27 / 59
24
しおりを挟む私の目の前にはウィリアムお兄様とアンリお姉様のお友達が並んでいる
「みんな紹介するわね。私の従姉妹のシルビアよ。訳あってこれからは王宮で暮らすから仲良くしてあげてね」
「えっと………、シルビア•メリルです。よろしくお願いします」
緊張しながら挨拶する
もしも受け入れられなかったらどうしよう
「シルビア様よろしくお願いします。私はニコル•アジャーニ侯爵家ですわ」
「シルビア様よろしくお願いします。私はイザベラ•ルーチス辺境伯家です。普段はお母様と二人でこの王都に住んでいて、お父様が数ヶ月に1回会いに来てくれてますの」
「シルビア様よろしくお願いします。私はシャノン•フィグラルツ公爵家ですわ」
3人の挨拶が終わる。
この三人がアンリお姉様のお友達なのね。
とても優しそうな人たちだな。
でも何故かシャノン様だけは、凄くキラキラした目で私を見てくる
「あの!!もしかしてカトリーヌ様の子供ですか?」
「はい。そうですけど何でお母様を?」
お母様は元王女だけど、お母様が亡くなったときにシャノン様は5歳だったはずだから、一度も会ったことがないはずなんだけど?
「私のお母様のコレクション部屋にカトリーヌ様の絵が沢山飾ってありますの!!お母様はカトリーヌ様が大好きで、私にいっぱいカトリーヌ様の武勇伝を教えてくれるので、今では私も大ファンなんです!!カトリーヌ様の娘と友達になれるなんて感激です!!」
シャノン様は元気な方なのね。
ちょっとビックリしたけど、お母様の事を褒めてもらえるのは嬉しいわね
「シャノンがこんなに興奮してるのは初めて見たわね。シルビア、この子がウィリアムの婚約者よ」
「そうなんですね。ウィリアムお兄様の婚約者にお母様を褒めてもらえるのは嬉しいですわ。これから私と仲良くしてもらえると嬉しいです」
「勿論よ!!」
シャノン様はそう言って、私の両手を握ってブンブン振る
「シャノン、そろそろ良いか?俺たちも紹介したいんだけど」
「あっ……、そうでしたね。ウィリアムごめんなさい」
「構わないよ。シャノンの可愛ところが見れたからね」
ウィリアムお兄様が激甘だ
見てるこっちが恥ずかしくなる
「アンリが紹介したけど、俺の従姉妹のシルビアだ。」
「初めましてシルビア様、私はマルセル•ツォンガ伯爵家です」
「シルビア様、お会いできて光栄です。僕はシャルル•バーネイ侯爵家です。アンリ様と婚約させて貰ってます」
この人がアンリお姉様の婚約者なんだ。
とても優しそうでアンリお姉様を優しい目で見つめてる
「もう!!アンリ様って呼ばないでって言ってるでしょ。貴方は私の婚約者なんだからアンリで良いのよ」
「それは二人のときだけだよ」
シャルル様はそう言ってアンリお姉様の頭を撫でる
ここにもラブラブな人達がいた
「そろそろ良いか?俺も自己紹介がしたいんだけど」
「あぁ、悪かった。どうぞ」
「俺はダニエル•ブリュネ伯爵家です」
わぁ~、とってもかっこいい人だな。
伯父様やエリックお兄様やウィリアムお兄様もかっこいいと思ったけど、ダニエル様は特にかっこいいかもしれない
ダニエル様をボーっと見つめてると、ダニエル様は私の目の前まで来ると、私の両手を握ってきた!?
「シルビア様!!俺の恋人になってください!!」
「えっ!?いや……えっ?」
いきなりの事でビックリし過ぎで何を言っていいのか困ってしまった
確実に私の顔は真っ赤になってる自覚がある
「おい!!脳筋バカ、初対面で何を言ってるんだ!!」
「シルビア!!この男は危険だからこっちに来なさい」
「シルビア様、大丈夫ですか!?怖かったですよね。あの男は馬鹿だとは思ってましたけど、ここまでとは思いませんでしたわ」
ウィリアムお兄様はダニエル様の頭を思いっ切り殴り、アンリお姉様は私を自分の後ろに隠してダニエル様を睨みつける
シャノン様は固まったままでいる私を見て心配してくれる
私と引き離されたダニエル様は不満そうに、ウィリアムお兄様を睨みつけている
「俺達の中を邪魔するつもりなのか!!もしかしてウィリアムもシルビア様のことを好きなのか!?もしかして俺たちはライバル?」
「さっきから何を言ってるんだ?俺にとってシルビアは守るべき存在だけど、恋愛感情は一切ない。俺にはシャノンが居るの知ってるだろ。俺が言いたいのは、初対面の相手をいきなり口説くなんて何を考えてるんだってことだよ」
「俺の行動の何がおかしいんだ?俺の父さんは好きな相手が出来たら、相手が粘り負けするまて押しまくれって教わったぞ?」
ダニエル様のお父様は、ダニエル様になんて教育をしてますの!?
