28 / 93
第三章 SM少女と予告された事件
第三話 メアリー・ブラットソンとの出会い
しおりを挟む
放課後にアルバイトをし、資金を貯めて、ついに土曜日になった。
土曜日は朝七時に集合し、静岡へと向かう。
顧問の先生は用事があるから後で合流するという。
一応、男女混合なの分かっているよね?
オレと遠野さん、鏡野真梨で静岡を目指して電車に乗り込んだ。
名古屋から静岡へは、電車で二時間ちょっとかかる。
朝早いが、電車で眠れば大丈夫だろうと考えていた。
しかし、朝の通勤は休日といっても多く、すぐに座る事は出来ない。
数分後に優先席が空き、仕方なく優先席へ坐る。
お年寄りや妊婦、身体障害者が来なければ席を譲る必要はない。
席が空いて良かったと座って眠っていると、遠野さんがオレを起こす。
どうやらお年寄りが電車に乗り込んだらしい。
ほぼ爆睡していたため、言われなければ全く気が付かなかった。
しかし、これも社会のルール、お年寄りと妊婦、身障者は守らなければならない。
これが守れない奴は、公共の乗り物に乗る資格がないのだ。
オレ達が席を立って、お年寄りに席を譲ると、別の席から声が聞こえて来た。
どうやら優先席を譲っているようだが、会話がおかしかった。
「いえ、妊婦じゃないので大丈夫です。見れば男って分かるでしょ?」
「そんな事言うな。見かけは立派な妊婦だ。
その腹、その乳、どっからどう見ても妊婦と同一体系だ。
電車内でこけて、他の客にタックルされても迷惑だろう。
僕一人の犠牲で、その悲劇が守られるというのなら、易いモノだ……」
「あ、ありがとうございます」
「ふっ、お前のためではない。
他の乗客とそのお腹の中の子のためだ!」
「だから、妊婦じゃないんですってば!」
その言葉を聞いていると、次の駅に着き、数人の客が席を立った。
普通の席が空き、オレ達は空いた席に座る。
「どっこいせ……」
さっき変な会話をしていた女の子もオレの隣に座る。
見た感じ、遠野さんと同じ清楚系っぽい美少女の様だった。
ロングヘアーで、濃い青色の髪の毛をしているが、髪の毛の色が統一しているので最初は黒色に見えていた。
白衣を着ており、知的な感じのする美少女だ。
席に座った時に乱れた髪を直す様にして、その少女はオレの方を見る。
オレは一瞬ドキッとしてしまった。
すると、少女が何かに気付いたようで、オレ達に話しかけて来た。
「おお、えるふじゃないか。夏休みぶりだな。
夏休みの宿題は終わったのか?
なんか、身体つきが良くなった気がする。
まあ、小学校六年生は急激に成長するというからな。
僕もこんなにオッパイが大きくなったぞ!」
遠野さんはその子の顔を見て、思い出すように言う。
「えーと、メアリーちゃんだよね……。
小学校六年生の一学期までは一緒だったよね。
その後はどうしたの? 転校しちゃった?」
「おいおい、酷いな……。
まだ二学期も始まってないのに、転校扱いですか?
いくら仲が良いといっても、言って良い冗談と悪い冗談があるんだよ。
いくら温厚な僕でも、怒る時は怒るよ!」
メアリーの不思議な回答に、鏡野は突っ込む。
「あんた、どう見ても高校生やろ……。
いつまで小学生気分やねん……」
遠野さんは、その言葉に同意するようにこう言う。
「うん、私は幻住高校に通っているんだけど、メアリーちゃんはどうしたの?
高校とか行ってないの?」
メアリーという少女は、遠野さんの顔が本気なのを見て、どんどん表情を暗くしていく。
そして、状況を理解したのか、こう質問した。
「今、僕は十五歳なのかな?
ずっと研究室に籠っていたから、時間の感覚があいまいなんだけど……。
僕的には、四十日くらいだと思っていたから……」
「うん。本来なら、高校一年生の五月くらいだよ……」
遠野さんの言葉を聞き、メアリーは自分の置かれている立場を理解した。
自分の知らないうちに、三年も過ぎていたのだ。
そりゃあ、オレだってビビる事実だろう。
彼女が不思議少女である事が確定したようだ。
「しまった、高校受験してない!
