鴉の運命の花嫁は、溺愛される

夕立悠理

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妖の花嫁

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 だって、妃殿下は奥さんだもんね! そういって、きらきらした瞳で私を見つめる。
「僕たちは、渾名だけど名乗ってもいい?」
「もちろん。あなたたちの名前を教えて欲しいわ」

 微笑むと、鬼の子から渾名を教えてくれた。
二つの赤い角が印象的だ。
「僕は、紅玉」
 次は妖狐の子。ふわふわな銀の髪がとても綺麗だ。
「おれは、時雨だよ」
そして、最後は鴉天狗の子。水色の瞳が可愛らしい。
「オイラは、飛翔」
 みんな得意げな表情で自分の胸を叩いた。

「紅玉、時雨、飛翔。……みんなよろしくね」

 さて、子供達をもう一度座らせなきゃ……。

「妃殿下」
「時雨? どうしたの?」
 妖狐の時雨が私の手を掴んだ。
 そして、すん、と私の手を嗅ぐ。

「おれ、匂いに敏感なの」
「そうなのね?」

 手汗とかかしら?

 ショックを受けつつ、慌ててハンカチで手を拭おうとすると、時雨は首を振った。

「違うよ、妃殿下。汗とかじゃなくて……えっとね」

 時雨は言葉を探すように、うーん、と唸った。

「僕はなにも感じないけどなー。飛翔はどう?」
 鬼の紅玉は、首を傾げた。

「オイラも別になにも」

 鴉天狗の飛翔も首を振って、時雨を見る。

「おれの……勘違いかも」
 時雨はしょんぼりとしてしまった。
 柔らかそうな尻尾もぺたりと垂れている。

「時雨、大丈夫よ」
 私は微笑むと、時雨の頭を撫でた。
「何か教えてくれようとしたのよね。ありがとう」
「……うん」

 時雨は不安そうな顔で俯いた後、小さく首を振り、顔を上げた。
「それで、それでー? 妃殿下、何か教えてくれるんでしょ?」
 鬼の紅玉の言葉にはっとする。

 とりあえず、今度こそみんなを席に座らせ、教壇の前に立つ。

 旦那様には、将来子供たちが花嫁を迎える時のために、色々教えて欲しいと言われたけど……。

「みんなは何が知りたい?」

 この子達は何を知っていて、何を知らないのか。
 そこをまずは把握しないと。

「えとねー、花嫁が喜ぶこと!」
 みんな口を揃えてそう言った。

 一人一人違う意見が出るかと思っていたので、予想外だわ。

「だってだって、現世からわざわざこの世界に来てくれるんだよー!」
「せっかくなら喜んで欲しいなー」
「嫌われたくないもん」

 そうね、と頷きながら、そういえば……、と思う。

「この世界の妖がみんな『花嫁』を迎えるわけではないのよね?」
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感想 5

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みんなの感想(5件)

HIICHA
2021.12.20 HIICHA

未完で終わりですか?( ; ; )

2024.06.14 夕立悠理

お待たせしました!

解除
淡雪
2021.09.25 淡雪

更新ばんざ~い!!先生のペースで構わないです。完結までお共させてください。

2021.09.25 夕立悠理

お読みくださり、ありがとうございます。また、温かいお言葉をありがとうございます!
ゆっくり更新していけたらと思っております!

解除
淡雪
2021.08.14 淡雪

夕立先生、更新楽しみにしています!!

2021.08.14 夕立悠理

お読みくださりありがとうございます。また、更新が滞っていて申し訳ございません。

解除

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