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夏合宿
2-24
しおりを挟む弘樹先輩は軽く走ってみたり、飛んでみたりしている。
この調子だと痛みもそんなに感じないみたいー
弘樹先輩のその姿を見て、あたしは一安心する。
「沙奈ちゃん、ありがとな!助かったよ!」
「いえ!後半も頑張ってください!」
「あぁ!」
笑顔でピッチの中に入っていく弘樹先輩。
あたしも頑張らなきゃ・・・!
後半戦。
先取点を取られてしまったあたし達高校は、焦りを感じ始めていた。
このままじゃ負けちゃう・・・
「右サイドが空いてるぞ!!」
MFである悼矢さんが右サイドに居るお兄ちゃんにロングパスを出す。
お兄ちゃんは疲れを見せないような走りでボールと取り、相手ゴールに向かっていく。
あたしの手は汗でぐっしょりしている。
ゴールキーパーと1対1になった時、スローモーションでその瞬間をみているようだった。
相手の予想をはるかに超えるテクニックでゴールキーパーを交わしてシュートをする。
―ピー!!―
「裕大!!」
見事、お兄ちゃんのシュートは敵陣のゴールを破った。
最初に駆け寄ってきたのはパスをした悼矢さん。
あたしの隣に居た渡邊先輩も、監督も大喜びをしていた。
結局、試合の結果は引き分けとなってしまったけれど、この引き分けはあたし達にとっては強豪相手に勝ちとったようなものだった。
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