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勇者はルーシアの部下たちを軽々と投げ飛ばしながら城内に進む。
「すみません。邪魔しないでください。魔王様に会いに来ただけなんです」
勇者はルーシアの前に到着すると、満面の笑みを浮かべる。
「魔王様。僕は諦めません。だって……僕の剣は世界と魔王様、両方を守るためのものですから」
真剣な眼差しで言う、グリードにルーシアは目を細めた。
世界を人間とするならば、我々との共存は無理だ。人間は我らを『魔族』と称し敵とする。
「お茶でも一緒にいかがですか?」グリードが呑気にっこり笑顔。
侵略された我らが人間に友好的な気持ちにはなれない。そもそも人間は常に我らに牙を向ける。
「私は(人間中心な)世界平和なんていらん」
「魔王様……。村を襲わないでください。僕、止めに行かないといけなくなるので……」
グリードが守りやすい村を襲うようにしている。そうすればグリードの名声があがる。それとは別に、良くない行いをしている屋敷も襲う事にしている。
グリードの様に子どもが売られるのは心が痛む。
「でも僕、信じてるんです。魔王様は。本当は優しいって。幼い頃、魔王様に助けてもらったあの日から……」
「……」
必死に叫ぶ、グリードに目を細める。
人身売買市場から助けた日、グリードの記憶は消した。しかし、あの時グリードが怪我をしていたため血を分け与えた。
その影響か……。
グリードが明るく笑顔を作る。
「一緒に世界を良くする方法を考えませんか? 魔王様の力があれば、きっといいことができるはず。僕、魔王様のそばでお手伝いします」
人間のために使う力はない。しかし、グリードのためならと少しは思う。
「邪魔」
グリードが生まれた村に飛ばした。
突然故郷の村に転送され、グリードは驚き周りを見回す。
「あっ……、ここは」
懐かしさと焦りが入り混じった表情をする。
「魔王様、意地悪ですね。でも僕の故郷を覚えていてくれたなんて嬉しい」
村人たちに手を振りながら「みなさん、元気ですか? ちょっと魔王様のところまで戻るので」
すぐに村を出ると、一瞬で走り出す。
「魔王様、待っていてください。こんなことじゃ諦めませんからね。僕の愛は農村の土みたいに肥えてますよ」
ルーシアは遠隔透視魔法を掛けた水晶でグリードの様子をみる。
「はぁ……」
ため息をつくルーシアにレオリオが近づく。一つの身体に対して、二つの頭を持っている。それぞれ、レオとリオという名前がある。
レオがニヤニヤして「また見てるのですが」と言うとリオは「好きですね」と茶化す。
「そうだな」ルーシアはそういうと落ち込む。
ルーシアが持つ、グリードへの気持ちを自覚している。だからこと近づいてほしくはない。
村の女と結婚でもしてくれれば諦めがつくのか。
「あっ」レッドが声を上げた。「グリードを国王の城に飛ばしましょう」
「え……」ルーシアは眉を寄せる。
「あーいいね」リオが賛成。したがレオは「なんでいいんだ?」と首を傾げる。彼ら二人は、身体は同じでも脳が別。性格も考え方も異なる。
「あそこの王女はグリードをいたく気に入っている。噂が本当なら男妾にしようとするんじゃない?」
「げー」レオは舌を出し不機嫌な顔をする。「気持ち悪い。王女って隣国の王子と婚約してなかった?」
「アハハ、そういう趣味ってこと」愉快に話すリオにレオは怪訝な顔をした。
「あっ……、そうか。なら、グリードも男妾になり贅沢に暮らせる」ルーシアは寂しそうにいった。
「ルーシア様」レッグはグリードの事になると自信を無くしネガティブになるルーシアに呆れた。「まぁ、ちょっと考えがありますが、それは別として試してもよいのではないですか?」
「試す?」ルーシアだけなくレオも首を傾げた。
「ええ、ルーシア様への愛です。ルーシア様が好きなら何とかしてまた城にきますよ」
