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最終章 暴走する悪役令嬢を止める禁句とは
4話 退院と結婚の申し込み
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しばらく話し込んだ。
話せる情報はすべて話したつもりだ。
「なるほど……いろいろと辻褄が合いましたが。ケイト・カミラ・クルックの冤罪のほうは立証は難しいかもしれません。実際に彼女が自分の意思で人を何人か殺していたならね」
エイベルはそう口にしながら手帳をしまう。
それは私への事情聴取が終わった事を示している。
「辻褄が合ったとは?」
気になって質問した。
「いえ、実はですね……質問を開始するうえであなたに隠していた事があるのです。申し訳なかった」
「……?」
「昨日、怪人……チャーリー・ヒルの死体が発見されていました。その件はあなたにしばらく伏せておくつもりでした」
「……ああ」
表情からなんとなく察した。
私を気づかっていてくれたのだろう。
「もしや、私が怪人にトラウマを抱えているとお考えでしたか?」
「はい、そのとおりです。それを踏まえてあなたの前では妻共々、言葉を慎重に選んできたつもりでした」
「……なるほど」
「しかし意外でした。王宮の者や騎士団はクルック伯爵やチャーリー・ヒルこそが今回の事件の主犯で、ケイト・カミラ・クルックは巻き込まれた少女と今でも考えています」
それはそうなるか。
可憐な容姿の十六の少女が殺人犯という状況。
普通なら悪い大人に影響されたとか、濡れ衣を着せられたと思うはず。
「……」
やはりエイベルの一言が気になる。
「それで、辻褄が合うとは?」
再度質問した。
その言葉が出たなら、クルック伯爵とチャーリーが主犯説に何か疑問点があったということだ。
「はい、それを説明するには少し回りくどくなるのですが。チャーリー・ヒルの死体は王都郊外の湖に浮いていました」
「湖?」
「あなたの証言から察するに、貴族街の地下は王都の北方にある崖の下の湖に繋がっていたようです」
「初耳です」
「ええ、我々も……いや、おそらくこの国の誰もが知らなかった事ですね。とにかく、遺体の損傷は少なくてですね。チャーリー・ヒルは死ぬ直前の表情をそのまま残していた」
「……!」
「大勢の騎士相手に物怖じしなかった元軍人の男がね。恐怖に引き攣った顔をしていたんですよ」
「……それはやはり、弱ったときにケイトを見たから」
「でしょうね」
そこで完全に会話はとぎれた。
私はもう休むように言われる。
しばらくしてベアトリクス様とヘンズリー老夫婦も帰ってきた。
「お姉さま、お義兄さま。話は終わりましたの?」
「ええ、ベアトリクス様。もうイーモン殿は休んでいます」
怪我のせいか、少し疲れるとすぐに眠くなる。
いつの間にか意識が朦朧としていた。
廊下での話し声がだんだん遠くなる。
そうか、ベアトリクス様。
エイベルの事情聴取のために席を外していたのか。
「さすがのベアトリクスちゃんも、連日のイーモンさんの看病で体調を崩したようだしね。あなたも少し休みなさい」
「おばあさま。もう大丈夫ですわ」
「ほっほ、そうじゃのう。さっきは鹿肉のシチューを二人前ペロリだったしな」
「……」
ベアトリクス様と老夫婦が仲良く話してる。
確かに彼女が食欲が無くなるイメージはわかない。
いや……そうでもないか。
一度だけベアトリクス様が食欲不振になったのを見た事があったな。
「……」
些細な疑問はすぐに頭から消えてなくなった。
私は眠りに落ちる。
「イーモン、また寝ちゃったのですわね」
「ええ、病中なのにかなり長い間私の質問に答えていただいたので」
「……」
「……」
夢心地に聞こえてくるベアトリクス様の声。
なんだろう?
なんだか生き生きとしているような?
