【完結】私は公爵家の娘ですけど義妹は男爵家の娘ですわよ

第2章 ざまぁ篇

７

講堂に着いて順番に席に座る。

席に着いて周りを見ると遠くの方に元クラスメイトが居た

元クラスメイトとはそんなに親しくしていたわけじゃないから、クラスが分かれても特に寂しいって気持ちにはならないわね

Dクラスでは私は異質な存在だった。

公爵家の娘なのにDクラスに居るなんて目立つわよね。

元々は男爵家の娘だったけど、学校に入学して直ぐに公爵家の娘になったから、周りからしたら元々は男爵家の娘だったって言われても違和感しかない

同じクラスに普段なら関わることがない、公爵家の者が同じクラスにいる状況は周りからしたらチャンスでしかない

周りからしたら私に気に入られたら将来は安泰、もしも私のお母様とお父様に今後、子供が出来なかったら公爵家の婿になれるかもしれないと、次男や三男でいずれ婿に行かないといけない人達は私に媚びを売る、女の子も私と仲良くしたら高位貴族とお近付きになれると媚びを売る人だかりだった。

私はお父様と血が繋がってないから公爵家を継げるとは思えないけど、周りにそんな人ばかりだから、例え同じクラスの人でも流石に仲良くはなる気がおきなかった

私は取り巻きが欲しい訳では無い、純粋に友達が欲しいけど私に友達は出来るかしら？

下位貴族にとって私は公爵家の娘だから気を使う相手、だけど高位貴族から見たら私は中途半端な存在、今は公爵家の娘だけど育ちは下位貴族だから、決して自分たちと同じ立場ではないと考える人もいる

Aクラスの人達は私のことをどう思うのかな？

レイチェルさんみたいに今の私を見てくれる人達なら嬉しいわね

そろそろ入学式が始まるから周りの観察をやめて前を向き直った

入学式って長いから眠くなるのよね。

自分が主役じゃないから余計に暇

入学式には偉い人も沢山来てるから寝ないようにしないと

チラッと横を見ると、まだ始まってもいないのに寝てる人がいる

えっ！？

思わずガン見してると、隣からくすくすと声が聞こえる

「ごめんなさい。あまりに反応が面白かったから、彼女はいつも寝てるのよ。授業中も自分が興味無いものは大抵寝てるわ。Aクラスの人達はもう見慣れてるから、今ではなんの反応もしないのよ」

「そうなんだ。まさか始まる前から寝てる人が居るとは思はなかったわ」

「彼女は起きてる時の方が珍しいわ。エレーナさんって呼んでいいかしら？私はナディア・ロビンソンよ。ナディアって呼んでちょうだい」

「エレーナで構わないわ。確かお茶会で何回かご一緒したことがありますよね？」

ナディアさんはロビンソン侯爵家の娘、ナディアさんのお父様は確か宰相だったはず

ナディアさんのお兄様は王太子様の側近だったかしら？

お茶会でナディアさんとナディアのお母様とは２、３回ぐらい会ったことがある

お母様とナディアさんのお母様は、学生時代は先輩後輩の関係で親しい友人だったみたいで、仲良く話してるの遠くから観察してたから、何となく印象的だったのよね。

お母様が仲良く話してるのを見る機会ってあまりないのよね。

お母様って昔は人懐っこい人だったみたいだけど、あの男のことがあってかなり警戒心強くなってしまったみたいなのよね。

久しぶりにお母様とあった人は、お母様の変貌っぷりに驚いてるのをよく見かける。

そんなお母様がナディアさんのお母様には、かなり心開いてるみたいだったからビックリしたのを今でも覚えてる

気になってお母様に直接聞いたのよね。

何であの人には信頼しきってるのか、そしたら学生時代からナディアさんのお母様だけが、友人の中で最後まであの男との結婚を反対してたって教えてくれた。

だけどお母様は当時は恋に盲目になり、ナディアさんのお母様はあの男を狙ってると勘違いして、お母様は取られたくない一心で絶交してしまったらしい

久しぶりのお茶会で再会して、お母様はナディアさんのお母様に心から謝罪して許してもらったと嬉しそうに話してくれた。

絶交する前の2人は妹と姉みたいな関係だったみたいで、姉御肌のナディアさんのお母様は、頼りないお母様を妹とのように可愛がっていたらしい

「覚えててくれたのね。嬉しいわ、親同士が仲良いみたいだから、私もエレーナさんと仲良くなりたかったの。私ね、可愛い女の子大好きなのよ。お茶会で貴女を見た時から絶対にお友達になりたいと思ってたの。あっ！勿論、恋愛対象は男性だから安心してね」

びっくりした・・・

同性愛者かと思ったわ。

偏見はないけど、自分がその対象に見られるのはちょっと困るもの

「友達が少ないから友達になって貰えるのは嬉しいわ。これからよろしくね」