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プロローグ
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世界はのどかで、そして間抜けだ。
アウトレットモールには大勢の人々が訪れ、昼間から今日の夕飯の事や、明日の予定のことなどを考えている。
皆様の豊かな生活と安全を。どこの誰が言い出したのか分からない、間抜けなキャッチフレーズが全く持って当てはまる。本当にこの世界はその通りだ。
あの子供を見てみろ、両親に手を繋いで一緒に歩いて、楽しそうだ、父親らしき男は可愛くラッピングされた箱を持っている。子供のプレゼントだろうか? グッド
この世界は、誰もが羨むほど美麗だ。
あそこの老夫婦だって、幸せそうに買い物をしている。心配や悩みなんてないんだろうな。グッド
この世界は、どこまでも幸福だ。
あの男は拗ねてしまった、女性の機嫌が直るように必死にプレゼントしている。恋人同士だろうか? グッド。
この世界は愛に満ち溢れている。
見ておけ、泣き叫ぶ夫の姿を。焼けた妻を抱えて嘆きながら、自分の背も燃えている様子を。
世界は、憎たらしいほどに平等だ。
目に焼き付けろ、飛散した欠片をかき集める兄の手を。妹の肉片は、いくつか燃え尽きて、ただの小さく黒い消し炭になっている。
世界は、楽しみに溢れている。
脳に叩き込め、生者にすがる火だるまを。助けてもらいたいのに、だれも助けてくれない地獄を。
世界は、完璧だ。
だからスイッチを握り締めて、押すんだ。
押した瞬間、オレンジ色の爆発と灰色の爆風が辺りを襲い。今、この世界にある全てのものを破壊した。
アウトレットモールには大勢の人々が訪れ、昼間から今日の夕飯の事や、明日の予定のことなどを考えている。
皆様の豊かな生活と安全を。どこの誰が言い出したのか分からない、間抜けなキャッチフレーズが全く持って当てはまる。本当にこの世界はその通りだ。
あの子供を見てみろ、両親に手を繋いで一緒に歩いて、楽しそうだ、父親らしき男は可愛くラッピングされた箱を持っている。子供のプレゼントだろうか? グッド
この世界は、誰もが羨むほど美麗だ。
あそこの老夫婦だって、幸せそうに買い物をしている。心配や悩みなんてないんだろうな。グッド
この世界は、どこまでも幸福だ。
あの男は拗ねてしまった、女性の機嫌が直るように必死にプレゼントしている。恋人同士だろうか? グッド。
この世界は愛に満ち溢れている。
見ておけ、泣き叫ぶ夫の姿を。焼けた妻を抱えて嘆きながら、自分の背も燃えている様子を。
世界は、憎たらしいほどに平等だ。
目に焼き付けろ、飛散した欠片をかき集める兄の手を。妹の肉片は、いくつか燃え尽きて、ただの小さく黒い消し炭になっている。
世界は、楽しみに溢れている。
脳に叩き込め、生者にすがる火だるまを。助けてもらいたいのに、だれも助けてくれない地獄を。
世界は、完璧だ。
だからスイッチを握り締めて、押すんだ。
押した瞬間、オレンジ色の爆発と灰色の爆風が辺りを襲い。今、この世界にある全てのものを破壊した。
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