どうしよう……」
正確には、小学校も卒業していない上、中学校は全て欠席扱いだけどな……。
C組(カプリコーン組)の生徒には、恐るべき集中状態が存在する。
時間や体力など全く気にせず、自分の好きな事に全神経を集中するのだ。
そのため、気が付いた時には一日が終わっていたという事はよくある。
このメアリーという少女は、中学三年間をその状態で過ごしていたようだ。
すごいといえばすごいが、その反動は予想以上のはずだ。
よく死なずに生きてこられたものだ。
おそらく、栄養補給と衛生面がそれなりに確保されていたからできた芸当だろう。
常人には、どんなに頑張ってもそれだけの持続時間を維持する力がないのだ。
しかし、社会的な面では補う事は容易ではない。
本来なら、小学校卒業もしていないのだ。
引き籠りだったら、社会復帰は困難を極めるだろう。
遠野さんは慰めるようにこう言って励ます。
「大丈夫だよ! 幻住高校なら、編入試験さえクリアすれば、高校に通う事ができるから」
それを聞き、メアリーは安心する。
試験とか、遅れている勉強とか完全に無視して、自信満々のようだった。
三年間全く勉強をしていないなら、合格は難しいだろう。
メアリーは、オレの心配をよそにして言う。
「なんだ! それなら余裕だな! びっくりさせるな、もう……」
その自信はいったいどこから来るのだろうか?
メアリーは中学校の授業をまともに受けた事も無いんだぞ!
本来なら高校の入学ではなく、中学への入学を検討すべきレベルだろう。
そんなこと微塵も考えないのか、メアリーはオレ達の行く先を訊いてきた。
「お前達はどこに行くんだ?」
「部活で静岡に行くの。ある事件を調査しに行く所だよ!」
「ほほう。なら僕が事件を華麗に解決すれば、幻住高校の入学も楽になるな。
お前達に付いて行こう!」
「え? メアリーちゃんの用事は良いの?」
「まあ、ケーキの補充に来ただけだし……。
研究は一通り終わっているし……。
このまま静岡まで付いて行くよ!」
こうして、メアリーが仲間に加わった。
旅行費くらいは自分で出せよ。
オレはそう思ったが、彼女の同行を黙って見守っていた。
遠野さんの事だから、彼女の旅行費も一緒に出すんだろうな、やっぱり……。
メアリーと遠野さんは話を続ける。
「幻住高校の制服は良いよな。
制服の色を勝手に選べるんだろ?」
「うん、そうだよ。メアリーちゃんは何色が良いの?」
「僕は青色が好きだから、青が良い。
ほら、今日の僕のブラとパンツもセットの青色なんだ!」
メアリーは白衣の前をはだけると、その中は青いブラジャーとパンティーだけだった。
多くの乗客に見られ、オレは慌てる。
怪しい歓声が上がっていた。
(そんな格好で公共の乗り物に乗るな!)
オレは前を隠すように強く勧める。
すると当の本人は、全く悪びれる様子も無くオレに尋ねる。
「この傷か? 心臓を手術した時にできた傷らしい。
他の奴らは隠すようだが、私は見せる様にしている。
触ってみるか?」
よく見ると結構大きな傷痕がある。
「分かったからブラジャーとパンティーを見せるんじゃない!」
オレにそう言われ、メアリーはしぶしぶ前を閉め始める。
突然女の子の裸を見せられ、オレの心臓はドキドキしていた。
オレの心臓の事も少しは考えてくれ!
一度白衣の下に、ブラジャーとパンティーしか着けていない事を知ると、薄っすらと透けて見えて来る。
遠野さんとメアリーが幻住高校の事を話しあっていると、鏡野真梨が突然騒ぎ出す。
鏡野真梨だけオレ達と話をするため、手摺りに掴まり立っていたのだ。
どうやら痴漢に遭遇したらしく、思いっ切り犯人と思われる男を蹴り上げる。
オレは犯人の男性に同情する。
ご愁傷様、相手を間違えたな、と……。
犯人は日頃から鍛えているのか、鏡野の攻撃を喰らっても何とか立ち上がった。
しかし、犯人とは別に倒れた男性がいた。
鏡野の攻撃を受けた犯人が、その男性にぶつかり、一緒に倒れてしまったのだ。
その男性は、遠野さんがさっき席を譲った老人であり、胸を押さえて苦しんでいる。
どうしたのだろうか?
