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臨時マネージャー?
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しおりを挟むside沙奈
「ん、今何時だ?」
スマホを取り出して時間を確認する悼矢さん。
悼矢さんのスマホには小さいヒヨコのストラップが付いていた。
「悼矢さんのストラップ可愛いですね」
「あー、これ?前にさ、部活の奴らと一緒にゲーセン行った時とってやつ。俺のスマホ、何もストラップ付いてなかったから付けてみた(笑)」
笑いながらヒヨコのストラップを指で突っつく。
結構気に入ってるのかな?
何だか凄く柔らかい表情してる。
「やべ、もうそろそろ集合時間だ」
長い間話をしているうちに、部活の時間が来ていたみたいだ。
「じゃ、俺そろそろ行くな」
「あのっ、練習頑張ってください!あたしも掃除とか頑張るので!!」
「おう(笑)」
悼矢さんは手をヒラヒラと振りながら部室へと戻っていった。
あたしもその後すぐに図書室から出て合宿所を目指す。
明日からの料理は、今日の夜お兄ちゃんにでも聞いてみようかな?
「ね、悼矢通ったよ!!」
「あ、ほんとだ!!やっぱ、いつみても格好良いよぉ…」
ん?
合宿所に向かっている最中、悼矢さんの話をしている人とすれ違った。
悼矢さん、やっぱりモテるんだ。
「彼女が羨ましいよねぇ。あんなに格好良い人と恋出来てさ」
「だよね。うち等もああいう彼氏欲しいね(笑)」
「それは無理じゃない?レベル高すぎ(笑)」
彼、女―?
悼矢さんに彼女がいる、の…?
―ズキッ―
いやいやっ、本人が言ってるわけじゃないし。
―でもあたし、悼矢さんに彼女がいるって今聞いた時、何考えた?
がっかりしたような、心が酷く苦しくなったというか…
な、何かの間違いだよね?
あたし別に、悼矢さんの事別好きじゃないし…
ただ、少しだけ気になっちゃっただけだよ。
今は胸の痛みも感じなくなったし、気のせい、気のせい。
それでもあたしは、何故か心が沈んでいた。
「あ、沙奈ちゃんこんな所にいた!」
後ろから渡邊先輩の声が聞こえてあたしは振り向く。
「もぉ、早く掃除しないと今日中に終わらないよ!?」
「す、すいません!今行きます!!」
あたしは走って渡邊先輩の所に行く。
「急ごう!先生も待ってるだろうから」
「はい!」
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