口が悪くてスミマセン。

秋の桜海祭編

体育祭ー百メートル走②

最後のレースにはみんなの期待が乗っている。






もちろん、この後も十分に逆転できるレベルの配点ではあるのだが、一発目の大勝負は取っておきたい。








だからみんな勝って欲しいと願っている。










そして、夏のビーチフラッグスの決勝の時のように、他のメンバーも油断できないレベルのメンツが揃っている。







きっとギリギリの競り合いが繰り広げられるだろう。











「位置について、よーい……。」







……………松白君頑張って。








『パンッ』









そのスターターピストルの音と共にみんな走り出す。







「はやっ！」






隣にいた吹雪が思わず声をもらす。








さっきまでのレースとは比べられないぐらいのレベルの高い勝負だ。







「松白君頑張って！」






届くかは分からない。







私は声を上げて応援する。











「……………！」







みんな速いが、その中でも松白君と勢也君が一気にトップに躍おどり出る。












そして、ゴール直前…………。








松白君が勢也君に差をつけゴールした。










「………………。」






会場はそのレベルの高さに唖然あぜんとしている。









そして……………。







「「いいぞー！まつしろー！」」







「「松白君かっこいいー。」」







会場中から大歓声が沸く。












ふぅ……………。






私はホッとした。







(……良かった、まずは一勝。)












「さくら、嬉しそうだね。」







「良かったですね、さくらさん。」







横にいた吹雪と星宮ちゃんが私を見て、ニヤニヤとしている。








「だってクラスの友達が勝ってくれたら二人共嬉しいでしょ？」






そう言った私の言葉に対して二人の反応が悪い。








何か間違えたことを言ったのだろうか？









「ふふふ、まぁいっか。じゃあ私行ってくるね。」






吹雪はそう言うと召集場所へと向かった。