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王都の怪人
3話 防音加工された猟銃
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少し酒が残っている。
そういえば昨日一緒に飲んでいたチャーリーは次の日に残らないタイプだと言っていた。
私はそうはいかない。
目が覚めたら走って汗をかいて、水をガブ飲みして、酒を抜く習慣にしている。
今は午前五時半。
この時期はこの時間帯でも明るい。
私は屋敷の男子寮の近くを走っていた。
清々しい朝だ。
まだ冷たい空気が肌にあたり気持ちが良い。
鳥の鳴き声も耳に心地よく……とはいかなかった。
最近はもう朝からうるさい。
「ケイト! 今日こそ負けませんわよ」
「また勝負? そもそもベアトリクスって私に一回も勝ったことないじゃない」
「うるさいですわね! ベアトリクス様と呼びなさい! 敬語も使いなさい!」
「……」
またあの二人が大声でケンカしてる。
朝っぱらから寝る前までよく飽きないものだ。
ジョギングコースを変えるべきだろうか。
「……」
二人に見つからないようにこっそりと寮に帰ろうとした。
体を濡れたタオルで拭いて早めの朝食を……。
「あ、イーモン! いい所に来た!」
「イーモン? 調度良いですわ。審判をお願いしますわ」
「……はい、かしこまりました」
見つかった。
渋々二人の前に向かう。
「あの、お二人とも何をしているのでしょうか?」
昨日は駆けっこをしていた。
一昨日は剣術の真似事だったか?
今日はベアトリクス様もケイト様も猟銃を持っている。
貴族用の無駄な装飾が施された奴だ。
「射撃勝負」
ケイト様は溢れんばかりの笑顔で答える。
「……」
やはり可愛らしい。
サラサラの金髪、奇跡のバランスの目鼻立ち、一世一代の突発的な美でなないと改めて思う。
クルック伯爵家が長年、絶世の美女のみを選定して嫁に迎えてきた集大成か。
えっとなんだっけ?
「射撃勝負? おやめください。騒音でまだ寝てる者たちが起きてしまいます」
執事として注意する事は注意しといた。
何でもかんでも許すわけにもいかない。
「大丈夫だよ。ほら、見てて」
「え?」
それを聞いてケイト様は木の枝に向かって銃を向けた。
そして止める間もなく撃つ。
「……!」
反射的に耳を塞いだ。
こんな至近距離で銃声を聞かされたらたまったもんじゃない。
……しかし。
聞こえてきたのはプシュッとした静かな音。
耳を塞がなくても大した騒音じゃない。
「あれ?」
「この銃、防音加工がなされてるらしいですわ」
「ああ、なるほど」
さすがは元上流貴族様だ。
そんな珍しい物を所有しているとは。
「……ん?」
ある事を思い出した。
「銃は狩猟小屋と共に、ベアトリクス様が燃やされてしまったのでは?」
そう尋ねる。
「……ああ。窓から取れましたので、銃だけは回収して納屋にしまっておきましたの」
「さようですか」
「でも汚い毛皮などは当然そのまま小屋と一緒に燃やしましたが」
なんだろう?
今少し返答まで間があったような。
それを聞いてケイト様が呆れたような顔をする。
いや、この子はされる側の存在なんだが。
「この銃二丁が無事ならさ、小屋なんかどうでも良かったのにさ」
「ああ、そうですか」
「ま、あの時は悪かったわ。元々ベアトリクスが悪いとはいえ、さすがに殴ったのはやりすぎ」
「はあ? ちんちくりんなあなたのパンチなんて、鍛えてる私にはそもそも一切効いてませんが?」
「……口が減らないわね」
「だいたい悪いのはあなたですわ」
またケンカを始めた。
さっさと勝負とやらを終わらして欲しいのだが。
†††††
二人とも猟銃を構えている。
私は納屋にあったヒビの入った皿を十枚ほど手にしていた。
まとめて捨てる予定のやつだ。
「イーモン、五枚ずつ順番に空に放り投げて。多く当てたほうが勝ちって事で」
「……」
これ、本当に私の役割は審判なのだろうか?
