Marieに捧ぐ 安藤未衣奈は心に溺れる

そらどり

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第一楽章 出会いと気づき

勘違い

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授業が終わり、この後に控えるチャイムが鳴ると同時に昼休みが始まる。

俺は教室の扉に向かい、スタートダッシュを決める準備を始めていた。購買に行くためだ。

いつもは自宅から弁当を持参して登校しているが、今日は朝から父さんの探し物に付き合わされてしまい、登校途中で弁当を買う時間がなかった。

購買は利用したことがない。

正確には新入生の頃に購買を利用しようとしたが、俺が向かった頃にはもう、パンの耳をカリカリに焼いたおやつしか残っていなかった。

それだけでは空腹をしのぐことが出来ず、放課後の部活ではほとんど動けなかったのを覚えている。

それ以来、俺は予め昼食の用意を怠ることなく今日まで過ごしてきたのに。



しかし、今日はいつもより早く授業が終わった。

他のクラスの生徒はまだ授業を受けている最中だ。

チャイムが鳴ると同時に授業が終わるが、その時には既に俺は教室を出ることが出来るのだ。

ならば、これを利用しないわけにはいかなかった。



「購買行くんだったら、俺の分も買ってきてよ」

「メロンパンは一人一つまでしか買えないんだよ」



じゃあいいや、と言って、悠馬は後ろで姿勢を低くして自分のロッカーから弁当を取り出している。

教室に取り付けられた時計を見ると、もう授業の終了時刻を指していた。

少しだけ扉を開けてもいいかな、そう考えているとき、



『___、___、___、___』



チャイムが鳴った。

待ち望んだ瞬間、これを無駄にせずに俺は扉を開けて、廊下に足を出す。

そして、教室との境界線を踏み越えようとしたその時、視界に一人の生徒が入ってくるのに気が付く。

他の教室の生徒がもう出てきたのか、そう思い顔を上げると___



「あ」



丁度目が合った。

相手の生徒も、突然開いた扉に驚いてしまったのだろう、大きく目を見開いていた。

だから、間近でよく見ることが出来た。

眼鏡越しでも伝わる、透き通っていて、美しく輝く瞳が。



「一昨日の……」

「……あ、どうも」



少し他人行儀に話す彼女。

一日話しをした程度の間柄だからか。



「同じ高校だったんだね……」

「そう…だね……」



そう答えると彼女は少し後退りして、視線を下に向けた。

そのまま無言になってしまう。



……どうしよう



購買に行きたかったが、このまま彼女を置いていくのはあまりにも薄情だと思った。

他の教室から生徒がぞろぞろと出て来る。

そして俺たちの後ろを通り過ぎる際に、ちらっと視線を向けて去って行く。廊下で目立ってしまっている。

本当にどうすればいいのか、板挟み状態に焦燥していると、教室から声をかけられる。



「ん? 誰、その子?」

「___!」



突然、俺の背後から悠馬が顔を出して質問してくる。



ナイス___!



ここで会話を盛り上げて、さりげなく自分の目的を伝えよう。

そうすれば、遅れつつある購買への道が再び開かれる。



「ああ、ほら、この間さ、公民館に行ったときに偶然会った人なんだよ」

「そうなんだ」

「そうそうっ! で、名前は___」



そこまで言って初めて気が付く。

彼女の名前を知らなかった。

この流れで彼女に直接聞いたら、悠馬に馬鹿にされないだろうか。



お前っ、初対面で名前を聞かなかったのかよっ?!



爆笑される未来が見えた。



「えーっと……」



こうなると、彼女の口から答えてもらうしかなかった。

俺は目の前にいる彼女に視線を送る。

が、彼女は相変わらず下を向いたままだった。



「……」



沈黙が続いてしまう。

後ろにいる悠馬が不審がっているのが、ひしひしと伝わってきた。



「……! そ、そうだ! ほら、お前から先に自己紹介しろよ!」

「え……? この流れで?」



悠馬は困惑しているが、もうこれしか方法がなかった。

延命措置に過ぎないが、こちらから挨拶すれば、少しは場の空気が和らぐだろう。



「…まあ、いいけど。 じゃあ、俺から自己紹介するね。 俺は倉林悠馬、後は、サッカー部に所属してて……、あ! 好きなものはサブカルチャー全般かな! 特に好きなのはアニメで___」



悠馬は次第にぺらぺらと自分の好きなアニメを語り始めた。

物怖じせずに堂々と話す姿を見ると、一昨日、彼女と二人で話したことを思い出してしまう。

トークショーに参加した、と恥ずかしながらに応えた自分。

別に他人の目なんて気にせずに、悠馬みたいに堂々と話せるのはうらやましいと思ってしまう。



「……」



でも、彼女はどう思っているのだろうか。

いくら他人が気にならないと言っても、それは飽くまでも周りにいる第三者に限る。

実際に会話している相手がつまらないと思ってしまえば、話は別物だ。

俺は視線を彼女に向けると、先ほどと全く同じ光景だった。

全く興味がない、そういう風にしか読み取れなかった。



「でさ! この前言ったイベントで実際にこの目で声優を見れた時は滅茶苦茶テンション上がっちゃってさあ___」



それでも語り続ける悠馬

この状況でも続けられる精神に思わず賛美を送りたいが、流石に彼女が退屈に思ってしまうだろう。

俺は悠馬に声をかけた。



「おい、そろそろ……」

「新藤理沙も綺麗だったけど、一番可愛かったのは、あの新人の___」



こいつ、話聞いてねえ……



周りの人も変な視線を浴びせている。完全に悪い意味で注目を集めていた。

悠馬を止めようとして、廊下に背を向ける。

しかし、そのまま悠馬に近づこうとした時、制服が進行方向とは反対に引っ張られる。



「?」

「ちょっと来て……」



ようやく口を開いた彼女。

俺は引っ張られるままにして、彼女とその場を後にした。

遠くで未だに語り続ける声が聞こえる。



またあいつをほったらかしてしまった……



後で謝ろう、心の中でそう思った。





ーーー





階段を上がっていき、屋上前の扉にたどり着く。

俺は彼女に連れられて、人気のないところまでやってきたみたいだ。



「どこまで行くんだよ?」

「ちょっと待ってて」



そう言うと、彼女は屋上への扉に向かう。

錆びれた引き戸に手をかけて、そのまま力いっぱい引っ張る。

すると、ギシギシと音を鳴らしながら、ゆっくりと扉が開かれていく。



「屋上って立ち入り禁止だろ? 大丈夫なのかよ?」

「ここに誰かが来たことはなかったから、安心していいよ」



開かれた扉の向こうは、普段誰も利用しない屋上のテラスが広がっていた。

扉を閉めて、俺たちは建物の陰になった場所に並ぶ。

こんなところに彼女は通っているのだろうか、先ほどの口ぶりから常習犯であることが想像つく。



「俺部長だから、ばれたらいろいろやばいんだけど……」

「ばれたらやばいのは私の方なんだけど」

「……?」



何を言っているのか、よく分からなかった。

ばれたらやばい? なんのことだろうか。

先ほどの会話らしい会話を一切していない時間の中で、何かあっただろうか。

ほとんど下を向いていただけなのに。



「何かあったのか?」

「え? いや、あったでしょう?」



当然でしょう? と言いたげな口調に余計混乱する。

でも、一つだけ心当たりがあった。

きっとこれが理由だろう、俺は彼女に聞いてみる。



「確かに、あいつが自己紹介とか言いながら自分の趣味を延々と喋っていたのは、君に失礼だと思ったし、俺からも謝るよ……」



謝罪をし、それから続けて話す。



「でも、悪気があったわけじゃないんだ。だから今度会ったときは、話をしてやってほしい……」



嫌みを言ったり、からかったりするのが好きなだけで、根はいい奴なんだ。

自分の勉強もあるのに俺の勉強を見てくれたり、中学から高校までずっと同じ部活で仲良くしてきた。

だから、初対面だけであいつを判断してほしくなかった。

それだけは彼女に伝わってほしい、そう願って彼女を見る。

が、彼女の顔は自分が想像していた表情とは別物だった。



「彼は別に問題ないの」

「……え? そうなのか?」

「そうじゃなくって、問題は話の内容よ」



強張った表情を浮かべて、俺を見る彼女。



内容? あいつは何か言っていたのか?



「そんなひどいことを言っていたのか? そんな言葉は聞き取れなかったけど」

「ひどくはないけど……本人を前にして名前まで出されたら、流石に気づかれるかもしれないでしょ?」



気づかれる?



「職員室に課題を出すだけの予定だったから眼鏡しか付けて来てないし、私を知ってる人が目の前で凝視してきたら、流石にばれるかもしれないし……」



私を知ってる人?



「そう言えば、マスクしてない……」

「あれは声優目当てのイベントだったんだから、眼鏡以外にも変装しないと」



声優……



何だろう、俺は何か大きな勘違いをしているのか?

だって、おかしいだろう。

彼女から出てくる言葉は、まるで___



「声優……」

「だから、ばれたらまずいよねってさっきから言ってるんだけど……」



……



彼女を見る。

先日会った時とは違う、制服に眼鏡を身に着けただけの簡素なスタイル。

前髪は目元を隠すように少々散らかっており、後ろ髪は肩まで降ろされていた。

遠目から見れば、地味、そう言わざるを得ない。



あの時、ステージに立っていた人と同一人物?

ありえないだろ、だってここは、大したとりえのない普通の町だぞ? 

あんなに輝いている人間が、こんなところにいるはずがない。

こんなところに……



でも、彼女の瞳は、あの日見たものと同じ瞳をしていた。

それだけで目の前の彼女が同一人物なのだと分かってしまう。



「……安達未菜」



そう口にする。

思えば、いくらでも気が付く場面はあった。

マスクに眼鏡、加えて帽子を身に着けるかなり厳重な変装。花粉症対策にしては、少々変であった。

目を見たときの違和感だってそうだ。

今までにあんなに人の目を見て、違和感を持ったことはなかった。それに一日で二回も。

それに、今日だってそうだ。

声優の話題を出されて下を向いていたのは、興味がなかったからじゃない。ばれると思ったからに違いない。

パズルのように辻褄が合っていく。

俺は熱くなっていく自分の身体を、ただ見守ることしか出来なかった。



彼女は安達未菜、声優___



その事実は、冷静さを欠くには十分すぎる理由だった。



「……どうしたの? 急に固まって」

「……ごめん」

「え? 何が?」

「……気づかなくって」

「別にいいよ、ばれたわけじゃないんだし、流石にばれたら、今後の生活に支障が出るかもしれないけど」

「……いや、そうじゃなくって」

「? そうじゃないって何が___」

「今、気づいた……」

「?」

「君が声優だってこと……」

「……」



彼女はあっけらかんとしていた。

そして無言になり、辺りは静かになった。

グラウンドから生徒の声が聞こえる。おそらく五限の体育の準備をしているのだろう。

時計を見ていないが、おそらくもう昼休みが終わってしまう。

でも、このまま教室に戻ることは出来なかった。



「……え?」



ようやく沈黙を破って、彼女が言葉は発した。



「待って、え? どういうこと? だって、この前、身内にいるから言わないでいいって……」

「あれは勘違いなんだ。花粉症対策でマスクをしてると思ったんだ。父さんが花粉症だったから、てっきり君もそうなのかなって……」

「花粉症って……、え? そんな理由で……」



彼女は身体の力が抜けてしまったのか、建物の壁に寄りかかってしまった。



「今更ながら思うよ、なんで声優が出演していたのを知っていたのかって」



トークショーに参加したことを告げて落ち込んでいた時、彼女が俺を慰めてくれた際の言葉を思い出した。

たくさん声優がいたよねって、なんで知っていたのか。

構内に貼られていたポスターには、三人の出演者分しか写真が貼られていなかったのに。

パンフレットだってチケットと引き換えにもらえるものだ。

