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魔王城。
誰もが恐れ、勇敢な物が魔王討伐に来る場所である。
そのはずだが……。
「また、お前か。」魔王ルーシアが目を細める。
「魔王様!」
目をキラキラさせながら勇者グリードと呼ばれる男が毎日の様に城に入り浸る。
ルーシアはうんざりとしていた。
「またお会いできて光栄です。僕はいつでも魔王様のそばにいたいんです。今日の魔王様も素敵ですね」頬を赤らめながら「何をされていたんですか? 僕にできることがあれば喜んでお手伝いします。」
早口で捲し立てるように話をする.
「しつこい」
魔力でグリードを吹き飛ばす。
壁に叩きつけられながらも笑顔なグリードにルーシアは目をひそめる。
「痛いですけど……。魔王様に触れられて幸せです」
何をしても喜ぶマゾ男に魔王は呆れていた。
グリードは立ち上がり、ほこりを払う。
物理ダメージがないグリードにルーシアはため息をつくと、転送魔法で城の外に飛ばす。
城の外に転送され、地面に激突するも即座に立ち上がる。
「でも大丈夫。この距離、僕なら走って戻れます」城を見上げながら熱く語る。「魔王様の冷たい仕打ちも愛。これも運命の試練です。待っていてください。すぐ戻ります」
猛ダッシュで城へ向かいながら「魔王様―。僕の愛は不滅ですー」
城の前で騒ぐ勇者にため息をつく。
「バカめ」
グリードは弱くない。むしろ強い。だからこそ、ルーシアの所まで上がってきた。本人がやる気なら倒されるかもしれないが……。
「あ……」
部下のカルトが勇者に投げ飛ばされている。彼は我が軍の中でもトップクラスの実力だ。
グリードはルーシアの部下を殺さないが邪魔をすると投げ飛ばす。魔王自身には手を出さない。
「ルーシア様……」側近のレッグが近づいてきた。黒い長い髪を持ち真っ白な肌をしている。魔族特有の角がなければ人間に見える。それはルーシアも同じだ。
「そんなに勇者が邪魔なら、消せばいいじゃないですか」
「や……、それは」ルーシアは口ごもる。
「はぁ、そうやってウジウジと」レッグがため息をついた。「毎日、勇者グリードをそれで見ているくせに」
レッグが指さしたのは、ルーシアの横にある遠隔透視魔法の水晶だ。グリードに標準を合わせている。
「好きなら好きと言えば」
「いや……、私は魔王だ。人間と違う」ルーシアは落ち込む。「それにグリードは勇者だ。人間と対立すれば彼は人間の肩を持つ」
「まぁ、そうですね」レッグを少し考えた。「分かりました。勇者グリードに人間をやめてもらいましょう。ルーシア様ならできますでしょう」
レッグが微笑み、ルーシアは戸惑う。
「できるが、その方法は……。グリードの承諾が必要だし」どんどん声が小さくなる。「それでも勇者として人間の味方をするに違いない」
思考が後ろ向きになる。
「なら」レッグはニヤリと笑った。「グリードが人間を皆殺しにするように仕向ければいいのです」
「え?」ルーシアは心底驚いた。幼い頃、ルーシアの血を分け与えたが、人間で勇者だ。同じ種族を皆殺しになんてできるはずがない。
ルーシアは周りにいる部下を見た。部下と言っているが家族同然だ。彼らを自ら殺すくらいなら自害を選ぶ。
「大丈夫です」自信満々のレッグに不安があったが、信頼している側近。任せることにした。
グリードがやりかどうかは別として『人間殲滅』は我々の悲願だ。人間に領地を侵略され魔王城に追い込まれたのは500年前。取り返したいと思っている。
誰もが恐れ、勇敢な物が魔王討伐に来る場所である。
そのはずだが……。
「また、お前か。」魔王ルーシアが目を細める。
「魔王様!」
目をキラキラさせながら勇者グリードと呼ばれる男が毎日の様に城に入り浸る。
ルーシアはうんざりとしていた。
「またお会いできて光栄です。僕はいつでも魔王様のそばにいたいんです。今日の魔王様も素敵ですね」頬を赤らめながら「何をされていたんですか? 僕にできることがあれば喜んでお手伝いします。」
早口で捲し立てるように話をする.
「しつこい」
魔力でグリードを吹き飛ばす。
壁に叩きつけられながらも笑顔なグリードにルーシアは目をひそめる。
「痛いですけど……。魔王様に触れられて幸せです」
何をしても喜ぶマゾ男に魔王は呆れていた。
グリードは立ち上がり、ほこりを払う。
物理ダメージがないグリードにルーシアはため息をつくと、転送魔法で城の外に飛ばす。
城の外に転送され、地面に激突するも即座に立ち上がる。
「でも大丈夫。この距離、僕なら走って戻れます」城を見上げながら熱く語る。「魔王様の冷たい仕打ちも愛。これも運命の試練です。待っていてください。すぐ戻ります」
猛ダッシュで城へ向かいながら「魔王様―。僕の愛は不滅ですー」
城の前で騒ぐ勇者にため息をつく。
「バカめ」
グリードは弱くない。むしろ強い。だからこそ、ルーシアの所まで上がってきた。本人がやる気なら倒されるかもしれないが……。
「あ……」
部下のカルトが勇者に投げ飛ばされている。彼は我が軍の中でもトップクラスの実力だ。
グリードはルーシアの部下を殺さないが邪魔をすると投げ飛ばす。魔王自身には手を出さない。
「ルーシア様……」側近のレッグが近づいてきた。黒い長い髪を持ち真っ白な肌をしている。魔族特有の角がなければ人間に見える。それはルーシアも同じだ。
「そんなに勇者が邪魔なら、消せばいいじゃないですか」
「や……、それは」ルーシアは口ごもる。
「はぁ、そうやってウジウジと」レッグがため息をついた。「毎日、勇者グリードをそれで見ているくせに」
レッグが指さしたのは、ルーシアの横にある遠隔透視魔法の水晶だ。グリードに標準を合わせている。
「好きなら好きと言えば」
「いや……、私は魔王だ。人間と違う」ルーシアは落ち込む。「それにグリードは勇者だ。人間と対立すれば彼は人間の肩を持つ」
「まぁ、そうですね」レッグを少し考えた。「分かりました。勇者グリードに人間をやめてもらいましょう。ルーシア様ならできますでしょう」
レッグが微笑み、ルーシアは戸惑う。
「できるが、その方法は……。グリードの承諾が必要だし」どんどん声が小さくなる。「それでも勇者として人間の味方をするに違いない」
思考が後ろ向きになる。
「なら」レッグはニヤリと笑った。「グリードが人間を皆殺しにするように仕向ければいいのです」
「え?」ルーシアは心底驚いた。幼い頃、ルーシアの血を分け与えたが、人間で勇者だ。同じ種族を皆殺しになんてできるはずがない。
ルーシアは周りにいる部下を見た。部下と言っているが家族同然だ。彼らを自ら殺すくらいなら自害を選ぶ。
「大丈夫です」自信満々のレッグに不安があったが、信頼している側近。任せることにした。
グリードがやりかどうかは別として『人間殲滅』は我々の悲願だ。人間に領地を侵略され魔王城に追い込まれたのは500年前。取り返したいと思っている。
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