【オススメネット小説】秘められた異次元( シークレットディメンション) ムッツリスケベは異世界を救う!?

猫パンチ

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第一章 『秘められた異次元(シークレットディメンション)』への扉!

第1話 オレはお姫様に出会う

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オレのいるその場所は、前述した通り西洋風のお城の中庭であり、童話の中のお姫様が住んでいそうな真っ白な壁と青い屋根のお城である。
灰色のレンガの上に、白い壁で塗り固めただけのシンプルな作りだった。
造形にこだわりがあるらしく、壁に様々な模様が施されていた。

おそらく広い屋敷で迷わないようにする為の目印だろう。
模様がなければ、どこを歩いているかわからないくらい広い。
鳥の鳴き声が聞こえ、日差しが柔らかく再び眠りそうになっていた。

城の中庭の草地で横になっていると、人が近く気配がする。
草を踏む足音が聞こえ、オレは目を覚ました。
異次元世界で慌てて行動を起こすのは危険な事なのだ。

戦争やモンスター、暗殺者が蔓延っている世界かもしれない。
冷静な判断と人物を見極める必要があるのだ。
辺りに人影はいないが、常に危険はあると判断し、周りの状況を確認した上で、誰かに助けを求める事にした。
草の上に再び寝転び、話し掛けやすい人物が近づいてくるのを待っていた。

(ふあー、驚いた!
まさか、異世界へ行く方法が本当に起こってしまうとは………。
夢だと思って二度寝したが、やはりここは現実らしいな。
実際、異世界に来たと思ったら、誰でも夢の世界を思い浮かべるよ。
夢だと思って何度も寝たが、未だにこの場所にいる。
(時計を見る) 
いや、一時間も経ってはいないのか。
三時間くらいは寝ていたと思っていたのに……。

まさか、ネットの噂が本当だったなんて!
この時間帯にある特定の電車に座れば、異次元世界に行けるよ。
ワクワクドキドキの大冒険があなたを歓迎中♡
所詮よくある異世界へ行く方法だと思ったら、まさかこうなるとは……。
これを面白半分で試したら、本当に異次元世界へ来てしまった!

驚きを通り越して、超冷静になってる。
異世界へ行った場合の対処法とかいう自分で考えたシナリオがドンドン出て来る。
慌てず騒がず、誰か救助にくる可能性があるので待ちましょう。
脚のない人や次元のオッサンと呼ばれる人は、とりあえず良い人そうだ。
離れた位置で話を聞いて見ましょう、こんな感じのマニュアルを準備しておいたっけ。

しかし、食べる物や飲み物は準備がずさんだったな。
異世界へ行けるとは考えていなかったので、今日の食料も無いぞ!
ピクニックリュックとスナック菓子とおーいお茶は持って来たが、着替えは用意してない。
しかも、電車に乗る前にお菓子を食べ切ったから、そろそろお腹が空いて来てしまった。
これなら、駅で弁当を買っておくべきだったかもな。

異世界に行く方法なんて、どうせ何も起こらないよ、と油断していた。
何も無かったら、女子高生のパンティをさっき発見した階段の下からのぞいて帰ろうかな、とか考えていたからな。

しかし、最近の女子高生はガードが甘いね。
ちょっと工夫すれば、見えちゃうのに……。
そのくせ、ちょっとセクシーな下着で、見ているこっちも照れくさくなるよ。

まあ、冗談はこのくらいにして、異次元世界を探索して見るべきだろうか?
それとも、下手に動きまわると帰れなくなるだろうか?
どうしたらいいんだろうか?

この状況は、ある意味嬉しいけど、どう行動したら良いか分からないよな。
宝くじを同僚に勧められて仕方なく一緒に買ったら、オレだけ当たっていたくらいのどうしようだよ。

まあ、遭遇するなら異次元世界に来るよりも、宝くじで一億円くらい当てた方が良いけど。あ、でも、名前も知らない親族が出て来て、裁判沙汰になって、逆に借金まみれになるよりかは良いのかな。

ばれたら、他の同僚とも気まずくなるだろうし……。
一億円でもそうなるのかね? 
五千万円とかなら大丈夫なのかな? 

問題になりかねない金額の基準が分からないね。
たぶん一千万円とかなら、お世話になった人に何か送るくらいで許されると思うけどね。
そういうお金の問題を避けたいなら、宝くじは買わない方が良いんだろうな)

オレがそんな事を考えていると、近くを通り過ぎる人物が現れた。
その人物は、ゆっくりと散歩していたようで、足音が判断できなかった。
突然、オレの近くに現れ、オレに声をかけて来る。

オレが分かっていることは、その人物が女性であり、ブルーのパンティを履いている事だけだった。
彼女がオレの近くに来た時にスカートの中が見え、下着の色が確認できたのだ。
スカートが死角になり、女性は気付かなかった様だが、オレはしっかりと確認していた。

声をかけられ、オレは顔を上げる。
声をかけて来た女性は、金髪の色白美人だった。
その女性は見た所、この城のお姫様のようで、全身が青いドレス姿で装っていた。

(まさか、本当にこんな人物が存在していたなんてな。
金髪のロングヘアーに、色白に日本人特有のキメの細かいもち肌、ピンク色の唇とほっぺた。
童顔の様な顔立ちだが、真面目な表情の時は知識美人という風貌を醸し出している。
可愛くて頼りになるお姫様の様な子だ!)

