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人員維持リストラコース

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このご時世
クビにできるなんて
早々めったに無い

しかし時代は変わり
今や簡単なものは

機械、aiが人の代わりに
仕事を行うようになった

そしたらその分野に勤める
人間は…


いるのだろうか?



出世コースという言葉があるが

この世界には
人員維持のリストラコースという
ものも存在していた…


人員維持である限り
クビにはならない…

だが会社をやめない代わり
身体が機械へと
変わり一生、人を辞めることになる


人間だったことも忘れ
同等であったはずの
人間のためにひたすら働き続けるのだ

その働きが報われたら…また
人に戻れる「出世コース」にでも
乗れるんじゃないだろうか?


数ヶ月前…のこと
オレも人間だった


だが
バカッターなことをやったせいで
同僚のヨーコちゃんとともに
使える会社の備品の電話にされてしまった


2つの電話機を前に
大曽根編集長が
ニヤリとほほえみオレを手に取る


「本当に残念だよw
ヨーコちゃん

こんな電話機の姿になっちゃってww♡

私の奥さんになってくれていれば
電話になること無かったのにねぇ♡」

どうやらオレとヨーコちゃんを
取り間違えているようだ

気持ち悪ぃ…そういやぁ編集長って
バカッターやる前から
ヨーコちゃんにセクハラしてたよな…


頬擦りする編集長に身の毛もよだつが
すり替わったまま
編集長の席へとオレは置かれた


おいおい…マジかよ
それじゃオレはヨーコちゃんの代わりに
この先ずっとセクハラされ続けるのか…?


予想通り
次の日、定時を過ぎ
誰もすっかり居なくなった
夜のオフィスで編集長は
オレを愛撫でしてきた

「二人っきりになれたねヨーコちゃん♡」

ズボンのチャックを下ろした


嘘だろ…まさか


不穏な何かに察した頃には
もう遅く編集長は
オレ(電話機)に自身のペニスを擦りつけ
自慰行為を始めだしたのだ


「はぁ…はぁ♡ヨーコちゃん♡」


うう…イヤダイヤダ嫌だ!
やめてくれ!

我慢できないでいたオレは
身体を縮ませる

しかしその時
編集長が触れても居ないのに
番号のボタンが
勝手に打たれた

『7…』

もっもしかして
身体を縮ませたら
鳴らせるのか⁉


咄嗟に身体の番号のボタンを
自分の意志で打ち出した

今は警察なんて呼べないし
編集長と直接会話をするしか無い…

カチ…カチ

『8(ヤ)、7777(メ)4444(テ)』



誰も居ないのに
番号が打たれると流石に気づく


「ん…?877774444」


編集長は
電話機のボタンの隣に記載された
カタカナを照らし合わせる

「…やめて


っ⁉」


驚いたように
編集長は後退りをした


よしよし…通じたみたいだな


しかし編集長は
再びオレを
抱きしめた


ひぃっ⁉


「嬉しいよぉ…!
まさか電話になっても
ヨーコちゃんとお話ができるなんて♡」

オレはより一層
編集長の勘違いを深めさせてしまった…


この件以来
編集長はオレに対しての
執着が増した



もう嫌だ
こんなうるさいおっさんの
隣で一日中居るのは!

そう思っているのも
間もなく
今日も一日は終わる

誰も居なくなった
社内の中
オレとヨーコちゃんだけが
ぽつんと各自の机に置かれていた


向こうはどうしてるんだろ
…二人一緒にいるのに
声も掛けられないんじゃ
一人で会社にいるのと同じだ…


ぼーっと知っていると
編集長の顔が思い浮かぶ

「…寂しい」

あんなおっさんでも
居ないより居たほうがマシだったのかもな



一から真面目にやり直すから…
もうこんな生活やめさせてくれ…!


その時
ふと、脳裏に編集長の言葉が蘇った

「私の奥さんになってくれていれば
電話になること無かったのにねぇ♡」


…良いこと思いついたぞ

一言訂正、真面目になるのは
人間に戻った後にしよう

そして次の日の早朝
いち早く出勤した編集長に
すぐさまオレはメッセージを送った

『0(ワ)、4(タ)、33(シ)、
44444(ト)、2222(ケ)、444(ツ)
22222(コ)、000(ン)、33(シ)、4444(テ)』


読み解いた編集長の顔は
一気に晴れ晴れとしたものに変わった

「ホント⁉本当に私と結婚してくれるのか⁉///」


『6(ハ)、11(イ)』


編集長は感激し
オレを持ち上げ強く抱きしめた


「わかった結婚しよう♡」

ここまで喜ばれると
少々罪悪感があるな…でも仕方ない

これも元の人間に戻るためなんだ


そして夜になり
戻るときがやってきた

編集長はオレをそっと
椅子の上に置く

「さぁ…今から
その体を
人間の女性に戻すからね♡」


その言葉にオレは
終始戸惑った


…え?人間の…「女性」?


上機嫌の編集長が見守る中
身体が光りだし
曲がって折りたたまれるように
硬直していた
手足は伸び開放される


ん…
これで電話機じゃなくなる…


ほっと胸をなでおろすが
安心したのもつかの間
変身は解けたはずなのに
突然身体が熱くなった


「んくぅ…♡///」


同時に股間が溶けていく

なぁに♡これぇ…♡


完全に股の間のものは
身体の中へと収まり
オレを息苦しさが襲った


「はぁん♡…うふぅ♡///」


胸…くるしぃ♡


必死に抑え込むが
服がきしみを上げ
乳房が形成されていく

これってぇ女の子の…♡///

骨盤も広がり
脂肪が蓄積されて
肥大化した乳房と尻が
肌を露わに
ど~んと突き出した


「んふっ!♡///」


バランスを崩し
椅子の上へと越しかけた


「ふぅ♡…んふぅ♡///」

何で…ぇ♡オレ、女の子に
なっちゃったんだろぅ♡


翌々考えてみると
電話にもなってしまうわけだから
…性別が女になってもおかしくないか…



胸と尻の脂肪に埋もれていると
編集長がオレを見下ろした

「…君はヨーコくんじゃなくて
望月くんじゃないか…」


まずい状況だ…
性別だけ変わってもオレは
ヨーコちゃんじゃないオレのままだから
人間戻ればバレるのは当たり前


また…機械に変えられるかもしれない


不安そうに見つめていると
編集長は
顔を赤く染め微笑んだ

「…君が此処まで私のことを
想っていてくれたとは思わなかったよ♡

おかげで心変わりしたよ…望月くん♡///

ところで今朝の話…受け取って良いんだよね?」


「けっ今朝ぁ…?♡///」

蕩けた思考の中
一生懸命思い出そうとするが
身体に頭が引っ張られる




すると編集長は
そっとオレに口づけをした

「ひゃん…♡」

ひんやりと当たる
編集長の唇に思考は完全に持ってかれた

きすぅ…されちゃったぁ♡///

顔を赤らめていると
編集長は笑った

「これで寿退社だね♡
望月くん♡」

そうして成り行きで
オレは社内恋愛として
編集長のところに嫁いでいった


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