侯爵令嬢リリーには記憶がない。(リメイク)

夕立悠理

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現実なのならば。どうしようもない。とりあえず、義弟だという、ロレンのところに行ってみよう。

 私が体を起こすと、ナンシーは、心配そうな顔をした。

 「……ロレンのところに、行くわ」
「! お嬢様、それは……」
制止しようとする、ナンシーを振り切り、ロレンの部屋に行く。もし本当に彼が跡取りとして扱われているのならば。その部屋は、ルットに与えられるべきだった部屋のはずだ。

 ノックをすると、扉は開いた。出てきたのは、やはり、ロレンだった。

 お父様とお母様はいない。もう、自室に戻られたのだろうか。

 私の顔を見ると、ロレンは、途端に顔をしかめた。
「それで? 今日は何のようです。いい加減、私を蔑むのも飽いたと思っていましたが」
「私が、貴方を蔑む?」
そんなこと、するはずない。いくら、私の立場がロレンにとってかわられたのだとしても。

 「私のこの黒髪が気に入らないのでしょう。悪魔の色だと言ったのは、貴女では?」
「そんなことない! とても綺麗だと思うわ」
黒曜石のようだと、そう思った。私がそういうと、ロレンは気味の悪いものを見るような顔をした。

 「目的はなんです。今さら媚びられても、貴女への感情は変わりませんよ」

 そういって、扉は閉められた。


 呆然と、立ち尽くす私の肩にそっと触れたのは、一瞬、お父様やお母様を期待した自分がいたけれど、ナンシーだった。

「ねぇ、ナンシー」
「……はい」

 「私は……」
記憶がないの。ねぇ、私の空白の2年間に、何があったの。私は、何をしてしまったの。
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みんなの感想(3件)

に
2020.02.16

面白いですね!ところで更新はしないのでしょうか...なんか1番気になるところで終わってしまっている...!

2020.02.16 夕立悠理

お読み下さりありがとうございます。更新が滞っていて申し訳ないです。

解除
伊予二名
2019.10.07 伊予二名

中々面白くなりそうな出だしですね(๑╹ω╹๑) 所で完結のご予定は? 絶望のまま更新が止まるのはちょっと困ります。

2019.10.07 夕立悠理

お読み下さり、ありがとうございます。申し訳ないのですが、息抜きに書いているので、ちゃんと完結させられるかは未定です。

解除
しろ
2019.07.24 しろ

うわぁ、絶望感
リリー頑張れ👍

2019.07.24 夕立悠理

お読みくださり、ありがとうございます。続きはいつになるかわかりませんが、リリーを幸せにできるように、頑張ります。

解除

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