粘り負けするまで押しまくるなんて、一歩間違えたら嫌われるわよね?
「そう言えばダニエルの父親も脳筋だった……、だから脳筋は扱いに困るんだよ」
ウィリアムお兄様がここまで取り乱してるの初めて見る
ダニエル様はウィリアムお兄様の束縛を抜け出して私の近くに近づいてきた
「シルビア様!!だから俺と結婚してください!!」
「何がだからかわからないですけど、私とダニエル様は今日知り合ったばかりなので、取り敢えずはお友達からでは駄目ですか?」
「それって…………、お断りの時の決まり文句ですよね?俺では駄目ですか?」
「いやっ!?本当に初めはお友達からお願いしたいだけです。私はダニエル様の性格とか知らないので、もしも婚約するってなっても困ります。ダニエル様の事を嫌いなわけではないですよ?どちらかと言うと好ましいと思ってます。」
「ならシルビア様に好きになってもらうように頑張ります!!」
まさかウィリアムお兄様達のお友達との顔合わせで、こんなことになるとは思わなかったな
93
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【短編】婚約破棄?「喜んで!」食い気味に答えたら陛下に泣きつかれたけど、知らんがな
みねバイヤーン
恋愛
「タリーシャ・オーデリンド、そなたとの婚約を破棄す」「喜んで!」
タリーシャが食い気味で答えると、あと一歩で間に合わなかった陛下が、会場の入口で「ああー」と言いながら膝から崩れ落ちた。田舎領地で育ったタリーシャ子爵令嬢が、ヴィシャール第一王子殿下の婚約者に決まったとき、王国は揺れた。王子は荒ぶった。あんな少年のように色気のない体の女はいやだと。タリーシャは密かに陛下と約束を交わした。卒業式までに王子が婚約破棄を望めば、婚約は白紙に戻すと。田舎でのびのび暮らしたいタリーシャと、タリーシャをどうしても王妃にしたい陛下との熾烈を極めた攻防が始まる。
幼馴染の生徒会長にポンコツ扱いされてフラれたので生徒会活動を手伝うのをやめたら全てがうまくいかなくなり幼馴染も病んだ
猫カレーฅ^•ω•^ฅ
恋愛
ずっと付き合っていると思っていた、幼馴染にある日別れを告げられた。
そこで気づいた主人公の幼馴染への依存ぶり。
たった一つボタンを掛け違えてしまったために、
最終的に学校を巻き込む大事件に発展していく。
主人公は幼馴染を取り戻すことが出来るのか!?
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
見た目の良すぎる双子の兄を持った妹は、引きこもっている理由を不細工だからと勘違いされていましたが、身内にも誤解されていたようです
珠宮さくら
恋愛
ルベロン国の第1王女として生まれたシャルレーヌは、引きこもっていた。
その理由は、見目の良い両親と双子の兄に劣るどころか。他の腹違いの弟妹たちより、不細工な顔をしているからだと噂されていたが、実際のところは全然違っていたのだが、そんな片割れを心配して、外に出そうとした兄は自分を頼ると思っていた。
それが、全く頼らないことになるどころか。自分の方が残念になってしまう結末になるとは思っていなかった。
腹に彼の子が宿っている? そうですか、ではお幸せに。
四季
恋愛
「わたくしの腹には彼の子が宿っていますの! 貴女はさっさと消えてくださる?」
突然やって来た金髪ロングヘアの女性は私にそんなことを告げた。
訳ありヒロインは、前世が悪役令嬢だった。王妃教育を終了していた私は皆に認められる存在に。でも復讐はするわよ?
naturalsoft
恋愛
私の前世は公爵令嬢であり、王太子殿下の婚約者だった。しかし、光魔法の使える男爵令嬢に汚名を着せられて、婚約破棄された挙げ句、処刑された。
私は最後の瞬間に一族の秘術を使い過去に戻る事に成功した。
しかし、イレギュラーが起きた。
何故か宿敵である男爵令嬢として過去に戻ってしまっていたのだ。
婚約破棄? あ、ハイ。了解です【短編】
キョウキョウ
恋愛
突然、婚約破棄を突きつけられたマーガレットだったが平然と受け入れる。
それに納得いかなかったのは、王子のフィリップ。
もっと、取り乱したような姿を見れると思っていたのに。
そして彼は逆ギレする。なぜ、そんなに落ち着いていられるのか、と。
普通の可愛らしい女ならば、泣いて許しを請うはずじゃないのかと。
マーガレットが平然と受け入れたのは、他に興味があったから。婚約していたのは、親が決めたから。
彼女の興味は、婚約相手よりも魔法技術に向いていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる