それは、恋でした。

むう

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夏合宿

2-9

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***


部屋に戻って着替えを持って入浴場に向かう。



「これぜってー日焼けしてる!ぜってー染みる!」

「確かになー、この1週間で真っ黒に焼けるだろうな笑」



ワイワイと話しながら全員風呂に入っていく。


裕大は飛び込むように風呂に入ってはしゃいでいる。


あいつ、何したいんだよ…



「おい!鼻に水は入っただろ!?」


准が裕大の頭を勢いよく叩く。



「あで!!悪かったってー!!」

「お前、謝る気ないだろ!?」

「あるあるー!ごめーん!!」

「心が籠ってねぇっ」



全く謝っている感じを見せない裕大に呆れてものを言えない准。


夏合宿や、冬合宿の時に必ずやってくる風呂の時間と寝る時間は、何故かサッカー部部員で何かしらの話題で盛り上がる。


そのせいで疲れも何も取れないけど、部員との仲を一層深まる。


こいつはこういう性格だと改めて確認出来るし。



そういう場もなかなかいいものだと思う。

汗を流して入浴場から出て部屋に戻っている時に、キッチンから渡邊が顔を出した。




「丁度良かった!もうご飯出来たからすぐ食堂来てね!」

「いえーい!!飯、飯ー!!」



ドタバタと廊下を走って荷物を置いて食堂に向かった。



食堂の中に入ると凄いいい匂いがした。


テーブルには綺麗におかずが並べられている。




「今日の夕飯は酢豚としゃぶしゃぶサラダだよ!」

「うおー!!」

「お代わりあるから、皆沢山食べてね!」



「いっただっきまーす!!」




全員で手を合わせて合唱をしてから一斉に箸を持って食い始める。


去年とは大違いで、裕大が言ったように滅茶苦茶上手かった。



「この酢豚、渡邊が作ったのー!?」


俺の隣にいた奴が渡邊に聞く。


渡邊は一度言葉に詰まっていたけが笑顔でうんと答えていた。




ーん?



さっきまで上手い上手いと言っていた裕大の声が聞こえなくなって俺は裕大の方を見る。


裕大の顔は普通に見えたけど、怒っているような感じだった。




「ゆ・・・「沙奈ー!!お代わり!!」




食べ終わった茶碗を置いて、沙奈ちゃんを呼ぶ。


声もさっきとは違かった。



「裕大、ご飯のお代わりだったらあたしがやるよ?沙奈ちゃんまだキッチンにいるし…」

「俺は、沙奈呼んでんの」


「でも、」


「分かった。もう自分で行くわ。・・・沙奈ー!」




裕大は立ち上がって、沙奈ちゃんがいるキッチンへと姿を消す。


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