そんなに私の婚約者が欲しいならあげるわ。その代わり貴女の婚約者を貰うから

みちこ

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 契約書には持参金の金額とエルガー伯爵家からの年に1回の援助金の金額が書いてあるだけだった。

 持参金に大金が入ってくるのは知ってたけど、年に1回の援助金って何?

 私は全く知らされてないんだけど?

 それに私が出した契約の内容が全く書いてない。

 まさか…………、お父様は私が言った条件をエルガー家に伝えてないの?

 どこまで私を馬鹿にすれば気が済むの?

「質問したいんですけど良いですか?」

「構わないよ。何か不備でもあったかな?金額に不満かな?もしも不満ならもう少し増やすこともできる」

「いえ………、私がしたい質問は他のことです」

 私が話だそうとすると、お父様は必死に止めようとする。

 それを冷めた目で一瞥してからエルガー家の人達に向きなおる。

「ミカエル様と結婚するうえでいくつか条件を付けて欲しいってお願いしたんですけど、どうやら伝わってなかったみたいですね」

「条件とは何かな?」

「ミカエル様がもしも今後も浮気をするつもりなら、相手には二度と子供が出来ないようにした女性限定にすることです。貴族なので愛人が居ても仕方ないとは思ってます、でも婿養子であるミカエル様に子供が出来たら困るんですよ。だから愛人には子供が出来ないように手術をした相手を限定してもらいます」

「メアリー!!止めなさい!!エルガー伯爵達に失礼だろ!!」

 大金のために私とミカエル様の結婚が駄目になって欲しくないんだろうけど、親なら少しぐらい娘の幸せを考えて欲しいわ。

 これぐらい条件をつけて当たり前じゃない。

 貴族が結婚した後に愛人を作るのはよくあるけど、大抵の人が相手をちゃんと選んでいる。

 後腐れない相手とか、跡取りが出来た相手で子供が作れないように処置した相手を基本的に選んで遊んでいる。

 だけど今のミカエル様は好みのタイプや誘ってくる相手に手を出している。

 それでは困るのよ。

「落ち着いてください。娘さんの希望は真っ当な意見です。本来なら息子の立場なら、愛人を作ることを反対されてもおかしくないぐらいです。それを娘さんは条件付きで許可してくれてるんです」

 親よりエルガー伯爵のほうが理解してくれてるわね。

 ミカエル様は仕事の手伝いも出来ない、私が仕事してる間に貴族の妻達みたいに情報収集も出来ないのに、愛人を作るなんて本来ならあり得ないことなのよね。

 それを許すって言ってるんだから怒られるなんておかしいわよ。

「それでは反対はしないってことで良いですか?これは結婚する前から徹底して貰うつもりです。もしも愛人を囲うならお金は自分で用意して貰うつもりです」

「勿論だよ。何が何でも徹底させる」

「ありがとうございます。お父様はこの事をエミリーにも言っておいてくださいね。浮気相手がエミリーでも同じ処置をさせますから、普通なら絶対に手を出そうとは思わないはずですけどね」

 あの子なら後先考えずにミカエル様と浮気しそうですけど

「あの子はまだ未来があるんだぞ!!2度と妊娠できないように手術なんてさせられない!!」

「だからあの子がミカエル様に手を出さないなら問題ないことです。本音を言うとあの子が手術をしたとしても、浮気相手がエミリーなんて嫌なんですよ。でも人生を潰してでもミカエル様と結ばれたいなら仕方ないじゃないですか」

 わざと妊娠して後戻り出来なくする可能性があるわよね。

 そのほうが私としてもありがたい。

 未婚の妊娠した女が次の結婚相手が決まるわけないから、お父様達だって2人を結婚させる必要が出てくる。

 そしたら大事な娘を庶民にしたくないお父様がどっちを優先するのかしら分かりきってる。

「ミカエル様達に守って欲しい約束が他にもあります。婚前交渉をするつもりは全くありません。それともしもミカエル様の子供だと言う存在が現れたら、対処はエルガー家に任せたいと思ってますわ」

「対処とは?」

「我が家は子供を引き取るつもりもありませんし、援助をするつもりもありません。ミカエル様が個人でお金を稼いで援助することを拒否はしませんが、我が家が助けることはありません」

 ミカエル様の私生児が現れた場合、我が家の血筋ではないのだから、我が家が助ける必要せいが全く無い。

 あり得ないけど、私とミカエル様が結婚して子供が出来た時に、子供達が争うようなことにはしたくないもの。

「流石の息子もそこまで愚かではないと思うが、もしもそうなったら我が家で対処する。その他に何か契約はあるかな?」

「今は特にないです。もしかしたら今後のミカエル様の行動で増える可能性もありますが、理不尽な要求をするつもりはありません」

「短い間だけどメアリー嬢と接して、君が理不尽なことをしないと理解してるよ。後日また書類を用意してくることにする」

「ありがとうございます」

 良かった。

 貴族の中には、自分より下の身分の者にあれこれ言われるのを嫌う人もいる。

 エルガー伯爵が話ができるタイプで安心したわ。
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