愛されない王妃は、お飾りでいたい

夕立悠理

文字の大きさ
3 / 19
1巻

1-3

 彼女が悪辣あくらつな人間だとしても、この国の王妃になったのは事実だ。改心する機会も与えず、ただ、自分の感情のままに切り捨てるのはあまりにおろかではないか。
 けれど、彼女は私の言葉を受け入れた。

「かしこまりました」

 そう言って、深く腰を折る。
 まるで、そう言われるのがわかっていたような態度だった。
 私は、そんな態度に鼻を鳴らして寝室を出た。


「あはははは!」

 そんな彼女が子供たちと遊びながら、楽しそうに笑っている。
 その様子を遠くからぼんやりと眺め、どうして自分はあれほどまでに彼女を悪く捉えようとしていたのかと、疑問に思う。
 孤児院で子供たちと遊ぶ彼女はとても輝いていた。
 影からの報告を受けてからずっと考えていた。
 私は――もしかすると、大変なあやまちを犯してしまったのではないか?
 そもそも、彼女は本当に悪辣あくらつな人間だったのか?
 わからない。だから、知りたい。
 そして、間違ってしまったのなら、つぐないたい。そう、思ったんだ。



     朝食リターンズ


 今日も一日、楽しく過ごそう。

「んー」

 私は大きく伸びをするとベッドから起き上がった。
 窓を開けると、爽やかな風が吹き込んでくる。

「……よし」

 その新鮮な空気をいっぱいに吸い込んだ。……なんというか。

「……幸せだわ」

 自分の好きなことだけをして、働かなくても生きていける。それに、もう、物語は終わった。どれだけ心を砕いても振り向いてくれない婚約者や家族は、ここにはいない。
 だから、そのことに心を痛める必要ももうないのだ。
 太陽に手をかざす。きらきらとした光が、指の隙間から差し込んだ。

「私は、私……」

 大丈夫。私は、私のことが好きだ。誰に嫌われても、愛されなくても、関係ない。
 そのことをもう一度確認して微笑んだ。

「さてと」

 そろそろ侍女のカミラが来る頃合いだ。自分でできる準備は自分でしよう。
 ……と、身支度を整えているとカミラがやってきた。

「おはよう」
「……おはようございます」

 カミラの声は相変わらず冷たい。けれど、それを気にすることなく、支度を手伝ってもらう。
 その途中で、カミラが言った。

「今朝から陛下が王妃様と共に食事をとられるそうです」
「……今朝から?」
「はい」

 今朝『は』ではなく、今朝『から』。ということは、これからずっと、ということかしら。
 旦那様ってば、どういう心境の変化だろう。
 やっぱり私はスパイだと疑われてる……?
 でも、以前朝食を一緒にとったときは何も話さなかったのよね。
 うーん。
 何があったのか気になるけれど、わからないものは仕方がない。
 私は、ひとまず気にしないことにして、身支度に集中した。


 食事の間に行くと、旦那様はすでに席に座っていた。

「おはようございます」

 挨拶をすると、旦那様は考え込むようにしていた顔を上げた。

「……ああ。おはよう」

 紫色の瞳を久しぶりに見た気がした。相変わらず嫌みなほど、顔がいい。……? あれ。どこかで旦那様に似た人と会ったような。
 なーんて、気のせいよね。もしかしたら前世で読んだロマンス小説の記憶に影響されているのかも。
 とりあえず、私も席に座り、朝食が始まった。
 前回同様、旦那様は黙々と朝食を食べている。
 私も朝食に集中することにした。
 うーん、今日の朝食も最高だわ。
 量が少ないのが難点だけれど、とっても美味しい! 美食の国、最高!!
 思わず笑みが漏れる。……すると。

