入れ替わったご令嬢は、竜王に溺愛される

夕立悠理

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デートのお誘い

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鏡の前で、可笑しいところがないか、確認する。制服のリボンは曲がっていないし、髪の毛も跳ねていない。

 「よし」

 誰かに愛されたくて、必要とされたくて、通っていたマリアンナ学園。その生活が、楽しくなるなんて、思ってもみなかった。今、私が楽しいのは、間違いなく、ノーハルトのお陰だ。

 ノーハルトがどう思っているかは、わからないが、私にとってはきっと、初めてできたお友達、なのだと思う。

 お友達。

 心のなかで反芻すると、何だか胸が暖かくなった。

 時計をみると、そろそろ寮の朝食の時間だ。もう一度鏡で、姿を確認してから、食堂へと向かう。

 今日も一日、頑張ろう。




 放課後。今日もいつものように、ノーハルトと喫茶店で、ケーキを頬張っていると、ノーハルトは緊張したように、話を切り出した。

 「あの、だな」
「はい」
フォークを置いて、ノーハルトを見つめる。
「俺は、貴女を、友人だと思っている」
「私も、ノーハルトをお友達だと思っています!」

 今、確かにノーハルトは私のことを友人といった。同じことを考えていたのだと、嬉しくなる。

 けれど、ノーハルトの本題は、そうではなかったようだ。だから、その。と何だか、歯切れが悪い。ノーハルトが落ち着くまで、まって、続きを促す。

 「よければ、今度の週末、俺と出掛けないか?」
「!」
マリアンナ学園は、全寮制だが、週末は外出届を提出すれば、学園外へと出掛けられるのだ。最も、以前の私は一度もその制度を利用したことはなかったのだけれど。

 ノーハルトと、外出。私が。それは、とても──。
「その、どう、だろうか?」
「とても素敵ですね」

 私が笑って頷くと、ノーハルトも安心したように微笑んだ。
「良かった。じゃあ、週末に女子寮の前まで迎えにいく」

 ■ □ ■

 寮の自室に戻ると、オカトは、にゃあにゃあ鳴きながら、俺を小突いた。
 「今度は、外出デートですか?」
「ち、ち、違う! デートじゃない! 友人と出掛けるだけだ。それに、今回は、ただ出掛けるのが目的じゃない」
「じゃあ、何が目的なんです?」

 うろんな目を向けてきた、オカトに慌てて弁解する。
 「彼女に、本当のことを聞き出す。学園生のいない、外の方が、話しやすいと思って」
「なるほど、よくわかりましたよ。ノーハルト様が彼女にぞっこんだってことが」

 「絶対わかってないだろ!?」

 オカトと言い合いをしているうちに、夜は更けていった。 
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