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第2章 ざまぁ篇
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しおりを挟むあの後、シャーロットお姉様の体調を気遣いすぐに解散になった
私は離れに行き、お祖父様とお祖母様に会いに行くけど忙しそうに準備をしている
「お祖父様?それにお祖母様もどうしたの?」
「エレーナお帰りない。今日は遊びに来てくれたのにごめんなさいね。私達、急にパーティーにお呼ばれしてしまって、今から家を出ないといけないのよ」
「そうなんだ。ちょっと寂しいけど仕方ないね。2人はすごく人気だから行かなかったら、たくさんの人達が残念がるもんね」
「リリアン……、行かないといけないか?折角、エレーナが来てくれたのに……」
「モーリス、気持ちはわかるけど行かないとダメよ。今まですごくお世話になった人なんだから、行かなかったら失礼になるわ。」
お祖父様のテンションが見るからにドンドン下がっていく
「お祖父様、明日も泊まるから明日はいっぱいお話しましょう。明日は学校が休みだからいっぱい過ごせるわ」
「本当か?なら我慢して頑張ってくるか」
「エレーナありがとうね。あの人ってば、1度落ち込むと元に戻るまで大変なのよ。明日は私ともいっぱい話しましょうね」
お祖母様はそう言って私を抱きしめてくれた。
「うん。楽しみにしてるね。2人とも行ってらっしゃい。気を付けて行ってきてね」
はぁ~、今日は1人でご飯を食べないといけないのか…、
シャーロットお姉様達の所に行くの有りかもしれないけど、流石に図々しいわよね。
2人は残り少ない、夫婦二人の時間を堪能してるのだから、私が行ったら完全におじゃま虫よね。
2人なら優しいから歓迎してくれるけど
ティモシー兄様は最近一人暮らし始めたから帰ってこないだろうし、
コンコンコンッ
「エレーナお嬢様、ラッセル様がお見えですけどお通ししてよろしいでしょうか?」
「ラッセル様が?待たせたらいけないわね。入ってもらって」
メイドが呼びに行って、すぐにラッセル様が部屋に入ってきた
「いきなり来てすまない。モーリス様たちが出かけたと聞いて、もしもエレーナ嬢が1人でご飯を食べるつもりなら、何処かに一緒に食べに行かないかと誘いに来たのですが如何ですか?デビット達と食べるなら断って頂いて構わない」
「ディナーを1人で食べるか迷っていたところなので、ありがたいお誘いですわ。是非、一緒させてください」
「良かった。兄から最近出来た、美味しい料理が出るお店を紹介して貰ったが、男1人では入りづらいお店だったから一緒に行って貰えると助かる」
ラッセル様は本当に優しい方ね。
ラッセル様なら一緒に言ってくれる女性は沢山いるだろうに、私が気を使わないでいいように言ってくれてるのよね。
私は監禁時代の事を思い出すから1人でご飯を食べるのが苦手になった。
その事はお母様とお父様は勿論のこと、お祖母様達やデビット兄様達も知っている。
デビット兄様といつも一緒にいる、ラッセル様も当然知ってるわよね。
デビット兄様達に気を使って私が1人でご飯を食べると予想したラッセル様は、私を心配して食事に誘ってくれたんだろう、お人好しにも程があるわよね。
こんなに気遣いが出来る人が何で恋人がいないのかしら?
もしかしてデビット兄様がこき使い過ぎて、恋人を作る暇がないとか?
「ラッセル様、もしもデビット兄様に不満があったら教えてね。ラッセル様が言いづらいことなら私が文句を言ってあげるわ」
「いきなりどうしたんですか?特に不満とかないですけど?」
「本当にない?例えば休みをもっと欲しいとか、仕事の時間をもっと減らして欲しいとか」
「いや別に無いかな?ラッセルはこまめに休みをくれるし、遅くまで仕事をさせることも無い。とても恵まれた職場環境だよ」
「ならいいのですが………」
ラッセル様に恋人が出来ないのはデビット兄様のせいではなかったのね。
デビット兄様を疑って悪いことしてしまったわね
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