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元伯爵令嬢との逃避行
13話 切実な悩み
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泣き出しそうな顔のケイトを見て、不思議な気分になる。
そしてある疑問が浮かぶ。
本当に彼女は殺人犯なのか?
もしや……本人がそう思い込んでるだけとか。
理由があってそんな嘘をついてるとか。
都合のいい妄想が頭に浮かぶ。
それほど目の前の少女は弱々しい存在に見えた。
人を傷つけるどころか、殺人を犯していたなんて信じたくないほどに、愛おしく見える。
監禁されてかなり時間が経つのに、今さら……この湧き上がる感情はなんなんだ?
「結局ね、人ってみんなバカじゃないんだよ」
「……?」
「長く付き合っているうちにね、その人の本質を見るようになる」
ケイトは震えた少し大きな声で何かを語り始めた。
「お、おい!」
「……!」
慌てて小さな顔の口元を塞いだ。
ここは貴族街の書店の地下だ。
岩壁の向こうにはまだ人がいる。
「な、なんだあ? 今女の叫び声みたいの聞こえなかったか?」
「……やめろよ。タダでさえこの辺のの建物は古くて不気味なんだからよ」
「いや、冗談じゃないって。本当に何か聞こえた」
「……!」
汗が止まらない。
もし壁の向こうの運送業の男たちが覗き穴に気づいたら?
「ふっ!」
「……?」
ケイトが慌てて手元のランタンの火を吹き消すのが見えた。
その直後……。
「おい、なんかここに穴があるぞ」
「本当か? 向こう側に指名手配中のケイト・カミラ・クルックがいたりしてな」
「お前の冗談は本当につまらないな。でも気になるな、なんだこの穴? 明らかに人為的に空けられてるよな?」
男たちの会話は、私たちを窮地に追い込むものだった。
明るい地下室のほうから、こちらを覗かれてしまう……。
「真っ暗で何も見えないな。何かの空間は岩壁の向こうにあるみたいだが」
「単なる通気孔だろ?」
「ああ、それか。数百年前の奴ら、ずいぶん手の込んだもの作ったな」
「おい、それよか早く行くぞ。サインもらわないと」
……階段を上る足音が聞こえてきた。
「……」
今は真っ暗だ。
密着しているケイトの存在しか感じられない。
「あ、危なかった」
思わずつぶやいてしまう。
マッチを擦る音が聞こえた。
微かな硫黄臭さと共に、辺りがオレンジ色の光に包まれる。
ランタンの火が再びつけられた。
「危なかった? むしろあなたにとってはさっきの二人に見つかったほうが良かったんじゃない?」
冷ややかな目で見られる。
……誰も信用してない目だ。
それでも他人との触れ合いを求める目。
「さっき言っていたのはどういうことだ?」
歩きながら聞いた。
ここはすぐに離れたほうがいい気がしたからだ。
「待って、私が先導する。足元危ないよ」
「ああ、蛇がいるんだっけか」
「それよりもガレキ。けっこう落ちてるから」
再びランタンを持ったケイトが先導する形に。
「……」
どこに向かっていたのか忘れていた。
先ほどからケイトの様子がおかしいのが気になる。
「私はね……」
語り始めた。
耳をすます。
「人を殺すのにね、別に何か特別な理由があるわけじゃないんだ。ありがちなね、過去に悲惨な事に巻き込まれて精神が歪んだとかでもない」
「……」
「本当に本能的に、定期的に人を殺したくなる」
「……」
「どんなに猫を被ってもね、そういう私の本質は仕草や表情に出るみたい」
「二年前から、お前がそんな風に見えた事はないが?」
「あなたとベアトリクスの前ではそういう衝動がわかないから……二人とも知らないだけよ」
「……?」
なんだか胸騒ぎがした。
ここからは一言でもケイトのやり取りを失敗してはいけないような予感。
何を私はこんなに神経をすり減らしている?
†††††
言葉を選ばなければならない。
その思いが私の中でグルグルと渦巻く。
誰に対して?
