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第七章 獲物を呼び寄せるセイレーン
第一話 歌姫は嘆き悲しむ
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オレと遠野さん、鏡野真梨の三人は、喫茶店『ドライアド』の伝手から歌手・空野ツバサ(そらのつばさ)のコンサートに行く事になった。
遠野さんが家を出ると、ネコーズとモコソンが後を付け始めていた。
探偵のフリして尾行しているのだろう。
オレ達は、その事に全く気付いていなかった。
「くっそう、昨日は酷い目に遭ったニャン。
まさか水攻めを受けるとは……。
ノミ取りもされてボロボロニャン。
身は綺麗になったけど、心はズタボロニャン。
次は負けない!」
「僕は、結構満足ですよ!
オッパイは小さいけど、あのドSは凄く良い!
僕のドM心を満足させてくれたぜ!
毎日でも受けて立ちますよ!」
「しかし、遠野えるふとかいう小娘、たった十五歳くらいで男と一緒にデートだと⁉︎
世の中腐ってるニャン!」
「どうせ、ちょっと疲れちゃったとかほざいて、ホテルに直行する事だろうよ。
その後、妊娠とかいう展開が目に浮かぶようだ!
浮かれたガキ共ほど恐ろしいものはない。
二人っきりになって、子作りとか容易く一線を越えてくるからね!
その後、僕のせいじゃないとか、こんな事になるなんて思わなかったわ、とか言うんだからタチが悪いよね!
僕達のような素晴らしい監視者がいないと、危険だよ!」
「えるふ、男と一夜を共にするなんて、お父さんは許しませんよ!
まあ、昨日会ったばっかりだけどね。
お風呂場で地獄を見たお礼ニャン!
徹底的に二人の関係を邪魔してやるニャン!」
ネコーズとモコソンは、オレ達の後にしつこく付いてきていた。
オレ達は、そうとは知らずにコンサート会場へ移動して行く。
鏡野真梨が楽屋裏で、ツバサさんの挨拶とサインが欲しいと言う事で、開始の三時間前に辿り着いた。
人はそれなりにいるが、関係者という事ですんなりと会う事ができる。
楽屋裏まで来ると、誰かの泣き声が聞こえて来る。
何か、悲しい出来事が発生したようだった。
オレ達は、意を決して扉を開けると、そこにはツバサさんと彼女のマネージャーがいた。
悲しんでいたのは、ツバサさんであり、彼女のマネージャーが慰めていた。
「うう、船乗栄一(ふなのりえいいち)さんが亡くなってしまうなんて……。
今日のライブで私と彼の結婚発表をする予定だったのに……。
一番前の特別席に座って、私が合図をしたら前に出てきてもらう予定だったのに……」
「仕方ないよ、ツバサのせいじゃない。
突然倒れたというじゃないか。
きっと、何かの病気だったんだよ。
俺が付いているから、思いっ切り泣いてくれ!
でも、ライブ会場では笑顔で頼むよ。
悲しくても、君はプロの歌手なんだ。
お客さんを悲しませる事があってはいけない!」
「分かっているわ。
でも、彼が死んだ原因は何?
それさえも分からないなんて……」
ツバサさんは、オレ達が楽屋の中に入っても泣き止む様子がない。
鏡野真梨がしばらくしてから声をかける。
どんな事があったのだろうか?
「あの、喫茶店『ドライアド』の店長から応援のメッセージを届けに来ました。
何かあったんですか?」
「君達は、幻住学校の生徒さん達だね?
店長から噂は聞いているよ。
なんでも探偵クラブみたいな部活動をして、色々な事件を解決しているとか……。
警察からも感謝されているそうだね。
高校生なのにすごい子達だよ!」
「いやいや、それほどでもあらへんよ。
まだ駆け出し中の探偵クラブやねん。
実績は無いに等しいわ!
まあ、謎を解かれへんウチが言えた事やないけどな」
「そうだ、君達に事件の調査をお願いしようかな?
まだライブまでは時間があるし、席も決まっている。
調査が長引くなら、ライブが終わった後に引き続き調査してもらっても構わない。
ツバサの恋人が死んだ原因を調査して欲しいんだ!
上手く事件を解決したなら、お礼としてお金をお支払いするよ。
もちろん君達に自信があればの話だけどね!」
「ほーう、殺人事件の調査依頼か!
よっしゃあ、ライブが始まる前までに事件を解決してやるで!
エリー(遠野えるふさんの事)、一丁頼むで!」
鏡野真梨は、遠野さんの事をエリーと呼ぶ。
名前にえが入っている女子の大半がそう呼ばれる可能性が高いようだ。
遠野さんをエリー、自分をマリーと呼ばれたいのだろうか?
