家族の一員では無いみたいなので、伯父さんに助けを求めたら王女になりました

みちこ

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クリストファーside

シルビアの寝顔を見ながら、俺の心は後悔でいっぱいになっていた

あんな馬鹿どもに大切な姪を託したのが間違いだった

「寝てしまったわね」

「あぁ、やっと心から安心する場所に行けたってことだろうな。ここに来たときは本当に顔色が悪かったからな」

「ジョルズ•メリルは絶対に許さないわ。あの子が遺してくれた大切な子をこんなに傷付けるなんて許さない。あの男になんて言われても、私だけでも会いに行くべきだったわ」

ソフィーの怒りを隣で感じながら、俺はあの男の話を素直に信じていたことを後悔していた。

俺にとって姪のシルビアは大切な妹の愛娘、2歳までは妹がこの王宮によく連れてきてくれてたけど、ジョルズが自分の妻や娘が王族で、家族の中で自分が1番立場が下なのをコンプレックスに思ってるのを知ってから、シルビアとジョルズの間に亀裂を作らないように、ここに来させるのを控えるようにしていた

ジョルズが妹に愛情がないのは分かっていたけど、娘になら多少の愛情はあると思いジョルズが言っていた

『娘は母親を亡くしたショックが大きくて精神面が不安定になっているから、母親に似ているクリストファー様に会わせるのはちょっと難しい』

って言葉を信じていた

シルビアには会わせられないけど、シルビアと仲良くしているリディアって娘に、シルビアの様子を報告させるってこの王宮に連れてきていた

小さい子供が嘘つくとは思ってなかったんだよな

「ソフィーは何も悪くない。誰だって自分たちが会いに行ったら、シルビアが傷つくと言われて躊躇しないものはいない。今考えたら妹と似ている私が会いに行ったら、シルビアの心が不安定になるってのはわかるが、2歳の頃しか会ってないソフィーに対しても、私を思い出すかもしれないって、無茶苦茶な故事付けに不審に思うべきだった」

「王である貴方に嘘をつくとは思わないわよ。そういえばシルビアは今回何のようでここに来たのかしら?私はシルビアの顔を久しぶりに見れて嬉しいけど、急に伯父さんの顔が見たくて来たなんてことは不自然よね?」

「そうだな。話を聞く前に寝てしまったからな」

ソフィーと今後の話を真剣に話し合ってると、部屋の外が騒がしくなってきた

あの子達が部屋の外で様子を窺ってるのは知ってたけど、とうとう我慢できなくなったみたいだな

「お前たちいい加減にコソコソしてないで入ってきなさい」

「「「「ごめんなさい」」」」

「エリック、ウィリアム、アンリ、ジャンヌ、あなた達いつからそこにいたの!?盗み聞きなんて端ないわよ」

妻に怒られた子供達は落ち込んでしゅんとする

「お母様ごめんなさい」

「母上ごめんなさい。でも僕たちの従姉妹が来てるって聞いたら、居ても立っても居られなかったんだ」

エリックはシルビアのことをとても可愛がっていたから、久しぶりに王宮に来たと知って嬉しかったんだろうな。

一応、アンリとウィリアムもシルビアとあったことがあるけど、二人も当時は小さかったからあまり覚えてないないみたいだな

ジャンヌは生まれる前だから、従姉妹って存在に興味があるだけだろうな

妻に怒られて、アンリの後ろに隠れてたジャンヌは、妻の膝に寝ているシルビアが気になるのかちょこちょこ近づいてくる

「シルビアちゃんは寝てるから騒いではいけませんよ」

「は~い。わぁ~、お姫様みたいだね~」

「本当だ。可愛い!!あれ?泣いてたの?」

ジャンヌにつられてアンリもシルビアの近くにいき顔を覗き込む

「シルビアちゃんはお母さんが亡くなってから一人で頑張っていたの、だから辛かったことを思い出して、ちょっと泣いてしまったのよ」

「そうなんだ。じゃあ、今度からは私がシルビアを守ってあげるわ。もう一人になんてさせないわ。これからはシルビアも王宮で暮らすんでしょ?」

「そのつもりだよ。あの父親に大切なシルビアを預けることは出来ない」

父親として娘を1番に守ることが出来ないなら、シルビアといる資格をジョルズにはやらん

これからはカトリーヌの代わりに俺がシルビアを守っていく
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