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最終章 暴走する悪役令嬢を止める禁句とは
5話 深まる謎
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ベアトリクス様の通う学園が冬休みに入った。
私の足は完治し、普通に歩けるようになっていた。
今日は完治祝いという事で、トレイシーと共に酒場で飲んでいる。
思えばこいつには世話になりっぱなしだ。
「イーモン、婚約おめでとう。そのうちこんな馴れ馴れしい口は聞けなくなるかもな」
「……!?」
久しぶりに会って開口一番、衝撃の一言が告げられる。
「婚約? 何の話だ?」
向かいに座る鼻の高い黒髪の男にそう返した。
しばらく沈黙が続く。
「あー、そういう事か。そんな気もしてた」
ビールをジョッキの半分くらい減らしてから、トレイシーはそう語る。
「そんな気?」
「ああ。あのお嬢様、暴走してるのかもなあって感じもしてた」
「待て待て、まったく話が見えないんだが」
「ヘザー家のベアトリクス様。彼女本人がお前と結婚を前提に付き合い始めたって言いふらしてるぞ」
「な、何!?」
貝料理をつまむのにつかっていたフォークを落としてしまった。
それほど動揺を誘う言葉だ。
たしかにこの前、ベアトリクス様のその告白に否定もしなかったわけだが。
「……」
またしばらく沈黙が続く。
ふと辺りを見回してしまった。
ここは大衆酒場の二階。
今日は空いていて、近くのテーブルには他の客はいない。
一階からは雇われ演奏家の奏でる心地よいメロディーが聞こえてきて、そこら中に香ばしい料理と酒の匂いが。
私の好きな空間だ。
……ふと、このままこういう空気に浸れなくなっていく気がして恐怖を感じた。
「トレイシー。お前はその件どう思う?」
テーブルに落としたフォークを拾いながら、そう尋ねてみた。
第三者の意見が聞きたい。
「んー? その感じだとお前のほうは乗り気じゃないみたいだな」
「……正直」
「俺個人からは……こんな上手い話は蹴る理由なんかないだろ、ってしか言えない。相手は若い絶世の美少女、かつ本当に結婚したら婿養子として爵位を継ぐかもしれないわけだしな」
「……」
黙り込んでしまう。
「だいたい、私とベアトリクス様との仲をヘザー男爵様が認めたわけでもないしな」
トレイシーのビールが切れた。
ジョッキを端に寄せ、ストックしていたブランデーを彼のコップに注ぎながらそう答えた。
「そこは大丈夫だろ? あの方はもと平民だし、むしろ政略結婚なんか考えないで娘の幸せを考える方だ」
「ん?」
なんだろう。
なんだかトレイシーの語るダスティン・ジョザイア・ヘザー様の人物像が具体的に聞こえる。
「トレイシー、もしかしてお前はうちの旦那様と知り合いなのか?」
「あれ? 言ってなかったっけ?」
「聞いてない」
「面識はある。とは言っても、一度ここでうちのご隠居と飲んでるのにお供しただけだが」
「ああ、お前のとこのスケベ爺との繋がりか」
「そのスケベ爺様はダスティン様のファンでな。何しろ彼は先の戦争の英雄だ」
そういうことか。
トレイシーもまた男爵家の執事。
私が森の館に七年勤めている間に、この王都で様々な貴族と関わっているのは当然か。
「……」
しかし、気になる。
「なあ、トレイシー。お前の目から見てベアトリクス様の父君はどんな方だった?」
「ヘザー男爵様……か」
トレイシーは何か良い思い出を語るように、表情を柔らかくした。
†††††
つまみが無くなりそうだ。
たまたま二階に来ていた店員さんを呼び、新しい料理を注文した。
「それで、ヘザー男爵家の印象だったな」
最後の貝料理を口にし、ブランデーで流し込みながらトレイシーは語る。
気になって酒を飲むのも忘れてしまうほど、彼の言葉に意識を集中していた。
「一言でいうとな、執事として仕えてみたいと思うような方だった」
「……へえ。カリスマ性があったって事か?」
「ああ、貴族とか先の戦争の英雄とか、そういう肩書きは関係ない。人として大きな方だったな」
「……」
「まあ、見た目は小柄で小太りなおっさんなんだが」
「ああ、それは写真で見てるから知ってる。しかし、ベアトリクス様の件はともかく……未だに雇い主に会ったことがないとは問題かな」
「まあ、あの方は実質的に実業家。外国を飛び回っているからなあ」
「失礼しまーす。白身魚のバター焼きです」
「お、来た来た」
「お前、相変わらずそれ好きだな」
話の途中で新しい料理が来た。
私のほうには揚げ物料理が。
「とにかくな、あの方は人格者だ。娘を幸せにする男なら認めるはず。もしお前が自分が平民だから反対されるかも、なんて思ってるなら見当違いだぞ」
「なるほど」
「うーん、それでもまだ乗り気じゃないな」
「……実はな」
「……?」
思い切って、トレイシーに私が怪人に誘拐されてから地下で起きた事を話してみる事にした。
そして……ケイトにベアトリクス様と別れたほうがいいと言われた事も……。
†††††
しばらく語った。
誘拐されてから、ケイトと殺し合いになりそうになったこと。
勢いでケイトと男女の関係になったこと。
ケイトを自暴自棄にさせたのは自分の不用意な一言だったかもしれないこと。
要約したつもりだったが、かなり長くなった。
それでもトレイシーは真剣に聞いてくれている。
「なるほどね。お前があの時地下で発狂していたのはそういう事だったのか」
「発狂? 私が?」
「ああ。……それに自分で気づいているか? 今のお前の表情は苦しそうだ」
「……!」
そうなのだろうか?
あの事件からしばらく経った。
私なりにかなり落ち着いたつもりなのだが。
「ケイト・カミラ・クルックが最後にベアトリクス様とお前が別れたほうがいいと忠告したのか」
「ああ」
「ならそうなんじゃないのか? 彼女は異常者だったとしても、勘が鋭く物事の理解が深い少女だったのは事実」
「……」
意外だ。
トレイシーの口から生前のケイトを認めていたような発言が。
「まあ、それも射撃大会でケイトと競ったときの印象にすぎんが」
「いや、参考になる」
「でも、それはこれから変えれる可能性もあるんじゃないか?」
「……!」
「まだ何もかも決まったわけじゃないだろ。もう少しじっくり考えてみろよ」
トレイシーはバチっとウィンクをしながらそう答える。
デカい青年のその仕草は正直気持ち悪いが、ありがたいアドバイスだ。
「そうだな、そうしてみる。お前に相談して良かったよ」
「はは、そうか……でもな」
「……?」
トレイシーが急に真面目な顔付きになった。
なんだろうか?
「ケイトがお前とベアトリクス様が似ていると言ったなら、暴走しがちな所も似ているのかもしれない。注意しとけ」
「暴走? 私が?」
「ああ、大人になったお前はそんな事ないけどな。ガキの頃はそうだったぜ」
「本当か?」
「ああ」
自分で気付いてなかった自分の一面を語られ、冷水を浴びせられた気分になる。
たしかに、今までの人生を振り返るとそうだったかもしれない。
それに大人になってからも……。
「トレイシー。改めて言うが、先日あの地下空間で俺はケイトを殺そうとした」
「……それはベアトリクス様に危害を加えさせないためだったんだろ? それに未遂だしパニック状態での話だ。気にするな」
「わかった。でも、それも暴走かもな」
「まあ、な」
「なあ? 俺よりずっと若いベアトリクス様は……とんでもない曲解からとんでもない行動に出る。そんな事もあり得るんだよな?」
「……!」
私の言葉に、トレイシーは目を丸くする。
その後にため息をつきながら、私の空のコップにブランデーを注ぎながら語る。
「イーモン。そういうのは、ベアトリクス様だけではない」
「……?」
「世の中の年頃の少女みんなだ」
「……ごもっとも」
なんだか目からウロコが落ちた気がした。
たしかにそうだ。
十六の少女なんてみんなそんなもんか。
「ケイト。彼女ももしかしたら自分が異常者と思い込んでこじらせたのかな?」
独り言のようにつぶやいた。
そう、願いたいのだろうか。
本当に軽い気持ちでそう語った。
「……!」
しかし、それを聞いたトレイシーは少し青ざめた表情に変わる。
なんなのか。
「あー、未だにお前はそんな事を言うのか」
「……?」
「射撃大会のときに、俺が当時十四才のケイトを怒らせてしまって殴られた話は何度もしたよな?」
「あ、ああ」
「かっこ悪くて言ってなかったがな。俺はあの時肉体的にはダメージはなかったが、情けない悲鳴をあげて尻もちをついたんだぜ」
「……元軍人のお前が?」
「ああ、ケイトは特別な人間だった。キレたときの彼女はまさに怪物だった」
「……」
「あのチャーリー・ヒルも、死ぬ間際にそれを見たんだろうな」
「……」
いつの間にか閉店の時間が近づいていた。
そこでトレイシーとの話は終わりになる。
帰り道、夜風に当たりながらつぶやく。
「ケイト、あいつは何者だったんだろうか?」
結局詳細はわかっていない。
……ベアトリクス様はこの冬休み、生前のケイトが何者だったか調べたいと言っていた。
私も積極的に協力するとしよう。
私も、その答えが知りたい。
私の足は完治し、普通に歩けるようになっていた。
今日は完治祝いという事で、トレイシーと共に酒場で飲んでいる。
思えばこいつには世話になりっぱなしだ。
「イーモン、婚約おめでとう。そのうちこんな馴れ馴れしい口は聞けなくなるかもな」
「……!?」
久しぶりに会って開口一番、衝撃の一言が告げられる。
「婚約? 何の話だ?」
向かいに座る鼻の高い黒髪の男にそう返した。
しばらく沈黙が続く。
「あー、そういう事か。そんな気もしてた」
ビールをジョッキの半分くらい減らしてから、トレイシーはそう語る。
「そんな気?」
「ああ。あのお嬢様、暴走してるのかもなあって感じもしてた」
「待て待て、まったく話が見えないんだが」
「ヘザー家のベアトリクス様。彼女本人がお前と結婚を前提に付き合い始めたって言いふらしてるぞ」