オレ達が心配して駆け寄ろうとすると、痴漢をした犯人が騒ぎ出した。
堂々とした態度をしており、痴漢とは思えない。
しかし、鏡野真梨の下半身を触ったのは彼なのだ。
鏡野真梨の動体視力が、彼の犯行を確実に捉えていたのだ。
「動くな! 俺は警察官だ!
この電車内で事件が発生する事を予測し、ここで待ち伏せしていたのだ。
この事故は意図的に起こされた可能性がある。
被害者に不用意に近寄るんじゃない!」
そう言って犯人は警察手帳を見せて来た。
どうやら手帳は本物らしく、一応警察官の様だ。
まあ、素人に警察手帳か、学校の手帳なのかも判別できないのだが……。
痴漢の犯人だか、警察官なのか良く分からない人物を無視して、メアリーは被害者の身体状況を確認した。
警察官らしき人物は騒ぎ出すが、メアリーの言葉を聞き黙る。
「この被害者は放っておくと命にかかわる。
素早い応急処置が必要だ!」
「むっ、なら君だけは処置する事を許そう。
ただし、変な事をした場合は容赦しないぞ!」
「医学の知識はある! 人を助けずして、何のための医療か!
僕は人を助けるためなら、殺人者にもなる覚悟だ!」
メアリーは鏡野真梨以上の応急処置で被害者を助けていく。
何なんだこの子は?
オレの表情から、メアリーが気になっている事を悟ったのか、遠野さんはこう説明する。
「メアリー・ブラットソン。
自然科学(サイエンス)と医学(メディカル)を愛する女の子なの。
とてもすごい子だよ!」
(ほう、SM少女か……。性格はクール系の様だが……)
オレはすごくどうでもいい事を考えていた。
ドSか、ドMか、どっちだろう?
そう思いながら、無表情で作業するメアリーを見ていた。
彼女がしゃがむと、青いパンティーがチラチラと見える。
土曜日は朝七時に集合し、静岡へと向かう。
顧問の先生は用事があるから後で合流するという。
一応、男女混合なの分かっているよね?
オレと遠野さん、鏡野真梨で静岡を目指して電車に乗り込んだ。
名古屋から静岡へは、電車で二時間ちょっとかかる。
朝早いが、電車で眠れば大丈夫だろうと考えていた。
しかし、朝の通勤は休日といっても多く、すぐに座る事は出来ない。
数分後に優先席が空き、仕方なく優先席へ坐る。
お年寄りや妊婦、身体障害者が来なければ席を譲る必要はない。
席が空いて良かったと座って眠っていると、遠野さんがオレを起こす。
どうやらお年寄りが電車に乗り込んだらしい。
ほぼ爆睡していたため、言われなければ全く気が付かなかった。
しかし、これも社会のルール、お年寄りと妊婦、身障者は守らなければならない。
これが守れない奴は、公共の乗り物に乗る資格がないのだ。
オレ達が席を立って、お年寄りに席を譲ると、別の席から声が聞こえて来た。
どうやら優先席を譲っているようだが、会話がおかしかった。
「いえ、妊婦じゃないので大丈夫です。見れば男って分かるでしょ?」
「そんな事言うな。見かけは立派な妊婦だ。
その腹、その乳、どっからどう見ても妊婦と同一体系だ。
電車内でこけて、他の客にタックルされても迷惑だろう。
僕一人の犠牲で、その悲劇が守られるというのなら、易いモノだ……」
「あ、ありがとうございます」
「ふっ、お前のためではない。
他の乗客とそのお腹の中の子のためだ!」
「だから、妊婦じゃないんですってば!」
その言葉を聞いていると、次の駅に着き、数人の客が席を立った。
普通の席が空き、オレ達は空いた席に座る。
「どっこいせ……」
さっき変な会話をしていた女の子もオレの隣に座る。
見た感じ、遠野さんと同じ清楚系っぽい美少女の様だった。
ロングヘアーで、濃い青色の髪の毛をしているが、髪の毛の色が統一しているので最初は黒色に見えていた。
白衣を着ており、知的な感じのする美少女だ。
席に座った時に乱れた髪を直す様にして、その少女はオレの方を見る。
オレは一瞬ドキッとしてしまった。
すると、少女が何かに気付いたようで、オレ達に話しかけて来た。
「おお、えるふじゃないか。夏休みぶりだな。
夏休みの宿題は終わったのか?
