イケニエアゲハ~執着の檻に囲われて~

小達出みかん

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第二部 王様の牢屋

狂気(R18)

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 ひとりぼっちで長時間、築城を待ち続けるのは怖くておかしくなってしまいそうだった。玲奈はとにかく、ベッドに横になって目を閉じた。


(寝ちゃおう。何も考えないように…)


 計算通り、深い眠りに陥った玲奈は、遠くから自分を呼ぶ声で目を覚ました。


「玲奈―、玲奈、いるんだろう、おーい」


 その声が誰のか分かった瞬間ぞっとした。


「出てこいよ、こっちまで、来てくれー!」


 逆らうとどうなるかわからない。重たい体を起こして玲奈はそろそろと玄関が見える場所まで向かった。


「こっちまで来いよ」


 城築が笑って玄関に立っていた。玲奈は鎖を指さした。


「ここが限界」


「そうか」


 城築はそれを見て、玲奈の前まで歩いてきた。


「な、なに」

 上から見下ろされて、玲奈の身体は怖さにこわばった。だけど目だけは挑発的に見返していた。



「わかんない?俺、外から帰ってきたんだけど」


 何を言われているのかわからなくてうろたえたが、築城が目を閉じたので嫌でもわかった。玲奈はしぶしぶ背伸びして、城築の唇に触れるだけのキスをした。


「っ…!」


とたんに築城に肩をつかまれて、玲奈は身動きできなくなった。


「口、開けて…っ」


 玲奈の口をこじ開けて、城築の舌が入ってくる。ハヤトのキスとはちがって、城築の舌は乱暴に玲奈の口の中を犯した。口を開けることも閉じることもできなくて、口からだらだら唾液がこぼれた。


「はぁ、はぁ、はぁ…」


 城築は長々とキスしたあと、やっと顔を放した。お互い息が荒かった。


「ただいま、玲奈」


 城築は玲奈の唇を指でぬぐいながら、じっとりと玲奈の目を見た。


「お…かえり…なさい」


 玲奈がそういうと、やっと築城は表情を緩めた。


「ごめんな玲奈。まだ首の跡がのこってる…その服は?」


 ハヤトから奪ったパーカーを玲奈がきているのを見て、築城はといただした。


「こ、これは…着るものなかったから」


「そんなの、脱げ」


 築城は無理やり服を脱がせた。また下着にされた玲奈を見て、城築はもう一度口づけをした。


「うっ…んぅっ…」


 さっきよりもつかむ力が強く、玲奈は思わずうめき声をもらした。そのまま築城は玲奈を廊下の床に押し倒した。


「だめだ、我慢できない。するぞ」


 こんな所で動物みたいに、嫌いな男にやられる。もうあきらめたはずだったのに玲奈は腕を振り回して叫んだ。


「やめて!!いやっ…!!!」


 玲奈の拳が城築にあたった。城築は間髪入れずに玲奈の頬を張った。


「っ…」


「まだわかんないのか。俺の言う通りにしなければどうなるか、もう知ってるだろ」


「こ、ここじゃやだ、ここじゃ」


 玲奈はそう言いつのったが、城築は意地悪く笑った。


「俺を叩かなければ聞いてやったのに。逆らったからお仕置きだ、玲奈」


 ショーツを乱暴に引きはがして、城築は玲奈を押さえつけて無理やり足を開かせた。


「昨日、玲奈自分から腰振ってたな」


 なんのことか一瞬わからなかったが、玲奈は言い返した。


「あれはそうしろって言われて…!」


「じゃあ俺がそうしろって言ったらする?」


 玲奈の動きが止まった。築城は追い打ちをかけた。


「ほら、俺の上にまたがって、自分から入れてくれよ。坊やにしたみたいに」


 城築が玲奈からものを引き抜いた。


玲奈は言う通りまたがった。


「ブラもとって」


 玲奈は力の入らない手でなんとかブラを取った。命令に従って、丸裸だった。築城は服を着ているのに。その差がまるで奴隷と主人のようで屈辱的だった。


「ほら、入れてくれよ、痛いだろうからゆっくりな」


 そそり立つ赤黒いそれの上で、玲奈はゆっくりと腰を下ろした。内心は嫌なのに、穴はみちみち広がってそれを受け入れた。


「んっ…ふ、う…なんだか前よりきついな。お前のここ、腫れてないか?」


 玲奈は無言で首を振って、腰をただ動かした。


「くっ…いいぞ、上手、上手だ…」


 動くたびに内側をごりごりと、容赦なく築城がえぐってくる。でも早くいかせれば、もう終わりになるかもしれない。そう思って玲奈は痛みに耐えながら頑張ったが、さすがにハヤトのように速くはない。


「高校生の坊やと一緒にすんなよっ…玲奈、こっちみろ」


 築城はスマホを取り出し玲奈に向けた。玲奈は顔をそらしたが、無駄だった。


「はは、玲奈が俺の上に乗って腰振ってる。顔もばっちり…なぁ、撮ってんだぞ、笑ってくれよ」


 そんなの御免だった。


「辛気臭い顔やめろっ!!うれしいって顔しろ!」


 玲奈は歯を食いしばった。偽りの笑顔を浮かべるのは慣れてるはずだった。だけど今はどうしても無理だった。築城はスマホを投げ捨て起き上がった。


「また痛い目に会いたいんだな?」


 城築はそのまま玲奈を抱いて立ち上がった。ベッドに乱暴に横たえられ、すぐさま正常位で築城の物が挿入された。痛みに玲奈は顔をしかめた。


「玲奈もっ…お前ぜんぜん、床、下手、だよなっ…」


 かなりの速度で城築は玲奈の中を打ち付けた。そのたびに玲奈は痛くて熱くて顔をゆがませた。


「つっ…うぅっ…」


「あんな、腰の、振り方じゃっ…ぜんぜんだ。俺が…これから教えて…やるからなっ」


 ヘッドフォンが欲しかった、いつものようにあれでロックを聞いて、この忌まわしい言葉をシャットアウトしたかった。


「出すぞ、玲奈っ、どこに出してほしいっ…?」


 玲奈はただ首を振った。


「言えっ、中に、出してって、先生中に出してって!」


 また城築の手が、玲奈の首に伸びた。玲奈は声をしぼりだした。


「せん、せい、なかに、だし、て」


「ああ、出すぞっ、玲奈、お前の中にっ…!」


 声にならない声を上げて、城築は玲奈の中に出した。玲奈は死んだような目でそれを見ていた。


「はぁ、はぁ、はぁ…」


 ぼんやりと宙を見る玲奈を、城築はつながったままがばりと抱きしめた。


「ごめ、ごめんな、玲奈、今日はやさしくするって言ったのに。許してくれ、な?」


 玲奈はとりあえずうなずいた。城築は満足げに笑って玲奈の頭を撫でた。


「そうだよな、玲奈は床じゃなくて、ベッドで俺としたかったんだよな、こうやってちゃんと…なのにごめんな」



 この男は頭がおかしいんだ。玲奈の身体をじわじわと恐怖が支配していった。

彼は玲奈の隣に横になり、その肌に触れた。


「玲奈…本当に綺麗だ」


「…もう3日お風呂はいってない」


「そうか、入りたいか?」


 玲奈はこくんとうなずいた。


「じゃあいい子にしてろよ」


 城築は玲奈の片手を新しい鎖でつなぎ、元の鎖をはずした。


「これなら風呂まで届くだろ」


「わかった」


 玲奈はさっそく風呂へむかったが、その肩をぐいとつかまれた。


「待て。俺と一緒に入るぞ」


 その圧に負けて、玲奈はうなずいた。


 広々とした脱衣所で城築だけが服を脱いだ。今まで裸を見たことがなかったが、中年にしてはひきしまった体つきだった。


(もっとひ弱だったら、逃げる算段もつけられるのに…)


「ん?どうした、そんなにこっち見て」


 城築は鏡に映る玲奈に向かって笑った。久々に見た自分の姿はひどかった。髪はぐしゃぐしゃ、顔はやつれて、体中に赤い跡。玲奈はさっと目をそらした。が、後ろから城築に肩をつかまれた。


