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マジックで書き換えた古い個人情報の行方

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夜7時過ぎ
オレはこたつの前で
テレビを見ていた

オレの名前は都田ハヤト
放送していたのは
最近名前の上がった
すり替えマジシャン
菊田による
すり替えマジックの披露特番


〈さぁ…て!皆さん
これから種も仕掛けも無い
マジックをご披露致しましょう…〉

マジシャン菊田の言葉に
拍手が入り
スタジオは暗くなる


そして登場した
ゲストの一般女性に
スポットが照らされた

〈主婦一般人女性三十九歳
バスト155cmウエスト50cm
ヒップ200cm
妊娠中です…ぅ♡

夫は資産家…ですぅ♡///〉

うわぁ…///
胸超デケェ…尻もモチモチしてる
動きづらそう…///


動く度に息を荒くする女性に
マジシャン菊田は
手を取り女性を
中央へと立たせる

〈では、今日私のマジックに
ご参加くださった理由を教えて下さい〉


〈ふぅ…はぁい♡

私…今の人生とは
違う他人の人生を送ってみたいんです
例えば男性で
二十四歳一人暮らしの独身とかぁ…♡〉

二十四歳で一人暮らし
独身の男…

「…オレじゃん」

変なの…
資産家の夫と暮らしていて
体型も女が羨むような感じなのに

「オレみたいなもんに
なりたいだなんて…なーに考えてんだか」

第一体が変わっても
その後の生活に戸籍変更や
なんやかんやで支障が出るだろ…

呆れているうちに
マジシャンは次のステップへと
段取りを進めた

カーテンのついた
輪っかを持ってくると
女性の足元にくぐらせ
一先ず置く


〈ではこの輪を頭まであげた
その時…あなたの理想は叶います〉

マジシャン菊田は
助手とともにフラフープほどの大きさの
輪っかを思いっきり上げ
女性の姿はカーテンで隠れた

「おっ…やっとマジック披露に入ったな」

客席の人間たちは
皆集中してその一点を見る

もちろん
テレビの前のオレも

〈では私が3つ数えた後
彼女の姿は
変わります…


一、二


…三!〉

その瞬間
視界がぼやけた



「うっ…⁉」

オレは目をこする

何だ…?

再びテレビに注目すると
cmが流れていた

…cmか

「ふぅ…んふ♡
気の…せい?♡♡♡」

だが安心して
肩を落としたその瞬間
肉が波打つような感覚を覚えた

「…え?」

ふと、身体を見下ろすと
胸元に
肥大化しきった乳房が
腹の上に乗っかっていた

尻も脂肪で包まれ
面積が大きくなっている


「なっ何だよこれ…⁉」

慌てて動こうとすると
これまた肥大化した巨尻とともに
再び乳房が揺れる

「ひいぃっ⁉」

オレは怯えた
見れば身体だけじゃなく
服装も女性用の下着をつけていて
髪も長い…

股間を確認すると
股の間には何もなかった

「何で…なんで♡
オチンチンが…ないのぉ♡///」


それだけじゃない
部屋もオレの家とは違い
広い寝室になっていた

その時
cmからスタジオへと
画面が切り替わり
マジシャン菊田の顔がアップで映る

場面は
cm前のカウントから始まり
カーテンが降ろされる


そこには先程の女性はおらず
青年が立っていた


はぁ…⁉

〈どうです…?新しい自分は〉

マジシャン菊田に聞かれ
青年は両手を
頬に当て
女性のような仕草を見せる

〈すごい!本当にこれが私なの⁉
信じられません!〉


確かに少し…ほんの少しだけ
女性の面影を顔に残しているような

オレはテレビの画面にも
違和感に気づいた

というよりも
この人の着てる服…

さっきまでオレが来てた服と同じだ…

さらなる追い打ちをかけるように
テレビには画面下の右端に
彼女の変貌の様を
表す新しいプロフィールが表示された

【性別・男】

【年齢・24歳】

…身長170cm
体重48kg
住所
〇〇県〇〇…市
在住…みやこだ ハヤト⁉

そのプロフィールは
オレの個人情報そのものだった


ここでオレはようやく
オレと女性の立場が逆転したことに
気がついた

〈では皆さん…また来週♪〉

おっおい!ちょっと待て!

オレの声が届くわけもなく
その15分番組は
終了した

「そん…なぁ♡///」

甘い吐息を包まれた声で
肩を落とす

現実を突きつけるように
動きに合わせて乳房が揺れた

こんな身体で
どう生きてけっていうんだよ…!

頭を抱えていると
突然部屋のドアが開いた

だっ…誰?

ドアの前には
結構年上の中年男が
上半身裸の
腰にバスタオルを巻いた姿で
立っていた

オレが固まっていると
おっさんは
身体を寄り添わせてきた

「何か面白い番組でも
やってたか…♡」

「いっいや…♡
そのぉ♡」

距離を近づけられ
オレの鼓動は早くなる

なっ何だろ…♡
なんでオレ
おっさんなんかにドキドキしてんだ?

取り乱すものかと
オレは理性を保とうとする

「いやいや…♡オレぇ…は
おっさんのこと…なんか♡知らない…し♡」

「おっさんねぇ…ふーん
今日はTSごっこ遊びでも
したいんだな♡よし…わかったよ♡
付き合おう…」

おっさんに頭を撫でられるうちに
オレの意識は
高まってく体の熱に引っ張られる

んん♡あたま…
撫でてもらえて…気持ちいぃ♡

「さぁ…一人で慣らしてごらん」

おっさんに答えるように
オレは性行為をするための準備を始めた

「あん…♡ひゃあっ…んんっ♡///」


一生懸命自分のおまんこを
指で掻き混ぜ
おっさんの前で自慰行為をする

「んっ♡おまんこぉ♡
おまんこ…♡気持ちいぃよぉ♡///」

「今日は
いつもよりも初々しいな…
かわいいぞ…ナルミ♡」

かわいい…可愛いって♡
言われちゃったぁ…♡

褒められオレの気持ちは高ぶる

「あぁん♡
おじ…さぁん…♡おじ…さぁん♡」


「名前呼ぶ…とぉ♡
もっと気もちいぃのぉ…♡」

「さぁおいで…ナルミ♡」

全裸でベッドに座る
おじさんに両手を広げられる

その中心には
おじさんの太くて大きいペニスが
そびえ立っていた…

おじさんのオチンチン…♡

メスとしての本能が反応し
そのまま火照る身体を
おじさんに受け止めてもらった

ベッドは
一人のときよりも激しく
きしみ揺れ続ける

「あんっ…♡おじさぁ…ん♡
おじさ…ぁん♡好きぃ♡好きぃ♡///」

涙粒を落としながら
快楽に微笑む

「ああ…オレも愛してるよ
ナルミ♡」

男らしいゴツい大きな手で
おっぱいを優しく揉まれる

おっおっぱいぃ…♡
揉まれた…らぁ♡
おまんこ…もっとぉ
切なくなっちゃうぅ♡♡♡


オチンチンを締め付けると
おっさんも嬉しそうに
オレに顔を近づけた

「お前は本当に
いやらしいメスで
可愛いよ…♡」

そして二人で唇を重ね
舌を絡めさせた…

底のない快楽を持つ身体で
記憶を蝕まれていくのを
見届けながら
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