†††††
数日後。
ベアトリクス様を始めとしたたくさんの人の介護のおかげで、私は無事診療所を退院した。
しかし足のケガは思ったよりは酷く、しばらくは松葉杖を使う事に。
「これでは執事の仕事に支障がでますね」
リハビリを兼ねてヘザー家に歩いて帰る途中、隣を歩くベアトリクス様にそう語りかけた。
雪が降っている。
病室の窓から見ていたが、ここしばらくは晴れてたのだが……。
貴族街の石畳はうっすらと白く染まる。
滑らないように気を付けないと。
退院後またケガしたら笑い話にもならない。
「……?」
ベアトリクス様がしかめっ面をしているのに気づいた。
「もう、また敬語に戻ってますわ。私たちは恋人同士なのに」
「あ、すまん」
「それに執事の仕事や家庭教師の件はもういいのでは? そろそろお父様も外国から帰ってきますし……」
「……?」
「本格的に私たちの仲を報告しませんか? そうなったらあなたは執事ではなく、お父様の事業の右腕的な存在になるかもしれませんわ」
「は、はぁ」
長い髪をなびかせながら、生き生きとした表情でベアトリクス様はそう語る。
すれ違う通行人が彼女に見とれている気がする。
それほどに健康的で美しい。
「イーモン、聞いてます?」
「ああ、聞いてる」
「結婚! を視野に入れて、私と付き合ってくれませんか! と、言ってるんですが!」
「え、えぇ!?」
唐突の発言に戸惑う。
ベアトリクス様は顔を真っ赤にして、恥じらいながら続きを語る。
彼女なりに、勇気を振り絞ったのか。
「普通、こういう事は男性側から切り出すものですわ」
「うっ……」
「でも、もう我慢できませんわ……イーモンと一緒にいると落ち着きますの。他の女性に取られたくありませんわ」
「そ、そんな理由で?」
唐突の告白の後には、およそ生涯の伴侶を決めるにはふさわしくない理由を口にしだす。
ケイトに比べて大人びて見えるが、やはりベアトリクス様もまだ子供だ。
「世間一般にとっては『そんな理由』でも! 私にとっては一番大切な事なんですの」
「は、はい」
「……おそらくケイトもそうだった」
「……!?」
ベアトリクス様がここ最近で、初めてケイトの名を口にした。
なんだが悲しげに聞こえた。
そこには殺人犯に対する軽蔑や畏怖などは感じられない。
「そろそろ学園が冬休みに入りますわね」
話が切り替えられた。
松葉杖で足が遅い私の目の前に移動し、後ろ向きで歩きながらベアトリクス様は指を立てる。
「まあしばらく休んでいたから、私はもう冬休みに入っていたようなものですが」
「……私のためにすまんな」
「そんな事はどうでもいいですわ。とにかく、冬休み!」
「……?」
「あの森の館で過ごしましょう。どうしても調べたい事がありますの。生前のケイトについて」
……あの森の館に行くのか。
今となっては、王都中で血の惨劇が起きた場所として有名になっているのだが……。
そういえば、マリンやアレンたちは今回の事態をどう受け止めているのだろうか。
「……」
ふと、ケイトの話が出て彼女の最後の言葉を思い出す。
ベアトリクスとは別れた方がいい。
そう言っていた。
このままでは、後戻り出来なくなるが……。
話せる情報はすべて話したつもりだ。
「なるほど……いろいろと辻褄が合いましたが。ケイト・カミラ・クルックの冤罪のほうは立証は難しいかもしれません。実際に彼女が自分の意思で人を何人か殺していたならね」
エイベルはそう口にしながら手帳をしまう。
それは私への事情聴取が終わった事を示している。
「辻褄が合ったとは?」
気になって質問した。
「いえ、実はですね……質問を開始するうえであなたに隠していた事があるのです。申し訳なかった」
「……?」
「昨日、怪人……チャーリー・ヒルの死体が発見されていました。その件はあなたにしばらく伏せておくつもりでした」
「……ああ」
表情からなんとなく察した。
私を気づかっていてくれたのだろう。
「もしや、私が怪人にトラウマを抱えているとお考えでしたか?」
「はい、そのとおりです。それを踏まえてあなたの前では妻共々、言葉を慎重に選んできたつもりでした」
「……なるほど」
「しかし意外でした。王宮の者や騎士団はクルック伯爵やチャーリー・ヒルこそが今回の事件の主犯で、ケイト・カミラ・クルックは巻き込まれた少女と今でも考えています」
それはそうなるか。
可憐な容姿の十六の少女が殺人犯という状況。
普通なら悪い大人に影響されたとか、濡れ衣を着せられたと思うはず。
「……」
やはりエイベルの一言が気になる。
「それで、辻褄が合うとは?」
再度質問した。
その言葉が出たなら、クルック伯爵とチャーリーが主犯説に何か疑問点があったということだ。
「はい、それを説明するには少し回りくどくなるのですが。チャーリー・ヒルの死体は王都郊外の湖に浮いていました」
「湖?」
「あなたの証言から察するに、貴族街の地下は王都の北方にある崖の下の湖に繋がっていたようです」