「ほら見ろよ、この赤いの…」


 城築が玲奈の首、胸、そして腹に手を這わせた。


「これぜんぶ、俺がつけた跡だよな?」


 鏡を見ないようにしながら玲奈はうなずいた。


「はは、俺が一番ひどくお前を使ってるな、でもな…」


後ろから、築城は玲奈の顎を持ち上げ無理やり鏡を見させた。


「玲奈、素直にならないお前も悪いんだぞ。怒る気持ちもわかるけど、もう俺たちは前とはちがう関係なんだから、ちゃんと向き合わないとだめだ」


 まるで生徒を諭すような口調だが、その声はどこか狂気が感じられた。玲奈はもう一度うなずいた。


「よし、いい子だな。ほら入ろう」


 玲奈の額に軽くキスをしてから、城築は玲奈を風呂場にはいった。ガラス一枚を隔てたそこは、大人2人が入ってもまだ広い。大きな丸いバスタブに、城築はお湯をため始めた。


「俺が準備するから、玲奈は座ってなさい」


 玲奈はぼんやりと風呂場の椅子に腰を下ろした。もうもうとした湯気をたてて、お風呂に湯がたまりつつある。


「よし、椅子もってこっちにおいで」


 城築はシャワーの前に玲奈を座らせ、髪をお湯で洗い流し始めた。


「自分でできる…」


 玲奈はよけようとしたが、無駄だった。


「これからはいつも、俺が洗ってやるからな」


 城築は丁寧に玲奈の髪を泡立てたシャンプーで洗った。久々のお風呂は、さすがに気持ちがよかった。でも安心はできなかった。


「きれいな肌だな、水も泡もはじくように弾力があって」


 城築は手に石鹸を泡立て、玲奈の身体にぬるぬるとこすりつけた。


「ほら、手あげて」


 城築は後ろからぬるぬるした手で玲奈の胸をつかんだ。


「玲奈の胸は、小さくてかわいいよなぁ」


 ゆっくりと玲奈の乳房に、城築は指を沈ませた。


「でも柔らかくて、綺麗な形をしてる。俺はこのおっぱいが一番好きだよ」


 にゅるにゅるとした指で、城築は乳首をきゅっとおしつぶした。


「っ…」


 こんな風に触られることはなかったので、玲奈はとまどって体をよじった。


「どうした?大丈夫か」


「その触り方…やめて」


「触ってるんじゃない、洗ってるんだ。くすぐったくても我慢してくれ」


 城築は指先で乳首ばかりをいじり続けた。洗う動きではない。


「やっ…めて…っんっ…」


「玲奈、気持ちいいのか…?」


 玲奈は首を振った。違う。そういうんじゃない。だが城築は乳から手を放さず、むしろ指の動きをもっとゆっくりにした。


「これはどうだ…?」


 こんな感覚、知らないことだった。動かしているつもりはないのに、足がひくひくと震える。


「やめて、お、お願い…!」


 いやだ。怖かった。一ノ瀬とするときも、こんな気持ちにはならなかった。彼は玲奈を怖がらせなかった。


「…この間も思ったけど、玲奈はあまりセックス、したことないんだ?」


 乳房をゆっくりとなぞりながら、彼はさらに聞いた。


「こうやって触られるのも、フェラも、したことなかった?どうなんだ…?」


 早く手を放しくほしくて、玲奈はうんうんとうなずいた。


「そっかぁ、やっぱりな。玲奈の身体はまだ、何も知らないんだな…」


 指はまだ胸で動いている、その執拗さに、玲奈はとうとう根を上げた。


「わかったから、な、なんでもいいから、はなして、はなして…!」


「なんで離してほしいの?」


「こ…こわい」


 そこまで言って、やっと城築は乳房から手を放した。玲奈の肩の力が抜けた。


「こわいのは、気持ちいいってことを経験したことがないからだ、玲奈。これからは俺がゆっくり、ちゃんと体に教えてやるからな」


 今度は足の間に城築は手を進めた。


「いやっ…」


 玲奈は足を閉じようとしたが、水と泡ですべってうまくいかない。


「大丈夫、大丈夫…暴れちゃだめだ。気持ちよくしてやるから」


 指が、玲奈の秘所へと伸びた。だけど中には入れずに、その周りをなぞった。あつい指がそこをいったりきたりする感触に、玲奈は体を固くして力を入れた。足が勝手に震えるのをおさえるためだ。


