そんなに私の婚約者が欲しいならあげるわ。その代わり貴女の婚約者を貰うから

みちこ

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 お父様達だって理解してるはずなのに、自分の子育てが失敗したと思いたくないからなのか、現実から目を離している。

 でも行動がそれを伴ってない、もしも本当にエミリーが悪くないって思ってるなら、慰謝料を払ったりせずに戦うはず、慰謝料を払うってことは、罪を認めるようなものだもの。

「あり得ないって考えないで、ちゃんと考えてください!!もしもエミリーとエルガー家の次男が特別な関係になったら、お父様はどうするつもりですか!!」

「それは………、そんな話を今されても決められない」

「決めてもらわないと困ります!!私が知りたいのは、もしも2人が特別な関係になった場合に、お父様はどちらを優先するつもりですか?」

 返答次第でお父様が本当に大事にしてるものがわかるわね。

 私を優先するなら、お父様にとってシルフォード子爵家が何よりも大事だと分かる。

 だけどもしも私よりもエミリーを優先するなら、貴族としての地位を守るより、ずっと可愛がってきた娘を優先するってことになる。

 ………私はどっちの選択をして欲しいのかしら?

「どちらを優先するとは?」

「言わないと分かりませんか?1つは私とエルガー家の次男の婚約を破棄して、エミリーとエルガー家と縁を切って2人をこの家から追い出すか、もう1つはエミリーとエルガー家の次男を結婚させて、2人にこの家の当主にするかです」

「そんな事を決める必要は何処にある。もしもエミリーとエルガー家の次男が特別な関係になったら、お前がこの家の当主になり、エミリー達をお前の補佐としたこの家に居させればいい。エルガー家だってそれで満足するはずだ」

 巫山戯ないで!!

 私をどれだけ馬鹿にするつもりなの?

 エミリーが幸せになって、この家が存続するなら、私がどんな思いをしても良いと言うつもり?

 絶対にこの人の思い通りにはしないわ。

 私にはレオンとレオンの家族がついている。

 絶対に後悔させてやるわ。

「私はエミリー達が私の補佐になることを認めませんわ。エミリーとエルガー家の次男が私を裏切ったら、エミリー達が出て行くか、私が出て行くかのどちらかです」

「お前は何故そんなにエミリーに意地悪をするんだ!!」

「これは意地悪ではありません!!少しは私のことも考えてください。浮気をされて婚約破棄をするだけでも汚名になるのに、相手が自分の妹ってなったら、私はずっと妹に婚約者を奪われた姉って馬鹿にされるんです!!」

「そんなの半年もしたら誰も言わなくなる。婚約破棄ぐらいたいしたことはない」

 何で被害者の私が我慢しないといけないのよ。

 こんな親とは早く縁を切りたい。

「エミリー達が社交界から消えて、私の近くに居なかったら噂はすぐに無くなるでしょうけど、本人達が私の近くに居たら無くなりませんわ!!それに1度婚約破棄されたら、私にはまともな縁談は有りませんわ。それなのに幸せそうにしてるエミリー達を近くに置けって言いますの!!」

「もしもの話をされても決めることは出来ない!!詳しくは今度、エルガー家も交えて話し合う」

 お父様はそう言い捨てて、部屋から出て行ってしまった。

 逃げたわね。

 自分の仕事部屋なのに、私を追い出さないで自分が出て行くってことは、自分自身でも後ろめたい気持ちはあるみたいね。

 私の気持ちが一気に冷めていくのが分かる。

 ………何でお父様達は私とエミリーへの扱いにこんなに差があるのかしら?

 容姿とかの差で優劣をつける親は確かにいる、だけど私とエミリーは今ではそこまで似てないかもしれないけど、小さい頃はそれなりに似ていて、性格もそんなに違いはなかったはず。

 今では親からの愛情を諦めてるから親に冷たく接してるけど、昔はそんな事なくて愛想よく接してた気がする。

 絶縁する前に理由をちゃんと聞いてみたいかも。

 くだらない理由だったら、1度ぐらいはぶん殴っても良いかしら?

 ぶん殴ってお父様の頬が赤くなるのを想像して、ちょっとだけ溜飲が下がったような気がする。
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