「な、何!?」
貝料理をつまむのにつかっていたフォークを落としてしまった。
それほど動揺を誘う言葉だ。
たしかにこの前、ベアトリクス様のその告白に否定もしなかったわけだが。
「……」
またしばらく沈黙が続く。
ふと辺りを見回してしまった。
ここは大衆酒場の二階。
今日は空いていて、近くのテーブルには他の客はいない。
一階からは雇われ演奏家の奏でる心地よいメロディーが聞こえてきて、そこら中に香ばしい料理と酒の匂いが。
私の好きな空間だ。
……ふと、このままこういう空気に浸れなくなっていく気がして恐怖を感じた。
「トレイシー。お前はその件どう思う?」
テーブルに落としたフォークを拾いながら、そう尋ねてみた。
第三者の意見が聞きたい。
「んー? その感じだとお前のほうは乗り気じゃないみたいだな」
「……正直」
「俺個人からは……こんな上手い話は蹴る理由なんかないだろ、ってしか言えない。相手は若い絶世の美少女、かつ本当に結婚したら婿養子として爵位を継ぐかもしれないわけだしな」
「……」
黙り込んでしまう。
「だいたい、私とベアトリクス様との仲をヘザー男爵様が認めたわけでもないしな」
トレイシーのビールが切れた。
ジョッキを端に寄せ、ストックしていたブランデーを彼のコップに注ぎながらそう答えた。
「そこは大丈夫だろ? あの方はもと平民だし、むしろ政略結婚なんか考えないで娘の幸せを考える方だ」
「ん?」
なんだろう。
なんだかトレイシーの語るダスティン・ジョザイア・ヘザー様の人物像が具体的に聞こえる。
「トレイシー、もしかしてお前はうちの旦那様と知り合いなのか?」
「あれ? 言ってなかったっけ?」
「聞いてない」
「面識はある。とは言っても、一度ここでうちのご隠居と飲んでるのにお供しただけだが」
「ああ、お前のとこのスケベ爺との繋がりか」
「そのスケベ爺様はダスティン様のファンでな。何しろ彼は先の戦争の英雄だ」
そういうことか。
トレイシーもまた男爵家の執事。
私が森の館に七年勤めている間に、この王都で様々な貴族と関わっているのは当然か。
「……」
しかし、気になる。
「なあ、トレイシー。お前の目から見てベアトリクス様の父君はどんな方だった?」
「ヘザー男爵様……か」
トレイシーは何か良い思い出を語るように、表情を柔らかくした。
†††††
つまみが無くなりそうだ。
たまたま二階に来ていた店員さんを呼び、新しい料理を注文した。
「それで、ヘザー男爵家の印象だったな」
最後の貝料理を口にし、ブランデーで流し込みながらトレイシーは語る。
気になって酒を飲むのも忘れてしまうほど、彼の言葉に意識を集中していた。
「一言でいうとな、執事として仕えてみたいと思うような方だった」
「……へえ。カリスマ性があったって事か?」
「ああ、貴族とか先の戦争の英雄とか、そういう肩書きは関係ない。人として大きな方だったな」
「……」
「まあ、見た目は小柄で小太りなおっさんなんだが」
「ああ、それは写真で見てるから知ってる。しかし、ベアトリクス様の件はともかく……未だに雇い主に会ったことがないとは問題かな」
「まあ、あの方は実質的に実業家。外国を飛び回っているからなあ」
「失礼しまーす。白身魚のバター焼きです」
「お、来た来た」
「お前、相変わらずそれ好きだな」
話の途中で新しい料理が来た。
私のほうには揚げ物料理が。
「とにかくな、あの方は人格者だ。娘を幸せにする男なら認めるはず。もしお前が自分が平民だから反対されるかも、なんて思ってるなら見当違いだぞ」
「なるほど」
「うーん、それでもまだ乗り気じゃないな」
「……実はな」
「……?」
思い切って、トレイシーに私が怪人に誘拐されてから地下で起きた事を話してみる事にした。
そして……ケイトにベアトリクス様と別れたほうがいいと言われた事も……。
†††††
しばらく語った。
誘拐されてから、ケイトと殺し合いになりそうになったこと。
勢いでケイトと男女の関係になったこと。
ケイトを自暴自棄にさせたのは自分の不用意な一言だったかもしれないこと。
要約したつもりだったが、かなり長くなった。
それでもトレイシーは真剣に聞いてくれている。
「なるほどね。お前があの時地下で発狂していたのはそういう事だったのか」
「発狂? 私が?」
「ああ。……それに自分で気づいているか? 今のお前の表情は苦しそうだ」
「……!」
そうなのだろうか?
