【オススメネット小説】秘められた異次元( シークレットディメンション) ムッツリスケベは異世界を救う!?

猫パンチ

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第十一章 金(ゴールド)と星(ランジェリー)

第八十話 驚異の泥棒スキル

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 星熊童子は、オレを挑発しながらゆっくりと近付いて来た。
無防備を装っているが、怪しい雰囲気が漂う。

オレは、無防備な女性に攻撃する事はできない。
間合いを測り、捕らえられる距離になるのを待つ。
星熊童子は、小狐丸が触れられる位置まで近付いていた。

「どうしたの? もう刀に触られる距離になったのに、まだ攻撃しないの? 
それとも逃がしてくれる気かしら?」

星熊童子は、子狐丸に触れ、刃をそっとなぞる様に触る。
仕草の一つ一つが色っぽいが、確実にオレが捕らえられる距離まで近づいていた。

もう少しだ! そう思い、星熊童子を見つめる。
捕まえられる距離のわずか手前で星熊童子は豹変した。

「あなたと睨めっこしている時間は無いのよ!」

星熊童子は、鞭を長い棒状にして、オレを攻撃してきた。
不意を突いたつもりだろうが、オレは難なく受けきる。

確かに、彼女の武器は変幻自在だが、剣術ではオレの方が上だ。
この瞬間が星熊童子を捕らえられる唯一の勝機、オレは一気に勝負を決めにかかる。

「くう、力技で押して来ましたか? ここは、逃げるのが得策ですね」

星熊童子は、剣術勝負を諦め、背中を向けて逃げ始めた。オレは、脚を狙い攻撃する。
ストッキングを硬化して防がれるのだろうが、子狐丸とオレの振りがあれば、硬化して鉄と化したストッキングといえどもダメージを与える事が出来る。

オレの攻撃は、ピンポイントで星熊童子の脚を捉えていた。
鉄を叩くような鈍い音が響く。

「痛、容赦なく攻撃して来ましたね。子狐丸に刃が付いている状態だったら危険でしたよ」

オレは、星熊童子を斬ったが、手応えがかなり硬かった。
鉄の鎧を金属の棒で叩いた様な感じだった。

違和感を覚え、子狐丸を見ると、刃の部分に硬い緑色の物体が付着していた。
それが刃を覆い隠し、斬る事を防いでいた。

「ふふ、これが私の切り札『粘土』ですよ。
どんな形にも変化できますし、その場で硬化する事も出来るんです。
こんな風に!」

星熊童子は、唖然とするオレに攻撃を仕掛けて来た。
粘土を持ちながら、オレの首に粘土を包み込むようにする。

更に、鞭を使い、オレの脚をよろけさせ、地面に叩き付けた。
オレの首に粘土が付着し、地面と接着させる。
そして、その粘土を硬化した事により、オレの首が動けない様に固定された。

「ふう、危なかった! 一瞬油断してくれたおかげで、何とか足止めする事が出来ました。
この状態で脱出するのは難しいですよ。私の粘土が硬化しなくなるのを待つだけです。
せいぜい五分程度ですが、あなたを足止めするには十分でしょう」

星熊童子は、オレを捕まえるのに必死だったようで息を切らしている。

「この粘土が秘密の鍵開けの正体か? 
鍵をこじ開けた痕さえないと言う神技の正体だな?」

「ええ、その神技の正体ですよ! 
今回は、事前に鍵に触れる事が出来たので、鍵のスペアを作っていたんですよ。
無い時は、鍵穴に粘土をくっ付けて、硬化して多少の加工をします。

さすがに、マモル君ですね。まともな勝負なら、私の敗北だった事でしょう。
しかし、今回は泥棒対決! 私に勝ちが舞い込みましたね」

「それはどうかな? まだ、真槍ちゃんがいる。彼女はかなり強いぜ!」

「ふふ、そうでしょうね。でも、これで二対一! 私達の方が有利です!」

星熊童子は、真槍ちゃんの追跡を開始した。
相棒の金熊童子と無線を使い、連絡を取り合う。
しかし、無線の状態が悪い様だ。

「うう、なんて小娘だ。すまん、星熊童子」

元気のない相棒の声に星熊童子は不安を覚えた。
金熊童子は、ヘリコプターを操縦しながら宝石を追跡していたはず……。
そのヘリコプターは、この建物の上空を飛行しているはずだ。

そう思い、星熊童子が屋上に辿り着くと、ヘリコプターはバランスを崩して墜落しかけていた。屋上の一角に、真槍という少女が座っている。
槍を片手に、にっこりと笑っていた。

「待っていたわよ、星熊童子!」

待ち構える真槍ちゃんに対し、星熊童子は尋ねる。
ターゲットが待っていたのだ。彼女に慌てる様子は無い。

「もう逃げなくても良いの、お嬢様?」

「ええ、逃げるルートも良く分からないし、あなたの脱出ルートのヘリコプターも無くなったでしょう? だから、あなたを捕らえる方が確実かと思って待っていたのよ!」

「確かに、ヘリコプターが使えなくなったみたいね。
どうやってヘリコプターを使用不能にしたのかしらね。
方法を訊いてみたわ?」

「ふふ、簡単よ。
ヘリコプターが近くを飛んでいたから、槍で飛行して、燃料タンクにナイフで穴を開けただけ。まあ、先に槍で攻撃したから、どっちが原因かは分からないけどね!」