「……君は」
「はい?」

 旦那様を見ると、彼は少し苦しそうな顔をしていた。

「美味しそうに食事をとるな」
「……? 美味しいので」

 美味しそうも何も、とっても美味しい! そう笑顔で主張すると、なぜだか旦那様は目を逸らして、そうか、と言った。

「……?」

 もしかして旦那様の嫌いな食べ物でも入っていたのだろうか。だったら、代わりに食べたいな。そう思ってちらりと見ると、旦那様は咳払いをした。

「おかわりがほしいのか?」

 どうしてわかったんだろう? 疑問に思いつつも頷くと、旦那様が給仕に言っておかわりを手配してくれた。

「ありがとうございます」

 なんで今日はこんなに優しいんだろう。……はっ! もしかして、これって最期の晩餐ばんさんならぬ、最期の朝食!?
 だったら余計に味わって食べないともったいない!
 私はたっぷり時間をかけて、朝食を味わった。ときどき、興味深そうに私を見る旦那様と目があったけれど、旦那様は特に何も言わなかったので、思う存分、朝食に舌鼓したつづみを打ったのだった。


 美味しい朝食を終えたあとは、いつもどおり簡素な服に着替えて街へ。
 いつものように王城を抜け出そうとしたところで、声をかけられた。

「王妃様」
「っ!?」

 どこからともなくかけられた声に、思わずびくりと身体を揺らす。
 なんで? 今まで見逃してくれていたのか、単に興味がなかったのかわからないけれど、何も言われなかったのに。もしかして、本当に最期の朝食だった!?
 そう思いつつも、振り向くと見たことのある顔があった。

「あなたは……」

 魚介パスタの大食いでちゃんと完食できた人だ。気持ちのいい食べっぷりが記憶に残っている。

「失礼いたしました。私は、ルィード・グドと申します」

 そう言って、彼は膝をついた。

「今日から王妃様の護衛を務めさせていただきます」

 ……ああ、なんだ。そういうこと。
 私は単に泳がされていただけだったのね。
 魚介パスタだけじゃない。何度も何度も大食いをしていた彼を見たことがある。
 それは単純に大食いが好きだから……じゃなくて、私を監視するためだったのか。
 そのことに落胆する。
 勝手に大食い仲間のように思って親近感を覚えていた。

「なぜ、今なの」

 今までのようにこっそり……ではなかったけれど、黙って監視をしてくれたら、私は何も気づかずにすんだのにな。なんて自分勝手な考えを思わずルィードにぶつけてしまう。

「王妃様は、私が守るべき方だと判断いたしました」

 戦勝国から送られてきた王妃だものね。
 けれど、私の考えを見透かしたように、ルィードは首を横に振った。

「いいえ。私が、あなたのファンなのです」
「……ファン?」

 思ってもみなかった言葉に、まばたきする。ファンって……熱心な支持者とか、そういう意味の?

「はい。王妃様の気持ちのいい食べ方がとても好きです!」
「その……ありがとう」

 とてもいい笑顔で言われて照れてしまう。
 そんなこと、今まで言われたことなかった。
 公爵令嬢として、食べすぎははしたないっていつも言われていたから。それが一番つらいことだったものね。

「私のことは、ぜひ、大食いのお供だと思っていただければ。私も大食いが好きなので」
「……わかったわ」

 確かに一人で食べるよりも、誰かと食べたほうが美味しい。今朝の朝食も美味しかったし。
 ……と、そこで思い出したのだけれど。

「監視……じゃなくて、護衛なのね」
「はい」

 てっきり最期の朝食だと思っていたけれど、護衛をつけられるということは、スパイだと疑われてはいない、と考えてもいいのかしら。
 旦那様は何も言わなかった。
 やっぱり気が変わった、公務をしろ、とも言われていない。
 ただ旦那様と一緒に朝食をとるようになり、監視ではなく護衛がつけられるようになった。
 それは小さなようで大きな変化だ。
 あくまでも、私がスパイだと疑われていないという前提だけれど。
 これはもしかすると私のニート生活も――

