80 / 85
お兄ちゃんは、彼氏様!!……だよね?
生徒会会長選挙
しおりを挟む
十二月。それは、受験生にとって、最後の追い込みをかける時期である。と、同時に、生徒会にとっては、これもまた一大イベント。生徒会会長選挙がある。
現在の生徒会は、引き継ぎの資料作成に終われていた。私は、その手伝いをしている。私たちの学校の生徒会は、書記や会計などといった職は、定員に立候補した人数が収まれば、選挙はしなくてもよく、副会長は、会長が指名できる。
そして、会長は、一、二年生なら誰でも立候補できるのだ。そう、誰でも。
「私、中原愛梨、中原愛梨に、ぜひ、清き一票をよろしくお願いします!」
外では、愛梨ちゃんが高らかに、立候補者演説をしている。今現在生徒会補佐などの役職についている人でも、立候補できるのだ。愛梨ちゃんは、お兄ちゃんのあとを引き継ぐのは私しかいない! と立候補したのだ。ものすごいガッツだと思う。私も愛梨ちゃんを見習って立候補してみようかと思わないこともなかったけれど、会長は入学式などで代表として露出する機会が多く、私には務まりそうもなかったため、断念した。
愛梨ちゃんの他には、数人の男子生徒が立候補しているけれど、愛梨ちゃんの人気が圧倒的で、このままだと、愛梨ちゃんに決まるだろう。
「まさか、中原さんが会長になるなんてねぇ」
しみじみと冴木先輩は言った。
「電子機器類は絶対に触らせられないから副会長が大変になるわね」
冷静にそう分析したのは、高木先輩だ。愛梨ちゃんが関わったデータは、もれなく愛梨ちゃんのドジにより消えるという伝説があるので、確かに副会長に選ばれる人は大変そうだ。
私は、せめて、その人のお手伝いを頑張ろう、と心に決めた。
さて。生徒会会長選挙も行われ、あとは選挙管理委員会による結果発表を待つだけになった。その間に、行われるのが、期末テストだ。今回は、全科目九十点以上を目標にしている。前回、だめだった、物理にはとくに力をいれたし、いけるんじゃないかな、と思う。
「どうよ朱里、手応えは」
期末テストが終わったあと、彩月ちゃんがにやにやしながら尋ねてきた。
「結構自信あるよ」
「おっ、言うねえ。前は私より成績悪かったのに、今じゃあ朱里のほうが成績いいもんなー。本当に頑張ったよね、朱里」
「えへへ、ありがとう」
将来の夢が決まったことと、お兄ちゃんと同じ大学に行くっていう目標ができたことは、私の勉強に対する大きなモチベーションになった。
「ほんと、小鳥遊先輩のことになると強いよね」
「お兄ちゃんのこと好きだからね」
「うわっ、しれっとのろけられた!」
と、彩月ちゃんとそんな話をしていると何やら廊下が騒がしい。どうやら、開票結果がでたようだ。
結果は、当選者の名前だけが張り出されている。その当選者は、やはり、愛梨ちゃんだった。
「あっ、じゃあ、朱里、生徒会室にいかなきゃいけないんじゃない?」
「うん、いってくるね」
これで、会長が決まったことにより、新たな生徒会役員が副会長を除いて出揃った。
生徒会室で、引き継ぎをする手伝いをしなきゃ。そう思って、生徒会室にいくと、もう、みんな、集まっていた。
みんな、口々に愛梨ちゃんを祝福している。
「おめでとう、中原さん」
「ありがとうございます」
一通り、祝福が終わったあと、愛梨ちゃんは咳払いした。ついに、副会長の発表だ。
「私が副会長に任命するのは、あなたです」
愛梨ちゃんは私の後ろを指差した。誰だろう、と思って、後ろを振り向くと、誰もいなかった。あれ? そう思って、きょろきょろしていると、なぜか、みんな、私を見ていた。
「小鳥遊先輩のあとを引き継ぐのは、私たちしかいないと思うの。ねっ、朱里ちゃん」
「……え?」
えええええええええ。私!?
現在の生徒会は、引き継ぎの資料作成に終われていた。私は、その手伝いをしている。私たちの学校の生徒会は、書記や会計などといった職は、定員に立候補した人数が収まれば、選挙はしなくてもよく、副会長は、会長が指名できる。
そして、会長は、一、二年生なら誰でも立候補できるのだ。そう、誰でも。
「私、中原愛梨、中原愛梨に、ぜひ、清き一票をよろしくお願いします!」
外では、愛梨ちゃんが高らかに、立候補者演説をしている。今現在生徒会補佐などの役職についている人でも、立候補できるのだ。愛梨ちゃんは、お兄ちゃんのあとを引き継ぐのは私しかいない! と立候補したのだ。ものすごいガッツだと思う。私も愛梨ちゃんを見習って立候補してみようかと思わないこともなかったけれど、会長は入学式などで代表として露出する機会が多く、私には務まりそうもなかったため、断念した。
愛梨ちゃんの他には、数人の男子生徒が立候補しているけれど、愛梨ちゃんの人気が圧倒的で、このままだと、愛梨ちゃんに決まるだろう。
「まさか、中原さんが会長になるなんてねぇ」
しみじみと冴木先輩は言った。
「電子機器類は絶対に触らせられないから副会長が大変になるわね」
冷静にそう分析したのは、高木先輩だ。愛梨ちゃんが関わったデータは、もれなく愛梨ちゃんのドジにより消えるという伝説があるので、確かに副会長に選ばれる人は大変そうだ。
私は、せめて、その人のお手伝いを頑張ろう、と心に決めた。
さて。生徒会会長選挙も行われ、あとは選挙管理委員会による結果発表を待つだけになった。その間に、行われるのが、期末テストだ。今回は、全科目九十点以上を目標にしている。前回、だめだった、物理にはとくに力をいれたし、いけるんじゃないかな、と思う。
「どうよ朱里、手応えは」
期末テストが終わったあと、彩月ちゃんがにやにやしながら尋ねてきた。
「結構自信あるよ」
「おっ、言うねえ。前は私より成績悪かったのに、今じゃあ朱里のほうが成績いいもんなー。本当に頑張ったよね、朱里」
「えへへ、ありがとう」
将来の夢が決まったことと、お兄ちゃんと同じ大学に行くっていう目標ができたことは、私の勉強に対する大きなモチベーションになった。
「ほんと、小鳥遊先輩のことになると強いよね」
「お兄ちゃんのこと好きだからね」
「うわっ、しれっとのろけられた!」
と、彩月ちゃんとそんな話をしていると何やら廊下が騒がしい。どうやら、開票結果がでたようだ。
結果は、当選者の名前だけが張り出されている。その当選者は、やはり、愛梨ちゃんだった。
「あっ、じゃあ、朱里、生徒会室にいかなきゃいけないんじゃない?」
「うん、いってくるね」
これで、会長が決まったことにより、新たな生徒会役員が副会長を除いて出揃った。
生徒会室で、引き継ぎをする手伝いをしなきゃ。そう思って、生徒会室にいくと、もう、みんな、集まっていた。
みんな、口々に愛梨ちゃんを祝福している。
「おめでとう、中原さん」
「ありがとうございます」
一通り、祝福が終わったあと、愛梨ちゃんは咳払いした。ついに、副会長の発表だ。
「私が副会長に任命するのは、あなたです」
愛梨ちゃんは私の後ろを指差した。誰だろう、と思って、後ろを振り向くと、誰もいなかった。あれ? そう思って、きょろきょろしていると、なぜか、みんな、私を見ていた。
「小鳥遊先輩のあとを引き継ぐのは、私たちしかいないと思うの。ねっ、朱里ちゃん」
「……え?」
えええええええええ。私!?
