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お兄ちゃんは、彼氏様!!……だよね?
なんてことない日常
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さて。生徒会は来月の生徒総会に向けて大忙しだ。
「小鳥遊先輩、この書類どうですか?」
「よくまとまっていて、いいと思うよ」
私が頷くと、鈴木くんは嬉しそうに笑った。鈴木くんは、完成した書類を必ず私に見せたがった。先輩にチェックしてもらわないと、不安だもんね。私もそうだったから、その気持ち、わかるよ。でも、愛梨ちゃんや他の先輩にも見てもらった方がいいんじゃないかな。それとなく、そう提案するも、小鳥遊先輩に見てもらいたんです! の一点張りだ。私にとってもはじめてできた後輩だし、可愛いけれど、私も自分の仕事をしないといけない。
そう思っていると、冴木先輩がひょいっと、鈴木くんの書類をとった。
「うんうん、よくかけてるね。でも、次からは俺に持ってきてね。ほら、俺って、副会長だから、暇だし」
さすがに副会長には逆らえないのか、鈴木くんは少ししょんぼりした顔ではい、と頷いた。
結局、生徒会補佐はそんなに大人数必要な役職でもないので、新たに生徒会補佐になったのは、鈴木くんだけになった。
ばたばたとしているうちに、四月は過ぎ、生徒総会前日がやってきた。机や椅子を用意して、一通り、生徒総会の流れを確認すると、辺りはすっかり暗くなっていた。
「小鳥遊先輩! 暗いですし、僕が帰りは送りましょうか?」
と鈴木くんが声をかけてくれた。有りがたいけれど、私は、お兄ちゃんと帰るつもりなので、断る。
「ありがとう。でも、私はお兄ちゃんと帰るから」
お兄ちゃんはどこかな、と辺りを見回すと、愛梨ちゃんと話していた。
「えー! 先輩送ってくれないんですか?」
「ごめんね、僕は朱里と帰るから」
でも、愛梨ちゃんは家まで遠かったし、誰か駅まで送っていったほうがいいだろう。私の家は、そんなに遠くないから、今日はお兄ちゃんと帰るのはやっぱりやめようかな。
そう思っていると、会計の林先輩がだったら、僕が送るよと言った。
「ちょうど、中原さんとはもう少し話してみたいと思ってたんだ」
「えぇー。私は、小鳥遊先輩がいいんですけど」
「まぁまぁ、いいじゃない」
愛梨ちゃんはまだ納得してない顔だけれども、林先輩に宥められて、林先輩と帰ることになった。
「ごめんね、朱里。待たせちゃった」
「ううん、ぜんぜん待ってないよ」
お兄ちゃんが、私の方に駆け寄った。お兄ちゃんとゆっくり帰り道を歩く。
「あのね、お兄ちゃん」
「ん?」
「ああいうときは、私を優先しなくていいからね」
お兄ちゃんだって、愛梨ちゃんのこと心配だったはずだ。でも、私を優先してくれた。その気持ちは嬉しいけれど、無理はしてほしくなかった。
「僕の最優先事項は朱里だから。誰がなんと言おうと、それだけは変わらないよ」
「……お兄ちゃん」
「無理してるんじゃなくて、僕が、そうありたいんだ」
そこまで言われると、私は何も言えない。というか、照れてしまう。思わず下を向くと、お兄ちゃんは笑った。
「それに、鈴木にううん、誰にも朱里を譲るつもりもないしね」
「私も、誰にもお兄ちゃんを譲るつもりはないよ」
そういうと、お互い顔を見合わせて、笑いあう。なんてことない日常だけど、幸せだなぁ、って思った。
「小鳥遊先輩、この書類どうですか?」
「よくまとまっていて、いいと思うよ」
私が頷くと、鈴木くんは嬉しそうに笑った。鈴木くんは、完成した書類を必ず私に見せたがった。先輩にチェックしてもらわないと、不安だもんね。私もそうだったから、その気持ち、わかるよ。でも、愛梨ちゃんや他の先輩にも見てもらった方がいいんじゃないかな。それとなく、そう提案するも、小鳥遊先輩に見てもらいたんです! の一点張りだ。私にとってもはじめてできた後輩だし、可愛いけれど、私も自分の仕事をしないといけない。
そう思っていると、冴木先輩がひょいっと、鈴木くんの書類をとった。
「うんうん、よくかけてるね。でも、次からは俺に持ってきてね。ほら、俺って、副会長だから、暇だし」
さすがに副会長には逆らえないのか、鈴木くんは少ししょんぼりした顔ではい、と頷いた。
結局、生徒会補佐はそんなに大人数必要な役職でもないので、新たに生徒会補佐になったのは、鈴木くんだけになった。
ばたばたとしているうちに、四月は過ぎ、生徒総会前日がやってきた。机や椅子を用意して、一通り、生徒総会の流れを確認すると、辺りはすっかり暗くなっていた。
「小鳥遊先輩! 暗いですし、僕が帰りは送りましょうか?」
と鈴木くんが声をかけてくれた。有りがたいけれど、私は、お兄ちゃんと帰るつもりなので、断る。
「ありがとう。でも、私はお兄ちゃんと帰るから」
お兄ちゃんはどこかな、と辺りを見回すと、愛梨ちゃんと話していた。
「えー! 先輩送ってくれないんですか?」
「ごめんね、僕は朱里と帰るから」
でも、愛梨ちゃんは家まで遠かったし、誰か駅まで送っていったほうがいいだろう。私の家は、そんなに遠くないから、今日はお兄ちゃんと帰るのはやっぱりやめようかな。
そう思っていると、会計の林先輩がだったら、僕が送るよと言った。
「ちょうど、中原さんとはもう少し話してみたいと思ってたんだ」
「えぇー。私は、小鳥遊先輩がいいんですけど」
「まぁまぁ、いいじゃない」
愛梨ちゃんはまだ納得してない顔だけれども、林先輩に宥められて、林先輩と帰ることになった。
「ごめんね、朱里。待たせちゃった」
「ううん、ぜんぜん待ってないよ」
お兄ちゃんが、私の方に駆け寄った。お兄ちゃんとゆっくり帰り道を歩く。
「あのね、お兄ちゃん」
「ん?」
「ああいうときは、私を優先しなくていいからね」
お兄ちゃんだって、愛梨ちゃんのこと心配だったはずだ。でも、私を優先してくれた。その気持ちは嬉しいけれど、無理はしてほしくなかった。
「僕の最優先事項は朱里だから。誰がなんと言おうと、それだけは変わらないよ」
「……お兄ちゃん」
「無理してるんじゃなくて、僕が、そうありたいんだ」
そこまで言われると、私は何も言えない。というか、照れてしまう。思わず下を向くと、お兄ちゃんは笑った。
「それに、鈴木にううん、誰にも朱里を譲るつもりもないしね」
「私も、誰にもお兄ちゃんを譲るつもりはないよ」
そういうと、お互い顔を見合わせて、笑いあう。なんてことない日常だけど、幸せだなぁ、って思った。
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