【オススメネット小説】幻獣少女えるふ&幻獣になったオレ

猫パンチ

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第五章 ラミアへの呪い

第六話 仕組まれた殺人の罠!

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 遠野さんはオスイルカに追われるものの、何とか無事に逃げ切った。
しかし、オスイルカのヒップアタックの直撃を受け、意識が朦朧(もうろう)としている。オレは遠野さんを抱き寄せ、プールの外に助け出した。

「うう、木霊君。ありがとう……」

「大丈夫か? すぐに医務室に運んでやるからな。
とはいえ、オレもかなりのダメージを受けた。少し待ってくれ……」

「うん、ありがとうね……」

遠野さんはそう言って眼を閉じた。限界を超えて泳いでいたのだ。
疲労は相当なものだろう。
オレが動けない事を知ると、鏡野が代わりに遠野さんを連れて言ってくれると言う。

少しでも早く寝かせてやった方が良いのは事実だが、ホオジロザメと泳がなくても良いのだろうか? 
さすがに、楽しみにしていたようだし、オレは尋ねた。
鏡野は答える。

「ええんよ。遠野さんが大変な時に楽しんで泳ぐとか無理やねん。ウチはパスするわ!」

「じゃあ、頼む!」

「ああ、連れて行くで!」

鏡野は遠野さんを連れて行き、メアリーとオレだけになる。
一匹のホオジロザメがプールに入り、メアリーは一人で泳ぐ事になった。
こいつが一番ホオジロザメと会うのを楽しみにしていた。

何らかの仕掛けにより、ホオジロザメと一緒に泳ぐ事ができるらしいが、メアリー一人では楽しさも半減だろう。
一人残されたメアリーを見て、オレは言う。

「残念だったな。鏡野はいないから、お前一人で泳ぐしかないぞ。
寂しいかもしれないけど……」

メアリーはオレの言葉を聞き、不敵に笑う。

「別に。このホオジロザメとオスイルカを準備したのは僕だ。
オスイルカの行動は計算外だったが、ホオジロザメに問題は無い。
何の仕掛けも無いから、人を食い殺す事も出来るしな!」

「そうなのか? じゃあ、どうやって一緒に泳ぐんだ? 危険だぞ!」

「うむ! 腹の飢えた海獣を大人しくさせる方法は一つしかない。
他の餌を食わせて、腹を膨らませればいいのさ! 
そうすれば、僕は安全に泳ぐ事ができる!」

メアリーは、オレをプールに押し込んだ。
体力のないオレは、バランスを崩し、プールに落ちる。
そこには、腹を空かせたホオジロザメがいた。
メアリーはわざとらしく叫ぶ。

「大変だ! 僕が転んで押したら、木霊君がプールに落ちてしまった。
まあ、何か仕掛けがあるって言うし、大丈夫だよね!」

ラミアさんと麻紀さんは、プールの状況を解説し続ける。

「うわー、恐ろしいほどの棒読みですね。
果たして、このプールに仕掛けられているホオジロザメを大人しくする装置とは何でしょうか? 
私としては、リアルにサメに食い殺される所が見たいですね! ワクワク……」

「仕掛けなんて見当たりませんね。誤作動でもしているんでしょうか?」

「まあ、泳ぐのは私じゃないし、大丈夫でしょう!」

「何が大丈夫なんですか? ラミア先輩、危険な性格を変えた方がいいですよ。
それと掃除ができるようにも……」

「まあ、ぼちぼち頑張りますよ。
さあ、十五歳の少年という活きの良い餌が入りました。
どうなるんですかね?」

「今回も助ける気が零ですか? 医療班を呼んで来ないと……」

「やだな、私達が医者じゃないですか!」

「助ける気が零の医者なんて嫌!」

八束麻紀さんが絶叫する中、オレとホオジロザメの対決が始まろうとしていた。
オレの命を守る仕掛けは無い。
オレはこの強敵に勝てるのだろうか?

 ホオジロザメはオレの存在に気が付き、オレに攻撃して来る。
やばいと感じるが、オレはある事に気付いていた。

(さっきのオスイルカの方が速い! 
確かに、オレよりかは遥かに速いが、目で追えないスピードじゃない。
これなら、何とか耐えられる!)