なんか、身体つきが良くなった気がする。
まあ、小学校六年生は急激に成長するというからな。
僕もこんなにオッパイが大きくなったぞ!」
遠野さんはその子の顔を見て、思い出すように言う。
「えーと、メアリーちゃんだよね……。
小学校六年生の一学期までは一緒だったよね。
その後はどうしたの? 転校しちゃった?」
「おいおい、酷いな……。
まだ二学期も始まってないのに、転校扱いですか?
いくら仲が良いといっても、言って良い冗談と悪い冗談があるんだよ。
いくら温厚な僕でも、怒る時は怒るよ!」
メアリーの不思議な回答に、鏡野は突っ込む。
「あんた、どう見ても高校生やろ……。
いつまで小学生気分やねん……」
遠野さんは、その言葉に同意するようにこう言う。
「うん、私は幻住高校に通っているんだけど、メアリーちゃんはどうしたの?
高校とか行ってないの?」
メアリーという少女は、遠野さんの顔が本気なのを見て、どんどん表情を暗くしていく。
そして、状況を理解したのか、こう質問した。
「今、僕は十五歳なのかな?
ずっと研究室に籠っていたから、時間の感覚があいまいなんだけど……。
僕的には、四十日くらいだと思っていたから……」
「うん。本来なら、高校一年生の五月くらいだよ……」
遠野さんの言葉を聞き、メアリーは自分の置かれている立場を理解した。
自分の知らないうちに、三年も過ぎていたのだ。
そりゃあ、オレだってビビる事実だろう。
彼女が不思議少女である事が確定したようだ。
「しまった、高校受験してない!
どうしよう……」
正確には、小学校も卒業していない上、中学校は全て欠席扱いだけどな……。
C組(カプリコーン組)の生徒には、恐るべき集中状態が存在する。
時間や体力など全く気にせず、自分の好きな事に全神経を集中するのだ。
そのため、気が付いた時には一日が終わっていたという事はよくある。
このメアリーという少女は、中学三年間をその状態で過ごしていたようだ。
すごいといえばすごいが、その反動は予想以上のはずだ。
よく死なずに生きてこられたものだ。
おそらく、栄養補給と衛生面がそれなりに確保されていたからできた芸当だろう。
常人には、どんなに頑張ってもそれだけの持続時間を維持する力がないのだ。
しかし、社会的な面では補う事は容易ではない。
本来なら、小学校卒業もしていないのだ。
引き籠りだったら、社会復帰は困難を極めるだろう。
遠野さんは慰めるようにこう言って励ます。
「大丈夫だよ! 幻住高校なら、編入試験さえクリアすれば、高校に通う事ができるから」
それを聞き、メアリーは安心する。
試験とか、遅れている勉強とか完全に無視して、自信満々のようだった。
三年間全く勉強をしていないなら、合格は難しいだろう。
メアリーは、オレの心配をよそにして言う。
「なんだ! それなら余裕だな! びっくりさせるな、もう……」
その自信はいったいどこから来るのだろうか?
メアリーは中学校の授業をまともに受けた事も無いんだぞ!
本来なら高校の入学ではなく、中学への入学を検討すべきレベルだろう。
そんなこと微塵も考えないのか、メアリーはオレ達の行く先を訊いてきた。
「お前達はどこに行くんだ?」
「部活で静岡に行くの。ある事件を調査しに行く所だよ!」
「ほほう。なら僕が事件を華麗に解決すれば、幻住高校の入学も楽になるな。
お前達に付いて行こう!」
「え? メアリーちゃんの用事は良いの?」
「まあ、ケーキの補充に来ただけだし……。
研究は一通り終わっているし……。
このまま静岡まで付いて行くよ!」
こうして、メアリーが仲間に加わった。
旅行費くらいは自分で出せよ。
オレはそう思ったが、彼女の同行を黙って見守っていた。
遠野さんの事だから、彼女の旅行費も一緒に出すんだろうな、やっぱり……。
メアリーと遠野さんは話を続ける。
「幻住高校の制服は良いよな。
制服の色を勝手に選べるんだろ?」
「うん、そうだよ。メアリーちゃんは何色が良いの?」
「僕は青色が好きだから、青が良い。
ほら、今日の僕のブラとパンツもセットの青色なんだ!」
メアリーは白衣の前をはだけると、その中は青いブラジャーとパンティーだけだった。
多くの乗客に見られ、オレは慌てる。
怪しい歓声が上がっていた。
(そんな格好で公共の乗り物に乗るな!)
オレは前を隠すように強く勧める。
すると当の本人は、全く悪びれる様子も無くオレに尋ねる。
「この傷か? 心臓を手術した時にできた傷らしい。
他の奴らは隠すようだが、私は見せる様にしている。
触ってみるか?」
よく見ると結構大きな傷痕がある。
「分かったからブラジャーとパンティーを見せるんじゃない!」
オレにそう言われ、メアリーはしぶしぶ前を閉め始める。
突然女の子の裸を見せられ、オレの心臓はドキドキしていた。
オレの心臓の事も少しは考えてくれ!
一度白衣の下に、ブラジャーとパンティーしか着けていない事を知ると、薄っすらと透けて見えて来る。
遠野さんとメアリーが幻住高校の事を話しあっていると、鏡野真梨が突然騒ぎ出す。
鏡野真梨だけオレ達と話をするため、手摺りに掴まり立っていたのだ。
どうやら痴漢に遭遇したらしく、思いっ切り犯人と思われる男を蹴り上げる。
オレは犯人の男性に同情する。
ご愁傷様、相手を間違えたな、と……。
犯人は日頃から鍛えているのか、鏡野の攻撃を喰らっても何とか立ち上がった。
しかし、犯人とは別に倒れた男性がいた。
鏡野の攻撃を受けた犯人が、その男性にぶつかり、一緒に倒れてしまったのだ。
その男性は、遠野さんがさっき席を譲った老人であり、胸を押さえて苦しんでいる。
どうしたのだろうか?
オレ達が心配して駆け寄ろうとすると、痴漢をした犯人が騒ぎ出した。
堂々とした態度をしており、痴漢とは思えない。
しかし、鏡野真梨の下半身を触ったのは彼なのだ。
鏡野真梨の動体視力が、彼の犯行を確実に捉えていたのだ。
「動くな! 俺は警察官だ!
この電車内で事件が発生する事を予測し、ここで待ち伏せしていたのだ。
この事故は意図的に起こされた可能性がある。
被害者に不用意に近寄るんじゃない!」
そう言って犯人は警察手帳を見せて来た。
どうやら手帳は本物らしく、一応警察官の様だ。
まあ、素人に警察手帳か、学校の手帳なのかも判別できないのだが……。
痴漢の犯人だか、警察官なのか良く分からない人物を無視して、メアリーは被害者の身体状況を確認した。
警察官らしき人物は騒ぎ出すが、メアリーの言葉を聞き黙る。
「この被害者は放っておくと命にかかわる。
素早い応急処置が必要だ!」
「むっ、なら君だけは処置する事を許そう。
ただし、変な事をした場合は容赦しないぞ!」
「医学の知識はある! 人を助けずして、何のための医療か!
僕は人を助けるためなら、殺人者にもなる覚悟だ!」
メアリーは鏡野真梨以上の応急処置で被害者を助けていく。
何なんだこの子は?
オレの表情から、メアリーが気になっている事を悟ったのか、遠野さんはこう説明する。
「メアリー・ブラットソン。
自然科学(サイエンス)と医学(メディカル)を愛する女の子なの。
とてもすごい子だよ!」
(ほう、SM少女か……。性格はクール系の様だが……)
オレはすごくどうでもいい事を考えていた。
ドSか、ドMか、どっちだろう?
そう思いながら、無表情で作業するメアリーを見ていた。
彼女がしゃがむと、青いパンティーがチラチラと見える。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』
月神世一
SF
【あらすじ】
「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」
坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。
かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。
背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。
目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。
鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。
しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。
部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。
(……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?)
現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。
すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。
精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。
これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
