【完結】愛しの魔王様~魔王(依存・執着)×勇者(積極的わんこ)~

黒夜須(くろやす)

文字の大きさ
37 / 38

37

しおりを挟む
彼らの忠誠に誇りを感じ家族という言葉に胸が熱くなった。
家族たちが飛び立つのを見送ってから、ルーシアの前に行った。
城にはルーシアとグリード、それに人間だった者たちしかいなかった。
真っ赤に染まったこの地が、ルーシアとの世界が始まる場所だと思うと楽しくてしかなかった。

「ルーシア様、僕も行きます」

醜い人間なんて生き物はいらない。家族と同様に根絶やしにしなくてはならない。
ルーシアと家族たちが幸せに暮らせる世界を作る必要がある。

「舐めろ」ルーシアが、ルドルフにやられた傷を見せてきた。血は止まっているが痛々しい。
転がっているルドルフの首を睨みつけた。
「ルーシア様」

恐る恐る傷に近づき、優しくそっと唇を傷口に当てルーシアの様子を伺った。彼の笑顔を見て安心すると、舌を伸ばし丁寧に血を舐めとった。
ルーシアの味に陶酔しながら奉仕の喜びに身を震わせた。

グリードが舐めると傷が薄くなった。
「え……?」
「お前の力だ。俺の魔力をいれたからな。俺以外に使うなよ」
ルーシアは笑った。

傷が完全に消えるのを見て、驚きの表情を浮かべルーシアを見た。彼は愛しそうにグリードを見つめる。
グリードは自分の頭にあるツノに触れた。身体がどう変化しているのか分からない。しかし、ルーシアの力となるなら最高に幸せだ。
「魔王様だけのために……」
ルーシアの力を体内に感じ彼との繋がりに深い喜びを覚えた。
「近くの街に転送するが、私はもう疲れたからグリードがやれよ」
ルーシアの手を握られ心臓が跳ねた。彼の体温を感じると身体が熱くなる。
これから戦いに向かうのに、酷く興奮した。
「かしこまりました」
一瞬で近くの村に着いた。
「ま、魔王だ」
「きゃー」
魔王を見た瞬間、民から叫び声が上がった。
まだ、何もしていないのに姿を見ただけで逃げ出す民に腹が立った。
「貴様」
「魔王め」
何もしていないに、攻撃をしてくる者もいた。外見だけで善悪を判断する人間に心底呆れた。
こんな者を必死に守ろうとしていた過去に自分を叱ってやりたい。
「よろしく」
ルーシアは民の攻撃を軽く避けると手を振った。そして、浮き上がり空中でグリードの様子を見ていた。
彼の視線に身体の熱が上がる。
グリードは双剣を抜き冷酷な笑みを浮かべ民たちに視線を向けた。
「お前らはいらない」低く宣言した。
一瞬の静寂の後、驚異的な速さで村人たちに襲いかかり容赦なく切り裂いていく。
血飛沫を浴びながらルーシアのために殺戮を開始する。

「助けてください」命乞いをする女の声。
「ママ」母の名前を呼ぶ少女の声。
「わ、わしは歩けないから……」寝たきりの老人。

グリードは一切民の言葉に耳を貸さない。次々と、命を奪っていく。

「グリード、可愛いな」ルーシアは満足そうに空からグリードの様子を見ていた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

【短編】淫紋を付けられたただのモブです~なぜか魔王に溺愛されて~

双真満月
恋愛
不憫なメイドと、彼女を溺愛する魔王の話(短編)。 なんちゃってファンタジー、タイトルに反してシリアスです。 ※小説家になろうでも掲載中。 ※一万文字ちょっとの短編、メイド視点と魔王視点両方あり。

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...