「だめだめ、ほら、力ぬいて、怖くないから…」


 城築の指が裂けめの上部の塊に触れた。こらえきれず、玲奈はびくんと体を震わせた。


「どう?ここが女の子の気持ちいい場所だよ…」


 そこをくすぐるように指を動かされて、玲奈は必死で足をつっぱった。痛い事はされていない。だけどこんな風に他人に体をいいようにされるのはたまらなく怖かった。無理やり入れられる方がましだった。


「っ…んぐっ…」


 喘ぎ声とは程遠い、苦しいうめき声が玲奈の口から洩れた。それでも城築はやめてくれなかった。触られている場所が、体の真ん中があつい。怖い。本当にもうやめてほしかった。


「うっ…くっ…いっ…」


玲奈の肩が小刻みに震え始めたのを見て、城築は玲奈の顔をのぞきこんだ。


「どうしたんだ、玲奈…」


 我慢できなくて溢れた涙を悔しく思いながら、玲奈はたのんだ。


「おねがい、やめて…ほかのことなら、なんでもするから」


「…泣くほど怖かったのか」


 城築は玲奈の顔をまじまじと見た。


「しょうがない。こまったお姫様だ」


 そういって城築はシャワーをとり、体の泡を綺麗に洗い流した。


「ほら、一緒に湯舟に浸かって温まろう」


 解放されたことに安堵しながら、玲奈は湯舟におそるおそる足をつけた。


「こっちにおいで」


 城築が手を広げて玲奈に命令した。玲奈は城築の腕の中に納まった。その小さい背中を城築はなでた。


「てっきり玲奈は、経験豊富なのかと思ってたよ。俺にあんな事をするんだから…」


 玲奈の首筋に唇をあてて、城築はささやいた。


「でも玲奈の身体は、処女同然なんだな。意外すぎて…こんなに嬉しい」


 城築の手が再び玲奈の足の間に伸びた。玲奈はわかりやすく体を固くした。


「おっと、わかった。何も知らない君の身体に、俺はちょっと無理強いしすぎた。これからは、スモールステップでいこう」


 築城の手はそのまま玲奈の身体を包んだ。


「まず、俺の腕の中で力を抜くんだ。何もしないから。な、これくらいならできるだろ?俺によっかかってごらん」


 こわごわと玲奈は力を抜いた。だけど完全ではなかった。ここは水の中だ。恐怖がじわじわと体に広がる。


「し…沈め、ない?」


「は?何言ってるんだ」


「お風呂に…私を、沈めない?」


 絞り出すようにそう言った玲奈を、築城は茫然と見た。


「そんなこと、するわけないだろう」


 築城が怒ったと思った玲奈は、恐怖からとっさに口走っていた。


「ごめんなさい、前に沈められたことがあって…水は苦手」


 築城は目を見開いた。


「玲奈を?誰だ、そんな事した奴は」


 水の中に、男と二人。相手は自分より力が強い。圧倒的に不利だ。屈辱も忘れて、玲奈はただ怯えていた。そんな玲奈を見て、築城の目じりが下がった。


「そっか…怖かったよなぁ…ごめんな」


 そういって城築は玲奈の鎖骨に口づけした。玲奈の身体にびくんと力が入った。


「なんでそう、手負いの獣みたいなのかな、君は…」


 玲奈の中に、今までの様々な苦い経験がよみがえった。無数に浴びてきた無遠慮な視線。ぶつけられた悪意。義兄の、そして義父のねっとりとした目つき。水の中で容赦なく頭を押さえつけてきた男子生徒の手つき。


「でも、俺がきっと、君を幸せにするから」


 熱い湯の中で、玲奈は熱気にあてられ朦朧とした頭の中でつぶやいた。


(誰か…たすけて…)
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