あの事件からしばらく経った。
私なりにかなり落ち着いたつもりなのだが。
「ケイト・カミラ・クルックが最後にベアトリクス様とお前が別れたほうがいいと忠告したのか」
「ああ」
「ならそうなんじゃないのか? 彼女は異常者だったとしても、勘が鋭く物事の理解が深い少女だったのは事実」
「……」
意外だ。
トレイシーの口から生前のケイトを認めていたような発言が。
「まあ、それも射撃大会でケイトと競ったときの印象にすぎんが」
「いや、参考になる」
「でも、それはこれから変えれる可能性もあるんじゃないか?」
「……!」
「まだ何もかも決まったわけじゃないだろ。もう少しじっくり考えてみろよ」
トレイシーはバチっとウィンクをしながらそう答える。
デカい青年のその仕草は正直気持ち悪いが、ありがたいアドバイスだ。
「そうだな、そうしてみる。お前に相談して良かったよ」
「はは、そうか……でもな」
「……?」
トレイシーが急に真面目な顔付きになった。
なんだろうか?
「ケイトがお前とベアトリクス様が似ていると言ったなら、暴走しがちな所も似ているのかもしれない。注意しとけ」
「暴走? 私が?」
「ああ、大人になったお前はそんな事ないけどな。ガキの頃はそうだったぜ」
「本当か?」
「ああ」
自分で気付いてなかった自分の一面を語られ、冷水を浴びせられた気分になる。
たしかに、今までの人生を振り返るとそうだったかもしれない。
それに大人になってからも……。
「トレイシー。改めて言うが、先日あの地下空間で俺はケイトを殺そうとした」
「……それはベアトリクス様に危害を加えさせないためだったんだろ? それに未遂だしパニック状態での話だ。気にするな」
「わかった。でも、それも暴走かもな」
「まあ、な」
「なあ? 俺よりずっと若いベアトリクス様は……とんでもない曲解からとんでもない行動に出る。そんな事もあり得るんだよな?」
「……!」
私の言葉に、トレイシーは目を丸くする。
その後にため息をつきながら、私の空のコップにブランデーを注ぎながら語る。
「イーモン。そういうのは、ベアトリクス様だけではない」
「……?」
「世の中の年頃の少女みんなだ」
「……ごもっとも」
なんだか目からウロコが落ちた気がした。
たしかにそうだ。
十六の少女なんてみんなそんなもんか。
「ケイト。彼女ももしかしたら自分が異常者と思い込んでこじらせたのかな?」
独り言のようにつぶやいた。
そう、願いたいのだろうか。
本当に軽い気持ちでそう語った。
「……!」
しかし、それを聞いたトレイシーは少し青ざめた表情に変わる。
なんなのか。
「あー、未だにお前はそんな事を言うのか」
「……?」
「射撃大会のときに、俺が当時十四才のケイトを怒らせてしまって殴られた話は何度もしたよな?」
「あ、ああ」
「かっこ悪くて言ってなかったがな。俺はあの時肉体的にはダメージはなかったが、情けない悲鳴をあげて尻もちをついたんだぜ」
「……元軍人のお前が?」
「ああ、ケイトは特別な人間だった。キレたときの彼女はまさに怪物だった」
「……」
「あのチャーリー・ヒルも、死ぬ間際にそれを見たんだろうな」
「……」
いつの間にか閉店の時間が近づいていた。
そこでトレイシーとの話は終わりになる。
帰り道、夜風に当たりながらつぶやく。
「ケイト、あいつは何者だったんだろうか?」
結局詳細はわかっていない。
……ベアトリクス様はこの冬休み、生前のケイトが何者だったか調べたいと言っていた。
私も積極的に協力するとしよう。
私も、その答えが知りたい。
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