「初耳です」
「ええ、我々も……いや、おそらくこの国の誰もが知らなかった事ですね。とにかく、遺体の損傷は少なくてですね。チャーリー・ヒルは死ぬ直前の表情をそのまま残していた」
「……!」
「大勢の騎士相手に物怖じしなかった元軍人の男がね。恐怖に引き攣った顔をしていたんですよ」
「……それはやはり、弱ったときにケイトを見たから」
「でしょうね」
そこで完全に会話はとぎれた。
私はもう休むように言われる。
しばらくしてベアトリクス様とヘンズリー老夫婦も帰ってきた。
「お姉さま、お義兄さま。話は終わりましたの?」
「ええ、ベアトリクス様。もうイーモン殿は休んでいます」
怪我のせいか、少し疲れるとすぐに眠くなる。
いつの間にか意識が朦朧としていた。
廊下での話し声がだんだん遠くなる。
そうか、ベアトリクス様。
エイベルの事情聴取のために席を外していたのか。
「さすがのベアトリクスちゃんも、連日のイーモンさんの看病で体調を崩したようだしね。あなたも少し休みなさい」
「おばあさま。もう大丈夫ですわ」
「ほっほ、そうじゃのう。さっきは鹿肉のシチューを二人前ペロリだったしな」
「……」
ベアトリクス様と老夫婦が仲良く話してる。
確かに彼女が食欲が無くなるイメージはわかない。
いや……そうでもないか。
一度だけベアトリクス様が食欲不振になったのを見た事があったな。
「……」
些細な疑問はすぐに頭から消えてなくなった。
私は眠りに落ちる。
「イーモン、また寝ちゃったのですわね」
「ええ、病中なのにかなり長い間私の質問に答えていただいたので」
「……」
「……」
夢心地に聞こえてくるベアトリクス様の声。
なんだろう?
なんだか生き生きとしているような?
†††††
数日後。
ベアトリクス様を始めとしたたくさんの人の介護のおかげで、私は無事診療所を退院した。
しかし足のケガは思ったよりは酷く、しばらくは松葉杖を使う事に。
「これでは執事の仕事に支障がでますね」
リハビリを兼ねてヘザー家に歩いて帰る途中、隣を歩くベアトリクス様にそう語りかけた。
雪が降っている。
病室の窓から見ていたが、ここしばらくは晴れてたのだが……。
貴族街の石畳はうっすらと白く染まる。
滑らないように気を付けないと。
退院後またケガしたら笑い話にもならない。
「……?」
ベアトリクス様がしかめっ面をしているのに気づいた。
「もう、また敬語に戻ってますわ。私たちは恋人同士なのに」
「あ、すまん」
「それに執事の仕事や家庭教師の件はもういいのでは? そろそろお父様も外国から帰ってきますし……」
「……?」
「本格的に私たちの仲を報告しませんか? そうなったらあなたは執事ではなく、お父様の事業の右腕的な存在になるかもしれませんわ」
「は、はぁ」
長い髪をなびかせながら、生き生きとした表情でベアトリクス様はそう語る。
すれ違う通行人が彼女に見とれている気がする。
それほどに健康的で美しい。
「イーモン、聞いてます?」
「ああ、聞いてる」
「結婚! を視野に入れて、私と付き合ってくれませんか! と、言ってるんですが!」
「え、えぇ!?」
唐突の発言に戸惑う。
ベアトリクス様は顔を真っ赤にして、恥じらいながら続きを語る。
彼女なりに、勇気を振り絞ったのか。
「普通、こういう事は男性側から切り出すものですわ」
「うっ……」
「でも、もう我慢できませんわ……イーモンと一緒にいると落ち着きますの。他の女性に取られたくありませんわ」
「そ、そんな理由で?」
唐突の告白の後には、およそ生涯の伴侶を決めるにはふさわしくない理由を口にしだす。
ケイトに比べて大人びて見えるが、やはりベアトリクス様もまだ子供だ。
「世間一般にとっては『そんな理由』でも! 私にとっては一番大切な事なんですの」
「は、はい」
「……おそらくケイトもそうだった」
「……!?」
ベアトリクス様がここ最近で、初めてケイトの名を口にした。
なんだが悲しげに聞こえた。
そこには殺人犯に対する軽蔑や畏怖などは感じられない。
「そろそろ学園が冬休みに入りますわね」
話が切り替えられた。
松葉杖で足が遅い私の目の前に移動し、後ろ向きで歩きながらベアトリクス様は指を立てる。
「まあしばらく休んでいたから、私はもう冬休みに入っていたようなものですが」
「……私のためにすまんな」
「そんな事はどうでもいいですわ。とにかく、冬休み!」
「……?」
「あの森の館で過ごしましょう。どうしても調べたい事がありますの。生前のケイトについて」
……あの森の館に行くのか。
今となっては、王都中で血の惨劇が起きた場所として有名になっているのだが……。
そういえば、マリンやアレンたちは今回の事態をどう受け止めているのだろうか。
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