良く分からないが、鏡野真梨は、親しみを込めてそう呼んでいた。
超馴れ馴れしいが、遠野さんが喜んでいるので、オレはスルーする事にした。
「うん、解決できるかは分からないけど、ツバサさんの為に頑張ってみるよ!
だから、ライブを頑張ってくださいね!」
こうしてオレ達の調査が開始された。
まずは、ツバサさんとマネージャーに話を聞く。
いったいどんな事が発生したのだろうか?
「まず、死んだのは私の恋人の船乗栄一さんです。
付き合って二年になり、今年の秋に結婚する予定でした。
その発表を、今日のライブで伝えるつもりだったのです。
しかし、船乗さんがライブのチケットを入手する段階で急死してしまい、結局その予定は無くなりました。
彼は、私のライブチケットも入手できなかったようで、ある古本屋で病死したようです。
私のライブチケットは、そのまま行方不明になっており、どこに行ったのかは分かりません」
「そのライブチケットは、どのような経緯で渡す予定だったんですか?
誰にも悟られないようにしていたのでしょう?」
「実は、マネージャーに一任していたので、私は良く知らないのです。
マネージャーと彼との間に秘密の連絡方法があったようなのですが……」
ツバサさんがそう言うと、彼女のマネージャー・青木久雄(あおきひさお)は語り出した。
「船乗栄一さんには、手紙でライブチケットを送りました。
連絡方法も全て手紙ですが、郵便ポストに入れて送還ではなく、彼の家のポストに直接入れていました。
なので、今までは上手く連絡が取れていたのですが、最近はツバサのストーカーが出現した可能性があり、彼の郵便物を調べる輩が出現し始めました。
もしかしたら、そのストーカーがライブチケットを盗み取ったのかもしれません。
更に、船乗さんを殺害したのも彼かもしれません。
船乗さんが倒れていた古本屋の住所を教えておきます。
探偵クラブの皆さん、どうか真相が分かり次第連絡を下さいね」
青木久雄さんは、鏡野真梨に自分の連絡先と船乗さんが倒れたという古本屋の住所をおしえてくれる。
そこは、このライブ会場から近く、五分ほどで行き来できる距離だった。
オレ達は、早速その古本屋へ行って見る事にする。
すると、警察が調査をしており、野村警部も調査をしていた。
遠野さんが家を出ると、ネコーズとモコソンが後を付け始めていた。
探偵のフリして尾行しているのだろう。
オレ達は、その事に全く気付いていなかった。
「くっそう、昨日は酷い目に遭ったニャン。
まさか水攻めを受けるとは……。
ノミ取りもされてボロボロニャン。
身は綺麗になったけど、心はズタボロニャン。
次は負けない!」
「僕は、結構満足ですよ!
オッパイは小さいけど、あのドSは凄く良い!
僕のドM心を満足させてくれたぜ!
毎日でも受けて立ちますよ!」
「しかし、遠野えるふとかいう小娘、たった十五歳くらいで男と一緒にデートだと⁉︎
世の中腐ってるニャン!」
「どうせ、ちょっと疲れちゃったとかほざいて、ホテルに直行する事だろうよ。
その後、妊娠とかいう展開が目に浮かぶようだ!
浮かれたガキ共ほど恐ろしいものはない。
二人っきりになって、子作りとか容易く一線を越えてくるからね!
その後、僕のせいじゃないとか、こんな事になるなんて思わなかったわ、とか言うんだからタチが悪いよね!
僕達のような素晴らしい監視者がいないと、危険だよ!」
「えるふ、男と一夜を共にするなんて、お父さんは許しませんよ!
まあ、昨日会ったばっかりだけどね。
お風呂場で地獄を見たお礼ニャン!
徹底的に二人の関係を邪魔してやるニャン!」
ネコーズとモコソンは、オレ達の後にしつこく付いてきていた。
オレ達は、そうとは知らずにコンサート会場へ移動して行く。
鏡野真梨が楽屋裏で、ツバサさんの挨拶とサインが欲しいと言う事で、開始の三時間前に辿り着いた。
人はそれなりにいるが、関係者という事ですんなりと会う事ができる。
楽屋裏まで来ると、誰かの泣き声が聞こえて来る。
何か、悲しい出来事が発生したようだった。
オレ達は、意を決して扉を開けると、そこにはツバサさんと彼女のマネージャーがいた。
悲しんでいたのは、ツバサさんであり、彼女のマネージャーが慰めていた。
「うう、船乗栄一(ふなのりえいいち)さんが亡くなってしまうなんて……。
今日のライブで私と彼の結婚発表をする予定だったのに……。
一番前の特別席に座って、私が合図をしたら前に出てきてもらう予定だったのに……」
「仕方ないよ、ツバサのせいじゃない。
突然倒れたというじゃないか。
きっと、何かの病気だったんだよ。
俺が付いているから、思いっ切り泣いてくれ!
でも、ライブ会場では笑顔で頼むよ。
悲しくても、君はプロの歌手なんだ。
お客さんを悲しませる事があってはいけない!」
「分かっているわ。
でも、彼が死んだ原因は何?
それさえも分からないなんて……」
ツバサさんは、オレ達が楽屋の中に入っても泣き止む様子がない。
鏡野真梨がしばらくしてから声をかける。
どんな事があったのだろうか?
「あの、喫茶店『ドライアド』の店長から応援のメッセージを届けに来ました。
何かあったんですか?」
「君達は、幻住学校の生徒さん達だね?
店長から噂は聞いているよ。
なんでも探偵クラブみたいな部活動をして、色々な事件を解決しているとか……。
警察からも感謝されているそうだね。
高校生なのにすごい子達だよ!」
「いやいや、それほどでもあらへんよ。
まだ駆け出し中の探偵クラブやねん。
実績は無いに等しいわ!
まあ、謎を解かれへんウチが言えた事やないけどな」
「そうだ、君達に事件の調査をお願いしようかな?
まだライブまでは時間があるし、席も決まっている。
調査が長引くなら、ライブが終わった後に引き続き調査してもらっても構わない。
ツバサの恋人が死んだ原因を調査して欲しいんだ!
上手く事件を解決したなら、お礼としてお金をお支払いするよ。
もちろん君達に自信があればの話だけどね!」
「ほーう、殺人事件の調査依頼か!
よっしゃあ、ライブが始まる前までに事件を解決してやるで!
エリー(遠野えるふさんの事)、一丁頼むで!」
鏡野真梨は、遠野さんの事をエリーと呼ぶ。
名前にえが入っている女子の大半がそう呼ばれる可能性が高いようだ。
遠野さんをエリー、自分をマリーと呼ばれたいのだろうか?
良く分からないが、鏡野真梨は、親しみを込めてそう呼んでいた。
超馴れ馴れしいが、遠野さんが喜んでいるので、オレはスルーする事にした。
「うん、解決できるかは分からないけど、ツバサさんの為に頑張ってみるよ!
だから、ライブを頑張ってくださいね!」
こうしてオレ達の調査が開始された。
まずは、ツバサさんとマネージャーに話を聞く。
いったいどんな事が発生したのだろうか?
「まず、死んだのは私の恋人の船乗栄一さんです。
付き合って二年になり、今年の秋に結婚する予定でした。
その発表を、今日のライブで伝えるつもりだったのです。
しかし、船乗さんがライブのチケットを入手する段階で急死してしまい、結局その予定は無くなりました。
彼は、私のライブチケットも入手できなかったようで、ある古本屋で病死したようです。
私のライブチケットは、そのまま行方不明になっており、どこに行ったのかは分かりません」
「そのライブチケットは、どのような経緯で渡す予定だったんですか?
誰にも悟られないようにしていたのでしょう?」
「実は、マネージャーに一任していたので、私は良く知らないのです。
マネージャーと彼との間に秘密の連絡方法があったようなのですが……」
ツバサさんがそう言うと、彼女のマネージャー・青木久雄(あおきひさお)は語り出した。
「船乗栄一さんには、手紙でライブチケットを送りました。
連絡方法も全て手紙ですが、郵便ポストに入れて送還ではなく、彼の家のポストに直接入れていました。
なので、今までは上手く連絡が取れていたのですが、最近はツバサのストーカーが出現した可能性があり、彼の郵便物を調べる輩が出現し始めました。
もしかしたら、そのストーカーがライブチケットを盗み取ったのかもしれません。
更に、船乗さんを殺害したのも彼かもしれません。
船乗さんが倒れていた古本屋の住所を教えておきます。
探偵クラブの皆さん、どうか真相が分かり次第連絡を下さいね」
青木久雄さんは、鏡野真梨に自分の連絡先と船乗さんが倒れたという古本屋の住所をおしえてくれる。
そこは、このライブ会場から近く、五分ほどで行き来できる距離だった。
オレ達は、早速その古本屋へ行って見る事にする。
すると、警察が調査をしており、野村警部も調査をしていた。
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