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第二章 妖星少女とギガ―ス
第八話 精神力の回復
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このギガ―ス殺人事件の殺人トリックは暴かれた。
まず、竹藪を綺麗に刈り込み、しならせた二本の竹にハンモックを設置する。
そのままだと竹の反動で飛んで行ってしまうため、杭で竹を固定し、ハンモックで人が寝かせられるようにする。
後は、小さい竹の子を見付け、竹の子の成長と共に杭が外れるように仕掛けをしてやれば、時限式の投石機が完成するというわけだ。
これにより、ハンモックに寝かされた被害者を殺すことができる。
後は、それを使い殺人をした犯人を特定するだけなのだが……。
殺人のトリックを暴いた遠野さんだったが、精神力が尽き、オレの背中で休んでいる。これで果たして犯人を捕らえることができるのだろうか?
野村警部もやる気になり、捜査を進めて行く。
「確かに、他に犯人がいて、被害者を殺したと見るのが一般的だが、被害者自身が自殺したという可能性もある。
また、事故死の可能性もある。
被害者が昨夜会っていた被害者の彼女と、被害者の兄である住職に話を聞いてみよう。
まずは、現場に近い住職から、被害者の状況や、動機のありそうな人物などを伺おう」
「ああ、そうですね。絞られた犯人の可能性は三人ですね。
被害者の兄の住職か、被害者の彼女か、被害者本人かだ。
偶然の事故も考えられるが、外のハンモックに寝るのも怪しいし、竹の子による時限装置を仕掛けていた。
この二点から、殺人犯がいると判断して捜査を開始しましょう」
オレ達三人は、野村警部と共に住職に話を聞いてみる事にした。
住職は快く話をしてくれる。
高校生でも、事件の関係者なので質問に応えてくれるのだ。
「じゃあ、何から話せばいいのでしょうか?」
「まずは、住職の名前を教えてください。
それと、被害者の国治さんの最近の様子です。
彼女との関係とか、財産トラブル、仕事上でのトラブルとかです」
野村警部がそう言うと、住職は緊張したように話し始める。
さすがに、本物の警察からの調査は緊張するのだろうか?
「私の名前は、大岩大地です。亡くなったのは、私の弟の大岩国治。
今年で三十歳になる所だったでしょうか。
もうすぐ彼女と結婚できると喜んでいたのですが、この所あまりうまくいっていないようですね。
昨夜も彼女とケンカになったとかで、家に訪ねて来たんです。
まあ、こういう事は好くあることだったので、部屋を貸してやって、彼女のほとぼりが冷めるのを待っていたのです。
国治と恋人の伏野京子(ふしのけいこ)さんは、同棲していたので、ケンカをすると寝る場所もありませんからね。
好く明け方には、仲直りのメールが来て、私に挨拶もせずに帰って行きましたよ。
まあ、仲直りした日の昼くらいに、電話で報告していたので、気にもしてませんでしたけど……。
昨夜も同じだと思っていたのですが、まさか死んでしまうとは……。
私がもっと注意をしていれば、防げたかもしれないのに……」
住職は涙を流して、無念を訴えていた。
住職に不審な点は無かったが、オレの後ろで、小さい声で住職を疑っていた鏡野真梨の声が怖かった。
証拠は無いけど、とりあえず犯人じゃないかと圧力をかけて、挙動不審な動作が無いかを探っているようだった。
刑事ドラマが好きな奴がやる、好くあるケースだ。
「まあ、仕事はうまくいっていたようですし、財産トラブルになるような事は無かったと思いますよ。
人間関係は、それなりに人付き合いがうまい方だったので、トラブルも無かったと思いますが……」
「そうですか。ありがとうございます」
野村警部がそう言うと、遠野さんがエルフモードになって質問を始める。
まだ本調子ではないようだが、少しなら回復したようだ。
自分で髪の毛を束ね、簡易的なモードチェンジをしていた。
「あの竹藪、かなり手入れされているようですけど、誰が手入れしたんですか?
後、ハンモックが設置されていましたけど、誰が設置したか分かりますか?