オレはホオジロザメが噛み付く前に、自分の身体を鉄に変化させる。
ホオジロザメは懸命にオレを攻撃するが、次第に歯がボロボロになっていった。

さすがの人食いザメも、鉄を噛み砕く事は出来ない。
凶器の歯が無くなり、オスイルカよりも攻撃力が無くなった。
海中では最強を誇る海のハンターも、覚醒したオレの前には雑魚だった。

メアリーは、ホオジロザメが弱体化した事を悟ると、次の作戦に移る。
オレを助けるという名目で、前もって準備していた発電機により、ホオジロザメごとオレを感電死させようというのだ。
オレに、恐るべき攻撃が差し迫っていた。

「おっと、あれは携帯型発電機だ! 
日本では禁止されている漁業『電気ショック漁業』だ!
この攻撃により、ホオジロザメを感電死させ、木霊君を救出しようというのか?」

「普通に木霊君も死にますよね……。止めた方がいいんじゃ……」

ラミアさんと麻紀さんの会話を聞き、オレは危険を悟る。
プールの中へ入っていないため、メアリーは分からなかったようだが、外からの声はオレに聞こえて来るのだ。

「リア充と邪魔者は死ね!」

メアリーが電流を流すと、ばちばちという音がプール内に響き渡り、水が光り出す。
一瞬の出来事だったが、ホオジロザメは感電死して浮いて来た。

「やったか?」

メアリーは電気を止め、オレの安否を確認する。オレは何とか無事だった。
電気が流れる前に、身体を絶縁体のプラスチックにする事でピンチを乗り切った。
メアリーは、オレが無事なのを確認すると、明るい笑顔を見せた。

「ほう、なかなかやるな! 
このまま、木霊が死ぬまで電流を流し続けるという殺害方法もあるが、それは止めておこう。

えるふと同じ貴重な実験体だ。
このまま友人として生活し、ある程度の実験を繰り返してみよう。
殺すのはいつでも出来るからな!」

オレは、プールという死地から生還する事ができた。
感電死したホオジロザメは、メアリーの手配で竹輪(ちくわ)に生まれ変わり、第二の人生を美味しく頂かれたという。

「木霊君を守る仕掛けがなんなのか分からなかったけど、とりあえず生きていて良かった。かなりの殺意を感じたけど……」

「無事で良かった。これで私も喜んで発明品の発表ができます!」

「ちえ、一番くだらないのが来ちゃったな……」

「ラミア先輩……」

ラミアさんと八束麻紀さんは解説を終え、自分達の発明品を発表する為に準備する。
麻紀さんは水着に着替え、ラミアさんはサポートする。
二人が着替えている間に、オレはプールに上がる。
すると、メアリーが近付いてきた。

「木霊キューン! 無事だったんだね♡ 僕本気で心配したんだよ! 
ホオジロザメから木霊キューンを守ろうと必死だったんだよ!」

「本気で殺そうとしただろう、オレを……」

「ひどーい! 僕のガラスの様な心が傷付いたよ……。
木霊キューンは、僕をそんな目で見ていたんだね。グッスン、酷いよ……」

メアリーは、遠野さんの真似をしているのかもしれないが、オレの目は誤魔化せなかった。
しかし、メアリーがオレに抱き付いて来て、メアリーの白衣が水に濡れて透けて、青いブラとパンツが透けて見えていた。

普通にはだけて見るよりエロい。
メアリーはオレの手を握り問いかけて来る。

「本当に、僕は反省しているんだよ? ほら、僕の顔を良く見て!」

メアリーが顔を見せようと近寄ると、オッパイがオレの腕に当たる。

「もう良いから……。ちょっと離れろ!」

「うん、僕の事を木霊君が許してくれて嬉しいよ♡ これからも仲良くしようね!」

メアリーは、笑顔を見せて有耶無耶にしようとしている。
オレは全然許す気はないけど、メアリーの中ではオレが許して終わったと思っているようだ。
はあ、許さなきゃ、着替えに戻る事も出来なそうだし、遠野さんの所にも行けそうになかった。

「分かったよ。これからもよろしく……」

「うん、よろしくね♡」

メアリーは、いやらしく不敵に笑う。
オレとメアリーがプールの縁で話していると、遠野さんを介抱していた鏡野真梨がプールに戻って来ていた。
遠野さんは身体的に大丈夫の様で、今は身体を洗って眠っているという。

「まあ、そう言う事や。木霊も疲れとるんやろ? 
身体洗って着替えたら、遠野さんを見ておけや。
ウチらは、式を見てから帰る予定やから……」

「ああ、すまん!」

「あ、それと……、これも持って行けや! 『ドライアド』の割引チケットや。
デートはまだ終わってへんで! ここから盛り返せるように頑張れや!」

「おう、ありがとう!」

オレは鏡野から割引チケットを受け取り、身体を洗ってから着替えて、遠野さんの居る医務室に向かう。
遠野さんはグッスリ眠っており、しばらく見つめていた。
しかし、オレも疲れていたので、気が付くと椅子に座りながら眠ってしまっていた。
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