「負けませんわよ」
ベアトリクス様の言葉に、ケイト様は苦笑いをしている。
……それも本来は彼女はされる側だ。
「ベアトリクス……駆けっこや剣術なら僅差だけどさ、勉強と銃の腕は勝負にならないでしょ?」
「……」
「知ってると思うけど、私って学園にいた時は成績トップ。射撃の腕なんか王国全体で十一位なんだけど?」
小さな胸を張ってドヤ顔で挑発している。
これはベアトリクス様じゃなくても少しイラッと来るかも。
「……?」
適当に聞いていたが、今の発言がひっかかった。
「あの……ケイト様」
「何? イーモン」
「勉強は苦手とおっしゃってませんでした?」
そうだ。
ケイト様は屋敷の使用人全員に王都の学園での勉強は苦手だったと明言してる。
それに普段のおバカな行動からとても学園トップなんてイメージはつかない。
「ああ、それは嫌いって意味だよ。別に成績が悪いってわけじゃなかったよ」
「さ、さようですか」
「それにいくら学園の勉強ができても……王宮お抱えの学者と研究者とか、本当の天才たちにはかなわないからね。王都にいるときは嫌ってほどその差を味わったわ」
「さ、さようですか。私などには、大まかな把握もできない世界ですね」
この娘、伯爵家のコネで王宮にでも出入りしてたのだろうか?
話の途中で、ケイト様の表情がさらにムカつく笑顔になる。
「あ、そういえばね、成績が中の上程度で……学業は優秀ですわ、とか自分で言っちゃってる恥ずかしい子もいるらしいけど……」
「……!」
挑発めいた言葉にベアトリクス様は顔が真っ赤になる。
そういう事なのか。
たしかに家庭教師として彼女の勉強を見ていて、とても優秀には見えなかった。
まあ、でも女の価値はそこじゃない。
美貌という点では発育がいい分ベアトリクス様が一歩リードしてる気がするが……。
「ケイト! 勝負なさい! 負かしてやりますわ!」
「はいはい、いいですよー」
「……」
だんだんベアトリクス様が哀れに見えてきた。
ふと、先ほどケイト様が撃った方向を見てみた。
耳を塞いで目を閉じていたから気づかなかったが、鳥が一羽落ちてる。
後で食べるつもりだろう。
とにかく適当に狙って獲物を狩るような者に、銃の素人が勝てるわけないだろうに……。
十分ほどして、すぐに決着がついた。
「はぁ……5-0か。よく勝負を持ちかけたね」
「お、覚えてなさい!」
予想通りの結果に。
ベアトリクス様は捨て台詞をはいて涙目で走り去り、ケイト様は落ちていた鳥の羽を毟り始めた。
「あ、イーモン。お皿の破片、片付けといてね」
「かしこまりました」
……明日からは走るコースを変えよう。
切にそう思った。
「……ふっ」
しかし思わず笑っていた。
美少女たちに振りまわされるのも悪くないと思う自分もどこかにいる。
そういえば昨日一緒に飲んでいたチャーリーは次の日に残らないタイプだと言っていた。
私はそうはいかない。
目が覚めたら走って汗をかいて、水をガブ飲みして、酒を抜く習慣にしている。
今は午前五時半。
この時期はこの時間帯でも明るい。
私は屋敷の男子寮の近くを走っていた。
清々しい朝だ。
まだ冷たい空気が肌にあたり気持ちが良い。
鳥の鳴き声も耳に心地よく……とはいかなかった。
最近はもう朝からうるさい。
「ケイト! 今日こそ負けませんわよ」
「また勝負? そもそもベアトリクスって私に一回も勝ったことないじゃない」
「うるさいですわね! ベアトリクス様と呼びなさい! 敬語も使いなさい!」
「……」
またあの二人が大声でケンカしてる。
朝っぱらから寝る前までよく飽きないものだ。
ジョギングコースを変えるべきだろうか。
「……」
二人に見つからないようにこっそりと寮に帰ろうとした。
体を濡れたタオルで拭いて早めの朝食を……。
「あ、イーモン! いい所に来た!」
「イーモン? 調度良いですわ。審判をお願いしますわ」
「……はい、かしこまりました」
見つかった。
渋々二人の前に向かう。
「あの、お二人とも何をしているのでしょうか?」
昨日は駆けっこをしていた。
一昨日は剣術の真似事だったか?
今日はベアトリクス様もケイト様も猟銃を持っている。
貴族用の無駄な装飾が施された奴だ。
「射撃勝負」
ケイト様は溢れんばかりの笑顔で答える。
「……」
やはり可愛らしい。
サラサラの金髪、奇跡のバランスの目鼻立ち、一世一代の突発的な美でなないと改めて思う。
クルック伯爵家が長年、絶世の美女のみを選定して嫁に迎えてきた集大成か。
えっとなんだっけ?