「これ以上はやめやめ」

 急に首を横に振った私を、不思議そうにルィードが見つめる。
 私はそんなルィードに笑いかけ、今日は焼きとうもろこしの大食いに挑戦するわ、と告げた。

「いいですね」

 ルィードも笑顔になる。
 問題はひとまずおいておくとして。
 私に、大食い仲間ができました。



     再構築


「今日の王妃の様子は?」

 影――ルィードに、報告させる。

「はい。今日の王妃様は、鍛練の成果をみせる、と子供たちとヒーローごっこをしておいででした」

 あ、ちなみに私は子供たちと同じヒーロー側でした、としれっと言う。
 そこはお前も悪役をするんじゃないのか。
 聞き返したくなったが、この影のことだ。そちらのほうが楽しそうだったのだろう。

「悪役の王妃様は、子供たちの望むすごみは手に入れられたようなのですが……。負けるパターンが足りないと指摘されて……」

 まぁ、確かに何度も同じ反応を返されてもおもしろくない……かもしれない。

「もっと色んなやられ方を研究してくる、と言って、王妃様は今度は劇団に入られました」
「……劇団」
「はい」

 ルィードはあっさり頷いたが、私は頭が痛くなってくるのを感じた。
 どう考えても、劇団に入る必要はないんじゃないか。彼女はとても純粋……というか、り性なのかもしれないな。

「……それで?」
「まずは、下働きからということで、今は雑務を一緒にしてますね」

 ……これは子供たちの要求に応えられるようになるまで時間がかかりそうだな。

「ちょっと待て」
「はい?」

 きょとんとした顔で、こちらを見つめるルィードからは、全くといっていいほどあせりが感じられない。失言に気がついていないのか、それとも失言と思っていないのか。
 私は、ため息をつきたくなりながら、ルィードに尋ねる。

「雑務を『一緒に』というのは? お前最近、影のわりに表に出すぎじゃないか?」
「もちろん休憩時間以外は、ひそんでおりますよ」

 ご安心を、と胸を叩いてみせたその姿に、余計不安を感じる。
 休憩時間を長く設定しすぎたか?
 だが、下手に短くして辞められても困るしな……
 休憩時間の件は、ひとまずおいておくことにして、続きをうながす。

「それで、今日は何を食べたんだ?」
「焼きとうもろこしです。それが……」

 ルィードが表情を曇らせる。

「どうした?」
「ここ最近、王妃様の噂が街で広がっているようで、王妃様の似顔絵とともに大食いメニューに挑戦お断りの文字が……」

 それはさぞかしがっかりしたに違いない。

「そこで、王妃様はいつもと髪型を変えて、お店に入店し大食いに挑戦されました」

 そういえば、私が以前彼女を監視したときは、まるで少年のような姿をしていた。

「これも、悪役になるときのいい練習になるといって、声まで変えておられました」

 王妃様はいつも素敵な落ち着いた声ですが、華やかな声もお似合いでした、と付け加える。

「見事完食されましたが、お代はきっちり払われていましたよ」

 店が王妃お断りにするのは、王妃が完食して無料になるからであって、代金を払えば店に損失は出ない。代金を払うなら、そもそも元の姿で挑んでもいい気がするが……

「私も、王妃様の応援のおかげで完食できました」

 自慢げな顔をするルィードに、尋ねる。

「彼女は、……について何か言っていただろうか?」
「……とは?」
「私についてだ」

 彼女に初夜、ひどいことを言ってしまった。憎まれても仕方ないと思う。けれど、彼女は朝食の席でそんな様子を見せなかった。
 それは私のことを許している――のではなく、私に興味がないからではないかと考えている。

「……そうですね、特には」

 やはりか。深く息をつく。最低な形で関係を築く土台を壊したのは私だ。
 もう一度土台から構築するのは、困難だろう。
 それでも、やらねばならない。
 私は彼女の――夫なのだから。

「隣国の調査は?」
「まだ少し時間がかかりそうです」
「わかった。引き続き、探ってくれ」

 そう言い残して、席を立つ。

「どちらへ?」
「王妃のもとへ」

 少し、話がしたかった。もっとも、彼女は疲れて寝ているかもしれないが。そのときは、大人しく帰ろう。

「王妃に、会いたい」

 取り次ぎを侍女に頼むと、やはり彼女は眠っているという返答だった。
 一目だけでも、と思ったが、眠っているならば仕方がないか。
 諦めて自室に戻ろうとし、ふと、思い付いた。


