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第二章
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しおりを挟む王太子様がこの国のトップになることを今まで敢えて深く考えないようにしてたけど、改めて考えると不安しかないわね。
王太子様が周りの意見を聞いてくれる人ならマシだったのだけど、王太子様は苦言を言ってくる人を避ける傾向にあるのよね。
お兄様もその1人で公爵家の跡取りなのに完全に避けられてるのよね。
今、王太子様の周りに残ってるのは、王太子様を褒め称える人しか居ないから、これから良くなる未来なんて全く考えられない。
「2人共そんなに不安そうな顔をするなよ。陛下だってそんな馬鹿じゃないし、無責任なことをする人じゃない。息子に甘いところはあるだろうけど、今のままの王太子様なら国王になんてするはずないだろ」
「でも陛下の息子は王太子様だけだよ」
「確かに今の陛下の息子はミハイル様だけだけど、王族にはユーリ様だって居る。もしも学園に在学中に態度を改めなかったら、ユーリ様が王になる未来だってある。それに………」
お兄様は何かを言い掛けて、急に黙り込んでしまった。
それにの後に何を言うつもりだったのかしら?
「お兄様?」
お兄様をジーッと見つめると観念したように話し始めた。
「これはあまり知られていないんだけど、陛下にはもう一人息子がいるんだよ」
「どういう事ですか?そんなこと聞いたことないですけど………」
陛下にもう一人息子がいる?
そんなの有り得ない、だって存在を全く知られてない王子なんてあり得るの?
例え病弱だったとしても、完全に存在自体を隠すなんて無理よね?
病弱で生まれた息子を疎んで存在を隠してるとか?
でも先王ならそんなことをしそうだけど、今の陛下がそんなことをするとは思えない。
「それって事実なんですか?ただの噂とかではなく?」
レイチェルも知らないってことは、ゲームには一切出て来なかったみたいね。
「俺も小さい頃にミハイル様の側近候補として、王宮に出入りしていた時に侍女達が話したの聞いて知ったんだ。その侍女は古くから居るみたいで詳しかったみたいだ」
「じゃあ、真実ってことですか?その王子は今は何処に何をしてるんですか?存在を隠されてるのは何故ですか?」
「俺も詳しいことは父上から聞いたんだけど、ミハイル様は双子として生まれたみたいなんだ」
お兄様の一言で何が起きたのか全て理解した。
この国では双子の王子が生まれると災いが起きると言われている。
第一子が双子で生まれると争いが起き、沢山の命が失うことになると言われてきた。
これは王族だけではなく、貴族でも同じように考えられていて、第一子が双子で生まれると片方は存在を隠されたり、中には殺されてしまうものも居る。養子に出されたりする者も居るけど、隠れて暮らすよりは全然良いわよね。
こういう迷信が中々消えないのは、あながち間違いではないからかもしれない。
大昔の歴史で双子の王子が王座を奪い合って、国を巻き込んで争ったことが何度もある。
当たり前ですわよね。
片方が王座に興味がないなら問題ないけど、両方が王になりたかったら争いになる未来しかない。
双子じゃなかったとしても、王座を狙って争ったり、命のやり取りがあったりするのだから、数分の違いだけで兄や弟を決められて、兄だからって理由で王太子に選ばれたら、弟の方からしたら不満しかないはず。
そういう事が王族や貴族の間で何度もあり、今では第一子が双子で生まれたら、2人を引き離すようになった。
「第2王子はどうなったのですか?まさか………、」
「今でも元気に生きてるよ。第2王子は子供が望めない辺境伯の養子になって、跡取りとして大事に育てられている」
なら良かった。
「辺境伯とはブリジット辺境伯ですか?あそこは王妃様のご実家でしたよね」
「そうだ。陛下と王妃様は第2王子を愛していないわけではない。だけど国民に不安を与えないようにするためには、苦渋の選択をする必要があった」
「でも1年ずらして発表することも出来ましたよね?1年ぐらいだったら年齢を誤魔化してもバレないでしょうし」
国民には嘘を付くことになってしまうけど、子供を手放さないで済むならそれが良いと思うわ。
私ならそうしてる気がする。
例え預ける相手が兄だったとしても、辺境伯領に行ってしまったら滅多に会えなくなってしまう。
それに親戚だったとしても、王族には簡単に会える立場ではないのだから、自分の子供なのに数回しか会えない可能性がある。
それと自分が本当の親だと言えないのは辛いわよね?
「確かにそうすることも出来るだろうな。だけど第2王子が真実を知ってしまう可能性がある。そうなったら第2王子がどう思うのか予想ができない。気にしないかも知れないが、もしかしたら陛下達を恨むかもしれない」
「その可能性はありますね。私が第2王子の立場だったら耐えられないと思います。だって国の平和の為に、今までの自分の存在が偽りだったって事になりますから、それにちょっとの違いで自分が兄で王座に座るのは、自分だったかもしれないって知ったら、兄を恨むかもしれません。私は王座に興味はありませんけど、そうなる可能性だってありますよね」
そっか………、王宮で過ごすよりも辺境伯領で暮らすほうが真実を知る機会が減るわよね。
現にお兄様は王宮の侍女の話を聞いて、第2王子が居るって知ってしまったくらいですし。
「王妃様がもう子供を産めないのに、陛下が側室を娶らない理由がやっとわかりました。周りが進めても問題ないって言ってたのは、王太子様以外に子供がいたからなのですね。養子に行ってるとはいえ、王太子様に何かあったら、第2王子が王になれるから問題ないんですね」
「それも理由の1つだろうけど、1番の理由は陛下が女性関係に潔癖だからだろうな。先代の王のことがあり、陛下は側室に否定的だからな。それにミハイル様が王になれなくても、ユーリ様がいるからな」
ユーリ様が居たわね。
もしかしたら本命はユーリ様かしら?
陛下がユーリ様に自分の仕事が捌き切れない時に、ユーリ様に仕事を回してるのは有名だもの。
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