それはケイトに決まってる。
なら具体的に、ケイトが私の言葉で何の影響を受ける事を恐れているのか。
……わからない。
しかし、その何かは絶対に避けなければならない事だけはわかる。
「私は人間のクズだぞ。ベアトリクス様とて人格者とは言い難い」
考え抜いて口から出た言葉はそれだった。
「な、何を言ってるの?」
「お前はさっき、私とベアトリクス様は自然に好かれると言ったな?」
「うん」
「私の場合は……女性と後腐れなく付き合い体だけ堪能するための、表面的な演技がそうさせてるだけだと思う」
「……」
人生で初めてだ。
私の内面を正直に語った。
今はなぜかそういう誠意を見せるべきな気がしたからだ。
「ん?」
ケイトは振り返る。
なんだか少し呆れた目をしている。
「そんなのわかってる。女の勘を舐めすぎ」
「……え?」
「二年前から、イーモンが軽薄なプレイボーイだったなんてみんな知ってるよ。私の体やベアトリクスの体を狙ってた事もね」
「……!」
「男の思考なんてね、視線とか表情でまるわかりだよ」
「ほ、本当に?」
「うん。だからさっきは……その、体を許したわけだし。イーモンが喜ぶと思って」
「……」
二十代半ばにして、自分が見えてなかった。
もししかして……今までずっとそうだったのか?
私が常に女性の体だけを求め、飽きたら自然消滅の方向に仕向ける性癖……周りにバレバレだったのか?
顔が熱くなる。
「まあ、それでもイーモンは好かれるんだよ。意地悪なベアトリクスもね」
「……? 信じられないな」
「あ、そう。まあいいや。じゃあ、話を変えるわ。私はなぜどんなに猫を被っても、怖がられると思う? 自分で言うのもなんだけど、容姿はいいほうなのに……」
「……」
まただ。
また冷や汗が吹き出る。
この質問にこそ……細心の注意を払って答えなければならない気がする。
「水の音が凄いな」
我ながら情けない。
答えを先送りにした。
「あ、うん。いつの間にか公園の地下に来てた。ほら、ここは王都に流れる水路が集まって地下に落ちる場所なんだ」
「どおりで」
確かに耳をつんざくほどの轟音が流れてきた。
「滝?」
「そうね。地下から見上げればそうなるわ」
うるさいはずだ。
岩壁のカーブを曲がった先には、白い飛沫を無数にあげる滝が出来ていた。
「普段見慣れてる水路の行く先、こうなっていたのか」
「うん、そしてこの先の地下水流はね、どこに向かっているのか誰もわからないの。まあ、どこかの海に繋がってはいるだろうけど……」
急にケイトが滝の下の下流を指さした。
けっこうな勢いの川になって、ゴツゴツした岩場を暗闇に向かって流れている。
「ねえ、イーモン。あそこの岩に引っかかってるアレ。見覚えがない?」
「……ん? ……あれは!?」
言われたものにランタンの光が照らせれれる。
そこには……不気味な白い仮面があった。
岩場に張り付いている。
そう、あれは……怪人の仮面。
「チャーリーの遺体はここに流したのか?」
「少し違うわ。瀕死だったチャーリーは私の見てる前でここに身を投げたの」
「な!? どうして?」
「チャーリーはね、地上で騎士に刺されて、意識が朦朧とした状態で私を見ちゃったの」
「意味がわからない」
「きっと私は人間の数を調整する役割を持つ人間の一人だと思う」
「何を言っている?」
「ほら、人間って基本的に天敵がいないから……私みたいのがいないと増えすぎちゃうでしょ?」
「だから! 何を言ってる?」
少し声を荒げてしまった。
「チャーリーはね、ずっと私に尽くしてくれた人はね。私を見て……怪物だと叫びながらその川に飛び込んだわ」
ケイトが……怪物?
この愛らしい姿の少女が?
この弱々しい声の少女が?
まったくもって実感できない。
「……」
しかし、論理的に理解した。
彼女は、私の知らないケイトは、元軍人すら弱ったときに見たときには発狂するほど恐ろしい存在。
なら、私は……質問にどう答えればいい?
どう答えれば……ケイトの自殺を防げる?
いつの間にか確信に変わる。
考えれば、王都南の密林に行くなんて計画。
もし本当なら、あの森の館から直接向かえば良い話だ。
「……」
ケイトはおそらく、自殺するためにわざわざ騎士が駐屯する王都にやってきた。
騎士の目をかいくぐり、なぜこの地に来たかはわからないが。
「ねえ、イーモン。意見を聞かせて」
「……」
「なぜ私はこんなに他人に怖がられるのかな?」
「……」
「私は人と一緒に生きていけないのかな?」
……どう答えるべきなんだ?
