34 / 59
31
しおりを挟む本当に皆を危険な場所に戻していいのか悩んでいると、気が付いたらエリックお兄様が私の目の前に居て私の両手を握ってきた
「エリックお兄様?」
「シルビアは何も気にしないでいいんだよ。彼らはシルビアが大好きだから自分が出来る最大のことをしてるだけなのだから」
「でも私と出会うことがなかったら、皆はこんなに危険なことをすることもなかったんだよ。普通の暮らしをしていたはずだもん」
貴族を敵に回すなんて危険に違いない
相手が高位貴族であればあるほど、大金を使ってセントを潰そうとするはず、大金を使って危険人を雇って皆を殺そうとするかもしれない
「シルビアお嬢様、私達はセントとして活動する時に危険なことは覚悟してます。だからと言って簡単にくたばるつもりはありません。絶対などないのは分かってますけど約束します。絶対にシルビアお嬢様を悲しませんようなことはしないと」
「絶対よ。もう……、私の前から誰か居なくなるのは嫌よ。お母様が亡くなって、ロアナ叔母様も亡くなって、沢山の使用人が亡くなったのは辛かったんだから」
あの病気で亡くなったのは誰も悪くないのは分かってたけど、初めての身近の人の死は私を絶望させるのには十分だった
信頼してる皆がお父様に辞めさせられて、皆があの家から追い出されてから私は一人で孤独に耐えていた
味方のいないあの家は私とってとても冷たかった
「約束します!!シルビアお嬢様を二度と一人にはしません!!」
「僕もシルビアを一人にしないよ」
「俺だってシルビアが嫌がっても一緒に居てやる」
「これからはずっとシルビアは私の妹よ」
「シルビアお姉様泣かないで」
エリックお兄様とウィリアムお兄様は私の頭を撫でてくれて、アンリお姉様とジャンヌは私に抱きついてきた
王宮に来てからは沢山の人達に愛されて幸せだけど、また急に孤独になる日が来るんじゃないかと不安だったけど、皆が居れば大丈夫だとやっと安心できた
二人に抱きしめられながら顔を上げると、伯母様はハンカチで顔をおさえている
伯父様は目を真っ赤にしながら私達を優しく見つめていた
「シルビアは何も心配しないで幸せになればいいんだよ。シルビアが幸せになれるように、私達大人が動くからシルビアは私達に守られていればいい」
「うん」
伯父様はそう言って、私の頭を優しく撫でる
「今回のことって、シルビアの父親たちを罰する要因にならないのかな?シルビアは結果的に自分でこの王宮に避難したから無事だったけど、下手したら亡くなってたかもしれないんだよね」
「使用人を罰することは出来るだろうけど、メリル家の者たちを罰するのは難しいだろうな。あの男はシルビアの面倒を見させるために、少ないけど2、3人は残しているから仕事放棄してる使用人が悪いだけだ。あの男にあわよくば使用人が仕事放棄をして、結果的にシルビアが亡くなれば良いって気持ちがあったとしても、指示出してるわけではないだろうし、他人の考えを覗くことは不可能だから罪に問うことはできないな」
「チッ、運がいいのか、それともずる賢いのか分からないけどイラッとするね。シルビアの父親が本心でシルビアをどう思ってるのか知らないけど、少し考えたらどうなるかわかるだろうに、証拠がないから裁くことが出来ないのはもどかしい」
確かにエリックお兄様の言う通り、普段から使用人に雑に扱われてるの知ってるだろうから、自分たちが居なくなったらどうなるかは普通は予想できるよね
もしかしたら本当にお父様は私が死ぬのを望んでいたのかしら?
「あの男が戻ってきたらすぐにでもあの男を呼び出して、私があの男からシルビアの親権を奪うから、シルビア達はあの男と鉢合わせしないように気をつけなさい。追い詰められたものは何をするかわからないからな」
「話し合いの場にシルビアは同席させないのですか?」
「あの男が心無いことを言うかもしれないからな。これ以上シルビアが傷つく必要はないだろ。話し合いの場には私とソフィーで参加する。それと第三者としてフィグラルツ公爵とブリュネ伯爵に同席してもらうよ」
ブリュネ伯爵はダニエル様の父親でフィグラルツ公爵はシャノン様のお父様かな?
お二人のお父様と会ったことはないけど、お二人のご両親ならちゃんとした人よね
93
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
義妹が大事だと優先するので私も義兄を優先する事にしました
さこの
恋愛
婚約者のラウロ様は義妹を優先する。
私との約束なんかなかったかのように…
それをやんわり注意すると、君は家族を大事にしないのか?冷たい女だな。と言われました。
そうですか…あなたの目にはそのように映るのですね…
分かりました。それでは私も義兄を優先する事にしますね!大事な家族なので!
この子、貴方の子供です。私とは寝てない? いいえ、貴方と妹の子です。
サイコちゃん
恋愛
貧乏暮らしをしていたエルティアナは赤ん坊を連れて、オーガスト伯爵の屋敷を訪ねた。その赤ん坊をオーガストの子供だと言い張るが、彼は身に覚えがない。するとエルティアナはこの赤ん坊は妹メルティアナとオーガストの子供だと告げる。当時、妹は第一王子の婚約者であり、現在はこの国の王妃である。ようやく事態を理解したオーガストは動揺し、彼女を追い返そうとするが――
「美しい女性(ヒト)、貴女は一体、誰なのですか?」・・・って、オメエの嫁だよ
猫枕
恋愛
家の事情で12才でウェスペル家に嫁いだイリス。
当時20才だった旦那ラドヤードは子供のイリスをまったく相手にせず、田舎の領地に閉じ込めてしまった。
それから4年、イリスの実家ルーチェンス家はウェスペル家への借金を返済し、負い目のなくなったイリスは婚姻の無効を訴える準備を着々と整えていた。
そんなある日、領地に視察にやってきた形だけの夫ラドヤードとばったり出くわしてしまう。
美しく成長した妻を目にしたラドヤードは一目でイリスに恋をする。
「美しいひとよ、貴女は一体誰なのですか?」
『・・・・オメエの嫁だよ』
執着されたらかなわんと、逃げるイリスの運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる