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しおりを挟む少ししてエミリーとミカエル様が帰ってきた。
エミリーは甘えるようにミカエル様の腕に抱きついて帰ってきたのを見て、お父様達が顔色を悪くする。
「エミリー!!ミカエル殿から離れなさい!!ミカエル殿はメアリーの婚約者なんだぞ。適切な距離を取るように」
「何でそんなに冷たいことを言うの?ミカエル様がメアリーと結婚したら、私のお義兄様になるんだよ?今から仲良くしたほうが良いでしょ?」
私からミカエル様を奪う気満々ね。
お父様達もエミリーの悪癖をよく知ってるから、顔色がとても悪くなっている。
エミリーは私が大事にしてればしてるほど、私からそれを奪いたがる悪癖がある。
お父様達はずっとそれを許していたから、エミリーには我慢するって考えが全く無いのよね。
学園でもそれは発揮をしていて、私とクラスが離れているから、同じクラスメイトの子達がその被害にあっている。
何度も我が家にクレームが来ていて、その度に慰謝料を払ってるせいで、我が家の金銭的に負担が増えてるのよね。
小さい頃からの悪癖が簡単に直ることはないですしね。
エミリーを煽るなら今かしら?
「普通は姉の婚約者にそんなにベッタリしないのよ。未婚女性として適切な距離をとってちょうだい。私も婚約者として不愉快だわ。それに貴女の嫁ぎ先がなくなるわよ?」
「考えすぎだよ。お義兄様に甘えてるだけだよ?ずっとお兄様が居ることに憧れてたんだもん」
エミリーが態とらしくミカエル様に抱きついて、胸を押し付けてるのがわかる。
………淑女としてあの行動はどうなの?
「エミリー!!止めなさい!!」
いつもは何でも許してるお母様が珍しく怒り、エミリーを引きずるように部屋から出て行ってしまった。
「そんなに怒らなくても良いじゃないですか?」
何も知らないミカエル様は呑気に言う。
「いい加減にしなさい。婚約者が嫌がってるのだから、普通はそこで辞めるのが当たり前だ。親族になるとはいえ、適切な距離を取るようにしなさい」
エルガー伯爵はここで話した内容を簡単にミカエル様に説明をする。
ミカエル様の顔がどんどん真っ青になっていく。
やっと自分の立場を理解したのかしら?
「勝手にこんな事を決めるなんて理不尽だ」
「話し合いに参加しなかったお前が悪い。メアリー嬢はお前にも参加するように言っていただろ?それを無視して席を外したのはお前だ」
正論ね。
話し合いの場にエルガー家の当主が居たから、理不尽だなんて言わせないつもりだったけど、私が言うまでもなかったわね。
「でも酷いだろ!!」
「はぁ~、私の出した条件の何が不満なんですか?私は一般的な条件を言ってるだけのはずですけど?」
「それは………」
何も言い返せないの?
私は後々婚約破棄になった時に、周りから非難されないために、非常識な条件や無理難題のお願いをしたりしてない。
上手く婚約破棄出来ても、周りから評判を落としたら、レオンと結婚した時に侯爵家に迷惑をかけてしまうなんてあり得ないもの。
「別に浮気するなって言ってませんし、相手をちゃんと選んで欲しいって言ってるだけです。普通なら条件にしなくても良いような内容ですわよ?でもミカエル様は色々と前例があるみたいなので、条件をつけて契約書にしようとしてるんです」
貴族には愛人が居ても別におかしくない。
でも相手をちゃんと選んで、絶対に妊娠しない相手を選んで愛人を作っている。
貴族が愛人として選ぶのは、跡取りを産み終わって避妊手術をしてるか、家が貧乏で愛人になるのが目的で避妊手術をしてる未婚女性が基本になっている。
たまに愛人が子供を産むって話が出るけど、避妊手術を実際は受けてなかったとか、成人したばかりの令嬢が相手に騙されていたとかなのよね。
「俺を侮辱するつもりか?黙って聞いてれば好き放題言いやがって」
逆ギレ?
信頼されてないのは自業自得じゃない。
素行が悪いのが有名なんだから、自分のために色々と準備して何が悪いのかしら?
「普段の行いを反省しなさい。お前は婚約者からまだ信頼されてないってことだ。今後の行動で信頼されるように努力しなさい」
私が呆れてどう言い返そうか困ってると、エルガー伯爵が冷たく言い放つ。
「父上!!息子が馬鹿にされてるんですよ!!」
「自業自得だ。私は何度も自分の行動を改めるように言っただろ?こうなる未来は分かりきっていただろ。普通なら愛人を禁止されてもおかしくないんだぞ?」
「何で俺がこんな侮辱をされないといけないんだ。我が家のほうが格上なのに………」
ミカエル様はブツブツ小声で言ってるけど、私には丸聞こえですからね?
「はぁ~、これに懲りたら反省しなさい。今日はこのまま帰らせてもらいます。今週中に書類を作成して送ります」
「お願いいたします」
エルガー夫婦は深く頭を下げて、ミカエル様を引きずって帰っていった。
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