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第七章 獲物を呼び寄せるセイレーン
第三話 奪われたライブチケット
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オレ達は、船乗さんが亡くなる前の映像を見ることにした。
古本屋の監視カメラモニターを借り、再生ボタンを押す。
すると、店内へ入ってくる船乗さんが映っていた。
彼は、一通り店内を回って本を物色する。
「まずは、百円均一の安いコーナーに差し掛かりましたね。
値段は安いですが、それなりに価値のある本が並んでいます。
百円コーナーに慣れてしまうと、普通に買う三百円コーナーが高く感じられます。
半額以下になってようやく手が出るのです。
まあ、面白い本はそのリスクを度外視してでも欲しいですけど……」
「そういえば幻獣図鑑も百円コーナーでよく売っているよね。
最新版の萌えイラスト付きは、五百円もする高級品だけど……」
「あれが三百円なら、買う気も起きるのですが……。
中には、武器を美少女にした物や、武将を萌え化した物もあります。
イラストレーターによっては、下手な漫画よりも可愛いです!
まあ、ライトノベルのヒロインは萌え化が進んでいるので、徐々に表紙もセクシーなイラストが多くなっています。
中には、カバーを取ると全裸という本もあるとか……。
矢吹さんには、ちょっと路線を変更してもらいたいですね。
このままでは、小学生男子が早めに性を意識するようになりますよ。
そうしたら、女性の結婚率や妊娠率が低くなってしまいます。
最悪、中学卒業と同時に結婚や妊娠もあり得るかもしれません。
それで少子化が防げれば良いのですが、現実は堕胎という非人道的な手段を取るでしょうね。
中学卒業や高校生では、子供を養っていく自信なんてありませんから、親公認で堕胎しますよ。
そして、立場の弱い家庭(主に女子)に全ての責任を押し付けるのです。
そうなると、自殺や心中が爆発的に増えるでしょうね」
「遠野さん、暴走し過ぎだよ!
事件と関係ない事まで話が進んでいるよ。
事件解決に集中しよう!」
「ふ、さすがは女性を妊娠させる可能性が高い男。
この話題は避けたいわけやな!」
「鏡野、いきなり話に入ってくるんじゃない!
オレは、女性を大切にしたいと考えているよ。
遠野さんとも、真面目に交際を考えて……」
「そして、いざ事が起こると逃げるんやな?
本当に調子の良い男やで。
軽い詐欺やで!」
「う、なんとか事が起きないように協力して下さい。
二人だけにならなければ、なんとか耐える事ができます!」
「ふ、小金を稼いで奢れや。
そうすりゃあ、ある程度は一緒に居てやれるで!」
「アルバイトが続くように頑張ります!」
オレと鏡野真梨が脱線する中、遠野さんと野村警部が真剣にモニターを調査していた。
どうやら船乗さんは、店内の出口付近に近付いていく。
このまま店を出てしまうのだろうか?
そう思っていると、図鑑コーナーを見ているようだ。
監視カメラの死角に入って、彼の背中だけしか見えないが、何かの本を読もうとしているらしい。
「なんか本を見てますね。
恐竜図鑑でしょうか?
男性というものは、幾つになってもロマンを追い求める生き物ですからね。
子供の頃はお金が無くて買えなかった玩具とかも大人買いしたりしますし……」
「まあ、あそこにある本は、カバー付きの大型版書物が多いな。
あれで数百円だから安いが、持ち運びには不便そうだな。
ん、なんか別の場所へ移動するぞ。
あ、突然に倒れてしまった!
そして、絶命したようだな」
「その後、男性が近付いてますね。
心配しているようですが、タイミングが良過ぎますね。
あ、携帯電話を借りる振りをして、何か手紙のようなものを抜き取りました。
おそらくあれがライブチケットですよ。
その他の手紙とかも無くなっていたから間違いありません!」
「なるほど、さりげなく被害者に近づき、隙を見て盗んだわけか。
なら、被害者を殺した方法はなんだったんだ?
手紙を盗んだと思われる犯人が船乗さんに近付いたのは、具合が悪くなってからの数分だけだったぞ。
その後は、店の従業員に任せて店を逃げるように出て行ったし、殺害したわけではなさそうだ。
船乗さんがなんらかの演技をして、犯人に近付くように仕向けた可能性もあるが、それでもどうやって殺したのかは分からない。
やはり心臓発作のような病死なのだろうか?」
野村警部がそういう疑問を抱いていると、監察医からの報告が入って来た。
だいぶ時間がかかっていたが、ようやく本当の死因が分かったらしい。
それほどまでに、分かり辛い死因のようだった。
果たして、船乗さんの死因は何なのだろうか?