     ◇◇◇


「んー、よく寝た」

 大きく伸びをして起き上がる。
 昨日は、ヒーローごっこがなかなか楽しかったわね。今は、悪役としてのやられ方のパターンを研究するために劇団に入っている。
 といっても、下働きだけれど。
 いずれ、色んな演技を教えてもらって子供たちの理想の悪役になるのが目標だ。

「……これは?」

 ふと、サイドテーブルに、花が飾られてあるのに気づく。首をかしげていると、カミラがやってきた。

「昨夜、陛下が王妃様にと」

 ……なるほど。旦那様からの贈り物だったのね。もしかして、私に用事だったのかしら。それなら、寝ていて悪いことをしてしまったわね。
 そんなことを考えながら、薄桃色の花の香りを吸い込む。花からはかぐわしい香りがした。

「よし」

 今日はなんだか、とってもいいことが起きそうだ。ひとつ微笑むと、朝の支度を整え、朝食に向かった。
 食事の間に行くと、今日も旦那様がすでに座っていた。

「おはようございます、陛下」
「……ああ、おはよう」

 旦那様が目線を上げて、微かに微笑む。

「昨夜は、素敵な贈り物をありがとうございました。とても綺麗な花ですね」

 私の国にはなかった花だ。六枚の花弁は薄桃色に色づいていて、とても可憐で美しかった。
 なんていう名前の花なのかしら。

「ああ。君が気に入ってくれたなら良かった。あの花は食用として使われることもあるが、綺麗だろう?」
「食用……ですか!?」

 花を食べるんだ! ロマンチック! あんなに綺麗な花が料理に添えてあったらとても可愛いだろうし、それに食べられるなんて最高じゃない!?
 思わず食いぎみに尋ねた私に旦那様は笑った。

「ああ。今度、あの花を使った料理を頼んでおこう」

 旦那様ってば、優しい。
 あれ? でも、私を愛することはないのよね。
 それとも、物語が終わったから強制力もとけたの?
 でも、侍女のカミラの目は今日も冷たかったし。
 ……どちらにせよ、今の公務がないニート生活が私にとっては一番気楽なんだけれどな。
 旦那様をじっと見つめる。旦那様の神秘的な紫の瞳からは、考えを読み取れなかった。
 ――まぁ、いっか。
 私は運ばれてきた美味しい朝食(だけど量が少ない)に集中しようとして、……私のものだけやけに多いことに気づいた。
 もしかして、私があれで満足してないのがばれてる?
 って思ったけれど、昨日おかわりしたものね。単にもう一度おかわりを作るのが面倒だったのかもしれない。
 美味しいものがたくさん食べられるのはいいことなので、とりあえず目の前の食事に集中することにした。


 美味しい朝食を終え、いつものように簡素な服に着替え、城を出る。
 すると、ルィードが私のあとについてきた。

「ルィードは、何か食べたいものある?」
「私は王妃様の護衛ですので、王妃様に従います」

 ……そっか。自分の意見を言ってもらえないのは少し寂しい気もするけれど、仕事だから仕方ないわよね。
 ……ん? 仕事。

「ルィード、あなた……」
「はい、なんでしょうか?」
「陛下に私のことを報告してるのよね?」

 ……当たり前すぎることを聞いてしまった。ルィードは今は護衛だけれど、以前は監視をしていたのだ。報告しているに決まってる。

「はい」

 当然、ルィードも頷く。

「……なるほど」

 ということは、料理の量が多くなったのもおかわりをすすめてくれたのも、私の大食いを知っていたからなのね。
 ありがとう、旦那様。
 今日の朝食もとっても美味しかったわ。
 心の中で感謝して、ふと、疑問に思った。
 でも、どうして旦那様は私の行動を制限しないんだろう。この行動が筒抜けになっているとして、私が旦那様なら止めるけれど。
 まぁ、いっか。
 旦那様の思惑がどうであれ、私の生活がこのまま続くのなら、気にする必要もないだろう。
 そう思って街を歩いている途中、私はある噂を耳にした。


感想 628

あなたにおすすめの小説

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?

こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。 「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」 そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。 【毒を検知しました】 「え?」 私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。 ※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜+おまけSS

himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。 えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。 ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ! アルファポリス恋愛ランキング入りしました! 読んでくれた皆様ありがとうございます。 *他サイトでも公開中 なろう日間総合ランキング2位に入りました!

【完結】私が誰だか、分かってますか?

美麗
恋愛
アスターテ皇国 時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった 出産時の出血により一時病床にあったもののゆっくり回復した。 皇太子は皇帝となり、皇太子妃は皇后となった。 そして、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。 以降の子は妾妃との娘のみであった。 表向きは皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていた。 ただ、皇帝と皇后より、皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もあるようだ。 残念ながら、この妾妃は産まれも育ちも定かではなかった。 また、後ろ盾も何もないために何故皇后の侍女となったかも不明であった。 そして、この妾妃の娘マリアーナははたしてどのような娘なのか… 17話完結予定です。 完結まで書き終わっております。 よろしくお願いいたします。

シナリオ通り追放されて早死にしましたが幸せでした

黒姫
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生しました。神様によると、婚約者の王太子に断罪されて極北の修道院に幽閉され、30歳を前にして死んでしまう設定は変えられないそうです。さて、それでも幸せになるにはどうしたら良いでしょうか?(2/16 完結。カテゴリーを恋愛に変更しました。)

王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?

いりん
恋愛
婚約者の王子が好きだったが、 たまたま付き人と、 「婚約者のことが好きなわけじゃないー 王族なんて恋愛して結婚なんてできないだろう」 と話ながら切なそうに聖女を見つめている王子を見て、王子の片思いに気付いた。 私が悪役令嬢になれば、聖女と王子は結婚できるはず!と婚約破棄を目指してたのに…、 「僕と婚約破棄して、あいつと結婚するつもり?許さないよ」 なんで執着するんてすか?? 策略家王子×天然令嬢の両片思いストーリー 基本的に悪い人が出てこないほのぼのした話です。 他小説サイトにも投稿しています。

側妃は捨てられましたので

なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」 現王、ランドルフが呟いた言葉。 周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。 ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。 別の女性を正妃として迎え入れた。 裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。 あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。 だが、彼を止める事は誰にも出来ず。 廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。 王妃として教育を受けて、側妃にされ 廃妃となった彼女。 その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。 実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。 それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。 屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。 ただコソコソと身を隠すつもりはない。 私を軽んじて。 捨てた彼らに自身の価値を示すため。 捨てられたのは、どちらか……。 後悔するのはどちらかを示すために。

【完結】悪役令嬢な私が、あなたのためにできること

夕立悠理
恋愛
──これから、よろしくね。ソフィア嬢。 そう言う貴方の瞳には、間違いなく絶望が、映っていた。  女神の使いに選ばれた男女は夫婦となる。  誰よりも恋し合う二人に、また、その二人がいる国に女神は加護を与えるのだ。  ソフィアには、好きな人がいる。公爵子息のリッカルドだ。  けれど、リッカルドには、好きな人がいた。侯爵令嬢のメリアだ。二人はどこからどうみてもお似合いで、その二人が女神の使いに選ばれると皆信じていた。  けれど、女神は告げた。  女神の使いを、リッカルドとソフィアにする、と。  ソフィアはその瞬間、一組の恋人を引き裂くお邪魔虫になってしまう。  リッカルドとソフィアは女神の加護をもらうべく、夫婦になり──けれど、その生活に耐えられなくなったリッカルドはメリアと心中する。  そのことにショックを受けたソフィアは悪魔と契約する。そして、その翌日。ソフィアがリッカルドに恋をした、学園の入学式に戻っていた。

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。