「射撃勝負? おやめください。騒音でまだ寝てる者たちが起きてしまいます」
執事として注意する事は注意しといた。
何でもかんでも許すわけにもいかない。
「大丈夫だよ。ほら、見てて」
「え?」
それを聞いてケイト様は木の枝に向かって銃を向けた。
そして止める間もなく撃つ。
「……!」
反射的に耳を塞いだ。
こんな至近距離で銃声を聞かされたらたまったもんじゃない。
……しかし。
聞こえてきたのはプシュッとした静かな音。
耳を塞がなくても大した騒音じゃない。
「あれ?」
「この銃、防音加工がなされてるらしいですわ」
「ああ、なるほど」
さすがは元上流貴族様だ。
そんな珍しい物を所有しているとは。
「……ん?」
ある事を思い出した。
「銃は狩猟小屋と共に、ベアトリクス様が燃やされてしまったのでは?」
そう尋ねる。
「……ああ。窓から取れましたので、銃だけは回収して納屋にしまっておきましたの」
「さようですか」
「でも汚い毛皮などは当然そのまま小屋と一緒に燃やしましたが」
なんだろう?
今少し返答まで間があったような。
それを聞いてケイト様が呆れたような顔をする。
いや、この子はされる側の存在なんだが。
「この銃二丁が無事ならさ、小屋なんかどうでも良かったのにさ」
「ああ、そうですか」
「ま、あの時は悪かったわ。元々ベアトリクスが悪いとはいえ、さすがに殴ったのはやりすぎ」
「はあ? ちんちくりんなあなたのパンチなんて、鍛えてる私にはそもそも一切効いてませんが?」
「……口が減らないわね」
「だいたい悪いのはあなたですわ」
またケンカを始めた。
さっさと勝負とやらを終わらして欲しいのだが。
†††††
二人とも猟銃を構えている。
私は納屋にあったヒビの入った皿を十枚ほど手にしていた。
まとめて捨てる予定のやつだ。
「イーモン、五枚ずつ順番に空に放り投げて。多く当てたほうが勝ちって事で」
「……」
これ、本当に私の役割は審判なのだろうか?
「負けませんわよ」
ベアトリクス様の言葉に、ケイト様は苦笑いをしている。
……それも本来は彼女はされる側だ。
「ベアトリクス……駆けっこや剣術なら僅差だけどさ、勉強と銃の腕は勝負にならないでしょ?」
「……」
「知ってると思うけど、私って学園にいた時は成績トップ。射撃の腕なんか王国全体で十一位なんだけど?」
小さな胸を張ってドヤ顔で挑発している。
これはベアトリクス様じゃなくても少しイラッと来るかも。
「……?」
適当に聞いていたが、今の発言がひっかかった。
「あの……ケイト様」
「何? イーモン」
「勉強は苦手とおっしゃってませんでした?」
そうだ。
ケイト様は屋敷の使用人全員に王都の学園での勉強は苦手だったと明言してる。
それに普段のおバカな行動からとても学園トップなんてイメージはつかない。
「ああ、それは嫌いって意味だよ。別に成績が悪いってわけじゃなかったよ」
「さ、さようですか」
「それにいくら学園の勉強ができても……王宮お抱えの学者と研究者とか、本当の天才たちにはかなわないからね。王都にいるときは嫌ってほどその差を味わったわ」
「さ、さようですか。私などには、大まかな把握もできない世界ですね」
この娘、伯爵家のコネで王宮にでも出入りしてたのだろうか?
話の途中で、ケイト様の表情がさらにムカつく笑顔になる。
「あ、そういえばね、成績が中の上程度で……学業は優秀ですわ、とか自分で言っちゃってる恥ずかしい子もいるらしいけど……」
「……!」
挑発めいた言葉にベアトリクス様は顔が真っ赤になる。
そういう事なのか。
たしかに家庭教師として彼女の勉強を見ていて、とても優秀には見えなかった。
まあ、でも女の価値はそこじゃない。
美貌という点では発育がいい分ベアトリクス様が一歩リードしてる気がするが……。
「ケイト! 勝負なさい! 負かしてやりますわ!」
「はいはい、いいですよー」
「……」
だんだんベアトリクス様が哀れに見えてきた。
ふと、先ほどケイト様が撃った方向を見てみた。
耳を塞いで目を閉じていたから気づかなかったが、鳥が一羽落ちてる。
後で食べるつもりだろう。
とにかく適当に狙って獲物を狩るような者に、銃の素人が勝てるわけないだろうに……。
十分ほどして、すぐに決着がついた。
「はぁ……5-0か。よく勝負を持ちかけたね」
「お、覚えてなさい!」
予想通りの結果に。
ベアトリクス様は捨て台詞をはいて涙目で走り去り、ケイト様は落ちていた鳥の羽を毟り始めた。
「あ、イーモン。お皿の破片、片付けといてね」
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