おそらく沈黙は悪いようにしかとらえられない。
そしてある疑問が浮かぶ。
本当に彼女は殺人犯なのか?
もしや……本人がそう思い込んでるだけとか。
理由があってそんな嘘をついてるとか。
都合のいい妄想が頭に浮かぶ。
それほど目の前の少女は弱々しい存在に見えた。
人を傷つけるどころか、殺人を犯していたなんて信じたくないほどに、愛おしく見える。
監禁されてかなり時間が経つのに、今さら……この湧き上がる感情はなんなんだ?
「結局ね、人ってみんなバカじゃないんだよ」
「……?」
「長く付き合っているうちにね、その人の本質を見るようになる」
ケイトは震えた少し大きな声で何かを語り始めた。
「お、おい!」
「……!」
慌てて小さな顔の口元を塞いだ。
ここは貴族街の書店の地下だ。
岩壁の向こうにはまだ人がいる。
「な、なんだあ? 今女の叫び声みたいの聞こえなかったか?」
「……やめろよ。タダでさえこの辺のの建物は古くて不気味なんだからよ」
「いや、冗談じゃないって。本当に何か聞こえた」
「……!」
汗が止まらない。
もし壁の向こうの運送業の男たちが覗き穴に気づいたら?
「ふっ!」
「……?」
ケイトが慌てて手元のランタンの火を吹き消すのが見えた。
その直後……。
「おい、なんかここに穴があるぞ」
「本当か? 向こう側に指名手配中のケイト・カミラ・クルックがいたりしてな」
「お前の冗談は本当につまらないな。でも気になるな、なんだこの穴? 明らかに人為的に空けられてるよな?」
男たちの会話は、私たちを窮地に追い込むものだった。
明るい地下室のほうから、こちらを覗かれてしまう……。
「真っ暗で何も見えないな。何かの空間は岩壁の向こうにあるみたいだが」
「単なる通気孔だろ?」
「ああ、それか。数百年前の奴ら、ずいぶん手の込んだもの作ったな」
「おい、それよか早く行くぞ。サインもらわないと」
……階段を上る足音が聞こえてきた。
「……」
今は真っ暗だ。
密着しているケイトの存在しか感じられない。
「あ、危なかった」
思わずつぶやいてしまう。
マッチを擦る音が聞こえた。
微かな硫黄臭さと共に、辺りがオレンジ色の光に包まれる。
ランタンの火が再びつけられた。
「危なかった? むしろあなたにとってはさっきの二人に見つかったほうが良かったんじゃない?」
冷ややかな目で見られる。
……誰も信用してない目だ。
それでも他人との触れ合いを求める目。
「さっき言っていたのはどういうことだ?」
歩きながら聞いた。
ここはすぐに離れたほうがいい気がしたからだ。
「待って、私が先導する。足元危ないよ」
「ああ、蛇がいるんだっけか」
「それよりもガレキ。けっこう落ちてるから」
再びランタンを持ったケイトが先導する形に。
「……」
どこに向かっていたのか忘れていた。
先ほどからケイトの様子がおかしいのが気になる。
「私はね……」
語り始めた。
耳をすます。
「人を殺すのにね、別に何か特別な理由があるわけじゃないんだ。ありがちなね、過去に悲惨な事に巻き込まれて精神が歪んだとかでもない」
「……」
「本当に本能的に、定期的に人を殺したくなる」
「……」
「どんなに猫を被ってもね、そういう私の本質は仕草や表情に出るみたい」
「二年前から、お前がそんな風に見えた事はないが?」
「あなたとベアトリクスの前ではそういう衝動がわかないから……二人とも知らないだけよ」
「……?」
なんだか胸騒ぎがした。
ここからは一言でもケイトのやり取りを失敗してはいけないような予感。
何を私はこんなに神経をすり減らしている?
†††††
言葉を選ばなければならない。
その思いが私の中でグルグルと渦巻く。
誰に対して?
それはケイトに決まってる。
なら具体的に、ケイトが私の言葉で何の影響を受ける事を恐れているのか。
……わからない。
しかし、その何かは絶対に避けなければならない事だけはわかる。
「私は人間のクズだぞ。ベアトリクス様とて人格者とは言い難い」
考え抜いて口から出た言葉はそれだった。
「な、何を言ってるの?」
「お前はさっき、私とベアトリクス様は自然に好かれると言ったな?」
「うん」
「私の場合は……女性と後腐れなく付き合い体だけ堪能するための、表面的な演技がそうさせてるだけだと思う」
「……」
人生で初めてだ。
私の内面を正直に語った。
今はなぜかそういう誠意を見せるべきな気がしたからだ。
「ん?」
ケイトは振り返る。
なんだか少し呆れた目をしている。
「そんなのわかってる。女の勘を舐めすぎ」
「……え?」
「二年前から、イーモンが軽薄なプレイボーイだったなんてみんな知ってるよ。私の体やベアトリクスの体を狙ってた事もね」
「……!」
「男の思考なんてね、視線とか表情でまるわかりだよ」
「ほ、本当に?」
「うん。だからさっきは……その、体を許したわけだし。イーモンが喜ぶと思って」
「……」
二十代半ばにして、自分が見えてなかった。
もししかして……今までずっとそうだったのか?
私が常に女性の体だけを求め、飽きたら自然消滅の方向に仕向ける性癖……周りにバレバレだったのか?
顔が熱くなる。
「まあ、それでもイーモンは好かれるんだよ。意地悪なベアトリクスもね」
「……? 信じられないな」
「あ、そう。まあいいや。じゃあ、話を変えるわ。私はなぜどんなに猫を被っても、怖がられると思う? 自分で言うのもなんだけど、容姿はいいほうなのに……」
「……」
まただ。
また冷や汗が吹き出る。
この質問にこそ……細心の注意を払って答えなければならない気がする。
「水の音が凄いな」
我ながら情けない。
答えを先送りにした。
「あ、うん。いつの間にか公園の地下に来てた。ほら、ここは王都に流れる水路が集まって地下に落ちる場所なんだ」
「どおりで」
確かに耳をつんざくほどの轟音が流れてきた。
「滝?」
「そうね。地下から見上げればそうなるわ」
うるさいはずだ。
岩壁のカーブを曲がった先には、白い飛沫を無数にあげる滝が出来ていた。
「普段見慣れてる水路の行く先、こうなっていたのか」
「うん、そしてこの先の地下水流はね、どこに向かっているのか誰もわからないの。まあ、どこかの海に繋がってはいるだろうけど……」
急にケイトが滝の下の下流を指さした。
けっこうな勢いの川になって、ゴツゴツした岩場を暗闇に向かって流れている。
「ねえ、イーモン。あそこの岩に引っかかってるアレ。見覚えがない?」
「……ん? ……あれは!?」
言われたものにランタンの光が照らせれれる。
そこには……不気味な白い仮面があった。
岩場に張り付いている。
そう、あれは……怪人の仮面。
「チャーリーの遺体はここに流したのか?」
「少し違うわ。瀕死だったチャーリーは私の見てる前でここに身を投げたの」
「な!? どうして?」
「チャーリーはね、地上で騎士に刺されて、意識が朦朧とした状態で私を見ちゃったの」
「意味がわからない」
「きっと私は人間の数を調整する役割を持つ人間の一人だと思う」
「何を言っている?」
「ほら、人間って基本的に天敵がいないから……私みたいのがいないと増えすぎちゃうでしょ?」
「だから! 何を言ってる?」
少し声を荒げてしまった。
「チャーリーはね、ずっと私に尽くしてくれた人はね。私を見て……怪物だと叫びながらその川に飛び込んだわ」
ケイトが……怪物?
この愛らしい姿の少女が?
この弱々しい声の少女が?
まったくもって実感できない。
「……」
しかし、論理的に理解した。
彼女は、私の知らないケイトは、元軍人すら弱ったときに見たときには発狂するほど恐ろしい存在。
なら、私は……質問にどう答えればいい?
どう答えれば……ケイトの自殺を防げる?
いつの間にか確信に変わる。
考えれば、王都南の密林に行くなんて計画。
もし本当なら、あの森の館から直接向かえば良い話だ。
「……」
ケイトはおそらく、自殺するためにわざわざ騎士が駐屯する王都にやってきた。
騎士の目をかいくぐり、なぜこの地に来たかはわからないが。
「ねえ、イーモン。意見を聞かせて」
「……」
「なぜ私はこんなに他人に怖がられるのかな?」
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