0
あなたにおすすめの小説
幽霊じゃありません!足だってありますから‼
かな
恋愛
私はトバルズ国の公爵令嬢アーリス・イソラ。8歳の時に木の根に引っかかって頭をぶつけたことにより、前世に流行った乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまったことに気づいた。だが、婚約破棄しても国外追放か修道院行きという緩い断罪だった為、自立する為のスキルを学びつつ、国外追放後のスローライフを夢見ていた。
断罪イベントを終えた数日後、目覚めたら幽霊と騒がれてしまい困惑することに…。えっ?私、生きてますけど
※ご都合主義はご愛嬌ということで見逃してください(*・ω・)*_ _)ペコリ
※遅筆なので、ゆっくり更新になるかもしれません。
処刑された悪役令嬢、二周目は「ぼっち」を卒業して最強チームを作ります!
みかぼう。
恋愛
地方を救おうとして『反逆者』に仕立て上げられ、断頭台で散ったエリアナ・ヴァルドレイン。
彼女の失敗は、有能すぎるがゆえに「独りで背負いすぎたこと」だった。
ループから始まった二周目。
彼女はこれまで周囲との間に引いていた「線」を、踏み越えることを決意した。
「お父様、私に『線を引け』と教えた貴方に、処刑台から見た真実をお話しします」
「殿下、私が貴方の『目』となります。王国に張り巡らされた謀略の糸を、共に断ち切りましょう」
淑女の仮面を脱ぎ捨て、父と王太子を「共闘者」へと変貌させる政争の道。
未来知識という『目』を使い、一歩ずつ確実に、破滅への先手を取っていく。
これは、独りで戦い、独りで死んだ令嬢が、信頼と連帯によって王国の未来を塗り替える――緻密かつ大胆なリベンジ政争劇。
「私を神輿にするのなら、覚悟してくださいませ。……その行き先は、貴方の破滅ですわ」
(※カクヨムにも掲載中です。)
せっかく転生したのにモブにすらなれない……はずが溺愛ルートなんて信じられません
嘉月
恋愛
隣国の貴族令嬢である主人公は交換留学生としてやってきた学園でイケメン達と恋に落ちていく。
人気の乙女ゲーム「秘密のエルドラド」のメイン攻略キャラは王立学園の生徒会長にして王弟、氷の殿下こと、クライブ・フォン・ガウンデール。
転生したのはそのゲームの世界なのに……私はモブですらないらしい。
せめて学園の生徒1くらいにはなりたかったけど、どうしようもないので地に足つけてしっかり生きていくつもりです。
少しだけ改題しました。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした
ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!
本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。
アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
婚約を破棄して気づけば私は悪役令嬢でした。
hikari
恋愛
妹に婚約者を奪われて狼狽していたら、自分はある乙女ゲームの悪役令嬢に転生していた事に気づく。
妹のナタリーがヒロイン。両親は妹の味方。唯一の味方が弟のルイでした。
しかも、何をしてもダメ出しをする間抜けな平民のダメンズに言い寄られ、しつこくされています。私に分相応なのはこの平民のダメンズなの!?
悪役令嬢ものは初めてです。
今作はギャグがメイン
せっかく傾国級の美人に生まれたのですから、ホントにやらなきゃ損ですよ?
志波 連
恋愛
病弱な父親とまだ学生の弟を抱えた没落寸前のオースティン伯爵家令嬢であるルシアに縁談が来た。相手は学生時代、一方的に憧れていた上級生であるエルランド伯爵家の嫡男ルイス。
父の看病と伯爵家業務で忙しく、結婚は諦めていたルシアだったが、結婚すれば多額の資金援助を受けられるという条件に、嫁ぐ決意を固める。
多忙を理由に顔合わせにも婚約式にも出てこないルイス。不信感を抱くが、弟のためには絶対に援助が必要だと考えるルシアは、黙って全てを受け入れた。
オースティン伯爵の健康状態を考慮して半年後に結婚式をあげることになり、ルイスが住んでいるエルランド伯爵家のタウンハウスに同居するためにやってきたルシア。
それでも帰ってこない夫に泣くことも怒ることも縋ることもせず、非道な夫を庇い続けるルシアの姿に深く同情した使用人たちは遂に立ち上がる。
この作品は小説家になろう及びpixivでも掲載しています
ホットランキング1位!ありがとうございます!皆様のおかげです!感謝します!
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる