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追放
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私の名前は、マリーシャ。妖精界の第二王女で、明日、16歳を迎える。そして、明日は結婚式を行う日でもあった。
「マリーシャ」
名前を呼ばれて、顔をあげる。お父様と、お母様は穏やかな目で私を見ていた。私は、それに微笑んで見せると、水晶に手を当てた。
この妖精界では、女性は貞淑であることが求められる。
つまり、この水晶は明日結婚する私が、ちゃんと純潔なのか判定するためのものだった。
純潔なら、水晶は七色に光輝く。
……もっというと、七色に輝く以外は許されない。
だって、私は第二王女なのだ。第二王女が性に奔放だなんて赦されないからだ。
まぁ、そもそも私が純潔であることなんて、みんな知っているから、この検査は形式的なものなんだけど。
けれど。
「……?」
首をかしげる。いつまでたっても、水晶は煌めかなかった。
もっと手をかざしたほうがいいかしら。
そう思って、両手をかざす。
「……っ!?」
パキ、と嫌な音がして、水晶にヒビが入る。
そんな、まさか。
お父様とお母様が信じられないものを見る目で私を見た。先程までの穏やかな瞳とはうって変わって、汚物を見るような目だ。
「マリーシャ、お前は純潔ではなかったのだな」
お父様は、怒りに震えていた。
「違います、お父様! 私は──」
「言い訳など聞きたくない。こんな、恥さらしが王家を否──妖精を名乗るなど赦されない。お前から羽を奪い、直ちに、この妖精界から追放する」
「マリーシャ」
名前を呼ばれて、顔をあげる。お父様と、お母様は穏やかな目で私を見ていた。私は、それに微笑んで見せると、水晶に手を当てた。
この妖精界では、女性は貞淑であることが求められる。
つまり、この水晶は明日結婚する私が、ちゃんと純潔なのか判定するためのものだった。
純潔なら、水晶は七色に光輝く。
……もっというと、七色に輝く以外は許されない。
だって、私は第二王女なのだ。第二王女が性に奔放だなんて赦されないからだ。
まぁ、そもそも私が純潔であることなんて、みんな知っているから、この検査は形式的なものなんだけど。
けれど。
「……?」
首をかしげる。いつまでたっても、水晶は煌めかなかった。
もっと手をかざしたほうがいいかしら。
そう思って、両手をかざす。
「……っ!?」
パキ、と嫌な音がして、水晶にヒビが入る。
そんな、まさか。
お父様とお母様が信じられないものを見る目で私を見た。先程までの穏やかな瞳とはうって変わって、汚物を見るような目だ。
「マリーシャ、お前は純潔ではなかったのだな」
お父様は、怒りに震えていた。
「違います、お父様! 私は──」
「言い訳など聞きたくない。こんな、恥さらしが王家を否──妖精を名乗るなど赦されない。お前から羽を奪い、直ちに、この妖精界から追放する」
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