そんなに私の婚約者が欲しいならあげるわ。その代わり貴女の婚約者を貰うから

みちこ

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 おじ様達と今後のことを色々と決めてから、私はとても嫌だけど家に帰った。

 家に帰った私は直行で自分の部屋に入る。

 本当ならすぐにでも婚約の話を受けると話す必要があるけど、そんな事をしたら計画を感づかれる可能性がある。

 この婚約を私はイヤイヤ引き受けるって思わせる必要がある。

 自分からは婚約の話を振ってはいけないわよね。

 お母様とお父様から話をしてくるのを待つ必要がある。

 勝手に決めたりしないよね?

 あり得そうで怖い。

 本当に話を振ってくるのを待たないと駄目かしら?

 でもエミリーには、婚約話に乗り気だと思わせる必要があるんだよね?

 でも親にまで勘違いされたら困る、エルガー家の次男と婚約するってなった時に、私は乗り気じゃないって、お父様達や相手のご両親に分かって貰えないと交換条件を突き付けられない。

 どうしようか考え込んでいると、部屋のドアがノックされる。

「はい?」

「メアリーお嬢様、旦那様がお呼びです。書斎に来るようにとのことです」

「………分かったわ」

 私が帰ったことを知ることが早すぎじゃない?

 いつもなら私がいつ帰ってるのか把握してないのに、エルガー家の次男とどうしても結婚させたいみたいね。

 お金のためだけに、あんな最低な男と結婚させるなんて最低な親だわ。

 これがエミリーなら絶対に結婚をさせないんでしょうけどね。

 憂鬱な気分で体が重く感じるけど、今なら書斎にエミリーがいるわけ無いだろうから、話を進めるなら今しかないわよね。

 書斎の前に着くと、部屋のドアをノックする。

「メアリーです」

「入りなさい」

「失礼致します」

 ドアを開けると、怖い顔をしたお父様がこちらを睨みつけていた。

 どうせ話の途中で家を出ていったことが不満なんだろうけど、それだけのことでそんな顔をしなくてもいいのに、相手があの男って知ったら、誰だって逃げたくなるはずよ。

 見た目は良いのかもしれないけど、性格に問題ある人なんて結婚したくないわよ。

「それで話とは何ですか?」

「エルガー家との婚約の話に決まってるだろ。お前は勝手に家を飛び出して、話が中断してしまったからな」

「またその話ですか。私は不誠実な相手は嫌だと言ったはずです。何故そんなにこの婚約に執着するんですか」

「金になるからに決まってるだろ。我が家は金銭に困ってることぐらいお前だって知ってるだろ」

 何も考えずにお前達が好き勝手使ってるからでしょ。

 小さい頃は我が家にも沢山の使用人が居たけど、今では当時の半分以下になっているぐらいですもの。

「お父様達が無駄遣いしないで、倹約に生活すれば良いだけの話ではないでしょうか?子爵家が1か月間で使って良い金額の5倍以上のお金を使ってるんです。お金が失くなっていくのは当たり前じゃないですか」

 今は先祖が貯めていてくれたお金を切り崩してるから、借金をギリギリしてない状態だけど、いつ借金をしてもおかしくない。

「貴族が倹約なんて恥ずかしいことは出来るわけないだろ!!俺達はお金を使って経済を回す必要があるんだ」

 そんなの屁理屈じゃない、確かに貴族として最低限の買い物をする必要はある。

 見栄えを整えるためと、物を買うことでそれを作ってる人に仕事を与えることになるから、とても大切なことではある。

 子爵家ならドレスなら月に2着ぐらいでいい、社交シーズンにちょっと増えるぐらいなのに、お母様は5着ぐらいで、エミリーは10着は毎月買ってるんじゃないかしら?

 子爵家なんて高位貴族と違って、パーティーやお茶会に参加する機会は少ない。

 無駄な贅沢は他の貴族達から馬鹿にされるだけなのに、そんな事も理解してないのかしら?

「経済を回すのも大事ですわ。でもそれにも限度があります。このままではエミリーの嫁ぎ場所が無くなりますわよ」

「そんなわけ無いだろ。エミリーは美人で男性から好かれる容姿をしている。愛嬌もあるのだから誰だって嫁に欲しがる」

 現実が見えてなさ過ぎるわ。

 自分ならエミリーみたいな女性を嫁に欲しいのかしら?

 愛嬌だけあっても、妻としては何も出来ないのよ?

 イヤ………、お母様がちょっとエミリーに似てるかしら?

 お母様の方が何倍もマシだけど、何となく性格が似てるかもしれないわね。

 お父様はエミリーみたいな人がタイプなのね。

「貴族は愛嬌だけではやっていけませんわ。エミリーは金銭感覚が狂ってます。男爵家や子爵家ではやっていけません」

「エミリーを男爵家や子爵家に嫁がせるわけないだろ。最低でも伯爵家だ。エミリーなら侯爵家だって嫁げるはずだ」

 馬鹿なの?

 馬鹿だよね?

 嫁げるはずないでしょ!!

 まさかこんな馬鹿なことを考えてるとは思わなかったわ。

「無理ですよ。エミリーが侯爵家の嫁になれるわけありません。学もない女性を侯爵家が嫁に迎えるわけがありません。伯爵家だって厳しいですわ」

 お父様達がエミリーを甘やかさずに、貴族子女としての勉強をさせていたのなら、エミリーは器量は良いのだからあり得たかもしれないけど、今のあの子では絶対に無理よ。

 学園でも私とエミリーが本当に姉妹なのか疑われるぐらい、あの子の成績は酷すぎるのよね。

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