34 / 146
ルイのモヤモヤ再び
しおりを挟む
「ねえ、神経質になっているのは誰だと思う」
家系図を指さしながら真剣な顔で聞いてきた。
自分を警戒している人間を知りたいのであろうか。
しかし、困ったことに事件のことを知っているものは全員ルカに対して皆神経質になっている。ルカの態度が変わった時も城中落ち着かなかった。様々な噂が流れていたが全てルカの耳には入っていないはずである。
ルカが知りたいのならばと、神経質になっている人間については王族とその周辺の人を指さした。
”多すぎる”と言われたがそれ以上絞ることはできない。あまり絞ってルカが逆にその相手に対して神経質になってしまってはまずいと思った。
この辺で話は終わるのかと思った時、ルカから一番聞きたい言葉が飛び出た。
「そうか。なら、頻繁にアーサーに遭遇するのはやっぱり偶然だよね。」
アーサー?
アーサーと遭遇するのは偶然とはどういう意味だ。今までの楽しい気持ちが嘘の様に落ちていく。
またあのモヤモヤとした黒いものが僕の中に現れた。
僕のその様子にルカが慌てて”裏切らない”と言う。おそらくアンドルーの様に僕を殺さないと言う意味だろう。
そういう話をしてるのではない。
アーサーとの遭遇について詳しく知りたいとルカに詰め寄った。あまりに近寄りすぎて顔を押されたが気にしなかった。ルカに言葉1つも逃さずに聞きたいと思ったのである。
間近で見たルカの顔は本当に美しい。僕と同じベースであるが目が鋭く凛々しいのだ。
なかなか話が始まらないのでお互いの鼻が触れるくらいまで近づくと困った顔をしてさっきより強く顔を押された。”話す”というので今度は素直に従った。
ルカが話したのは幼少期アーサーと遭遇したことだ。その1つで終わりにしようとしたため僕は話を催促した。しかし、いくら聞いても僕が知っている一番最近の話をしない。ルカの顔が焦っているようにも感じるため、1回催促をやめた。
どうやら、ルカはアーサーとの最近あったことを隠したいようである。最初は以前自分が想像したアーサーとルカの関係かと黒い気持ちが現れたが無理やり押し込めた。しかし、それは根拠のない話である。
目の前のルカは首を傾げながら心配そうに僕を見てくれている。
以前は国王やその周囲から王位継承者としての振る舞いを期待され、それに答えれば答えるほどルカは僕から離れていった。
唯一の兄弟であり一緒に国を支えて行かなくてはいけない相手であるためルカに好かれたいと思っていた。ルカの態度から嫌われていると思い、毎日どうしていいか悩んでいた。
しかし、僕はルカに好かれている。
今の関係を崩したくはない。
例えば、ルカとアーサーがどんな関係であっても真実を知らなくてはならない。さっきは感情が高ぶりすぎてルカを問い詰めた事を後悔した。
なるべく自分の感情を抑えて根拠のある説にしなくてはならない。魔法陣のように先入観で“これはダメ”として利点に気づかないのではこれから先、損をするのは自分であると知った。
家系図を指さしながら真剣な顔で聞いてきた。
自分を警戒している人間を知りたいのであろうか。
しかし、困ったことに事件のことを知っているものは全員ルカに対して皆神経質になっている。ルカの態度が変わった時も城中落ち着かなかった。様々な噂が流れていたが全てルカの耳には入っていないはずである。
ルカが知りたいのならばと、神経質になっている人間については王族とその周辺の人を指さした。
”多すぎる”と言われたがそれ以上絞ることはできない。あまり絞ってルカが逆にその相手に対して神経質になってしまってはまずいと思った。
この辺で話は終わるのかと思った時、ルカから一番聞きたい言葉が飛び出た。
「そうか。なら、頻繁にアーサーに遭遇するのはやっぱり偶然だよね。」
アーサー?
アーサーと遭遇するのは偶然とはどういう意味だ。今までの楽しい気持ちが嘘の様に落ちていく。
またあのモヤモヤとした黒いものが僕の中に現れた。
僕のその様子にルカが慌てて”裏切らない”と言う。おそらくアンドルーの様に僕を殺さないと言う意味だろう。
そういう話をしてるのではない。
アーサーとの遭遇について詳しく知りたいとルカに詰め寄った。あまりに近寄りすぎて顔を押されたが気にしなかった。ルカに言葉1つも逃さずに聞きたいと思ったのである。
間近で見たルカの顔は本当に美しい。僕と同じベースであるが目が鋭く凛々しいのだ。
なかなか話が始まらないのでお互いの鼻が触れるくらいまで近づくと困った顔をしてさっきより強く顔を押された。”話す”というので今度は素直に従った。
ルカが話したのは幼少期アーサーと遭遇したことだ。その1つで終わりにしようとしたため僕は話を催促した。しかし、いくら聞いても僕が知っている一番最近の話をしない。ルカの顔が焦っているようにも感じるため、1回催促をやめた。
どうやら、ルカはアーサーとの最近あったことを隠したいようである。最初は以前自分が想像したアーサーとルカの関係かと黒い気持ちが現れたが無理やり押し込めた。しかし、それは根拠のない話である。
目の前のルカは首を傾げながら心配そうに僕を見てくれている。
以前は国王やその周囲から王位継承者としての振る舞いを期待され、それに答えれば答えるほどルカは僕から離れていった。
唯一の兄弟であり一緒に国を支えて行かなくてはいけない相手であるためルカに好かれたいと思っていた。ルカの態度から嫌われていると思い、毎日どうしていいか悩んでいた。
しかし、僕はルカに好かれている。
今の関係を崩したくはない。
例えば、ルカとアーサーがどんな関係であっても真実を知らなくてはならない。さっきは感情が高ぶりすぎてルカを問い詰めた事を後悔した。
なるべく自分の感情を抑えて根拠のある説にしなくてはならない。魔法陣のように先入観で“これはダメ”として利点に気づかないのではこれから先、損をするのは自分であると知った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
201
1 / 4
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる