ。
どういう事だ。
「どういう事だ?」
テールイーターもそう思ったようだ。
「ああ、謝っとくわ。ガーゴイルの状態異常解除したの俺の古武術の師匠だわ。あいつ、多分俺の今の実力を試したな」
「え?」
「な、何?」
俺の言葉に、二人とも驚く。
「そうか、『弟子たち』か。シュトー、あんたも九右衛門の弟子なのね」
「え? お前も?」
「・・・・・・」
驚いた。
しかし、それ以上に解せない。
テールイーターはなぜそんなに険しい表情をしているのか。
「なるほどなるほど、実力があるわけだ。君たち、あの命尾グループの御曹司の命尾九右衛門の弟子か」
「ん? 知ってるのか? でもまあ、そいつって16のガキだぞ」
「知ってるよ」
「・・・・・・?」
テールイーターが急にぶっきらぼうな態度を取り始めた。
なんなのか。
「すまんな。別に君たちが憎いわけじゃないんだ。しかし、君たちがあの命尾グループの関係者とわかれば・・・・・・もう行動は共にできない」
「え、ええ? 何言ってるの?」
「そうだよ。だいたい俺命尾グループとなんの関係もないぞ。まあ、近い将来関係者になりたいとは思ってるけど」
「ふん」
「あ、テールイーター」
「途中離脱は報酬は入らない。僕のほうにコインは回されないから安心してくれ」
「ん、んん?」
「悪いが、抜けさせてもらう」
「お、おい」
必要最低限の礼儀は守ってはいるが・・・・・・マッパー、テールイーターはそのまま森のほうに去っていく。
「・・・・・・」
マリモと顔を合わす。
「どうする?」
「どうするって、憑依魔法を覚えに行こう。そのためにこのエリアに来たんだし」
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