青い服と聞くと危険な感じがするが、皮膚の色は肌色だったし、普通の人間と大差はないと判断する。
唯一違う点は、お姫様特有の気品が漂っている。
どこの誰かもわからない人物に、何の警戒心もなく近づいて来たのだ。

本当は、メイドで雇われているドンくさい子かもしれないと思いつつも、容姿が良いので会話がしたいという意欲が沸いて来る。
オレは言語が通じるかな、と不安になりつつも、まず日本語で挨拶してみる。

「あ、こんにちは。言葉、分かる?」

なぜかオレは片言の日本語で話しかけてしまった。
外国人と話をするのは緊張するのだ。
会話ができたらいいけど、伝わらないと気まずい思いをするからね。
女性は意外にも、日本語が流暢だった。話しかけたオレが少し気まずい。

「あの、その服、その肌の色、先日に日本から来た英雄と似た格好ですね? 
あなたはどちらから来られたのでしょうか? もしかして、日本? 
言語が分かるからそうだと思うんだけど……」

そう言って、青い服のドレスを着た女性は尋ねて来た。
日本人の発音とは少し異なり、彼女も片言の日本語を話す。
オレは、改めてこの女性を観察する。
もちろん、青い服のドレスも素敵だが、見た目もオレ好みの美女だった。
年齢は十八歳で、金髪ロングヘアーの西洋人風の童顔である。

ちょっと服装が違わなければ、どう見ても普通にいる可愛い感じの外国人だった。
肌の色から察するに、外国人のハーフといったところだろう。
皮膚の色は白人特有の白さだが、きめの細かさは日本人特有の肌だった。
オレはその親切な美女に話しかけられ、とりあえずコニミュケーションを取ってみる。
彼女は話す言葉は分かるようだが、うまく伝わるだろうか?

「あ、日本の名古屋という所から来ました。
新浜松という都市にある電車に乗ったら、ここに着きましたけど……」

その女性は驚いたような表情を一瞬させ、平常心を装っているふりをして言う。
この表情から察するに、少しは事情を知っている様だ。
オレは、女性と仲良くなりたいと思い、焦らずに話し合う。

「そうなの? 
きっとゲートを閉じることができなくて、英雄の方以外にも人が来てしまったのですね。
黄金のドラゴンを倒すっていう英雄は、日本人の科学庁長官代理人という方で、ようやくこの世界と連絡を取れたから来てもらったのに、他の人まで巻き込んでしまうなんて……」

その女性は深く考え込んでいたが、オレが話しかけると、笑顔になって答えてくれる。

「えーと、ここはどこでしょうか?」

「あ、はい! ここはあなた達の言葉で、異次元世界または、パラレルワールドとか言われる世界です。
ここは、この世界のアルスターと呼ばれる大国ですよ。

ここ数年になって、日本の科学庁長官という方が、事故かなんかを切っ掛けにして、ここに来られました。
私達といろいろ話をしているうちに、この世界を魔物から救う約束をしました。
ついでに、いろいろ研究したいと申されまして、五年前に私達と英雄様を連れて来る契約を取り交わしました。

今日の今しがた、その代理人と申す方が来られまして、この国を救うべく何人かを連れて、黄金のドラゴン退治に出かけて行きました。

あなたはおそらく機械か何かの誤作動で、ここまで一緒に来てしまったのでしょう。
なんでも、こういうことは稀にあるらしいのです。
日本の政府は実験目的に異次元世界に行っている方もいると聞きました。

この世界は、まだ日本政府が開発していない世界らしく、貿易を開始し始めたばかりです。私が日本語を堪能なのも、日本というよく分からない国と交渉を持つためなのです。
三年ほど、日本で生活して、昨日帰って来たばかりです。
なので、何か分からない事があったら、私に相談してくださいね」

その女性はオレをお城の中へ、客人としてもてなしてくれる様だ。
事故とはいえ、本当に異世界に着いたのは驚きだ。
オレはその女性に尋ねる。

「あの、あなたの名前は?」

「はい、シルビアと申します。
日本人の方と結婚するなら、日本語名と国籍をもらえる予定なのですが、残念ながらまだお相手はいません。
ここで会ったのも何かの縁、私と付き合って見てはどうですか?
上手く行けば、国王にもなれますよ!」

女性は冗談交じりでそうオレに語りかける。
嬉しい申し出だが、会って間もない女性と交際するのは気が引ける。
詐欺師の可能性も高いからね。

この女性は、日本人が真面目で働き者である事を知ってそう言ったらしい。
オレに対して高評価なのは嬉しい事だ。
だが、やはりいきなり結婚はハードルが高い。
シルビアさんは照れながら言い始めた。

「実は、私はもう十八歳で結婚に焦りを感じていたんです。
ほら、日本の結婚適齢期は十八歳まででしょう?
このまま結婚できなかったらどうしようかと……」

「そうなんだ」

どこで得た情報かは知らないが、日本人女性が結婚を意識し始める年が大体二十五歳くらいであり、十八歳ではまだ結婚する自覚はないだろう。
三十歳に近づくにつれて焦りを感じ始めるが、経済的な理由や結婚したいと思う男性に巡り合わず、どんどん結婚できる年が過ぎて行くのが現実だ。

女性は早めに結婚を意識した方が良いのだろうが、どうでもいい男と結婚するという危険も含んでいた。
まあ、シルビアさんが結婚を考えているならオレとしても好都合だった。
料理のできる理想的な嫁にし、日本に帰って暮らすのも悪くはない。

日本語も訛りがあるが、それが逆に可愛いと思うし、焦って変な女の子と結婚するよりも幸せだろう。
まずは、異世界で彼女の生活態度を観察し、デートしながら彼女の性格を知る事が大切だ。
お金は、オレが日本政府機関で働いて養ってくれる事を期待する。

「嬉しい申し出ですけど、もう少し時間が欲しいですね。
まず、この国の事が知りたいし、来たばっかりなので状況が整理できていないのですけど……。
とりあえず、シルビアさん、オレはご飯を食べたいんだけど……。
後、トイレを……」

「あ、はい。
肉体の構造は、日本人と全く変わらないと思いますので、こちらへどうぞ!」

シルビアさんは、オレを城の中へと案内し、食堂とトイレの場所を教えてくれた。
シルビアさんもオレに興味を持ったようで、名前を聞いて来る。

「あ、あなた様のお名前は?」

シルビアさんはちょっと恥ずかしそうに、そうオレに尋ねる。
会って間もない人物に、冗談混じりとはいえ結婚を申し込んだのだ。
ちょっと顔を紅くして恥じらっていた。
色白だと、顔の表情が分かりやすい。

「光宮守(こうみやまもる)です」

「マモル? とても良い名前ですね。何か、頼りになる感じです。
私、こう見えても同い年の男性と知り合う機会が無かったんです。
結婚は冗談にしても、交友関係が欲しいと思っていたのです。

どうですか?
このまま、ここに住んで黄金のドラゴン退治に参加されては?
私も出来る限りの協力はしますよ!」

シルビアさんにそう勧められ、オレはこの世界の事を知るためにいろいろ訊いてみる。

「はあ、黄金のドラゴン? どういう怪物なんですか? 
本当に危険なんですか? オレでも倒せるのでしょうか?」

「はい、ドラゴンは、元々は人間ですが、何らかの力を得て怪物になった奴です。
そのドラゴンという奴は、とにかく貪欲で危険な生き物ですから、いつこの国を攻撃してくるかも分かったものじゃありません。

早めに手を打たないといけないと、みんなが噂しています。
科学庁長官代理の方は、銃とかいう武器を持って出かけて行きましたよ。

私も弱くはないのですが、さすがに黄金のドラゴンは強敵らしいですからね。
出来ることは何でもして、対策を万全にしておかないと……。
私と一緒に戦ってくれるパートナーを探している所です。

もし一緒に戦ってくれるというのなら、剣や槍などの武器や魔法の本なんかもありますので、お貸ししますけど……。
日本人の方は、魔法が好きらしいですし、剣はある程度使えるとかお聞きしていますよ。

こちらの世界の人と違って忍耐強いですし、優しくて気さくです。
本当に頼もしい人達ですよ!」

シルビアさんはおそらく日本科学庁長官のギャグを真に受けているようだ。
オレはそれを悟り、適当に流しながら聞く。

「はあ、ご飯をもらった後で、いろいろ拝見させてくださいよ……」

「腹が減っては、戦は出来ぬですね? 
やはり戦闘の初歩を学んでいる。
英雄様でなくても期待できますね!」

シルビアさんはそう言って、ガッツポーズをする。
なるべく期待を裏切るようなことはしたくないな。
少しは努力をしてみようかなと考える。

確かにオレも少し魔法に興味がある。
炎や氷の技で敵を圧倒したり、眠りの魔法や催眠術で美女を好き放題にしたいと思う。
もしも日本に帰るのが難しそうならば、オレも可能な限り努力しようと考える。

しかし、すぐに日本に帰る可能性も高い。
軍人ではないオレがいても、戦力外と思われてすぐに帰されるのが落ちだろう。
オレはそう考えて、シルビアさんとの関係も長続きしないだろうと思っていた。

日本に帰された後で、もう一度ここへ戻って来るのも難しいだろう。
まあ、日本政府が関係している事故だから、交通費などは無料になるだろう。
国家機密の匂いもするから、少しは生活を保障してくれるかもしれない。

難しい事は考えない事にして、まずは食事が先だ!
シルビアさんはどんな食事を用意してくれたのだろうか?
期待を抱きつつ待つ。

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