【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ

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第二章

18

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 2人が入った修道院を考えると、何故再婚することが出来るのか疑問が生まれるわね。

 あの修道院は1度入門したら出ることは許されずに、一生を神様に捧げることになるはず。

「リリヤ達がどんな方法であそこを出ることが出来たのかは疑問ですが、私達の母親だった人がテイラー伯爵と再婚することになったみたいなんです。リリヤを連れ子として再婚するみたいなので、お二人の養子になるのは間違いないと思います」

「あの女は王太子に執着していたから、レイチェル様とイリーナが通う学園に入って来ると思う。あの者は頭が良いとは思えないから一般クラスに進学するはずです」

 頭が悪いのは予想でしか無いけど、乙女ゲームの為に入学するなら一般クラスで間違いないわよね?

 お父様かユーリ様に頼んで調べてもらおうかしら?

 ん?

 そういえば再婚話はいつから進められたのかしら?

 入学するためのテストは2ヶ月前ぐらいだったから、もしかしたら入学する事が出来ないって可能性もある?

「リリヤは入学するためのテストを受けられたのかしら?」

「どう言うことだ?」

「今、再婚話が出てるってことは、もしかしたら入学テスト受けられてないって可能性はないですか?」

 もしもそうだったとしても来年には入学してくることになるだろうけど、学年が違うだけでも関わりはかなり減るわよね。

「その可能性もあるけど、今の時期に再婚するってことは、入学前にあの女の戸籍をテイラー伯爵家にしたかったってことなんだと思う」

 それもそうね。

 学園では身分関係なく生徒は平等ってなってるみたいだけど、それを守る人ばかりじゃないものね。

 庶民と貴族だったら貴族のほうが色々と安全だったりするはず、一般クラスは人数が多いから色んな人が居るはず、学園のルールがあるから表向きは守るかもしれないけど、裏では何をされるか分からないわよね。

 それに一般クラスで上位の成績を取ってたら一目置かれて安全かもしれないけど、それ以外の者たちで成績が変わらない場合は、身分で優劣をつけることだってあるはず

 テイラー伯爵や私達の元母親だってその事に気が付いてるはずだから、リリヤの安全の為にも再婚を急ごうとしてもおかしくないわね。

 片方が庶民になってるから遅いぐらいかしら?

 入学前に入籍できるか微妙な時期よね。

「その女性と関わらいようにするために、私に特進クラスに変えてほしいってことですか?その方は絶対に一般クラスに入るのでしょうか?王太子様を狙ってるみたいですけど、それなら特進クラスを選ぶんじゃないですか?」

 演技上手いな~

 乙女ゲームをやってたから大体のことは把握してるだろうに、初めて知ったような対応してるわね。

 他国から来たばかりのレイチェルが、この国のことを詳しすぎたら不自然だものね。

「レイチェルが知ってるか分からないけど、この国の王太子様は賢いタイプではないのよ。勉強嫌いで逃げ回ってるって有名なのよね。だから特進クラスには入れないわ」

「だから例の女性も一般クラスに入るって思ってるのね。確かに王太子様を狙ってるなら、同じクラスになれるかは分からないけど、同じ校舎で学びたいって思うわね。特進クラスだと校舎が別ですからね」

「そういうことです」

「でも王になる人が勉強嫌いで逃げ回ってるって大丈夫なんですか?私の兄も勉強は嫌いですけど、国民の為に勉強から逃げたりはしてませんでしたわ」

 普通ならそうなんだよね。

 王太子様が特進クラスに入れないなんておかしいのよね。

 あの方がこの国のトップになると思ったら不安でしかない。

 陛下には子供は王太子様だけですし、ひとり息子だから王妃様が甘やかしてしまったのよね。

「陛下の子供が1人だけなので、王太子様も危機感がないせいで努力をすることがなかったんだと思います。もしも弟が1人でも居れば努力をしていたんじゃないかしら?怠けてたら弟に王座を奪われる可能性がありますからね」

「それはあるかもしれないわね。私には兄が二人居ますけど、小さい頃からお互いをライバル視して切磋琢磨していましたから、だけど兄弟としても仲良かったですわ」

 王太子様にも兄弟が居たらもっとマシだったのかしら?

「王族が子供を沢山要求されるのはお互いを成長させるためなんですかね?」

「1番の理由は王族の血を絶えさせないためでもあるでしょうけど、イリーナの言う通りで成長を促すためでもあると思いますわ。子供が1人だけだと周りが過保護になり過ぎて、その者の成長を妨害してしまいますからね」

 王妃様と王太子様みたいになるってことね。

 王妃様が甘やかし過ぎて、王太子様は嫌なことから全部逃げてますからね。

 他に兄弟が居れば、逃げていたら弟に王座を奪われるって危機感を持つようになるはずだった。

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