茶道に参加していたのであれば知りようのない話を彼女は知っていた。



「………………」



彼女は両手を顔に当てて、視界を覆っていた。

まるで現実を直視したくないかのように。

そして、小さい声でぶつぶつと何か呪文のようなことを口にし出した。

元々聞く気がなかったというのもあるのだろうが、おそらく耳を澄ましてみても、何も聞き取れないだろう。

時折、頭を覆うようにして腕を組んでいるから、自問自答しているのかもしれない。

なるべくその姿を見ないように、俺は視線をグラウンドに向ける。

グラウンドを見下ろすと、米粒のように小さい点が不規則に移動していた。

凝らしてみると、その数が先ほどよりも多くなっていた。

もう昼休みが終わるのだろう。



いいなあ……



何も考えず、ただ五限目の授業を受けたい。

こんなにも授業に意欲を示したのは新入生の頃以来だ。

そんなふうに現実逃避していると、同じく現実逃避をしていた彼女がようやく話しかけてきた。



「……あんた、どうする気?」

「……え?」



質問の意味が分からなかった。



「どうするって、何を……?」

「ばらすのかって聞いてるのっ」



彼女は立ち上がり、距離を詰めてくる。

視線を合わせず、ただただ迫ってくる彼女に畏怖した。



「ちょっと、落ち着いて……」

「落ち着けるわけないでしょ?! あんたが私を売れば、私の人生は終わりなの!」

「そんな、ばれたくらいで……」

「プライバシーの侵害!」

「はあ?! なんでそうなるんだよ?!」

「そりゃそうでしょ?! 身分、住所、本名、その他全てがSNSに載せられるかもしれないのよ?! あんた責任とれるの?!」

「元はと言えば、お前が勘違いしてぺらぺらと勝手に話したんだろ?!」

「あんたが勘違いさせるようなこと言ったんじゃない!」

「責任転嫁すんなよ!」

「あんたこそ!」



こいつ……!



勝手に勘違いしておいて、いざばれたら俺の責任だと?

自分の発言に責任持てないのかよ?

なんで俺はこんな奴を可愛いなんて思っちまったんだ。

一瞬でも騙された俺が馬鹿だった。



目の前で殺気を放つ彼女。

二人で睨み合い、完全に周りが見えなくなっていた。

だから、突然のチャイムに身体が跳ねてしまった。



「え、やば!」



五限目が始まった。

この場に彼女を置いて、俺は急いで屋上の扉に走る。



「___ちょっと! どこ行くの?!」

「授業だよ!」



そのまま止まることなく、錆びれた扉を開けて、俺はその場を去った。





ーーー





チャイムが鳴り終わり、少し経った後に、俺は教室に入ることが出来た。

幸いにも、先生はまだ来ていなかった。



遅刻をからかわれながら自分の席に着くと、目の席に着いていた悠馬が振り返りながら、聞いてきた。



「お前ら、いつの間にどっか行ったんだよ?」

「え……? あ、悪い、ちょっとな……」



息を整えながら質問に答えるが、流石に二回目だからか、悠馬は不機嫌になっていた。

申し訳ないことをしたな、と反省する。

でも、お前は少し周りを見た方がいい。

それだけは譲れない。



「今度の試験は絶対助けてやらないからな」

「それだけは……推薦で受かりたいから、それだけは……」



脅迫された。頭がいい彼の助けがないと、せっかくここまで良い成績をキープできたのに、推薦をもらえなくなってしまう。

先輩が血眼になってしていた大学受験をする気力は、俺にはなかった。

その時、先生が扉から入ってきた。授業が始まる。

席を立ち、挨拶をする。

そして席に座るときに、俺は重大な事実に気が付いた。



昼食、食べてないや……



この日の放課後、俺はヘロヘロな状態で部活を乗り切った。

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