「なるほど、槍で燃料タンクを傷付けておき、ナイフで確実に穴を開けたんですね。
恐ろしい子ね。まあ、相棒の金熊童子は、この程度で捕まる様な奴じゃないから心配はしていませんけどね」

「ふふ、自分の捕まる心配をした方が良いからね。
この場所じゃあ、あなたが逃げるル―トは限られているわ。

いくらあなたでも、警察の腕力の前じゃあ、手も足も出ないでしょう? 
アタシが、あなたの鞭と服を剥ぎ取ってあげるわ!」

「できるものならしてみなさい! 百戦錬磨を甘く見ない事ですね!」

真槍ちゃんは、星熊童子の挑発を受け、一気に槍で攻撃する。
いくら星熊童子の服が硬化すると言っても、真槍ちゃんの槍で突かれたら一溜まりもない。
星熊童子はその事を理解し、鞭を棒状に硬化させて攻撃を受け流した。

そして、真槍ちゃんの懐に飛び込む。
真槍ちゃんは、セカンドウェポンのナイフを取り出し、攻撃しようとする。

「ふふ、槍使いの特徴ですね。槍を避けられた場合の対処法として、ナイフを左手に持つ。
二段構えの攻撃方法は見事ですが、唯一の弱点は、第二のナイフ攻撃が利き腕じゃないので攻撃が単調に成り易い点です。

そこを狙えば、ナイフを持っている左手を捕らえる事も出来ますよ。
そして、無防備になった懐から、宝石を盗む事も出来る!」

星熊童子は、鞭の硬化を解き、通常の鞭に戻した。
それにより、鞭は真槍ちゃんの持っている宝石を懐から奪い取る。
真槍ちゃんは、突き離す様な動作をするが、それも星熊童子の狙いだった。

一瞬離れた事で宝石は空中を舞い、星熊童子の手中に収まる。
鞭で宝石を奪い取ると同時に、真槍ちゃんの胸も攻撃していた。

真槍ちゃんは胸を押さえ、痛みに耐える。
星熊童子は、心配する様子も無く、すぐに逃走する。

「じゃあね。鞭の痕は、しばらく残ると思うけど、我慢してね!」

「この!」

真槍ちゃんは、痛みを闘争心で克服し、槍の一撃を仕掛ける。

「ふふ、無駄!」

星熊童子は、鞭を螺旋状に硬化し、バネで飛ぶように真槍ちゃんの槍を避ける。
高い屋上から飛び降りたが、鞭を使い落下するのを防いでいた。
鞭を手脚の様に使い、排水管に巻き付けながら、空中を飛ぶように移動する。

真槍ちゃんは、槍のブースターを使い、星熊童子を追い掛ける。
真槍ちゃんの槍の方が速く、すぐに星熊童子に追い付いた。

「ちい、さすがに直線距離では勝てませんか。なら、小回りで勝負です!」

星熊童子は、オレ達の泊まっているホテルへ逃げ込もうとしていた。
彼女はそこの従業員であり、中への侵入を許せば、捕まえる事は困難だろう。
真槍ちゃんは、建物に入ろうとする彼女に槍で攻撃する。

「なんて無茶をするの? 自分が傷付く事さえ恐れていないの?」

自身の落下と、ブースターの加速を使い、一気に星熊童子を追い詰めた。
予想以上の高速攻撃に、星熊童子も焦りを感じる。
防御する事に徹し、何とか真槍ちゃんの槍を避ける。

真槍ちゃんの槍は、大砲の様にビルに激突し、料理大会の会場に大穴を空けていた。
それでも星熊童子の落とした宝石に即座に反応し、手で掴もうとする。

「あっ、宝石!」

「そうは、させませんよ!」

真槍ちゃんが宝石を捕まえようとしている所を、星熊童子は反射的に宝石を弾き飛ばし、真槍ちゃんが宝石を手に入れるのを阻む。

「ああ! あんな所に……」

宝石『真紅のルビー』は、空中を高く舞い、本来あるべき場所であるかのように、料理大会の優勝トロフィーに丁度良く嵌る。

取り出すのは困難そうだし、みんなが見ている前だった。
真槍ちゃんと星熊童子は立ち止り、こう結論する。

「どうやら、料理対決の優勝者が真の勝者の様ですね!」

「ええ、そのようね」

宝石『真紅のルビー』とこのホテルの所有権をかけた料理対決が始まろうとしていた。
泥棒対決では戦力外だった幾島警部も参加し、三つ巴の戦いに発展する。

オレとゆたか、金熊童子はしばらくしてから駆け付け、試合を傍観する事になった。
果たして、宝石下着(セクシーランジェリー)を身に付けるのは誰であろうか? 
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