それは、恋でした。

むう

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臨時マネージャー?

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side沙奈



「じゃ、今日はここまでにしとこうか」

「なんかすいません…なかなかテーピングのコツを掴めなくて…」

「いいって!あたしだって最初はそうだったから(笑)」



やっぱり、いい人だ…



お兄ちゃんたちも練習を終えて部室に向かっている所だった。



「皆お疲れー」

「おー。めっちゃ、くたくたなんだけど!渡邊、俺を癒して?笑」



部員の1人が渡邊先輩に言う。


やっぱり男の人にも人気があるのか。

それもそうだよね。




一緒にいるだけで癒されるし、綺麗だし―



「ばぁか(笑)早く着替えてきなよ」


「イケずー・・・あ、沙奈ちゃんもお疲れー」

「あ、お疲れ様です!」



あたしは少し勘違いをしていたのかもしれない。



元々男の人と話す事は苦手で、チャラチャラした人とか怖いイメージがあったし、以ての外だって思っていた。


でも、こうやって少し話しをしてみると、あたしの考えていた人とは全く違った。



もっと先輩たちと話せるように頑張らなきゃ…!!




「あ、沙奈ー!!一緒に帰ろー!!」


「うん!」




大きい声であたしを呼ぶお兄ちゃん。


あたしは急いで部室の近くに置いてあった自分のバッグを渡邊先輩と取りに行く。

10分くらい待っていると先に出てきたのはお兄ちゃんだった。



「待たせたー!!」


「ちょ、もう夜だよ!静かにしないと近所迷惑っ・・・」

「だよな。もっと言ってやって(笑)」




とっ、悼矢さん。




―ドキ・・・―





「まぁまぁ、それが裕大の取り柄なんだから、それを注意しちゃ何も残らないって笑」


「それもそうか(笑)」


渡邊先輩と悼矢さんが笑いながら言う。


「お前ら最悪!沙奈の俺へのイメージが半減するから近寄るな!沙奈、帰ろう」



プンプン怒りながらあたしの手を引っ張るお兄ちゃん。




「悪かったって(笑)」

「そんなに怒らなくても(笑)」

「付いてくんな!俺は沙奈と2人帰るんだよ」


そういいながらも結局4人で歩きながら帰る。



口では嫌だみたいなこと言っておいて、一緒に帰るのね…



歩いている時、ふと今日の出来事を振り返る。

今日、あんだけ教えてもらったのにテーピング上手く巻けなかったんだよね。

家で練習しないといざって時に大変―



「ねぇねぇ」


お兄ちゃんのワイシャツを引っ張る。


「どうした?」

「あたしちょっと本屋さん寄りたい」

「本屋?別にいいけど、参考書か何か?お前ほんと、努力家だよなぁ」

「参考書ではないけど、そんな感じ。先輩たちも、いいですか?」

「大丈夫。寄ってくか」




先輩たちの了承を得て、あたし達は本屋に向かう。
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