【オススメネット小説】秘められた異次元（ シークレットディメンション） ムッツリスケベは異世界を救う！？

番外編その三 IPET（神獣）VS IPET（性獣）

第二十八話 ウラランの一撃！

眼鏡童子の最後のアンドロイドが出現した。
ヘビ型のIPETであり、相当の強さがあることは予想される。
今までの傾向から巨大化して来ることは明白だった。

「ふふふ、オロチンもやはり変化します。
大蛇＋猛毒＋神獣といえば想像できると思いますが、ギリシャ神話最強の怪物の一つです。
ジライヤと同じ性質を持ち、水を吸うことで巨大化します。
戦力が尽きたあなた方にはきついかもしれませんね。

当然、頭の数は九つありますよ！
これで一気に全滅させてあげます。
猛毒の牙を体の髄まで刻み込んであげるわ！
オロチン、神獣ヒュドラになりなさい！」

オロチンは、体育館を少し超えるほどの巨大な大蛇に変化した。
頭は九つあり、全てが意思を持って動いている。
真ん中の頭が司令塔であり、全ての頭を統御していた。
おそらく猛毒も持っていることだろう。

激戦によって消耗しているジライヤやツナデン、ステルスにはきつい相手だった。
ゆたかも最後のIPETシリーズを出すしかない。
しかし、オレには、何を出せばいいのか予想もつかない。
ユッキーが一番相性が良さそうだが、巨大さゆえに不安がよぎる。

「ふむ、予想通りオロチンだったか。
この展開も読めていた。
さて、眼鏡童子の淡い希望を一瞬にして打ち砕いてやるとするか。
その後は、眼鏡童子を調教し、私の奴隷にしてやるよ！」

「まだそんなことが言えるのね。
神獣ヒュドラを見てもその減らず口が叩けるのは大したものだわ。
それとも、何も考えていないのかしら？
いずれにしても、ゆたかちゃん達は終わりよ！」

「終わりはお前の方だ！
ウララン、暖まった眼鏡童子の自信に終止符を打ってやれ。
我々の実力差を目の当たりにし、可愛い女の子に戻れるようにな。
その後は、私の研究員（玩具）として、世の中の役に立たせてやるよ！」

「ニャーン（自分が井の中の蛙である事を教えてやるよ。私の餌係として、しっかり働け！）」

ウラランがオレ達の前に立ち、戦闘態勢をとる。
すると、次第に体が大きくなっていた。
最初は、ただの巨大化だと油断していた眼鏡童子も、だんだん焦りを感じ始めていた。
一体何所まで巨大化するのか？ 

そう思わされるほどに、ウラランの巨大化は止まらない。
ついに、神獣ヒュドラが一口サイズで食べられるほどの大きさにまで成長した。
眼鏡童子は、絶望して言葉が出なくなっていた。
圧倒的なる技術の差、それを痛感しているらしい。

「ウラランは、子猫サイズから富士山サイズまで大きさを変えられる。
しかも、その筋肉量は大きさに比例して強くなるのだ。
富士山そのものが猫になったと思えば、その脅威がはっきりと分かるだろう。
では、眼鏡童子との戦いを終了させてもらうぞ！
実は、富士山大になれるのは一分が限界なんだ。
ウルトラマンくらいなら三分は余裕なんだけど……」

「ニャーン（特上お寿司をお前のポケットマネーで食べるぜ！）」

ウラランの一撃により、神獣ヒュドラは倒された。
気絶した事で元の大きさに戻り、オレ達の前に無防備な態勢を晒す。
眼鏡童子は、動揺しているものの、まだ敗北を認めていないようだった。
自らの上着を脱ぎ、戦闘ができる服になる。

「くっ、まだよ！
まだ、アンドロイド対決で負けただけ。
私の体は、キメラ化によって、アンドロイド以上の戦闘力を誇る！
このまま、IPETシリーズごと、あなた達を倒してあげるわ！」

眼鏡童子は、かつて冷菓を倒したセイレーンとなり始めた。
おそらくキメラ化を研究し、更にパワーアップしている事だろう。