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※性描写強めです。

初めての絶頂に放心状態になった。え、何、これ。全力疾走した時のようにバクバクと音を立てる心臓にどうして良いのか分からなくて呆然としてしまう。はぁ、はぁ、と上下する胸は自分のものではないようだ。トロトロ、と蜜壺から溢れ出す愛液に私は絶頂したのだと悟る。こんな、初めてで簡単にイくものなの……?分からずに涙で歪んだ視界をそのままにしていると、割れ目を軽く擦られた。イッた後の敏感な体がビクリと跳ねる。

「え、ぁ、ま、待って……っ」
「悪いが余裕がないんでな……。指、挿れるぞ」
「ぇ、嘘、ぁ……っ、あぁあっ……!」

抵抗するかに見えた蜜壺だったが簡単にオーレリアン様の指を飲み込んでいく。嘘、初めて、なのに。こんなに簡単に挿れれるものなのかと驚愕してしまう。それでも、違和感というか異物感というか、自分の中に入ってきたものに戸惑っていた。それも、ゆっくりと抜き挿しされた指を愛液が濡らしていくのがわかる。お腹の奥がキュン、と疼いた気がしたのは気のせいじゃないと思いたい。

「んっ、ふ……、っ、」
「流石に少し痛むか?」

いつの間にやらベッドの脇に置いてあったローションを手にとって、オーレリアン様は蓋を開けていた。一度指を抜いて、ローションを塗した後に今度は二本、挿れてくる。一本目よりも太いそれに、蜜壺が少し痛む。それでもローションの滑りのおかげでゆっくりと飲み込んでいった。

「ぁ、ん……、い、」
「痛むか?」
「うぅ……っ、い、たい、はずなのに……っ」

痛いはずなのに、緩々と抜き挿しされる指に少しずつ慣れていく。自分では挿れることの出来なかった場所に侵入されて好きにされている事実に涙が溢れる。でもそれも、抜き挿しされた指が与える快楽で流した涙とすぐに混じってしまった。
グチュ、グチュッ、と水音が部屋に響いて、それともに蜜壺から溢れる愛液も多くなる。時折戯れに乳首を吸ったり揉まれたりして、私はなす術もなく喘ぐことしか出来ない。もっと、とはしたなく口を開けている私は、今までの自分とは全然違う人間になっていくのではないかと不安になってしまう。そんな少しの感傷も激しくなる抜き挿しに塗り潰されてしまうのだけど。
蜜壺の中、愛液とローションで滑りが良くなった指がお腹側を少し、擦る。それだけで、イキそうになるほどの快感が頭の中で弾けた。

「ぁあああっ」
「……、ここか」
「ぇ、まっ、何ここ……っ、あっ、あぁっ、だめっ、あっ、ん、ぁんっ!」

指を折り曲げては伸ばし、伸ばしては折り曲げるという動きでその場所をトントン、と叩かれる。叩かれるというのは語弊があるかもしれないけれど、そういう動きなのだから仕方ない。蜜壺の中にあるという女性の好いところが見つかったのだろう。そこを中心に攻められて、声を殺すこともできずに喘ぐしかない。もっと、と腰が浮いたのを見逃さずに、オーレリアン様は中の責めを激しくする。それと同時にクリトリスへの刺激も忘れない。やだやだと、快楽から逃れたくて頭を横に振るのだけれど、それは許さないというように指の抜き挿しが激しくなった。

「やぁああっ!イくっ、イッちゃうっ、まっ、ぁ、やっ、だめっ、あぁあああっ」
「……っ!」

プシャッ、と再度絶頂した私の蜜壺が愛液を吹き出す。二度目の絶頂でベッドに沈み込むことしか出来ない。もう指一本動かしたくないし、何だか眠くなってきた。二度の絶頂は自分の体力を根こそぎ奪ってしまったらしい。

「悪いが、まだ寝るなよ」
「え……えっ!」

オーレリアン様がおろしたズボンから出てきた性器に思わず、でかっ、なんて言葉が出そうになる。いやあの、多分ね、立派だとは思ってた。頭ひとつ分の身長差があるわけだし、そりゃぁ、一筋縄でいかないだろうというのもなんとなく分かっていた。それを差し引いてもデカいんだけど……!?勃ち上がっているそれが未知の化け物のように見えるのは失礼だろうか……。

「えっ、え……、は、入りません……」
「いや、入るが」
「入りません……!入りませんよこんな鈍器!?え、裂けちゃう……!」
「……、まぁ処女膜破るから血は出るだろうが」
「出るのぉ……!?」

む、むり、と思ったら涙が出てきた。快楽ではない恐怖混じった涙にそれまで余裕の表情だったオーレリアン様がギョッとした顔になる。それを見てお仕事だから、という気にはなれなかった。いやだって、怖いよ。確かにアンアン喘いでおりましたが!初めてなんですよ!何度も言うけど!

「む、むりっ、無理です……っ」
「こんだけ濡れて慣らしたから大丈夫だ。処女だから血は出るが」
「無理、裂けるっ」
「裂けた時の為に薬もらってるだろ」
「うっ、うぅうう……」

退路を絶たれた私の目から涙がボロ、と落ちる。ぎょっとしたような目で見られるがそれでも涙を止めることはできなかった。泣き出す私にオーレリアン様は困ったように目を彷徨わせた後、よしよしと頭を撫でてくる。それが何だか優しくて更に泣いてしまう。

「………………、すまん。怖かったか?」
「す、すいません……で、も、初めてで……、それなのに、こんな、」
「こっちこそ、焦りすぎたかもしれないな。こんなに濡れやすくて感じているなら大丈夫かと思ってしまってな。嫌か?」
「うぅう……、嫌、じゃないんです……気持ちいいから、困って」

自分の体が自分の思っているのとは別の反応をするのが怖いのだ。ドキドキと未だうるさいぐらいに鼓動を立てている心臓を押さえながら私は涙を拭う。大丈夫か、と言うように撫でてくる手が優しくて、何だかホッとした。少し落ち着いた私は、そういえばフェ、フェラとかした方が良いのかな、なんて思いが今更ながら湧いてくる。デビューの時は相手に任せて良いとは言われているけど、何かした方がいいのかも、と思って慰めるように頭を撫でてくれているオーレリアン様に問いかけた。

「あ、あの……、私も、何かした方が……?」
「口でなら明日してくれ。それよりも、お前のここに挿れたいが……、ダメか?」

ツッ、とオーレリアン様の節くれだった指が破れ目を撫でる。それだけなのに、また下腹部がキュン、と疼くのが分かった。
どう、しよう……。私の蜜壺も、彼のモノを挿れて欲しいと強請っているようだ。
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