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第41話 俺だけじゃないし
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学校という特殊な空間が好きだった。
何か行動を起こすと賛同してくれる友だちがいて、一緒にバカな話をするのが楽しくて時間がすぎるのがとても速かった。
塾で習った内容をやっている授業はつまらなかったが、真面目に聞いている友だちがいたため静かにしていた。
「おい。江本、起きなさい」
また、貴也が起こされていた。5年の時も授業中よく寝ていたが6年になってから更にひどくなった。すべての時間寝ている。保健室に行って寝ている時もある。
授業をほとんど受けていないが、テストは満点以外取らず授業でさされれば質問の内容を明確にすぐに答えていた。だから、もしかしたら熟睡はしていないのだろうと思った。
「おい、カズ。また、江本の奴女子に囲まれてるぜ」
掃除の時間、いつものように貴也の周りには女子がいた。その女子と笑顔で話しいるようであったが、よく見れば目が笑っていない。
メンドクサイと思っているのはあきらかだ。
「ちょっと、頭がいいからっていい気になってるよな」
「そうか?」
気のない返事に、ニヤニヤとしていた男子の顔が止まった。他の男子も不思議そうな顔で和也を見た。
「なんだよ。江本の肩を持つのかよ」
「そういうわけじゃねぇよ」
「だよな」男子は安心したように息をはいた「あんな奴の味方したっていいことねぇよな」
いい事しかないだろと内心思った。アイツは勉強だけではなく頭の回転も悪くはない。仲良くすればここでバカやってる男子といるよりは利益になるもしれないと感じたが口には出さなかった。
将来の事などわからない。
こいつらだって突然変貌するかもしれない。
「帰る」突然立ち上がたので、周りの男子は驚いてざわついたがそれを無視してランドセルを背負った。
「え? 本気かよ。まだ、ホームルームやってないじゃん」
「そうだな。でも、帰る」
今までつるんでいた奴と敵対してまで、貴也を庇う気はなかった。しかし、以前のように一緒に貴也を馬鹿にするのは気が引けた。
それは謝ったのだ。そんな自分の行動を嘘にはしたくない。
でも、だからと言ってどうするのか最善か分からず帰ることにした。
周囲から止める声が聞こえたが、返事をせずにそのまま玄関に向かったら隣のクラス担任である鈴木に捕まった。“自分のクラスはいいのか”というと返答はなく一緒に職員室につれていかれて担任の小谷野に引き渡られた。
「クラスは任せて」と小谷野の告げると鈴木は職員室を出て行った。
小谷野は「こい」と言われ、職員室の隣にある会議室に連れて行かれた。
対面に座ると小谷野は大きなため息をついた。
「何してんだ?」
「帰るところです」
悪びれることなく言うと小谷野はまた大きく息をはいた。大分疲れている様子であった。
「疲れてるなら、俺の相手しなくていいです」というと悲しそうな顔をした。
「何か悩みでもあるのか?」
「悩み?」
「5年の時、お母さんが学校に来たこともあっただろう」
小谷野の言葉に、和也は少し考えてから「あぁ」と返事をした。もっと衝撃なことがあって、そんな事すっかり忘れていた。
「叶は中学受験するだってな」
「うん」
「その、勉強が大変なのか? だからストレスで帰ったり騒いだりするのか?」
答えに困り、黙って小谷野を見た。
「そんなに、辛いだったらやり方を変えたらどうだ?」
「やり方? 勉強の? 俺、別に勉強してないです」
「なら、なんで問題行動を起こすんだ。お前はいいかもしれないが、周りが困っている」
貴也の事を言ってるならお門違いだと思った。奴には謝罪したし今日は絡んでいない。騒いでたのだって俺のじゃない。
「あのな……」
答えないでいると、小谷野は“和也が悪い”と言うような説教を始めた。それに腹が立った。
「俺のせいで、クラスが騒がしくなるってことですか? じゃ、尚更さ、俺帰った方がいいじゃないですか」
「そうじゃない。周囲を見てみろ」
いつも騒いでたのは自分だけじゃないと強く反発したい気持ちがあった。そして今日、騒いでいたのは自分ではなかった。
いかにも全てを分かっているという顔をする大人が嫌だった。なにも分かっていない癖に知ったふりして説教して……。和也の中にフツフツと湧き上がるものがあった。