かなり新しいハンモックでしたけど……」
大地さんは一瞬、えっという顔をした。
オレの後ろで眠っていると思っていた女の子が、突然事件の話に加われば驚くのも無理はない。
野村警部も話をするように促したので、大地さんは話し始める。
「ああ、何か手入れがしてあるのなら、国治の作業でしょう。
この寺を盛り上げるために、祭りや夜店などを計画しようとしていましたから……。
まず、簡単な集まりを開いて、境内を掃除したら、本格的に夏祭りなどを計画していたようですから。
父の後を継いだ私ですが、お寺を盛り上げる行事などは苦手でしたからね。
国治もお父さんのために何かをしてみたかったのかもしれませんね。
こんな事になったら、何もできそうにないですけど……」
「本当に残念です。
あのハンモックは危険なので、警察の方が持って行きますね。
まだ、調べたい事がありますから……」
遠野さんが質問を終わると、オレ達は別の場所へと向かおうとする。
オレ達が席を立つと、住職が忘れていた事を思い出し言う。
「ああ、国治は不眠症で悩んでいました。
いつもは睡眠薬で眠っているのですが、この所は、うまく寝付けなかったようなので、それで散歩でもしていたのかもしれません。
もしも、睡眠薬などの反応があっても、不審に思わないでくださいね」
「はあ、不眠症ですか……。分かりました」
オレ達は住職に挨拶をして、被害者とその彼女の家に向かった。
深夜勤務を終えて家にいるはずだが、眠っているかもしれない。
野村警部が知り合いの刑事さんと連絡を取ると、そう伝えて来た。
事件が発生し、一時間ほどは彼女と少し話をしていたが、夜勤を終えて家に帰って行ったという。
事故の報告はしたものの、亡くなった事についてはまだ話していなかった。
同僚の刑事は、野村警部にその事を伝えるように言って来る。
「う、嫌な事を引き受けてしまったな。
恋人が死んだ事を言うのは、刑事として避けたい仕事の一つなのだが……。
まあ、仕方ない。国治さんの人間関係を詳しく知るためだ」
オレ達は、野村警部の運転により、被害者の家へと向かう。
遠野さんは、オレの隣で眠っていた。
オレの肩に遠野さんがもたれかかり、彼女の呼吸の音と良い香りがする。
横にならせた方が休めると思い、オレの膝をまくら代わりにして眠らせた。
眠っている彼女の顔を覗き込んで思う。
(オレの精神力なら満タンなんだけどな。どうにか分けてあげられないものか?)
遠野さんのピンク色の唇を見つめてしまう。
寝チューしたいけど、前に二人がいるから難しい。
それに、寝チューじゃあ、精神力を回復させられるかも分からない。
車が止まるまで彼女の顔を真剣に見続けてしまった。
精神力が回復したのか、彼女が目を覚ます。
その時に目が合い、変な緊張感がオレを襲う。
平常心を保つんだ、今は事件を解決するんだ。
オレはこう思って何とか耐えていた。
まず、竹藪を綺麗に刈り込み、しならせた二本の竹にハンモックを設置する。
そのままだと竹の反動で飛んで行ってしまうため、杭で竹を固定し、ハンモックで人が寝かせられるようにする。
後は、小さい竹の子を見付け、竹の子の成長と共に杭が外れるように仕掛けをしてやれば、時限式の投石機が完成するというわけだ。
これにより、ハンモックに寝かされた被害者を殺すことができる。
後は、それを使い殺人をした犯人を特定するだけなのだが……。
殺人のトリックを暴いた遠野さんだったが、精神力が尽き、オレの背中で休んでいる。これで果たして犯人を捕らえることができるのだろうか?
野村警部もやる気になり、捜査を進めて行く。
「確かに、他に犯人がいて、被害者を殺したと見るのが一般的だが、被害者自身が自殺したという可能性もある。
また、事故死の可能性もある。
被害者が昨夜会っていた被害者の彼女と、被害者の兄である住職に話を聞いてみよう。
まずは、現場に近い住職から、被害者の状況や、動機のありそうな人物などを伺おう」
「ああ、そうですね。絞られた犯人の可能性は三人ですね。
被害者の兄の住職か、被害者の彼女か、被害者本人かだ。
偶然の事故も考えられるが、外のハンモックに寝るのも怪しいし、竹の子による時限装置を仕掛けていた。
この二点から、殺人犯がいると判断して捜査を開始しましょう」
オレ達三人は、野村警部と共に住職に話を聞いてみる事にした。
住職は快く話をしてくれる。
高校生でも、事件の関係者なので質問に応えてくれるのだ。
「じゃあ、何から話せばいいのでしょうか?」
「まずは、住職の名前を教えてください。
それと、被害者の国治さんの最近の様子です。
彼女との関係とか、財産トラブル、仕事上でのトラブルとかです」
野村警部がそう言うと、住職は緊張したように話し始める。
さすがに、本物の警察からの調査は緊張するのだろうか?