「そうか」ルーシアは力なく笑った。
「すみません。邪魔しないでください。魔王様に会いに来ただけなんです」
勇者はルーシアの前に到着すると、満面の笑みを浮かべる。
「魔王様。僕は諦めません。だって……僕の剣は世界と魔王様、両方を守るためのものですから」
真剣な眼差しで言う、グリードにルーシアは目を細めた。
世界を人間とするならば、我々との共存は無理だ。人間は我らを『魔族』と称し敵とする。
「お茶でも一緒にいかがですか?」グリードが呑気にっこり笑顔。
侵略された我らが人間に友好的な気持ちにはなれない。そもそも人間は常に我らに牙を向ける。
「私は(人間中心な)世界平和なんていらん」
「魔王様……。村を襲わないでください。僕、止めに行かないといけなくなるので……」
グリードが守りやすい村を襲うようにしている。そうすればグリードの名声があがる。それとは別に、良くない行いをしている屋敷も襲う事にしている。
グリードの様に子どもが売られるのは心が痛む。
「でも僕、信じてるんです。魔王様は。本当は優しいって。幼い頃、魔王様に助けてもらったあの日から……」
「……」
必死に叫ぶ、グリードに目を細める。
人身売買市場から助けた日、グリードの記憶は消した。しかし、あの時グリードが怪我をしていたため血を分け与えた。
その影響か……。
グリードが明るく笑顔を作る。
「一緒に世界を良くする方法を考えませんか? 魔王様の力があれば、きっといいことができるはず。僕、魔王様のそばでお手伝いします」
人間のために使う力はない。しかし、グリードのためならと少しは思う。
「邪魔」
グリードが生まれた村に飛ばした。
突然故郷の村に転送され、グリードは驚き周りを見回す。
「あっ……、ここは」
懐かしさと焦りが入り混じった表情をする。
「魔王様、意地悪ですね。でも僕の故郷を覚えていてくれたなんて嬉しい」
村人たちに手を振りながら「みなさん、元気ですか? ちょっと魔王様のところまで戻るので」
すぐに村を出ると、一瞬で走り出す。
「魔王様、待っていてください。こんなことじゃ諦めませんからね。僕の愛は農村の土みたいに肥えてますよ」
ルーシアは遠隔透視魔法を掛けた水晶でグリードの様子をみる。
「はぁ……」
ため息をつくルーシアにレオリオが近づく。一つの身体に対して、二つの頭を持っている。それぞれ、レオとリオという名前がある。
レオがニヤニヤして「また見てるのですが」と言うとリオは「好きですね」と茶化す。
「そうだな」ルーシアはそういうと落ち込む。
ルーシアが持つ、グリードへの気持ちを自覚している。だからこと近づいてほしくはない。
村の女と結婚でもしてくれれば諦めがつくのか。
「あっ」レッドが声を上げた。「グリードを国王の城に飛ばしましょう」
「え……」ルーシアは眉を寄せる。
「あーいいね」リオが賛成。したがレオは「なんでいいんだ?」と首を傾げる。彼ら二人は、身体は同じでも脳が別。性格も考え方も異なる。
「あそこの王女はグリードをいたく気に入っている。噂が本当なら男妾にしようとするんじゃない?」
「げー」レオは舌を出し不機嫌な顔をする。「気持ち悪い。王女って隣国の王子と婚約してなかった?」
「アハハ、そういう趣味ってこと」愉快に話すリオにレオは怪訝な顔をした。
「あっ……、そうか。なら、グリードも男妾になり贅沢に暮らせる」ルーシアは寂しそうにいった。
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「試す?」ルーシアだけなくレオも首を傾げた。
「ええ、ルーシア様への愛です。ルーシア様が好きなら何とかしてまた城にきますよ」
「そうか」ルーシアは力なく笑った。
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