古本屋の監視カメラモニターを借り、再生ボタンを押す。
すると、店内へ入ってくる船乗さんが映っていた。
彼は、一通り店内を回って本を物色する。
「まずは、百円均一の安いコーナーに差し掛かりましたね。
値段は安いですが、それなりに価値のある本が並んでいます。
百円コーナーに慣れてしまうと、普通に買う三百円コーナーが高く感じられます。
半額以下になってようやく手が出るのです。
まあ、面白い本はそのリスクを度外視してでも欲しいですけど……」
「そういえば幻獣図鑑も百円コーナーでよく売っているよね。
最新版の萌えイラスト付きは、五百円もする高級品だけど……」
「あれが三百円なら、買う気も起きるのですが……。
中には、武器を美少女にした物や、武将を萌え化した物もあります。
イラストレーターによっては、下手な漫画よりも可愛いです!
まあ、ライトノベルのヒロインは萌え化が進んでいるので、徐々に表紙もセクシーなイラストが多くなっています。
中には、カバーを取ると全裸という本もあるとか……。
矢吹さんには、ちょっと路線を変更してもらいたいですね。
このままでは、小学生男子が早めに性を意識するようになりますよ。
そうしたら、女性の結婚率や妊娠率が低くなってしまいます。
最悪、中学卒業と同時に結婚や妊娠もあり得るかもしれません。
それで少子化が防げれば良いのですが、現実は堕胎という非人道的な手段を取るでしょうね。
中学卒業や高校生では、子供を養っていく自信なんてありませんから、親公認で堕胎しますよ。
そして、立場の弱い家庭(主に女子)に全ての責任を押し付けるのです。
そうなると、自殺や心中が爆発的に増えるでしょうね」
「遠野さん、暴走し過ぎだよ!
事件と関係ない事まで話が進んでいるよ。
事件解決に集中しよう!」
「ふ、さすがは女性を妊娠させる可能性が高い男。
この話題は避けたいわけやな!」
「鏡野、いきなり話に入ってくるんじゃない!
オレは、女性を大切にしたいと考えているよ。
遠野さんとも、真面目に交際を考えて……」
「そして、いざ事が起こると逃げるんやな?
本当に調子の良い男やで。
軽い詐欺やで!」
「う、なんとか事が起きないように協力して下さい。
二人だけにならなければ、なんとか耐える事ができます!」
「ふ、小金を稼いで奢れや。
そうすりゃあ、ある程度は一緒に居てやれるで!」
「アルバイトが続くように頑張ります!」
オレと鏡野真梨が脱線する中、遠野さんと野村警部が真剣にモニターを調査していた。
どうやら船乗さんは、店内の出口付近に近付いていく。
このまま店を出てしまうのだろうか?
そう思っていると、図鑑コーナーを見ているようだ。
監視カメラの死角に入って、彼の背中だけしか見えないが、何かの本を読もうとしているらしい。
「なんか本を見てますね。
恐竜図鑑でしょうか?
男性というものは、幾つになってもロマンを追い求める生き物ですからね。
子供の頃はお金が無くて買えなかった玩具とかも大人買いしたりしますし……」
「まあ、あそこにある本は、カバー付きの大型版書物が多いな。
あれで数百円だから安いが、持ち運びには不便そうだな。
ん、なんか別の場所へ移動するぞ。
あ、突然に倒れてしまった!
そして、絶命したようだな」
「その後、男性が近付いてますね。
心配しているようですが、タイミングが良過ぎますね。
あ、携帯電話を借りる振りをして、何か手紙のようなものを抜き取りました。
おそらくあれがライブチケットですよ。
その他の手紙とかも無くなっていたから間違いありません!」
「なるほど、さりげなく被害者に近づき、隙を見て盗んだわけか。
なら、被害者を殺した方法はなんだったんだ?
手紙を盗んだと思われる犯人が船乗さんに近付いたのは、具合が悪くなってからの数分だけだったぞ。
その後は、店の従業員に任せて店を逃げるように出て行ったし、殺害したわけではなさそうだ。
船乗さんがなんらかの演技をして、犯人に近付くように仕向けた可能性もあるが、それでもどうやって殺したのかは分からない。
やはり心臓発作のような病死なのだろうか?」
野村警部がそういう疑問を抱いていると、監察医からの報告が入って来た。
だいぶ時間がかかっていたが、ようやく本当の死因が分かったらしい。
それほどまでに、分かり辛い死因のようだった。
果たして、船乗さんの死因は何なのだろうか?
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