「私の名前は、大岩大地です。亡くなったのは、私の弟の大岩国治。
今年で三十歳になる所だったでしょうか。
もうすぐ彼女と結婚できると喜んでいたのですが、この所あまりうまくいっていないようですね。
昨夜も彼女とケンカになったとかで、家に訪ねて来たんです。
まあ、こういう事は好くあることだったので、部屋を貸してやって、彼女のほとぼりが冷めるのを待っていたのです。
国治と恋人の伏野京子(ふしのけいこ)さんは、同棲していたので、ケンカをすると寝る場所もありませんからね。
好く明け方には、仲直りのメールが来て、私に挨拶もせずに帰って行きましたよ。
まあ、仲直りした日の昼くらいに、電話で報告していたので、気にもしてませんでしたけど……。
昨夜も同じだと思っていたのですが、まさか死んでしまうとは……。
私がもっと注意をしていれば、防げたかもしれないのに……」
住職は涙を流して、無念を訴えていた。
住職に不審な点は無かったが、オレの後ろで、小さい声で住職を疑っていた鏡野真梨の声が怖かった。
証拠は無いけど、とりあえず犯人じゃないかと圧力をかけて、挙動不審な動作が無いかを探っているようだった。
刑事ドラマが好きな奴がやる、好くあるケースだ。
「まあ、仕事はうまくいっていたようですし、財産トラブルになるような事は無かったと思いますよ。
人間関係は、それなりに人付き合いがうまい方だったので、トラブルも無かったと思いますが……」
「そうですか。ありがとうございます」
野村警部がそう言うと、遠野さんがエルフモードになって質問を始める。
まだ本調子ではないようだが、少しなら回復したようだ。
自分で髪の毛を束ね、簡易的なモードチェンジをしていた。
「あの竹藪、かなり手入れされているようですけど、誰が手入れしたんですか?
後、ハンモックが設置されていましたけど、誰が設置したか分かりますか?
かなり新しいハンモックでしたけど……」
大地さんは一瞬、えっという顔をした。
オレの後ろで眠っていると思っていた女の子が、突然事件の話に加われば驚くのも無理はない。
野村警部も話をするように促したので、大地さんは話し始める。
「ああ、何か手入れがしてあるのなら、国治の作業でしょう。
この寺を盛り上げるために、祭りや夜店などを計画しようとしていましたから……。
まず、簡単な集まりを開いて、境内を掃除したら、本格的に夏祭りなどを計画していたようですから。
父の後を継いだ私ですが、お寺を盛り上げる行事などは苦手でしたからね。
国治もお父さんのために何かをしてみたかったのかもしれませんね。
こんな事になったら、何もできそうにないですけど……」
「本当に残念です。
あのハンモックは危険なので、警察の方が持って行きますね。
まだ、調べたい事がありますから……」
遠野さんが質問を終わると、オレ達は別の場所へと向かおうとする。
オレ達が席を立つと、住職が忘れていた事を思い出し言う。
「ああ、国治は不眠症で悩んでいました。
いつもは睡眠薬で眠っているのですが、この所は、うまく寝付けなかったようなので、それで散歩でもしていたのかもしれません。
もしも、睡眠薬などの反応があっても、不審に思わないでくださいね」
「はあ、不眠症ですか……。分かりました」
オレ達は住職に挨拶をして、被害者とその彼女の家に向かった。
深夜勤務を終えて家にいるはずだが、眠っているかもしれない。
野村警部が知り合いの刑事さんと連絡を取ると、そう伝えて来た。
事件が発生し、一時間ほどは彼女と少し話をしていたが、夜勤を終えて家に帰って行ったという。
事故の報告はしたものの、亡くなった事についてはまだ話していなかった。
同僚の刑事は、野村警部にその事を伝えるように言って来る。
「う、嫌な事を引き受けてしまったな。
恋人が死んだ事を言うのは、刑事として避けたい仕事の一つなのだが……。
まあ、仕方ない。国治さんの人間関係を詳しく知るためだ」
オレ達は、野村警部の運転により、被害者の家へと向かう。
遠野さんは、オレの隣で眠っていた。
オレの肩に遠野さんがもたれかかり、彼女の呼吸の音と良い香りがする。
横にならせた方が休めると思い、オレの膝をまくら代わりにして眠らせた。
眠っている彼女の顔を覗き込んで思う。
(オレの精神力なら満タンなんだけどな。どうにか分けてあげられないものか?)
遠野さんのピンク色の唇を見つめてしまう。
寝チューしたいけど、前に二人がいるから難しい。
それに、寝チューじゃあ、精神力を回復させられるかも分からない。
車が止まるまで彼女の顔を真剣に見続けてしまった。
精神力が回復したのか、彼女が目を覚ます。
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