勢いよく立ち上がり、大きな声で「帰る」と言うと教師の言葉など聞かずに学校を飛び出した。そして、そのまま帰宅した。
何か行動を起こすと賛同してくれる友だちがいて、一緒にバカな話をするのが楽しくて時間がすぎるのがとても速かった。
塾で習った内容をやっている授業はつまらなかったが、真面目に聞いている友だちがいたため静かにしていた。
「おい。江本、起きなさい」
また、貴也が起こされていた。5年の時も授業中よく寝ていたが6年になってから更にひどくなった。すべての時間寝ている。保健室に行って寝ている時もある。
授業をほとんど受けていないが、テストは満点以外取らず授業でさされれば質問の内容を明確にすぐに答えていた。だから、もしかしたら熟睡はしていないのだろうと思った。
「おい、カズ。また、江本の奴女子に囲まれてるぜ」
掃除の時間、いつものように貴也の周りには女子がいた。その女子と笑顔で話しいるようであったが、よく見れば目が笑っていない。
メンドクサイと思っているのはあきらかだ。
「ちょっと、頭がいいからっていい気になってるよな」
「そうか?」
気のない返事に、ニヤニヤとしていた男子の顔が止まった。他の男子も不思議そうな顔で和也を見た。
「なんだよ。江本の肩を持つのかよ」
「そういうわけじゃねぇよ」
「だよな」男子は安心したように息をはいた「あんな奴の味方したっていいことねぇよな」
いい事しかないだろと内心思った。アイツは勉強だけではなく頭の回転も悪くはない。仲良くすればここでバカやってる男子といるよりは利益になるもしれないと感じたが口には出さなかった。
将来の事などわからない。
こいつらだって突然変貌するかもしれない。
「帰る」突然立ち上がたので、周りの男子は驚いてざわついたがそれを無視してランドセルを背負った。
「え? 本気かよ。まだ、ホームルームやってないじゃん」
「そうだな。でも、帰る」
今までつるんでいた奴と敵対してまで、貴也を庇う気はなかった。しかし、以前のように一緒に貴也を馬鹿にするのは気が引けた。
それは謝ったのだ。そんな自分の行動を嘘にはしたくない。
でも、だからと言ってどうするのか最善か分からず帰ることにした。
周囲から止める声が聞こえたが、返事をせずにそのまま玄関に向かったら隣のクラス担任である鈴木に捕まった。“自分のクラスはいいのか”というと返答はなく一緒に職員室につれていかれて担任の小谷野に引き渡られた。
「クラスは任せて」と小谷野の告げると鈴木は職員室を出て行った。
小谷野は「こい」と言われ、職員室の隣にある会議室に連れて行かれた。
対面に座ると小谷野は大きなため息をついた。
「何してんだ?」
「帰るところです」
悪びれることなく言うと小谷野はまた大きく息をはいた。大分疲れている様子であった。
「疲れてるなら、俺の相手しなくていいです」というと悲しそうな顔をした。
「何か悩みでもあるのか?」
「悩み?」
「5年の時、お母さんが学校に来たこともあっただろう」
小谷野の言葉に、和也は少し考えてから「あぁ」と返事をした。もっと衝撃なことがあって、そんな事すっかり忘れていた。
「叶は中学受験するだってな」
「うん」
「その、勉強が大変なのか? だからストレスで帰ったり騒いだりするのか?」
答えに困り、黙って小谷野を見た。
「そんなに、辛いだったらやり方を変えたらどうだ?」
「やり方? 勉強の? 俺、別に勉強してないです」
「なら、なんで問題行動を起こすんだ。お前はいいかもしれないが、周りが困っている」
貴也の事を言ってるならお門違いだと思った。奴には謝罪したし今日は絡んでいない。騒いでたのだって俺のじゃない。
「あのな……」
答えないでいると、小谷野は“和也が悪い”と言うような説教を始めた。それに腹が立った。
「俺のせいで、クラスが騒がしくなるってことですか? じゃ、尚更さ、俺帰った方がいいじゃないですか」
「そうじゃない。周囲を見てみろ」
いつも騒いでたのは自分だけじゃないと強く反発したい気持ちがあった。そして今日、騒いでいたのは自分ではなかった。
いかにも全てを分かっているという顔をする大人が嫌だった。なにも分かっていない癖に知ったふりして説教して……。和也の中にフツフツと湧き上がるものがあった。
勢いよく立ち上がり、大きな声で「帰る」と言うと教師の言葉など聞かずに学校を飛び出した。そして、そのまま帰宅した。
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